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押
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お
ふりがな文庫
“
押
(
お
)” の例文
女房
(
かみさん
)
は、
弱
(
よわ
)
つちやつた。
可恐
(
おそろ
)
しく
重
(
おも
)
いんです。が、
持
(
も
)
たれないといふのは
悔
(
くや
)
しいてんで、それに
押
(
お
)
されるやうにして、
又
(
また
)
ひよろ/\。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
細君
(
さいくん
)
から
手移
(
てうつ
)
しに
押
(
お
)
しつけられて、
糟谷
(
かすや
)
はしょうことなしに笑って、しょうことなしに
芳輔
(
よしすけ
)
を
抱
(
だ
)
いた。それですぐまた
細君
(
さいくん
)
に
返
(
かえ
)
した。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
少年
(
しょうねん
)
は
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
に
思
(
おも
)
って、
坂
(
さか
)
を
上
(
のぼ
)
るときに、その
車
(
くるま
)
の
後
(
あと
)
を
押
(
お
)
してやりました。すると
車
(
くるま
)
の
上
(
うえ
)
から、
小
(
ちい
)
さな
石
(
いし
)
ころが一つ
転
(
ころ
)
げ
落
(
お
)
ちました。
石をのせた車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それでもわたくしはどうしてもこの方たちをお
助
(
たす
)
けするのが私の
義務
(
ぎむ
)
だと思いましたから前にいる子供らを
押
(
お
)
しのけようとしました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
兄宇迦斯
(
えうかし
)
は追いまくられて逃げこむはずみに、自分のしかけたつり天じょうがどしんと落ちて、たちまち
押
(
お
)
し殺されてしまいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
「
文庫
(
ぶんこ
)
は
御宅
(
おたく
)
のでせうね。
可
(
い
)
いんでせうね」と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
して、
何
(
な
)
にも
知
(
し
)
らない
下女
(
げぢよ
)
を
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がらしてゐる
所
(
ところ
)
へ、
最前
(
さいぜん
)
の
仲働
(
なかばたらき
)
が
出
(
で
)
て
來
(
き
)
て
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人
(
あるじ
)
と妻と
逗留
(
とうりゅう
)
に来て居る都の娘と、ランプを隅へ
押
(
お
)
しやって、螢と螢を眺むる子供を眺める。
田圃
(
たんぼ
)
の方から涼しい風が吹いて来る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
與吉
(
よきち
)
はそれでも
窪
(
くぼ
)
んだ
目
(
め
)
を
蹙
(
しが
)
めて
居
(
ゐ
)
る
卯平
(
うへい
)
がまだこそつぱくて
指
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
で
下唇
(
したくちびる
)
を
口
(
くち
)
の
中
(
なか
)
へ
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
むやうにしながら
額越
(
ひたひご
)
しに
卯平
(
うへい
)
を
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と原文に三嶋安という東海道喰い詰めの
悪党
(
わる
)
ですからきゝません、いきなり息杖を
押
(
お
)
っ取り、左右からブーンと風をまいて打って掛る
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
帆坂峠
(
ほさかとうげ
)
と
鷹取越
(
たかとりごえ
)
の方に、姫路や岡山や高松や、諸国の兵が、たくさんに
押
(
お
)
し
襲
(
よ
)
せて来たというから、
兄様
(
にいさま
)
と一緒に見に行って来たの』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして二、三
度
(
ど
)
ぐんぐん
押
(
お
)
したと
思
(
おも
)
うと、めりめりとひどい
音
(
おと
)
がして、木は
川
(
かわ
)
の上にどっさりと
倒
(
たお
)
れかかって、りっぱな
橋
(
はし
)
ができました。
金太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ある日、わたしが
彼女
(
かのじょ
)
の部屋へ入って行くと、彼女は
籐椅子
(
とういす
)
にかけて、頭をぎゅっと、テーブルのとがった
縁
(
ふち
)
に
押
(
お
)
しつけていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
水のためにいつ
押
(
お
)
し流されるかわかりません。でも、ケモノたちにおそわれたくなければ、ここでがまんしなければなりません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
しばらく
唖然
(
あぜん
)
と突っ立っていたぼくは、折から身体を
押
(
お
)
して行く銀座の
人混
(
ひとご
)
みに
揉
(
もま
)
れ、段々、酔いが覚めて白々しい気持になるのでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
むしろそのあまりに
強情
(
かたくな
)
な
性質
(
せいしつ
)
……一たん
斯
(
こ
)
うと
思
(
おも
)
えば
飽
(
あく
)
までそれを
押
(
お
)
し
通
(
とう
)
そうとする、
我侭
(
わがまま
)
な
気性
(
きしょう
)
の
為
(
た
)
めであったように
思
(
おも
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
六
時
(
じ
)
が七
時
(
じ
)
になつても、
船
(
ふね
)
はひた/\と
波止場
(
はとば
)
の
際
(
きは
)
まで
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せて
居
(
ゐ
)
ながら、まだなか/\
著
(
つ
)
けさうにない。
其
(
そ
)
のうち
又
(
また
)
しても
銅鑼
(
どら
)
が
鳴
(
な
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
現在
(
げんざい
)
わが
國
(
くに
)
にある
博物館
(
はくぶつかん
)
はその
數
(
すう
)
が
少
(
すくな
)
いばかりでなく、
殘念
(
ざんねん
)
ながら
世界
(
せかい
)
に
押
(
お
)
し
出
(
だ
)
して
優
(
すぐ
)
れた
博物館
(
はくぶつかん
)
とは
申
(
まを
)
すことが
出來
(
でき
)
ません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
どうだの、これは
別
(
べつ
)
に、おいらが
堺屋
(
さかいや
)
から
頼
(
たの
)
まれた
訳
(
わけ
)
ではないが、
何
(
な
)
んといっても
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
なら、
当時
(
とうじ
)
押
(
お
)
しも
押
(
お
)
されもしない、
立派
(
りっぱ
)
な
太夫
(
たゆう
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
すやうに
云
(
い
)
はれたのを
面白
(
おもしろ
)
からず
思
(
おも
)
つて、
何
(
なに
)
か
他
(
ほか
)
の
話題
(
はなし
)
を
始
(
はじ
)
めやうとして、
彼
(
あ
)
れか
此
(
こ
)
れかと
考
(
かんが
)
へて
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
どうもその砂が波を揚げて来るので荷物は砂に
押
(
お
)
っ
被
(
か
)
ぶされてしまうし、バアーッと眼の中へ吹き込むから眼を開いて歩くことが出来ない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と、
叫
(
さけ
)
んだ。田川大作だった。かれは自分のまえにおいた「二宮翁夜話」をにぎりこぶしで
押
(
お
)
しつぶすようにしながら言った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そしてある
晩
(
ばん
)
、にわかに甚兵衛の
所
(
ところ
)
へ
押
(
お
)
し入り、
眠
(
ねむ
)
ってる甚兵衛を
縛
(
しば
)
りあげ、
刀
(
かたな
)
をつきつけて、人形をだせと
嚇
(
おど
)
かしました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
近くの街の屋根瓦の
重畳
(
ちょうじょう
)
は、
躍
(
おど
)
って
押
(
お
)
し寄せるように見えて、一々は動かない。そして、うるさいほど
肩
(
かた
)
の数を
聳
(
そびや
)
かしている高層建築と大工場。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
千代
(
ちい
)
ちやん
今日
(
けふ
)
は
少
(
すこ
)
し
快
(
よ
)
い
方
(
はう
)
かへと二
枚折
(
まいをり
)
の
屏風
(
べうぶ
)
押
(
お
)
し
明
(
あ
)
けて
枕
(
まくら
)
もとへ
坐
(
すは
)
る
良之助
(
りやうのすけ
)
に
乱
(
み
)
だせし
姿
(
すがた
)
恥
(
はづ
)
かしく
起
(
お
)
きかへらんとつく
手
(
て
)
もいたく
痩
(
や
)
せたり。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
尚お都合の
好
(
い
)
いことに同窓が
押
(
お
)
し
並
(
な
)
べて凡人だ。成金の赤羽君にしても、欧州戦争という間違が
因
(
もと
)
で成功したのである。自分はもう仕方がない。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
製作
(
せいさく
)
に付きては内部の
充實
(
じうじつ
)
したる物と
空虚
(
くうきよ
)
なる物との二種有り
形式
(
けいしき
)
に付きては
全体
(
ぜんたい
)
に
太
(
ふと
)
りたる物と前後より
押
(
お
)
し平めたるが如き物との二種有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
水棹
(
みずさお
)
を
押
(
お
)
していつもするように
舳
(
へさき
)
を砂浜によせ、母親の乗りこむのをまっている大吉の横顔に、いつもとちがったことばがいち早くとんできた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
たとえば
野獣
(
やじゅう
)
も
盗賊
(
とうぞく
)
もない国で、安心して
野天
(
のてん
)
や明け
放
(
はな
)
しの家で
寝
(
ね
)
ると、
風邪
(
かぜ
)
を引いて
腹
(
はら
)
をこわすかもしれない。○を
押
(
お
)
さえると△があばれだす。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
アヒルたちはあとずさりして、たがいに
押
(
お
)
しあいながら、「早く言いな。早く言いな」と、ガアガアさわぎたてました。
眠りの精
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ただ一つ
困
(
こま
)
ったことは、
乳母車
(
うばぐるま
)
のどこかが
悪
(
わる
)
くなっていて、
押
(
お
)
していると
右
(
みぎ
)
へ
右
(
みぎ
)
へとまがっていってしまうことだった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
かうして
最初
(
さいしよ
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
に
蹈
(
ふ
)
み
耐
(
こら
)
へる
家屋
(
かおく
)
が、
其後
(
そのご
)
、
三分
(
さんぶん
)
の
一
(
いち
)
以下
(
いか
)
の
地震力
(
ぢしんりよく
)
によつて
押
(
お
)
し
切
(
き
)
られることはないはずである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
下人は又、それを行かすまいとして、
押
(
お
)
しもどす。二人は
屍骸
(
しがい
)
の中で、暫、
無言
(
むごん
)
のまゝ、つかみ合つた。しかし
勝敗
(
しようはい
)
は、はじめから、わかつている。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
階段をのぼり切ったところに、
頑丈
(
がんじょう
)
な扉がしまっている。
錠
(
じょう
)
がおりていると見え、
押
(
お
)
せど叩けどびくとも動かない。
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
女優は自分の耳を疑ふやうに、戸を
押
(
お
)
し
開
(
あ
)
けてずつと入つて来た。も一度言つて置くが、その時は
恰度
(
ちやうど
)
六月であつた。小僧は
変
(
へん
)
もない顔をして言つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「まだ五時位なのに誰だろう」そんな事を考えながら、
襖
(
ふすま
)
を
押
(
お
)
して庭の透けて見える硝子戸を
覗
(
のぞ
)
くと、大きな
赭
(
あか
)
ら顔の男が何気なく私の眼を見て笑った。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ときおり御用聞きがその家のところまで自転車を重そうに
押
(
お
)
し上げてくるらしい音が私のところまで聞えて来た。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
額からぽたぽた
滴
(
こぼ
)
れる血を
押
(
お
)
し
拭
(
ぬぐ
)
い「覚えてなはれ」と
捨台辞
(
すてぜりふ
)
を残して
憤然
(
ふんぜん
)
と座を立ちそれきり姿を見せなかった
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
の
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
から
村
(
むら
)
はづれの
街道
(
かいだう
)
のところまで
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せて
來
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る
黒
(
くろ
)
い
岩
(
いは
)
だの
石
(
いし
)
だのを
見
(
み
)
るのも
初
(
はじ
)
めてゞした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ですから、
稱
(
とな
)
へ
言
(
ごと
)
全體
(
ぜんたい
)
が、
元
(
もと
)
は
命令
(
めいれい
)
の
意味
(
いみ
)
を
持
(
も
)
つてゐました。その
長
(
なが
)
い
命令
(
めいれい
)
の
言葉
(
ことば
)
のうちに、それを
押
(
お
)
しつめたものが
出來
(
でき
)
て
來
(
き
)
たことは、
既
(
すで
)
に
申
(
まを
)
しました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
こういって、
外套室
(
がいとうしつ
)
へかけ出した。このとき
小使
(
こづかい
)
がベルのボタンを
押
(
お
)
したので、
味
(
あじ
)
もそっけもない広い
校舎
(
こうしゃ
)
じゅうへ、けたたましいベルの
音
(
おと
)
が
響
(
ひび
)
き渡った。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
男は近づいて(何か御用ですか)と云うと、(ちょっと話したいのです。その戸は閉まっているようですが、
押
(
お
)
せば開きます。どうぞ開けておはいり下さい)
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「はっ」と言って源太夫はしばらく
畳
(
たたみ
)
に顔を
押
(
お
)
し当てていた。ややあって
涙
(
なみだ
)
ぐんだ目をあげて家康を見て、「甚五郎めにいたさせまする御奉公は」と問うた。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それで学校に式のある時など、他の教師は皆礼服で列席するのに、ヘルンは
一張羅
(
いっちょうら
)
の背広で
押
(
お
)
し通していた。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
ある雨の日、小学校より帰る子どもこの山を見るに、
処々
(
ところどころ
)
の岩の上に御犬うずくまりてあり。やがて首を
下
(
した
)
より
押
(
お
)
しあぐるようにしてかわるがわる
吠
(
ほ
)
えたり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『
脛押
(
すねおし
)
か。』と
轟大尉
(
とゞろきたいゐ
)
は
顏
(
かほ
)
を
顰
(
しか
)
めたが、
負
(
ま
)
けぬ
氣
(
き
)
の
大尉
(
たいゐ
)
、
何程
(
なにほど
)
の
事
(
こと
)
やあらんと
同
(
おな
)
じく
毛脛
(
けずね
)
を
現
(
あら
)
はして、
一押
(
ひとおし
)
押
(
お
)
したが、『あ
痛
(
い
)
た、たゝゝゝ。』と
後
(
うしろ
)
へ
飛退
(
とびの
)
いて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
無垢
(
むく
)
な
若者
(
わかもの
)
の
前
(
まへ
)
に
洪水
(
おほみづ
)
のやうに
展
(
ひら
)
ける
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
は、どんなに
甘
(
あま
)
い
多
(
おほ
)
くの
誘惑
(
いうわく
)
や、
美
(
うつく
)
しい
蠱惑
(
こわく
)
に
充
(
み
)
ちて
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せることだらう!
外
(
そ
)
れるな、
濁
(
にご
)
るな、
踏
(
ふ
)
み
迷
(
まよ
)
ふなと
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「美代が悪いんだ」と、兄は怒つてでもゐるやうな
恐
(
こは
)
い顔をして、
押
(
お
)
つ
被
(
かぶ
)
せるやうな強い口調で云つた。
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
はだけた
寝巻
(
ねまき
)
から
覗
(
のぞ
)
いている胸も手術の跡が
醜
(
みにく
)
く
窪
(
くぼ
)
み、女の胸ではなかった。ふと眼を
外
(
そ
)
らすと、寺田はもう上向けた注射器の底を
押
(
お
)
して、液を
噴
(
ふ
)
き上げていた。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
東
(
ひがし
)
の
門
(
もん
)
から
入
(
はひ
)
つて、
露店
(
ろてん
)
と
參詣人
(
さんけいにん
)
との
雜沓
(
ざつたふ
)
する
中
(
なか
)
を、
葵
(
あふひ
)
の
紋
(
もん
)
の
幕
(
まく
)
に
威勢
(
ゐせい
)
を
見
(
み
)
せた
八足門
(
はつそくもん
)
の
前
(
まへ
)
まで
行
(
ゆ
)
くと、
向
(
むか
)
うから
群衆
(
ぐんしう
)
を
押
(
お
)
し
分
(
わ
)
けて、
脊
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
武士
(
ぶし
)
がやつて
來
(
き
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
もしやと思って、
押
(
お
)
し入れの戸を開けて見ましたが、そこにも何も変わったことはありませんでした。
神様の布団
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
押
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“押”を含む語句
押付
押入
押込
押立
押上
押着
押附
花押
押被
押止
押開
押詰
押通
長押
押取
押戴
押借
後押
取押
押掛
...