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脊中
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せなか
ふりがな文庫
“
脊中
(
せなか
)” の例文
ある
日
(
ひ
)
、かわずは
池
(
いけ
)
の
面
(
も
)
に
浮
(
う
)
かんで、
太陽
(
たいよう
)
の
光
(
ひかり
)
に
脊中
(
せなか
)
を
乾
(
ほ
)
していました。そのとき、
太陽
(
たいよう
)
は、やさしく、かわずに
向
(
む
)
かっていいました。
太陽とかわず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
乳母 はれ、
頭痛
(
づつう
)
がする! あゝ、
何
(
なん
)
といふ
頭痛
(
づつう
)
であらう!
頭
(
あたま
)
が
粉虀
(
こな/″\
)
に
碎
(
くだ
)
けてしまひさうに
疼
(
うづ
)
くわいの。
脊中
(
せなか
)
ぢゃ。……そっち/\。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
其時原口さんは
後
(
うしろ
)
から、
平手
(
ひらて
)
で、与次郎の
脊中
(
せなか
)
を
叩
(
たゝ
)
いた。与次郎はくるりと
引
(
ひ
)
つ
繰
(
く
)
り
返
(
かへ
)
つて、
幕
(
まく
)
の
裾
(
すそ
)
を
潜
(
もぐ
)
つて
何所
(
どこ
)
かへ消え失せた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は子供を毛布にグルグルと
包
(
くる
)
んで、顔ばかり出し、口には出来るだけ柔かに猿轡をはめ、乳母を手伝わして
脊中
(
せなか
)
へしっかと結び付けた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
惚
(
ほれ
)
るというものは妙なもので、小増が煙草を一ぷく吸付けてお呑みなはいと云ったり、また帰りがけに
脊中
(
せなか
)
をぽんと叩いて
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
工場の塀にひたと
脊中
(
せなか
)
をくっつけて立っていて、その塀の上の、工場の窓から、ひとりの女工さんが、上半身乗り出し、酔った弟を、見つめている。
I can speak
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その
脊中
(
せなか
)
の
模樣
(
もやう
)
が
一組
(
ひとくみ
)
の
其他
(
そのた
)
のものと
同
(
おな
)
じことであつて、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
には
何
(
ど
)
れが、
園丁
(
えんてい
)
か、
兵士
(
へいし
)
か、
朝臣
(
てうしん
)
か、
又
(
また
)
御自分
(
ごじぶん
)
のお
子供衆
(
こどもしゆう
)
のお
三方
(
さんかた
)
であつたかを
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と
挨拶
(
あいさつ
)
しました。
美濃
(
みの
)
の
中津川
(
なかつがは
)
といふ
町
(
まち
)
の
方
(
はう
)
から、いろ/\な
物
(
もの
)
を
脊中
(
せなか
)
につけて
來
(
き
)
て
呉
(
く
)
れるのも、あの
馬
(
うま
)
でした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
成
(
なさ
)
るべしと
最
(
いと
)
忠實
(
まめやか
)
に申けるにぞ
父母
(
ふたおや
)
は
其切
(
そのせつ
)
なる心に感じ眼を
屡叩
(
しばたゝ
)
き
然程迄
(
さほどまで
)
我が身を捨ても親を
救
(
すく
)
はんとは我が子ながらも見上たり
忝
(
かたじ
)
けなしとお文の
脊中
(
せなか
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
われは馭者と
脊中
(
せなか
)
合
(
あは
)
せに乘りたれば、古祠の
柱列
(
ちゆうれつ
)
のやうやく遠ざかりゆくを見やりつゝ、耳には猶少女の叫びし聲を聞きて、限なき心の苦しさを忍び居たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
相談の
敵手
(
あいて
)
にもなるまいが
痒
(
かゆ
)
い
脊中
(
せなか
)
は孫の手に頼めじゃ、なよなよとした
其肢体
(
そのからだ
)
を縛ってと云うのでない注文ならば
天窓
(
あたま
)
を
破
(
わ
)
って工夫も
仕様
(
しよう
)
が一体まあどうした
訳
(
わけ
)
か
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「おい、
寢
(
ね
)
ちやあ
危
(
あぶな
)
いぞ‥‥」と、
私
(
わたし
)
は
度毎
(
たびごと
)
にハラハラして
彼
(
かれ
)
の
脊中
(
せなか
)
を
叩
(
たた
)
き
著
(
つ
)
けた。が、
瞬間
(
しゆんかん
)
にひよいと
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
いて
足元
(
あしもと
)
を
堅
(
かた
)
めるだけで、また
直
(
す
)
ぐにひよろつき
出
(
だ
)
すのであつた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
私たちの田舎ずまいは、一銭銅貨の表と裏とのように、いろんな家畜小屋と
脊中
(
せなか
)
合わせだった。ときどき家畜らが交尾をした。そのための悲鳴が私たちのところまで聞えてきた。
麦藁帽子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
竹村
(
たけむら
)
は
大久保
(
おほくぼ
)
が
出発前
(
しゆつぱつぜん
)
に
奈美子
(
なみこ
)
をつれこんでゐた
下町
(
したまち
)
の
旅館
(
りよくわん
)
で——それにも
多少
(
たせう
)
の
宣伝的意味
(
せんでんてきいみ
)
があつたが、そこで
或
(
あ
)
る
夜
(
よ
)
なかに、
鞘
(
さや
)
ごと
短刀
(
たんたう
)
で
奈美子
(
なみこ
)
の
脊中
(
せなか
)
を
打
(
う
)
つたなぞの
話
(
はなし
)
を
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
入口
(
いりくち
)
の
外
(
そと
)
の
軒下
(
のきした
)
に
橢圓形
(
だゑんけい
)
の
据風呂
(
すゑぶろ
)
があつて十二三の
少年
(
せうねん
)
が
入
(
はひつ
)
て
居
(
ゐ
)
るのが
最初
(
さいしよ
)
自分
(
じぶん
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
惹
(
ひ
)
いた。
此
(
この
)
少年
(
せうねん
)
は
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けた
脊中
(
せなか
)
ばかり
此方
(
こちら
)
に
向
(
む
)
けて
居
(
ゐ
)
て
決
(
けつ
)
して
人車
(
じんしや
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
ない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ね、貢さん、阿母さんや此の
脊中
(
せなか
)
の
桃枝
(
もヽえ
)
が
頼
(
たよ
)
りにするのはお前
一人
(
ひとり
)
だよ。
阿父
(
おとう
)
さんはあんな
方
(
かた
)
だから
家
(
うち
)
の事なんか
構
(
かま
)
つて下さら無い。此の
下間
(
しもつま
)
の
家
(
うち
)
を興すも
潰
(
つぶ
)
すもお前の量見
一
(
ひと
)
つに在る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
(
可
(
い
)
いともの。)といひかけて
親仁
(
おやぢ
)
は
少年
(
せうねん
)
の
傍
(
そば
)
へにぢり
寄
(
よ
)
つて、
鉄挺
(
かなてこ
)
を
見
(
み
)
たやうな
拳
(
こぶし
)
で、
脊中
(
せなか
)
をどんとくらはした、
白痴
(
ばか
)
の
腹
(
はら
)
はだぶりとして、べそをかくやうな
口
(
くち
)
つきで、にやりと
笑
(
わら
)
ふ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ましてや
土方
(
どかた
)
の
手傳
(
てづた
)
ひして
車
(
くるま
)
の
跡押
(
あとおし
)
にと
親
(
おや
)
は
生
(
うみ
)
つけても
下
(
くだ
)
さるまじ、あゝ
詰
(
つま
)
らぬ
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たばかりにと、ぢつと
身
(
み
)
にしみて
湯
(
ゆ
)
もつかはねば、
父
(
とつ
)
ちやん
脊中
(
せなか
)
洗
(
あら
)
つてお
呉
(
く
)
れと
太吉
(
たきち
)
は
無心
(
むしん
)
に
催促
(
さいそく
)
する
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其
(
その
)
翌日
(
よくじつ
)
になると、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は、
稻妻
(
いなづま
)
といふ
好
(
よき
)
朋友
(
ともだち
)
が
出來
(
でき
)
たので、
最早
(
もはや
)
私
(
わたくし
)
の
傍
(
そば
)
にのみは
居
(
を
)
らず、
朝早
(
あさはや
)
くから
戸外
(
こぐわい
)
に
出
(
い
)
でゝ、
波
(
なみ
)
青
(
あを
)
く、
沙
(
すな
)
白
(
しろ
)
き
海岸
(
かいがん
)
の
邊
(
へん
)
に、
犬
(
いぬ
)
の
脊中
(
せなか
)
に
跨
(
またが
)
つたり、
首
(
くび
)
に
抱着
(
いだきつ
)
いたりして
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
縮めた首筋から
脊中
(
せなか
)
へかけてびっしょり濡れる。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
彼女は天青の
脊中
(
せなか
)
へひいとかじりついた。
陽気な客
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「うむ、
脊中
(
せなか
)
のもだよ」
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
脊中
(
せなか
)
に
花笠
(
はながさ
)
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「さあ、しっかりと
私
(
わたし
)
の
脊中
(
せなか
)
にお
負
(
ぶ
)
さりなさい。」と、
天使
(
てんし
)
はいいました。
少年
(
しょうねん
)
は、
天使
(
てんし
)
の
白
(
しろ
)
い
脊中
(
せなか
)
にしっかりと
抱
(
だ
)
きつきました。
町の天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自己が自己に自然な因果を発展させながら、その因果の重みを
脊中
(
せなか
)
に
負
(
しょ
)
って、高い絶壁の端まで押し出された様な心持であった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……おゝ、
脊中
(
せなか
)
が、
脊中
(
せなか
)
が! ほんに
貴孃
(
こなた
)
が
怨
(
うら
)
めしいわいの、
遠
(
とほ
)
い
遠
(
とほ
)
い
處
(
ところ
)
へ
太儀
(
たいぎ
)
な
使者
(
つかひ
)
に
出
(
だ
)
さッしやって、
如是
(
こん
)
な
死
(
し
)
ぬるやうな
思
(
おも
)
ひをさすとは!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
と
抜刀
(
ぬきみ
)
を
鞘
(
さや
)
に納め、
樫棒
(
かしぼう
)
を持ちまして文治の
脊中
(
せなか
)
を二つ
三
(
み
)
つ打ちましたが、文治は少しも動く
気色
(
けしき
)
もなく、両手を
支
(
つ
)
いたまゝ暫く考えて居りました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
中学時代に、あの馬鹿の竹一から、ワザ、ワザ、と言われて
脊中
(
せなか
)
を突かれ、地獄に
蹴落
(
けおと
)
された、その時の思い以上と言っても、決して過言では無い気持です。
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
麁略
(
そりやく
)
にせず力の
入事
(
いること
)
などはさせざりけり然ともお花は身を
粉
(
こ
)
にしてなり恩を
報
(
はう
)
ぜんものと思へば如何なる
賤
(
いやし
)
き
業
(
わざ
)
をも少しも
厭
(
いとは
)
ず客が來れば夜具の
上下
(
あげさげ
)
風呂
(
ふろ
)
に
浴
(
い
)
れば
脊中
(
せなか
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
馬方
(
うまかた
)
は
馬
(
うま
)
を
褒
(
ほ
)
めまして、
馬
(
うま
)
の
脊中
(
せなか
)
にある
鞍
(
くら
)
をはづしてやつたり
馬
(
うま
)
の
顏
(
かほ
)
を
撫
(
な
)
でゝやつたりしました。それから
馬方
(
うまかた
)
は
大
(
おほ
)
きな
盥
(
たらひ
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
まして、
馬
(
うま
)
に
行水
(
ぎやうずゐ
)
をつかはせました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
足袋二枚はきて
藁沓
(
わらぐつ
)
の
爪
(
つま
)
先に
唐辛子
(
とうがらし
)
三四本足を
焼
(
やか
)
ぬ
為
(
ため
)
押し入れ、毛皮の
手甲
(
てっこう
)
して
若
(
もし
)
もの時の助けに
足橇
(
かんじき
)
まで
脊中
(
せなか
)
に用意、充分してさえ
此
(
この
)
大吹雪、容易の事にあらず、
吼立
(
ほえたつ
)
る
天津風
(
あまつかぜ
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
若
(
も
)
し
或人
(
あるひと
)
が
義母
(
おつかさん
)
の
脊後
(
うしろ
)
から
其
(
その
)
脊中
(
せなか
)
をトンと
叩
(
たゝ
)
いて『
義母
(
おつかさん
)
!』と
叫
(
さけ
)
んだら『オヽ』と
驚
(
おどろ
)
いて
四邊
(
あたり
)
をきよろ/\
見廻
(
みまは
)
して
初
(
はじ
)
めて
自分
(
じぶん
)
が
汽車
(
きしや
)
の
中
(
なか
)
に
在
(
あ
)
ること、
旅行
(
りよかう
)
しつゝあることに
氣
(
き
)
が
附
(
つ
)
くだらう。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ましてや土方の手伝ひして車の
跡押
(
あとおし
)
にと親は
生
(
うみ
)
つけても下さるまじ、ああつまらぬ夢を見たばかりにと、ぢつと身にしみて湯もつかはねば、
父
(
とつ
)
ちやん
脊中
(
せなか
)
洗つておくれと太吉は無心に催促する
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
次ぎ次ぎに産まれる妹たちを
脊中
(
せなか
)
に縛りつけられ、遠遊びをしたこともあったが、負ぶったまま庭の
柘榴
(
ざくろ
)
の木に登り、手をかけた枝が析れて、
弾
(
はず
)
みで下の泉水へどさりと
堕
(
お
)
っこちたこともあった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
みんなに、お
母
(
かあ
)
さんがあるのに、どうして、
自分
(
じぶん
)
にばかり、お
母
(
かあ
)
さんがないのか? それで、
正
(
しょう
)
ちゃんは、
女中
(
じょちゅう
)
の
脊中
(
せなか
)
におぶわれながら
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
代助は
脊中
(
せなか
)
から
水
(
みづ
)
を
被
(
かぶ
)
つた様に
顫
(
ふる
)
へた。社会から逐ひ
放
(
はな
)
たるべき
二人
(
ふたり
)
の
魂
(
たましひ
)
は、たゞ
二人
(
ふたり
)
対
(
むか
)
ひ合つて、
互
(
たがひ
)
を穴の
明
(
あ
)
く程眺めてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
続いて
後
(
あと
)
から追掛けて来ました盗人は、よう/\
追付
(
おっつ
)
いて、ドンとお町の
脊中
(
せなか
)
を突きましたから、お町はのめる
機
(
はずみ
)
に熊の
棲
(
す
)
んでいる穴の中へ落ちました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
脊中
(
せなか
)
におぶさっている
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
が、
腹
(
はら
)
が
減
(
へ
)
ったので
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
しました。
乞食
(
こじき
)
は、どうしたらいいか、ほんとうに
困
(
こま
)
ってしまいました。
塩を載せた船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自己が自己に自然な因果を発展させながら、其因果の
重
(
おも
)
みを
脊中
(
せなか
)
に
負
(
しよ
)
つて、高い絶壁の
端
(
はじ
)
迄押し出された様な心持であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此の婦人に惚れて入湯の跡を
追掛
(
おいか
)
けて来て入込みの湯の中で
脊中
(
せなか
)
などを
押付
(
おっつ
)
ける人があります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
牛
(
うし
)
は、いつのまに
小舎
(
こや
)
の
中
(
なか
)
から
森
(
もり
)
に
出
(
で
)
たものか、その
脊中
(
せなか
)
には
二人
(
ふたり
)
の
子供
(
こども
)
たちが
乗
(
の
)
って、
一人
(
ひとり
)
は
太鼓
(
たいこ
)
をたたき、
一人
(
ひとり
)
は
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いていました。
百姓の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
発車
間際
(
まぎは
)
に頓狂な声を出して、馳け込んで
来
(
き
)
て、いきなり
肌
(
はだ
)
を
抜
(
ぬ
)
いだと思つたら
脊中
(
せなか
)
に御灸の
痕
(
あと
)
が一杯あつたので、三四郎の記憶に残つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
なにより
効験
(
きゝめ
)
の強いのは
和蘭陀
(
おらんだ
)
でカンタリスという
脊中
(
せなか
)
に縞のある虫で、是は豆の葉に得て居るが、田舎でエゾ虫と申し、斑猫のことで、効験が強いのは煎じ詰めるのがよかろうと申しましたので
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
松
(
まつ
)
にまじって
生
(
は
)
えている
雑木
(
ぞうき
)
をたずねて
歩
(
ある
)
いていると、一
本
(
ぽん
)
のかしわの
木
(
き
)
があって、そこにかぶと
虫
(
むし
)
の
止
(
と
)
まっている
黒
(
くろ
)
い
脊中
(
せなか
)
が
見
(
み
)
られました。
玉虫のおばさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見馴れない四十
恰好
(
がっこう
)
の女が、姉の
後
(
うしろ
)
から
脊中
(
せなか
)
を
撫
(
さす
)
っている傍に、一本の
杉箸
(
すぎばし
)
を添えた
水飴
(
みずあめ
)
の入物が盆の上に載せてあった。女は健三に会釈した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ほんとう?」と、
達吉
(
たつきち
)
は、
寝耳
(
ねみみ
)
に
水
(
みず
)
の
思
(
おも
)
いで、
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
を
負
(
お
)
ったまま
駈
(
か
)
け
出
(
だ
)
すと、
脊中
(
せなか
)
の
子
(
こ
)
は、
火
(
ひ
)
のつくように
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
した。
僕はこれからだ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大きな
木
(
き
)
の
雁首
(
がんくび
)
を
指
(
ゆび
)
で
抑
(
おさ
)
へて、
二吹許
(
ふたふきばか
)
り濃い
烟
(
けむり
)
を
髭
(
ひげ
)
の
中
(
なか
)
から
出
(
だ
)
したが、やがて又丸い
脊中
(
せなか
)
を向けて
画
(
ゑ
)
に
近付
(
ちかづ
)
いた。勝手な所を自由に塗つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こっちにきかかった
姉
(
あね
)
は、
苦
(
くる
)
しんでいるおじいさんを
見
(
み
)
ました。
姉
(
あね
)
はさっそく、そのおじいさんに
近
(
ちか
)
づいて、
白
(
しろ
)
い
手
(
て
)
で
脊中
(
せなか
)
をなでてやりました。
灰色の姉と桃色の妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宗助
(
そうすけ
)
も
厚
(
あつ
)
い
綿
(
わた
)
の
上
(
うへ
)
で、
一種
(
いつしゆ
)
の
靜
(
しづ
)
かさを
感
(
かん
)
じた。
瓦斯
(
ガス
)
の
燃
(
も
)
える
音
(
おと
)
が
微
(
かす
)
かにして
次第
(
しだい
)
に
脊中
(
せなか
)
からほか/\
煖
(
あたゝ
)
まつて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
脊中
(
せなか
)
に
子供
(
こども
)
をおぶわされては、
飛
(
と
)
びまわることもできず、
暗
(
くら
)
くなるまで
子守
(
こもり
)
をするのは、いやであった。それをいやといえば、
母親
(
ははおや
)
にしかられる。
高い木と子供の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
脊
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“脊中”で始まる語句
脊中合