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欠
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か
ふりがな文庫
“
欠
(
か
)” の例文
旧字:
缺
「あの
面
(
つら
)
に、げんこつをくらわせることはなんでもない。だが、
己
(
おれ
)
が、
腕
(
うで
)
に
力
(
ちから
)
をいれて
打
(
う
)
ったら、あの
顔
(
かお
)
が
欠
(
か
)
けてしまいはせぬか?」
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
上窄
(
うえすぼま
)
りになった
桶
(
おけ
)
の
井筒
(
いづつ
)
、鉄の
車
(
くるま
)
は少し
欠
(
か
)
けてよく綱がはずれ、
釣瓶
(
つるべ
)
は一方しか無いので、
釣瓶縄
(
つるべなわ
)
の一端を屋根の柱に
結
(
ゆ
)
わえてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
つまり、
翼
(
よく
)
が破れているとか、プロペラの
端
(
はし
)
が
欠
(
か
)
けているとか、座席の下に穴が明いとるとか、そういうボロ飛行機でよいのじゃ。
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「聖者たるは異例なり、正しき人たるは常則なり。道に迷い、務めを
欠
(
か
)
き、罪を犯すことはありとも、しかも常に正しき人たれ。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
空
(
そら
)
にある
月
(
つき
)
が
満
(
み
)
ちたり
欠
(
か
)
けたりする
度
(
たび
)
に、それと
呼吸
(
こきゅう
)
を
合
(
あ
)
わせるような、
奇蹟
(
きせき
)
でない
奇蹟
(
きせき
)
は、まだ
袖子
(
そでこ
)
にはよく
呑
(
の
)
みこめなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
溢れ出したものは遅く上って来た半
欠
(
か
)
けの月と零下二十度近い、霜の氷り付いた黒土原の上に、眼も遥かに投出されたままになっている。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
内匠頭
(
たくみのかみ
)
の
従兄弟
(
いとこ
)
が美濃大垣の城主にあたるから、それか、芸州藩か、さもなければ、勅使に礼を
欠
(
か
)
いた件で、京都へのぼる公儀の急使か。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
巨礫
(
きょれき
)
がごろごろしている。一つ
欠
(
か
)
いて見せるかな。うまくいった。パチンといった。〔これは
安山岩
(
あんざんがん
)
です。
上流
(
かみ
)
の方から
流
(
なが
)
れてきたのです。〕
台川
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
『ほんとに、さうでしたねえ』と
誰
(
だれ
)
か
合槌
(
あひづち
)
を
打
(
うつ
)
て
呉
(
く
)
れた、と
思
(
おも
)
ふと
大違
(
おほちがひ
)
の
眞中
(
まんなか
)
。
義母
(
おつかさん
)
は
今
(
いま
)
しも
下
(
した
)
を
向
(
むい
)
て
蒲鉾
(
かまぼこ
)
を
食
(
く
)
ひ
欠
(
か
)
いで
居
(
を
)
らるゝ
所
(
ところ
)
であつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
服飾
(
ふくしよく
)
の事は前回にて
記
(
しる
)
し
終
(
おは
)
りたれば是より飮食の事を記すべし先づ
飮
(
の
)
み物には如何なる
種類
(
しゆるゐ
)
有りしかと云ふに、
人生
(
じんせい
)
欠
(
か
)
く可からざる水は
勿論
(
もちろん
)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
愛
(
あい
)
してだいじにするのか、運動の
習慣
(
しゅうかん
)
でだいじにするのか、いささか
分明
(
ぶんめい
)
を
欠
(
か
)
くのだが、とにかく牛をだいじにすることはひととおりでない。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
嫂
(
あによめ
)
でも、誠太郎でも、縫子でも、
兄
(
あに
)
が
終日
(
しうじつ
)
宅
(
うち
)
に居て、三度の食事を家族と共に
欠
(
か
)
かさず
食
(
く
)
ふと、却つて
珍
(
めづ
)
らしがる位である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただ母と弟にはまだ
内証
(
ないしょう
)
にしてあった。もう一人この
席
(
せき
)
にだいじな人が
欠
(
か
)
けていた。それはあの気のどくなヴィタリス親方。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
中にも矢毒は原始人類にとりて必要
欠
(
か
)
くべからざるものであり、又人間を毒殺するてふことの
濫觴
(
らんしやう
)
とも見られぬでもない。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
しかしその宇宙を一っ
欠
(
か
)
けのビスケットと見るような、より大きな世界が、無いとは断言出来ないことではありませんか。
宇宙爆撃
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
半時間毎
(
はんじかんごと
)
位
(
くらい
)
に
彼
(
かれ
)
は
書物
(
しょもつ
)
から
眼
(
め
)
を
離
(
はな
)
さずに、ウォッカを一
杯
(
ぱい
)
注
(
つ
)
いでは
呑乾
(
のみほ
)
し、そうして
矢張
(
やはり
)
見
(
み
)
ずに
胡瓜
(
きゅうり
)
を
手探
(
てさぐり
)
で
食
(
く
)
い
欠
(
か
)
ぐ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「スポーツマンシップに
欠
(
か
)
けるようですが、お考えどおり、ガラスの
破片
(
はへん
)
をよういさせましょう。目に見えない
怪物
(
かいぶつ
)
に、あばれられては
大変
(
たいへん
)
ですからな」
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
まして
当人
(
とうにん
)
はよほど
有難
(
ありがた
)
かったらしく、
早速
(
さっそく
)
さまざまのお
供物
(
くもつ
)
を
携
(
たずさ
)
えてお
礼
(
れい
)
にまいったばかりでなく、その
後
(
ご
)
も
終生
(
しゅうせい
)
私
(
わたくし
)
の
許
(
もと
)
へ
参拝
(
さんぱい
)
を
欠
(
か
)
かさないのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
状使のこれは
極
(
きは
)
めて急なれば、車に乗りて
行
(
ゆ
)
けと
命
(
めい
)
ぜられたる
抱車夫
(
かゝへしやふ
)
の、
御用
(
ごよう
)
となれば
精限
(
せいかぎ
)
り
駈
(
か
)
けて
駈
(
か
)
けて
必
(
かなら
)
ずお
間
(
ま
)
は
欠
(
か
)
かざるべし、されど車に乗ると
云
(
い
)
ふは
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
文久三年に生れたのが
一太郎
(
いちたろう
)
、その次は
捨次郎
(
すてじろう
)
と、次第に誕生して四男五女、合して九人の子供になり、
幸
(
さいわい
)
にして九人とも生れたまゝ皆無事で一人も
欠
(
か
)
けない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
帳付け お松どんそんなことを当人の前でいうじゃないぜ、頭を半分ブッ
欠
(
か
)
かれるか知れないからなあ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
「それもそうだが、はじめに黒の一石をわが
有
(
ゆう
)
にしたそっちの石も、つまり見事な男ぶり……いやなに、石振りではないはずだぞ。
虧
(
か
)
けとる、ハッハッハ右が
欠
(
か
)
ける」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
伊弉諾神
(
いざなぎのかみ
)
はしまいには、もう待ちどおしくてたまらなくなって、とうとう、左のびんのくしをおぬきになり、その
片
(
かた
)
はしの、
大歯
(
おおは
)
を一本
欠
(
か
)
き取って、それへ火をともして
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
よく
見
(
み
)
ると
目
(
め
)
の一つしかないのや、口のまるでないのや、
鼻
(
はな
)
の
欠
(
か
)
けたのや、それはそれは
何
(
なん
)
ともいえない
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
い
顔
(
かお
)
をした、いろいろな
化
(
ば
)
け
物
(
もの
)
が
押
(
お
)
しくらをしておりました。
瘤とり
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その石も巨大なるブッ
欠
(
か
)
きや、角の取れない切石や、石炭のかすのような「つぶて」で、一個一個としては、
咸陽宮
(
かんようきゅう
)
の瓦一枚にすら
如
(
し
)
かないものであるが、これが
渾然
(
こんぜん
)
として
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
つひ
一晩
(
ひとばん
)
も
欠
(
か
)
かさねえで、
四手場
(
よつでば
)
も
此
(
こ
)
の
爺
(
ぢい
)
も、
岸
(
きし
)
に
居着
(
ゐつ
)
きの
巌
(
いは
)
のやうだ——
扨
(
さて
)
気
(
き
)
が
着
(
つ
)
けばひよんな
事
(
こと
)
、
沼
(
ぬま
)
の
主
(
ぬし
)
に
魅入
(
みい
)
られた、
何
(
なに
)
か
前世
(
ぜんせ
)
の
約束
(
やくそく
)
で、
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
の
番人
(
ばんにん
)
に
成
(
な
)
つたゞかな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日ごろこれらの修養を
欠
(
か
)
く人が、ある一事にかかることを為すと、自分はともかく、他人に大なる迷惑をかけ、しかしてかえって悪事を為すことを
奨励
(
しょうれい
)
するに傾きがちである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
路傍
(
ろぼう
)
の淫祠に祈願を
籠
(
こ
)
め
欠
(
か
)
けたお地蔵様の
頸
(
くび
)
に
涎掛
(
よだれかけ
)
をかけてあげる人たちは娘を芸者に売るかも知れぬ。義賊になるかも知れぬ。
無尽
(
むじん
)
や
富籤
(
とみくじ
)
の
僥倖
(
ぎょうこう
)
のみを夢見ているかも知れぬ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
欠
(
か
)
け
茶碗
(
ぢゃわん
)
、それら廃品がむなしく河原に山と積まれ、心得顔した婆がよちよち河原へ降りて来て、わしはいつぞやこの辺に、かんざしを一つ落したが、それはまだ出て来ませんか
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
月の
盈
(
み
)
ち
欠
(
か
)
けを目標とした太陰暦の時代には、朔日くらい目に立たぬものはなかったろう。よほどそのつもりで気をつけておらぬと、今日から月がかわるということを知らずにいる。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
今日までの日本文化においてこの科学的思想を
欠
(
か
)
いていたのは、一に従来の環境によるのであると解したところで、さて環境の変化が民族思想に具体的な影響を持来さしめるまでには
日本文化と科学的思想
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
ところどころ、川べりの方の
家並
(
やな
)
みが
欠
(
か
)
けて
片側町
(
かたがわまち
)
になっているけれど、大部分は水の眺めを
塞
(
ふさ
)
いで、黒い
煤
(
すす
)
けた
格子
(
こうし
)
造りの、
天井裏
(
てんじょううら
)
のような低い二階のある家が両側に
詰
(
つ
)
まっている。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
和田先生は持
點
(
てん
)
八十
點
(
てん
)
だが、五十前後の年
輩
(
はい
)
の方には
珍
(
めづら
)
しい
奇麗
(
きれい
)
な、こまかな
突
(
つ
)
き
振
(
ふ
)
りをされる。しかも、やや
淫
(
いん
)
するといへるほどの
熱
(
ねつ
)
心家で、
連夜
(
れんや
)
殆
(
ほとん
)
ど出
席
(
せき
)
を
欠
(
か
)
かされた事がなかつた。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
少
(
すこ
)
し
御新造
(
ごしんぞ
)
は
機嫌
(
きげん
)
かいなれど、
目色
(
めいろ
)
顏色
(
かほいろ
)
を
呑
(
の
)
みこんで
仕舞
(
しま
)
へば
大
(
たい
)
した
事
(
こと
)
もなく、
結句
(
けつく
)
おだてに
乘
(
の
)
る
質
(
たち
)
なれば、
御前
(
おまへ
)
の
出樣
(
でやう
)
一つで
半襟
(
はんゑり
)
半
(
はん
)
がけ
前垂
(
まへだれ
)
の
紐
(
ひも
)
にも
事
(
こと
)
は
欠
(
か
)
くまじ、
御身代
(
ごしんだい
)
は
町内
(
てうない
)
第
(
だい
)
一にて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「蕃人を女房にもっているばかりに、世間の義理まで
欠
(
か
)
かなくちゃならん」
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
七
軒
(
けん
)
長屋
(
ながや
)
のまん
中
(
なか
)
は
縁起
(
えんぎ
)
がよくないという、
人
(
ひと
)
のいやがるそんまん
中
(
なか
)
へ、
所帯道具
(
しょたいどうぐ
)
といえば、
土竈
(
どがま
)
と七
輪
(
りん
)
と、
箸
(
はし
)
と
茶碗
(
ちゃわん
)
に
鍋
(
なべ
)
が一つ、
膳
(
ぜん
)
は
師匠
(
ししょう
)
の
春信
(
はるのぶ
)
から、
縁
(
ふち
)
の
欠
(
か
)
けた
根
(
ね
)
ごろの
猫脚
(
ねこあし
)
をもらったのが
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
其処
(
そこ
)
には、自分の趣味なんぞ半
欠
(
か
)
けらもなかった。
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
男
(
おとこ
)
は、
家
(
いえ
)
に
帰
(
かえ
)
り、
今度
(
こんど
)
は、
失敗
(
しっぱい
)
をしないつもりで、
手
(
て
)
の
欠
(
か
)
けた
仏像
(
ぶつぞう
)
をふろしきに
包
(
つつ
)
んで、
村
(
むら
)
の
金持
(
かねも
)
ちのところへ
持
(
も
)
って
出
(
で
)
かけました。
天下一品
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人間を傷つけるに
兇器
(
きょうき
)
にこと
欠
(
か
)
いたのかはしらぬが、歯をもって
咬
(
か
)
み殺すとは何ごとであるか。まるで
獣
(
けもの
)
のような殺し方である。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
空
(
くう
)
をつかんで、楊志は
起
(
た
)
ったが、とたんに、どたと仆れてしまった。
昏々
(
こんこん
)
として、それ以後は意識の
欠
(
か
)
けらも彼になかった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
霜を含んだ
夜気
(
やき
)
は池の水の様に
凝
(
こ
)
って、上半部を
蝕
(
く
)
い
欠
(
か
)
いた様な
片破
(
かたわ
)
れ月が、
裸
(
はだか
)
になった雑木の
梢
(
こずえ
)
に蒼白く光って居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
かれらはたいてい指で肉をつかんで食べて、がつがつ食い
欠
(
か
)
いたり、父母の気がつかないようにしゃぶったりした。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
来
(
き
)
た時は、運動しても駄目だから遊んでゐると云ふし、今は新聞に
口
(
くち
)
があるから出様と云ふし、少し要領を
欠
(
か
)
いでゐるが、追窮するのも面倒だと思つて、代助は
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
町
(
まち
)
の
玩具屋
(
おもちゃや
)
から
安物
(
やすもの
)
を
買
(
か
)
って
来
(
き
)
てすぐに
首
(
くび
)
のとれたもの、
顔
(
かお
)
が
汚
(
よご
)
れ
鼻
(
はな
)
が
欠
(
か
)
けするうちにオバケのように
気味悪
(
きみわる
)
くなって
捨
(
す
)
ててしまったもの——
袖子
(
そでこ
)
の
古
(
ふる
)
い
人形
(
にんぎょう
)
にもいろいろあった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ここにおいて男性として
欠
(
か
)
くべからざる要素は事の
本末
(
ほんまつ
)
物の
軽重
(
けいちょう
)
を分別する力である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
總説 石製の
利器
(
りき
)
を見るに、刄の部分
打
(
う
)
ち
欠
(
か
)
きて作られたるものと、研ぎ磨きて作られたるものと、の二類有り。第一類に屬するものを、打製石斧、石槍、石鏃、石錐、石匕、等とす。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
無残
(
むざん
)
や、
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
にも
命
(
いのち
)
を
懸
(
か
)
けて、
漸
(
やつ
)
と
五躰
(
ごたい
)
を
調
(
とゝの
)
へたのが、
指
(
ゆび
)
が
折
(
を
)
れる、
乳首
(
ちくび
)
が
欠
(
か
)
ける、
耳
(
みゝ
)
が
挘
(
も
)
げる、——これは
我
(
わ
)
が
手
(
て
)
に
打砕
(
うちくだ
)
いた、
其
(
そ
)
の
斧
(
をの
)
を
揮
(
ふる
)
つた
時
(
とき
)
、さく/\さゝらに
成
(
な
)
り
行
(
ゆ
)
く
像
(
ざう
)
は
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
年若き教師の、詩読む心にて記憶のページ
翻
(
ひるが
)
えしつつある間に、翁が上にはさらに悲しきこと起こりつ、すでにこの世の人ならざりしなり。かくて教師の詩はその最後の一
節
(
せつ
)
を
欠
(
か
)
きたり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
後
(
のち
)
になぞと
言
(
い
)
はヾ
其
(
その
)
うちに
僕
(
ぼく
)
は
負
(
ま
)
けて、
小刀
(
ないふ
)
を
取
(
と
)
られるから
嫌
(
いや
)
、どうぞ
是非
(
ぜひ
)
今
(
いま
)
直
(
すぐ
)
に
描
(
かき
)
て
呉
(
く
)
れよ、
紙
(
かみ
)
や
筆
(
ふで
)
は
姉樣
(
ねえさま
)
のを
借
(
か
)
りて
來
(
く
)
べし、と
箒木
(
はヽき
)
を
捨
(
す
)
てヽ
欠
(
か
)
け
出
(
だ
)
すに、
先
(
ま
)
づお
待
(
まち
)
なされと
遽
(
あわ
)
たヾしく
止
(
と
)
め
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
廉直
(
れんちょく
)
なる
方針
(
ほうしん
)
を
取
(
と
)
る
地方
(
ちほう
)
の
新聞紙
(
しんぶんし
)
、
芝居
(
しばい
)
、
学校
(
がっこう
)
、
公会演説
(
こうかいえんぜつ
)
、
教育
(
きょういく
)
ある
人間
(
にんげん
)
の
団結
(
だんけつ
)
、これらは
皆
(
みな
)
必要
(
ひつよう
)
欠
(
か
)
ぐ
可
(
べ
)
からざるものである。また
社会
(
しゃかい
)
自
(
みずか
)
ら
悟
(
さと
)
って
驚
(
おどろ
)
くようにしなければならぬとかなどとのことで。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
欠
常用漢字
小4
部首:⽋
4画
“欠”を含む語句
欠点
打欠
欠乏
欠伸
欠陥
欠損
欠勤
大欠伸
欠片
欠所
欠唇
大欠
補欠
喰欠
生欠伸
陥欠
欠落
事欠
欠呻
欠如
...