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に
ふりがな文庫
“
逃
(
に
)” の例文
親
(
おや
)
すずめは、
自分
(
じぶん
)
だけ
逃
(
に
)
げようとせず
子
(
こ
)
すずめをかばうであろう。それがために、
子供
(
こども
)
の
身
(
み
)
がわりとなって、
打
(
う
)
たれるかもしれない。
すずめを打つ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
狼群
(
ろうぐん
)
は
鉄砲
(
てっぽう
)
をおそれて日中はあまりでないし、また人間の
姿
(
すがた
)
が見えると、さっさと
逃
(
に
)
げてしまうので、この日は
別段
(
べつだん
)
危険
(
きけん
)
もなかった。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
といいながら、
鉢
(
はち
)
をつかんで
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げますと、
下
(
した
)
から
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
が
現
(
あらわ
)
れたので、びっくりして、
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
逃
(
に
)
げていってしまいました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
おかみさんは
礼
(
れい
)
をいい、テーブルかけをひろげて、
食事
(
しょくじ
)
のしたくをととのえ、
逃
(
に
)
げるように
部屋
(
へや
)
をでていった。
台所
(
だいどころ
)
へもどりながら
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
彼方
(
かなた
)
の
山背
(
やまかげ
)
からぞろ/\と
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
たが、
我
(
わ
)
が
鐵車
(
てつしや
)
を
見
(
み
)
るや
否
(
いな
)
や
非常
(
ひじやう
)
に
驚愕
(
おどろ
)
いて、
奇聲
(
きせい
)
を
放
(
はな
)
つて、
向
(
むか
)
ふの
深林
(
しんりん
)
の
中
(
なか
)
へと
逃
(
に
)
げ
失
(
う
)
せた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
「
竹童
(
ちくどう
)
みたいな
小僧
(
こぞう
)
には
斬
(
き
)
りまくられ、
旅僧
(
たびそう
)
ににらまれればすぐ
逃
(
に
)
げだすなんて、いくら
町人
(
ちょうにん
)
にしても、あまり
度胸
(
どきょう
)
がなさすぎるね」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妹
(
いもうと
)
も一
度
(
ど
)
逃
(
に
)
げだしたんですけれど、やつぱり
掴
(
つか
)
まつてしまひました。ちやうど
大森
(
おほもり
)
の
鉱泉宿
(
くわうせんやど
)
へつれられて
行
(
い
)
つたときのことでした。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
大方遊んでばかりいやがったのだろう、この
食
(
く
)
い
潰
(
つぶ
)
し
野郎
(
やろう
)
めッてえんでもって、釣竿を
引奪
(
ひったく
)
られて、
逃
(
に
)
げるところを
斜
(
はす
)
に
打
(
ぶ
)
たれたんだ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
玄竹
(
げんちく
)
は
當
(
あ
)
てこすりのやうなことを
言
(
い
)
つて、
更
(
さ
)
らに
劇
(
はげ
)
しく
死體
(
したい
)
を
動
(
うご
)
かした。三
人
(
にん
)
の
武士
(
ぶし
)
は、『ひやア。』と
叫
(
さけ
)
んで、また
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
した。——
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
何處
(
どこ
)
へゆく
何處
(
どこ
)
へゆく、
逃
(
に
)
げてはならないと
坐中
(
ざちう
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに
照
(
てー
)
ちやん
高
(
たか
)
さん
少
(
すこ
)
し
頼
(
たの
)
むよ、
直
(
じ
)
き
歸
(
かへ
)
るからとてずつと
廊下
(
らうか
)
へ
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
に
出
(
いで
)
しが
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ホモイは
泣
(
な
)
きだしました。りすはしばらくきのどくそうに立って見ておりましたが、とうとうこそこそみんな
逃
(
に
)
げてしまいました。
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
三階
(
さんがい
)
に
居合
(
ゐあは
)
せた
人
(
ひと
)
が、
階下
(
かいか
)
を
通
(
とほ
)
ることの
危險
(
きけん
)
を
侵
(
おか
)
してまで
屋外
(
おくがい
)
に
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
さうとする
不見識
(
ふけんしき
)
な
行動
(
こうどう
)
は
排斥
(
はいせき
)
すべきである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
この木の上には、
年老
(
としお
)
いたブナの木々の枝がおおいかぶさっているので、その上に出れば、すぐに
逃
(
に
)
げだすこともできるでしょう。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
なぜって、みんなは、水がどっと、船の中に流れこんで、船がしずんだとき、びっくりして、わきへ
逃
(
に
)
げてしまったのですから。
アンネ・リスベット
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
すると、まばゆいように
照
(
て
)
り
輝
(
かゞや
)
ぐ
女
(
をんな
)
がゐます。これこそ
赫映姫
(
かぐやひめ
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
してお
近寄
(
ちかよ
)
りになると、その
女
(
をんな
)
は
奧
(
おく
)
へ
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
きます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
そして、
川
(
かわ
)
にとびこんで
向
(
む
)
こう
岸
(
ぎし
)
へ
逃
(
に
)
げようか、
藪
(
やぶ
)
の
中
(
なか
)
にもぐりこんで、
姿
(
すがた
)
をくらまそうか、と、とっさのあいだに
考
(
かんが
)
えたのであります。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
早々
(
そうそう
)
蚊帳
(
かや
)
に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
むと、
夜半
(
よなか
)
に雨が降り出して、
頭
(
あたま
)
の上に
漏
(
も
)
って来るので、
遽
(
あわ
)
てゝ
床
(
とこ
)
を
移
(
うつ
)
すなど、わびしい旅の第一夜であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ちょっと向うがこちらの気に負けて静止した時を
逸
(
いっ
)
せず
狙
(
ねら
)
わなければ
逃
(
に
)
げてしまう。この感じは、実は研究全体についてもいえるのである。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
よく
徹
(
とお
)
る、しかし意地の悪くない高笑いに追われながら、
一目散
(
いちもくさん
)
に自分の部屋へ
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
んで、ベッドにころがり込むと、両手で顔を
隠
(
かく
)
した。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
「それじゃきょうじゅうに東京へいけばえい。二、三
席
(
せき
)
勝負
(
しょうぶ
)
してからでかけても
遅
(
おそ
)
くはない。うまくいって
逃
(
に
)
げようたってそうはいかない」
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
睡
(
ねむり
)
顏より
逃
(
に
)
げしときわがうちふるひしさまに異ならじ、我はあたかも怖れのため氷に變る人の如くに色あをざめぬ 四〇—四二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
ぷうんと
蚊
(
か
)
は、やつと
逃
(
に
)
げるには
逃
(
に
)
げたが、もう
此
(
こ
)
の
狭
(
せま
)
い
蚊帳
(
かや
)
の
中
(
なか
)
がおそろしくつて、おそろしくつてたまらなくなりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
そのうちに
蝶々
(
てふ/\
)
は
父
(
とう
)
さんの
竹竿
(
たけざを
)
になやまされて、
手傷
(
てきず
)
を
負
(
お
)
つたやうでしたが、まだそれでも
逃
(
に
)
げて
行
(
い
)
かうとはしませんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それを
阿知直
(
あちのあたえ
)
という者が、すばやくお
抱
(
かか
)
え申しあげ、むりやりにうまにお乗せ申して、
大和
(
やまと
)
へ向かって
逃
(
に
)
げ出して行きました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
ところで、ろばは、さっそくに、こりゃ、ろくなことではないとさとって、
逃
(
に
)
げだして、ブレーメンの町をめあてに、とことこ出かけました。
ブレーメンの町楽隊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
中には焼き肉を半分、食いかけたままで、コソコソと
逃
(
に
)
げだしたものもいる。ぼくは、このとき、すみの方で、ジャガイモを食いかけていた。
小指一本の大試合
(新字新仮名)
/
山中峯太郎
(著)
部屋に上って仕事をしようとしても、そんな落ちつきを失った彼には、書くべきことがらが
怒
(
おこ
)
っているために、片っ端から
逃
(
に
)
げを打っていた。
生涯の垣根
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
私
(
わたし
)
は
一層
(
いつそ
)
、
藥研
(
やげん
)
で
生肝
(
いきぎも
)
をおろされようとも、お
醫師
(
いしや
)
の
居
(
ゐ
)
る
母屋
(
おもや
)
の
方
(
はう
)
に
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
まうかと
思
(
おも
)
ひました。
其
(
そ
)
の
和尚
(
をしやう
)
の
可厭
(
いや
)
らしさに。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
火につつまれたら
逃
(
に
)
げ途はない。だから早く逃げられる中に、とっさに難を
避
(
さ
)
けさせた。家は、私一人だけが残って守った。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
今
(
いま
)
こそ
逃
(
に
)
げるに
好
(
い
)
い
時
(
とき
)
だと
思
(
おも
)
つて
遽
(
には
)
かに
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
し、
終
(
つひ
)
には
疲
(
つか
)
れて
息
(
いき
)
も
絶
(
き
)
れ、
犬
(
いぬ
)
ころの
遠吠
(
とほゞえ
)
が
全
(
まつた
)
く
聞
(
きこ
)
えなくなるまで
走
(
はし
)
り
續
(
つゞ
)
けました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何
(
なに
)
も
食
(
く
)
いつくような
黒
(
くろ
)
じゃなし、
逃
(
に
)
げてなんぞ
来
(
こ
)
ないでも、
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
金
(
かね
)
の
脇差
(
わきざし
)
だわな。——こっちへおいで。
頭
(
あたま
)
を
撫
(
な
)
で
付
(
つ
)
けてあげようから。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
逃
(
に
)
げるより
他
(
ほか
)
に
術
(
て
)
が無いから、
後
(
あと
)
の事なんか考へてゐる暇が無い。自分は
些
(
ちつ
)
との
隙
(
すき
)
を見て
後
(
あと
)
をも見ずにすたこら駈出した。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
しかし、さすがに僧たちも、裸の姫には手を触れかね、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
している
暇
(
ひま
)
に姫はびっくりして苫船の中へ
逃
(
に
)
げ込み、着物を
冠
(
かぶ
)
って縮んでいました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
幕吏
搜索
(
さうさく
)
して樓下に至る。南洲乃ち
劇
(
げき
)
を觀るに託して、舟を
僦
(
か
)
りて
逃
(
に
)
げ去れり。此れ皆
勇怯
(
ゆうきよ
)
を
泯
(
ほろぼ
)
し
勝負
(
しようぶ
)
を忘るゝものなり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
事
(
こと
)
によるとあの
女
(
をんな
)
は、わたしが
太刀打
(
たちうち
)
を
始
(
はじ
)
めるが
早
(
はや
)
いか、
人
(
ひと
)
の
助
(
たす
)
けでも
呼
(
よ
)
ぶ
爲
(
ため
)
に、
藪
(
やぶ
)
をくぐつて
逃
(
に
)
げたのかも
知
(
し
)
れない。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
船長は、いよいよ
逃
(
に
)
げ
腰
(
ごし
)
である。そうでもあろう。探険資金が少ないので、セキストン伯爵が、ねぎりにねぎって
雇
(
やと
)
ったこのぼろ船のことである。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこで新吉は、曲馬団へ入ってそこを
逃
(
に
)
げ出すまでのいきさつと、東京へ
叔父
(
おじ
)
さんをたずねて来て、こうして
迷
(
まよ
)
っていることを一通り話しました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
怺
(
こら
)
えつつ春琴の門に通っていたところある日撥で頭を打たれ泣いて家へ
逃
(
に
)
げ帰ったその
傷痕
(
きずあと
)
が
生
(
は
)
え
際
(
ぎわ
)
に残ったので当人よりも
親父
(
おやじ
)
がカンカンに腹を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
雑誌記者から
読経
(
どきょう
)
をしいられるので、和尚さんは
隙
(
すき
)
をみて庫裡のほうへ
逃
(
に
)
げて行ってしまった。酔った二人は木魚と鐘とをやけにたたいて笑った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
内田さんや中村
嬢
(
じょう
)
のなかに交ってあなたの姿もみえたとき、ぼくは心が定らないまま
逃
(
に
)
げだしたい
衝動
(
しょうどう
)
にかられました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
刄物
(
はもの
)
を
以
(
もつ
)
て
突
(
つ
)
つ
刺
(
つあ
)
しても
同
(
どう
)
一である。
蛸壺
(
たこつぼ
)
の
底
(
そこ
)
には
必
(
かなら
)
ず
小
(
ちひ
)
さな
穴
(
あな
)
が
穿
(
うが
)
たれてある。
臀
(
しり
)
からふつと
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
つ
掛
(
か
)
けると
蛸
(
たこ
)
は
驚
(
おどろ
)
いてすると
壺
(
つぼ
)
から
逃
(
に
)
げる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寢轉
(
ねころ
)
んで
讀書
(
どくしよ
)
してゐる
枕頭
(
まくらもと
)
にお
行儀
(
げうぎ
)
よくおちんをしてゐる、
叱
(
しか
)
つても
逃
(
に
)
げない、
庭
(
には
)
へつまみ
出
(
だ
)
す、また
這入
(
はい
)
つてくる、
汚物
(
をぶつ
)
をたれ
流
(
なが
)
す、
下女
(
げぢよ
)
が
怒
(
おこ
)
る。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
いゝあんばいに
躯
(
からだ
)
が
利
(
き
)
いて
来
(
き
)
ました、
斯
(
か
)
うなると
慾
(
よく
)
が出てまた
上
(
あが
)
つて
包
(
つゝみ
)
を
斜
(
はす
)
に
背負
(
せお
)
ひ
道中差
(
だうちゆうざし
)
をさして
逃
(
に
)
げ出しました。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日本
(
にほん
)
でも
徳川柳營
(
とくがはりうえい
)
において、いつのころからか『
地震
(
ぢしん
)
の
間
(
ま
)
』と
稱
(
しやう
)
して、
極
(
き
)
はめて
頑丈
(
ぐわんぜう
)
な一
室
(
しつ
)
をつくり、
地震
(
ぢしん
)
の
際
(
さい
)
に
逃
(
に
)
げこむことを
考
(
かんが
)
へ、
安政大震
(
あんせいだいしん
)
の
後
(
のち
)
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
次郎は、入れかけていた茶をそのままにして、いきなり両手で顔をおさえ、
逃
(
に
)
げるように室を出て行ってしまった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
板の間のことをその場で
指摘
(
してき
)
されると、何ともいい訳けのない困り方でいきなり平身低頭して
詫
(
わ
)
びを入れ、ほうほうの
体
(
てい
)
で
逃
(
に
)
げ帰った借金取があったと
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
私はその男と二年ほど連れ
添
(
そ
)
っていたけれど、
肋骨
(
ろっこつ
)
を
蹴
(
け
)
られてから、思いきって遠い街に
逃
(
に
)
げて行ってしまった。
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
『お
絹
(
きぬ
)
さんは
最早
(
もう
)
居
(
ゐ
)
ませんよ、』と
言
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
てゝばた/\と
逃
(
に
)
げて
去
(
い
)
つた。
哀
(
あは
)
れなる
哉
(
かな
)
、これが
僕
(
ぼく
)
の
失戀
(
しつれん
)
の
弔詞
(
てうじ
)
である!
失戀
(
しつれん
)
?、
失戀
(
しつれん
)
が
聞
(
き
)
いてあきれる。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
よく見ると、それがあの
盗賊
(
とうぞく
)
どもではありませんか。甚兵衛はびっくりして、見られないように
逃
(
に
)
げだしてきました。そして
猿
(
さる
)
にそのことを
告
(
つ
)
げました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
逃
常用漢字
中学
部首:⾡
9画
“逃”を含む語句
逃亡
逃出
逃路
逃去
逃散
逃入
逃避
逃走
取逃
見逃
夜逃
逃帰
逃込
逃失
逃水
逃竄
持逃
逃廻
逃延
逃入村
...