トップ
>
替
>
か
ふりがな文庫
“
替
(
か
)” の例文
此次
(
このつぎ
)
の
座敷
(
ざしき
)
はきたなくつて
狭
(
せま
)
うございますが、
蒲団
(
ふとん
)
の
皮
(
かは
)
も
取
(
と
)
り
替
(
か
)
へたばかりでまだ
垢
(
あか
)
もたんと
附
(
つ
)
きませんから、
緩
(
ゆつ
)
くりお休みなさいまし
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
このことは後に蓬莱とも竜宮とも名を
替
(
か
)
えた、とこよのくにに就いても言い得る。いわゆる
常世郷
(
とこよのくに
)
の記事はことに『日本紀』の中に多い。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ジナイーダが、わたしたちの一座を、新しい気分のものに切り
替
(
か
)
えたのだ。わたしは
小姓
(
こしょう
)
の役目がら、
彼女
(
かのじょ
)
のそばに席を
占
(
し
)
めた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
と
向
(
むき
)
を
替
(
か
)
へて、
團扇
(
うちは
)
を
提
(
さ
)
げて、すらりと
立
(
た
)
つた。
美人
(
びじん
)
は
庭
(
には
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
く……
横顏
(
よこがほ
)
は
尚
(
な
)
ほ、くつきりと、
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
は
艷増
(
つやま
)
したが、
生憎
(
あいにく
)
草
(
くさ
)
は
暗
(
くら
)
かつた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
替
(
か
)
え立ての
畳
(
たゝみ
)
の
上
(
うへ
)
に、丸い紫檀の
刳抜盆
(
くりぬきぼん
)
が一つ
出
(
で
)
てゐて、
中
(
なか
)
に置いた湯呑には、京都の浅井黙語の模様
画
(
ぐわ
)
が
染
(
そ
)
め
付
(
つ
)
けてあつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
ソコで今度の米国
行
(
こう
)
に
付
(
つい
)
ても、役人が幕府から手当の金を一歩銀で
請取
(
うけと
)
れば、
亜米利加
(
アメリカ
)
に行くときには
之
(
これ
)
を洋銀の
弗
(
ドルラル
)
に
替
(
か
)
えなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
毎年
(
まいねん
)
、
田
(
た
)
の
穫
(
と
)
り
入
(
い
)
れがすむと、やはり
家
(
いへ
)
を
作
(
つく
)
りかへ、
或
(
あるひ
)
は
屋根
(
やね
)
を
葺
(
ふ
)
き
替
(
か
)
へたりして、おなじく、
新室
(
にひむろ
)
のうたげを
行
(
おこな
)
ひました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「まア、心配しなさんな。ところでお内儀さん、お前さんが菓子を
替
(
か
)
へる時は、確かに菓子の上に、赤い飾りの菓子種が載つて居たことでせうね」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
(これにもかぎらずさま/″\の術あり)雁の
居
(
を
)
る処を
替
(
か
)
ふるは
夕暮
(
ゆふぐれ
)
夜半
(
やはん
)
暁
(
あかつき
)
也、人此時をまちて
種々
(
いろ/\
)
の
工
(
たくみ
)
を
尽
(
つく
)
して
捕
(
とら
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
医者の
外
(
ほか
)
には佐助にさえも負傷の状態を示すことを嫌がり
膏薬
(
こうやく
)
や
繃帯
(
ほうたい
)
を取り
替
(
か
)
える時は
皆
(
みな
)
病室を追い立てられた。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
万一、鳳輦の内の君が、
替
(
か
)
え
玉
(
だま
)
でもあっては——とする彼の
周到
(
しゅうとう
)
な注意ぶりの一つがここにもうかがわれていた。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
階川の家には、隆吉と与平の自転車が二台あったのを、与平は自分のを売って金に
替
(
か
)
えて、千穂子に持たせた。
河沙魚
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
又は金錢に
取
(
と
)
り
替
(
か
)
へて渡すことをいふので、手形の書替とは、
切米券
(
きりまいけん
)
を、請取にしてもらふことで、請取手形が渡ると、受取人の名を紙に書いて割竹に挾み
花火と大川端
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
恭助
(
あるじ
)
は
太
(
いた
)
く
疲
(
つか
)
れて
禮服
(
れいふく
)
ぬぎも
敢
(
あ
)
へず
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
るを、あれ
貴郎
(
あなた
)
お
召物
(
めしもの
)
だけはお
替
(
か
)
へ
遊
(
あそ
)
ばせ、
夫
(
そ
)
れではいけませぬと
羽織
(
はをり
)
をぬがせて、
帶
(
おび
)
をも
奧
(
おく
)
さま
手
(
て
)
づから
解
(
と
)
きて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
早附木
(
はやつけぎ
)
というよりもマッチというほうが簡単だからでもあろう。さらばとて単に簡単だという理由で、従来用い来たった
詞
(
ことば
)
なら
早附木
(
はやつけぎ
)
をマッチと
替
(
か
)
えることはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
このごろ
御所
(
ごしょ
)
の
建
(
た
)
て
替
(
か
)
えをやって、
天子
(
てんし
)
さまのお
休
(
やす
)
みになる
御殿
(
ごてん
)
の
柱
(
はしら
)
を
立
(
た
)
てた
時
(
とき
)
に、
大工
(
だいく
)
がそそっかしく、
東北
(
うしとら
)
の
隅
(
すみ
)
の
柱
(
はしら
)
の下に
蛇
(
へび
)
と
蛙
(
かえる
)
を
生
(
い
)
き
埋
(
う
)
めにしてしまったのだ。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
情容赦
(
なさけようしゃ
)
もなく打ちつづけてから(
我慢
(
がまん
)
が出来ますか)と、いって訊いた。男は、顔色も
替
(
か
)
えず(出来ますとも)と、答えると、今度は前よりもほめ感じて、いろいろ
介抱
(
かいほう
)
してくれた。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
またまつは
緑
(
みどり
)
の
針
(
はり
)
を
出
(
だ
)
して
一二年
(
いちにねん
)
も
持
(
も
)
ちこたへた
古
(
ふる
)
い
葉
(
は
)
を
少
(
すこ
)
しづゝ
替
(
か
)
へていきます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
いいさして足を
替
(
か
)
えつ。十とせの昔、楽しき
炉
(
いろり
)
見捨てぬるよりこのかた、いまだこのようなるうれしき火に
遇
(
あ
)
わざりき。いいつつ火の奥を見つむる
目
(
ま
)
なざしは遠きものを眺むるごとし。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
次のご文は、時に小禽
既
(
すで
)
に終日日光に浴し、歌唄跳躍して、疲労をなし、唯々甘美の睡眠中にあり。他人事ではないぞよ。どうじゃ、今朝も今朝とて穂吉どの
処
(
ところ
)
を
替
(
か
)
えてこの身の上じゃ
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
着
(
き
)
せ
替
(
か
)
へ其上傳吉が庭の
飛石
(
とびいし
)
に血の
跡
(
あと
)
を
附置
(
つけおき
)
しに我が手に
掛
(
かけ
)
しは
現在
(
げんざい
)
娘千代にてありしか彼が事は
行衞
(
ゆくゑ
)
知れず
然
(
しか
)
るに彼は親を
慕
(
した
)
ひ夫へ願ひ
態々
(
わざ/\
)
尋ね來りしを不便の事をしてけりと
強情
(
がうじやう
)
我慢
(
がまん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鏡一台の前にはいずれも女が二、三人ずつ
繍眼児押
(
めじろお
)
しに顔を
突出
(
つきだ
)
して、
白粉
(
おしろい
)
の
上塗
(
うわぬり
)
をしたり髪の形を直したり、あるいは立って着物を着かえたり、
大胡坐
(
おおあぐら
)
で
足袋
(
たび
)
をはき
替
(
か
)
えたりしているのもある。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
身にも
替
(
か
)
えまいとまでに
慕
(
した
)
ったり、浮世を
憂
(
う
)
いとまでに迷ったり、無い縁は是非もないと悟ったりしたが、まだどこともなく心が惹かされていたその古い友達の太郎坊も今宵は
摧
(
くだ
)
けて亡くなれば
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
二十二年の七月
廿
(
にぢう
)
三号の表紙を
替
(
か
)
へて(
桂舟
(
けいしう
)
筆
(
ひつ
)
花鳥風月
(
くわてうふうげつ
)
の
図
(
づ
)
)
大刷新
(
だいさつしん
)
と
云
(
い
)
ふ
訳
(
わけ
)
に
成
(
な
)
つた、
頻
(
しきり
)
に
西鶴
(
さいかく
)
を
鼓吹
(
こすゐ
)
したのは
此
(
こ
)
の時代で、
柳浪
(
りうらう
)
、
乙羽
(
おとは
)
、
眉山
(
びさん
)
、
水蔭
(
すゐいん
)
などが
盛
(
さかん
)
に書き、
寒月
(
かんげつ
)
露伴
(
ろはん
)
の
二氏
(
にし
)
も
寄稿
(
きかう
)
した
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
毎
夜
(
よ
)
珈琲店
(
キヤツフエ
)
に夜
更
(
ぶ
)
かしをして帰つて寝巻に着
替
(
か
)
へようとする度、
襯衣
(
しやつ
)
の下から迄コンフエツチがほろほろと
飜
(
こぼ
)
れて部屋中に五
色
(
しき
)
の花を降らせた。
併
(
しか
)
し
巴里
(
パリイ
)
で第一に
盛
(
さかん
)
な祭は三月のミカレエムだと云ふ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そこでそれをやり
替
(
か
)
えて
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
そんな
辣腕
(
らつわん
)
と
質
(
たち
)
は
違
(
ちが
)
つても、
都合上
(
つがふじやう
)
、
勝手
(
かつて
)
よろしき
處
(
ところ
)
で
俥
(
くるま
)
を
替
(
か
)
へるのが
道中
(
だうちう
)
の
習慣
(
ならはし
)
で、
出發點
(
しゆつぱつてん
)
で、
通
(
とほ
)
し、と
極
(
き
)
めても、そんな
約束
(
やくそく
)
は
通
(
とほ
)
さない。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その場限りにさし
替
(
か
)
えていながら、なお山中の大木の根を枕にしてというものがあり、また
薩摩
(
さつま
)
の
甑島
(
こしきじま
)
などでは、山の中に野宿しているのに
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
今朝に引き
替
(
か
)
えて、はなはだ静かな姿である。
俯向
(
うつむ
)
いて、瞳の働きが、こちらへ通わないから、
相好
(
そうごう
)
にかほどな変化を来たしたものであろうか。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もっとも
木地
(
きじ
)
は古いようだから、あるいはいつの代かに
塗
(
ぬ
)
り
替
(
か
)
えたものかも知れない。「さあそんなことかも存じませぬ」と、主人は一向無関心な返答をする。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「お母様に出して頂こうとは言やしないわ。ベロヴゾーロフさんが一時
立
(
た
)
て
替
(
か
)
えて下さるわよ」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
或
(
あるい
)
は
畳針
(
たたみばり
)
を
買
(
かっ
)
て来て畳の
表
(
おもて
)
を
附
(
つ
)
け
替
(
か
)
え、又或は竹を割って
桶
(
おけ
)
の
箍
(
たが
)
を入れるような事から、その
外
(
ほか
)
、
戸
(
と
)
の破れ屋根の
漏
(
も
)
りを繕うまで
当前
(
あたりまえ
)
の仕事で、皆私が
一人
(
ひとり
)
でして居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
いいえ、脇坂様は、
御普請
(
ごふしん
)
方をしておりますところから、永代橋のお
架
(
か
)
け
替
(
か
)
えに、職人達へ支払う公金を、たった一晩、お屋敷の土蔵にとめておいたのが間違いだったのです。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平常着
(
ふだんぎ
)
のまゝで
御座
(
ござ
)
りましたかと
問
(
と
)
へば、はあ
羽織
(
はをり
)
だけ
替
(
か
)
えて
行
(
ゆ
)
かれたやうで
御座
(
ござ
)
んす、
何
(
なに
)
か
持
(
も
)
つて
行
(
ゆき
)
ましたか、いゑ
其
(
その
)
やうには
覺
(
おぼ
)
えませぬと
有
(
あ
)
るに、はてなと
腕
(
うで
)
の
組
(
く
)
まれて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もし地を
替
(
か
)
えて、同じ詩を日本人が書き、これを日本の新聞か雑誌かに掲げたなら、
如何
(
いか
)
なる非難を受けるかと思えば、僕はかえって隣邦米人の心持の広きを
羨
(
うらやま
)
しく思うのである。
真の愛国心
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
僕は字引を街で金に
替
(
か
)
えて、平井の
紹介状
(
しょうかいじょう
)
を
懐
(
ふところ
)
に、その郊外の邸へ行ってみた。武者窓でもつけたら、
侍
(
さむらい
)
が出て来そうな、古風な
土塀
(
どべい
)
をめぐらした大邸宅で、邸を囲んで
爽々
(
さつさつ
)
たる大樹が
繁
(
しげ
)
っていた。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
二人はかわるがわる
黙
(
だま
)
って
茶椀
(
ちゃわん
)
を
替
(
か
)
えた。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「私は、あのお菓子を
替
(
か
)
へました」
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
翌年
(
よくねん
)
、二
月
(
ぐわつ
)
初午
(
はつうま
)
の
夜
(
よ
)
の
事
(
こと
)
で、
元二
(
げんじ
)
其
(
そ
)
の
晩
(
ばん
)
は
些
(
ち
)
と
趣
(
おもむき
)
を
替
(
か
)
へて、
部屋
(
へや
)
に
一人
(
ひとり
)
居
(
ゐ
)
て
火鉢
(
ひばち
)
を
引
(
ひき
)
つけながら
例
(
れい
)
の
歌
(
うた
)
を
手本
(
てほん
)
に、
美
(
うつく
)
しいかなの
手習
(
てならひ
)
をして
居
(
ゐ
)
た。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そうして
土山
(
つちやま
)
から出た人物の
中
(
うち
)
では、
千両函
(
せんりょうばこ
)
を
摩
(
す
)
り
替
(
か
)
えて
磔
(
はりつけ
)
になったのが一番大きいのだと云う一口話をやはり友達から聞いた通り繰り返した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
花の姿に
引
(
ひ
)
き
替
(
か
)
えて
合
しおるる
露
(
つゆ
)
の床の内
合
智慧
(
ちえ
)
の鏡も
掻
(
か
)
き
曇
(
くも
)
る、法師にまみえ給いつつ
合
母も招けばうしろみ返りて
合
さらばと云わぬ
合
ばかりにて、泣くより外の
合
事ぞなき
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
信
(
のぶ
)
さんの
下駄
(
げた
)
は
己
(
お
)
れが
提
(
さ
)
げて
行
(
ゆ
)
かう、
臺處
(
だいどこ
)
へ
抛
(
ほう
)
り
込
(
こ
)
んで
置
(
おい
)
たら
子細
(
しさい
)
はあるまい、さあ
履
(
は
)
き
替
(
か
)
へて
夫
(
そ
)
れをお
出
(
だ
)
しと
世話
(
せわ
)
をやき、
鼻緒
(
はなを
)
の
切
(
き
)
れしを
片手
(
かたて
)
に
提
(
さ
)
げて、それなら
信
(
のぶ
)
さん
行
(
いつ
)
てお
出
(
いで
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なぜならば、遠い旅の空で醤油飯しか食っていない、義父や母の事を考えると、私は古ハガキで、地獄壺の中をほじくり、銀貨と云う銀貨は、母への手紙の中へ札に
替
(
か
)
えて送ってやっていたのである。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
身を
法体
(
ほつたい
)
に
替
(
か
)
へて
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さうして
土山
(
つちやま
)
から
出
(
で
)
た
人物
(
じんぶつ
)
の
中
(
うち
)
では、
千兩凾
(
せんりやうばこ
)
を
摩
(
す
)
り
替
(
か
)
へて
磔
(
はりつけ
)
になつたのが
一番
(
いちばん
)
大
(
おほ
)
きいのだと
云
(
い
)
ふ
一口話
(
ひとくちばなし
)
を
矢張
(
やは
)
り
友達
(
ともだち
)
から
聞
(
き
)
いた
通
(
とほ
)
り
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
待
(
ま
)
てよ、
先刻
(
さつき
)
の
紳士
(
しんし
)
は、あゝして、
鹽尻
(
しほじり
)
で
下車
(
おり
)
たと
思
(
おも
)
ふが、……
其
(
それ
)
とも
室
(
しつ
)
を
替
(
か
)
へて
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
たか、
俥
(
くるま
)
が三
臺
(
だい
)
、
揃
(
そろ
)
つて。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、何か暮らし向きに困る事情が出来て、娘を金に
替
(
か
)
えたのであることは察せられる。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
年紀
(
とし
)
は
少
(
わか
)
し……
許嫁
(
いひなづけ
)
か、
何
(
なに
)
か、
身
(
み
)
に
替
(
か
)
へて
思
(
おも
)
ふ
人
(
ひと
)
でも、
入院
(
にふゐん
)
して
居
(
ゐ
)
て、
療治
(
れうぢ
)
が
屆
(
とゞ
)
かなかつた
所
(
ところ
)
から、
無理
(
むり
)
とは
知
(
し
)
つても、
世間
(
せけん
)
には
愚癡
(
ぐち
)
から
起
(
おこ
)
る、
人怨
(
ひとうら
)
み。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
臺所
(
だいどころ
)
から
清
(
きよ
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て、
食
(
く
)
ひ
散
(
ち
)
らした
皿小鉢
(
さらこばち
)
を
食卓
(
しよくたく
)
ごと
引
(
ひ
)
いて
行
(
い
)
つた
後
(
あと
)
で、
御米
(
およね
)
も
茶
(
ちや
)
を
入
(
い
)
れ
替
(
か
)
へるために、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
へ
立
(
た
)
つたから、
兄弟
(
きやうだい
)
は
差向
(
さしむか
)
ひになつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いったん古賀さんへ嫁に行くてて承知をしときながら、今さら学士さんがお
出
(
いで
)
たけれ、その方に
替
(
か
)
えよてて、それじゃ
今日様
(
こんにちさま
)
へ済むまいがなもし、あなた
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
替
常用漢字
中学
部首:⽈
12画
“替”を含む語句
入替
着替
代替
取替
為替
両替
交替
引替
掛替
国替
立替
宿替
鞍替
釣替
張替
書替
鷽替
住替
差替
爲替相場
...