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含
>
ふく
ふりがな文庫
“
含
(
ふく
)” の例文
拜借
(
はいしやく
)
仕つり度是迄
推參
(
すいさん
)
候といふに
強慾
(
がうよく
)
無道
(
ぶだう
)
の天忠和尚
滿面
(
まんめん
)
に
笑
(
ゑみ
)
を
含
(
ふく
)
み夫は
重疊
(
ちようでふ
)
の事なり
扨
(
さて
)
其
譯
(
わけ
)
は如何にと尋ぬるに大膳は
膝
(
ひざ
)
を
進
(
すゝ
)
め聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしてこの人なる
語
(
ことば
)
はあるいは
高尚
(
こうしょう
)
な意味に用いることもあれば、またすこぶる
野卑
(
やひ
)
なる意味を
含
(
ふく
)
ませることもある。たとえば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
火口
(
かこう
)
の
池
(
いけ
)
が
休息
(
きゆうそく
)
の
状態
(
じようたい
)
にある
時
(
とき
)
は、
大抵
(
たいてい
)
濁水
(
だくすい
)
を
湛
(
たゝ
)
へてゐるが、これが
硫黄
(
いおう
)
を
含
(
ふく
)
むために
乳白色
(
にゆうはくしよく
)
ともなれば、
熱湯
(
ねつとう
)
となることもある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
涙
(
なみだ
)
は
各自
(
てんで
)
に
分
(
わけ
)
て
泣
(
な
)
かうぞと
因果
(
いんぐわ
)
を
含
(
ふく
)
めてこれも
目
(
め
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふに、
阿關
(
おせき
)
はわつと
泣
(
な
)
いて
夫
(
そ
)
れでは
離縁
(
りゑん
)
をといふたも
我
(
わが
)
まゝで
御座
(
ござ
)
りました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平次の態度には、商賣柄にも似ぬ、噛んで
含
(
ふく
)
めるやうな物優しさがありました。娘はハツと顏を伏せましたが、思ひ定めた樣子で
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
濡色
(
ぬれいろ
)
を
含
(
ふく
)
んだ
曙
(
あけぼの
)
の
霞
(
かすみ
)
の
中
(
なか
)
から、
姿
(
すがた
)
も
振
(
ふり
)
もしつとりとした
婦
(
をんな
)
を
肩
(
かた
)
に、
片手
(
かたて
)
を
引担
(
ひつかつ
)
ぐやうにして、
一人
(
ひとり
)
の
青年
(
わかもの
)
がとぼ/\と
顕
(
あら
)
はれた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「さう? でも
宅
(
うち
)
ぢや
小供
(
こども
)
がないから、
夫程
(
それほど
)
でもなくつてよ」と
答
(
こた
)
へた
御米
(
およね
)
は
糊
(
のり
)
を
含
(
ふく
)
ました
刷毛
(
はけ
)
を
取
(
と
)
つてとん/\とんと
棧
(
さん
)
の
上
(
うへ
)
を
渡
(
わた
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それと結びついて政治学に伴う困難は、政治で語られる言葉が、多少とも現実と合わなかったり
欺瞞
(
ぎまん
)
を
含
(
ふく
)
んでいることである。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
ぼくの姓は坂本ですが、七番の坂本さんと
間違
(
まちが
)
え
易
(
やす
)
いので、いつも
身体
(
からだ
)
の大きいぼくは、
侮蔑
(
ぶべつ
)
的な意味も
含
(
ふく
)
めて、
大坂
(
ダイハン
)
と呼ばれていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
一通り出来るようじゃな、と老人が
穏
(
おだや
)
かな微笑を
含
(
ふく
)
んで言う。だが、それは
所詮
(
しょせん
)
射之射
(
しゃのしゃ
)
というもの、好漢いまだ
不射之射
(
ふしゃのしゃ
)
を知らぬと見える。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この
感覚
(
かんかく
)
の
中
(
うち
)
において
人生
(
じんせい
)
全体
(
ぜんたい
)
が
含
(
ふく
)
まっているのです。これを
苦
(
く
)
にすること、
悪
(
にく
)
むことは
出来
(
でき
)
ます。が、これを
軽蔑
(
けいべつ
)
することは
出来
(
でき
)
んです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わたくし
)
はただ
自分
(
じぶん
)
が
伺
(
うかが
)
いましたままをお
伝
(
つた
)
えする
丈
(
だけ
)
でございますから、その
点
(
てん
)
はよくよくお
含
(
ふく
)
みの
上
(
うえ
)
で
取拾
(
しゅしゃ
)
して
戴
(
いただ
)
き
度
(
と
)
う
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「うむ、さうだあ、そんだから
觸
(
さあ
)
つとがさ/\すんだよ」
斯
(
か
)
ういつておつぎの
聲
(
こゑ
)
は
少
(
すこ
)
し
明瞭
(
はつきり
)
として
來
(
き
)
た。おつぎは
羞
(
はぢ
)
を
含
(
ふく
)
んだ
容子
(
ようす
)
を
作
(
つく
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『あいつは
他國人
(
たこくじん
)
に
交際
(
かうさい
)
してゐる。』『あの
男
(
をとこ
)
は
他縣人
(
たけんじん
)
と
懇意
(
こんい
)
にして
居
(
ゐ
)
る。』そしてそれがいつも
批難
(
ひなん
)
の
意味
(
いみ
)
を
含
(
ふく
)
んでゐた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
一
匹
(
ぴき
)
の鯉魚にも天地の全理が
含
(
ふく
)
まれるのを知ると同時に、恋愛のみが全人生でなく、そういう一部に分外に
滞
(
とどま
)
るべきでないとも知ることです。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
井戸水は塩分を多分に
含
(
ふく
)
んで、顔を洗うと、ちょっと舌が塩っぱかった。水は二階のはんど
甕
(
がめ
)
の中へ、二日分位
汲
(
く
)
み入れた。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
先生
(
せんせい
)
の
此等
(
これら
)
の
言葉
(
ことば
)
は
其實
(
そのじつ
)
平凡
(
へいぼん
)
な
説
(
せつ
)
ですけれど、
僕
(
ぼく
)
は
先生
(
せんせい
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
見
(
み
)
て
此等
(
これら
)
の
説
(
せつ
)
を
聞
(
き
)
くと
平凡
(
へいぼん
)
な
言葉
(
ことば
)
に
清新
(
せいしん
)
な
力
(
ちから
)
の
含
(
ふく
)
んで
居
(
ゐ
)
ることを
感
(
かん
)
じました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「よい。泰親が願意、聴きとどけて取らせ申そう。
但
(
ただ
)
しこれを仕損じたら彼は重罪じゃ。それらのことも入道より彼にとくと申し
含
(
ふく
)
められい」
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
間もなく低いうねり道を
回
(
めぐ
)
って来るその人なる者の姿が見えた。なにか一念に
誦経
(
ずきょう
)
の低声を口に
含
(
ふく
)
んでわき眼もふらずに登ってくるのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
され共東天
漸
(
やうや
)
く白く夜光全く
去
(
さ
)
り、清冷の水は俗界の
塵
(
ちり
)
を去り
黛緑
(
たいりよく
)
の山は
笑
(
えみ
)
を
含
(
ふく
)
んて迎ふるを見れば、
勇気
(
いうき
)
勃然
(
ぼつぜん
)
為めに過去の
辛苦
(
しんく
)
を一
掃
(
そう
)
せしむ。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
日本
(
につぽん
)
の
古代
(
こだい
)
の
人々
(
ひと/″\
)
は、かういふふうに、
一首
(
いつしゆ
)
の
歌
(
うた
)
についても、
何
(
なに
)
か
神
(
かみ
)
の
心
(
こゝろ
)
あるひは、
諭
(
さと
)
しが
含
(
ふく
)
まれてゐるのだ、といふ
考
(
かんが
)
へ
癖
(
くせ
)
を
持
(
も
)
つてゐました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「これは水気が来ておりますから、……
綿
(
わた
)
を
含
(
ふく
)
ませたせいもあるのでございましょう。」——
奥
(
おく
)
さんは
僕
(
ぼく
)
にこういった。
滝田哲太郎君
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
このあいだから
見
(
み
)
ると、だいぶ
大
(
おお
)
きくなった。あの
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
子供
(
こども
)
がいるんだね。
暑
(
あつ
)
いときは、
水盤
(
すいばん
)
の
水
(
みず
)
を
含
(
ふく
)
んでいって、
巣
(
す
)
の
上
(
うえ
)
を
冷
(
ひ
)
やしているよ。
ある夏の日のこと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たちまち次の電光は、マグネシアの
焔
(
ほのお
)
よりももっと明るく、
菫外線
(
きんがいせん
)
[※6]の
誘惑
(
ゆうわく
)
を、力いっぱい
含
(
ふく
)
みながら、まっすぐに地面に落ちて来ました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その叫び声の中には、
仲間
(
なかま
)
の救いを求める合い図が
含
(
ふく
)
まれたことであろう。しかし他のおおかみはついに姿を見せない。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
随分書き
悪
(
にく
)
かろうと
墨汁
(
ぼくじゅう
)
を
含
(
ふく
)
ませて見たのが
機会
(
きっかけ
)
になって、僕は間もなくこの猫柳で厄介な書信を認める運命に陥った。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
初めて本になったのは一八三九年十二月二十日で、(表紙の日付は一八四〇年となっている)そのときはわずかに二十夜を
含
(
ふく
)
むごく小さい本であった。
絵のない絵本:02 解説
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
それは
恐
(
おそ
)
らく
戰
(
たゝか
)
ふ者の誇と名
譽
(
よ
)
にかけて、または男の
意
(
い
)
地にかけてであつたらう。が、
現在
(
げんざい
)
では
對局
(
たいきよく
)
の陰に
實際的
(
じつさいてき
)
な生
活
(
くわつ
)
問題
(
もんだい
)
まで
含
(
ふく
)
まれて來たらしい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
初めて本になったのは一八三九年十二月二十日で、(表紙の日付は一八四〇年となっている)そのときはわずかに二十夜を
含
(
ふく
)
むごく小さい本であった。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それで
葉
(
は
)
の
内部
(
ないぶ
)
に
色
(
いろ
)
のある
液
(
えき
)
を
含
(
ふく
)
んで、その
強
(
つよ
)
い
光
(
ひかり
)
を
遮
(
さへぎ
)
るわけで、つまり
若葉
(
わかば
)
が
自分自身
(
じぶんじしん
)
の
保護
(
ほご
)
をするのです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
まったく
途方
(
とほう
)
に
暮
(
く
)
れたのであろう。
春信
(
はるのぶ
)
の
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
あげたおせんの
瞼
(
まぶた
)
は、
露
(
つゆ
)
を
含
(
ふく
)
んだ
花弁
(
かべん
)
のように
潤
(
うる
)
んで
見
(
み
)
えた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
かれその木の實を咋ひ破り、
赤土
(
はに
)
を
含
(
ふく
)
みて
唾
(
つば
)
き出だしたまへば、その大神、
呉公
(
むかで
)
を咋ひ破りて唾き出だすとおもほして、心に
愛
(
は
)
しとおもほして
寢
(
みね
)
したまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
それから
怒氣
(
どき
)
を
含
(
ふく
)
んだ
聲
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えました——
兎
(
うさぎ
)
の——『
小獸
(
ちび
)
や
小獸
(
ちび
)
や!お
前
(
まへ
)
何處
(
どこ
)
に
居
(
ゐ
)
るんだい?』すると
聞
(
き
)
き
慣
(
な
)
れない
聲
(
こゑ
)
で、『
此處
(
こゝ
)
に
居
(
ゐ
)
るよ!
林檎
(
りんご
)
を
掘
(
ほ
)
つて!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
何だか変な会合だとお感じの方もおありのことと存じますが、その点あらかじめお
含
(
ふく
)
みを願っておきます。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
はじめ緑色の二枚の
子葉
(
しよう
)
が開展し、その中央から
茎
(
くき
)
が出て葉を
着
(
つ
)
ける。そしてその胚には油を
含
(
ふく
)
んでいる。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
それを命があんなにけいべつして
広言
(
こうげん
)
をお
吐
(
は
)
きになったので、山の神はひどく
怒
(
おこ
)
って、たちまち
毒気
(
どくき
)
を
含
(
ふく
)
んだひょうを降らして、命をおいじめ申したのでした。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
そして当時
平静
(
へいせい
)
に仕事をしていたけれども、その裏面には
憤
(
いきどお
)
りを
含
(
ふく
)
んでいたことが言いたかったのだ。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
その中には、悲しみも、喜びも、未来の予感も、希望も、生の
恐
(
おそ
)
れも、何から何までが
含
(
ふく
)
まれていた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
と云ったその言葉は極めて簡単であったが、打水の涼しげな庭の
景色
(
けしき
)
を見て感謝の意を
含
(
ふく
)
めたような
口調
(
くちぶり
)
であった。主人はさもさも
甘
(
うま
)
そうに一口
啜
(
すす
)
って
猪口
(
ちょく
)
を下に置き
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかもその対話の中には、いつも人生の最も悲哀な言葉が
含
(
ふく
)
まれていた。そしてその悲哀の意味を知ってるものは、世界にただ二人の、妻と良人よりなかったのである。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
ルーヴルには
圖書館
(
としよかん
)
が
附設
(
ふせつ
)
されてない
代
(
かは
)
りに、
古
(
ふる
)
い
繪
(
え
)
の
博物館
(
はくぶつかん
)
が
含
(
ふく
)
まれてをります。
殊
(
こと
)
にこの
古
(
ふる
)
い
繪
(
え
)
の
方
(
ほう
)
では、
他
(
ほか
)
にこれと
肩
(
かた
)
を
竝
(
なら
)
べる
程
(
ほど
)
のものはないといはれてをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
縱令
(
たとひ
)
化物
(
ばけもの
)
が
出
(
で
)
ても、
其
(
それ
)
は
理性的
(
りせいてき
)
な
乾燥無味
(
かんさうむみ
)
なものであつて、
情的
(
ぜうてき
)
な
餘韻
(
よいん
)
を
含
(
ふく
)
んで
居
(
ゐ
)
ない。
隨
(
したが
)
つて
少
(
すこ
)
しも
面白味
(
おもしろみ
)
が
無
(
な
)
い。
故
(
ゆゑ
)
に
文運
(
ぶんうん
)
が
發達
(
はつたつ
)
して
來
(
く
)
ると、
自然
(
しぜん
)
化物
(
ばけもの
)
は
無
(
な
)
くなつて
來
(
く
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
盃を口にした重吉は、しばらくは口をつぐみ、口じゅうにその酒の味をゆっくりと
沁
(
し
)
みわたらせるかのようにじっと
含
(
ふく
)
んでいて、やがてぐっとうなずくようにして飲みこんだ。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
「いずれまた電話で。」と重吉は女中と共に
梯子段
(
はしごだん
)
を降りると、
直様
(
すぐさま
)
慶応義塾病院に電話をかけ、お千代を呼出して、「家へは帰って来てはいけない」と言って
暗
(
あん
)
にその意を
含
(
ふく
)
ませ
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その夜、源助町乱闘の注進を受けた大岡様は、直ちに金山寺屋の音松を呼んで何事か
含
(
ふく
)
め、至急に黒門町の壁辰の許へ走らせた。
表向
(
おもてむ
)
きは、この喬之助召し捕りを壁辰に命じたのである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あの
追放人
(
おひはらはれ
)
の
無頼漢
(
ならずもの
)
が
住
(
す
)
んでゐるマンチュアに
使
(
つかひ
)
を
送
(
おく
)
り、さる
男
(
をとこ
)
に
言
(
い
)
ひ
含
(
ふく
)
めて
尋常
(
よのつね
)
ならぬ
飮物
(
のみもの
)
を
彼奴
(
あいつ
)
めに
飮
(
の
)
ませませう、すれば
即
(
やが
)
てチッバルトが
冥途
(
めいど
)
の
道伴
(
みちづれ
)
。さうなれば
其方
(
そなた
)
の
心
(
こゝろ
)
も
慰
(
なぐさ
)
まう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
インキ瓶を火鉢に縁に、載せて、瓶の口から
水蒸氣
(
ゆげ
)
が立つ位にして置いても、ペンに
含
(
ふく
)
んだインキが半分もなくならぬうちに凍つて了ふ、葉書一枚書くにも、それは/\億劫なものであつた。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ただし
討
(
う
)
たれ
候
(
そろ
)
横田清兵衛が子孫
遺恨
(
いこん
)
を
含
(
ふく
)
みいては相成らずと仰せられ候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
製法は何れも手づくね
素燒
(
すや
)
きなり。土質中には
多少
(
たせう
)
の
雲母
(
きらら
)
を
含
(
ふく
)
むを常とす。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
何
(
な
)
んだか
深遠
(
しんえん
)
な
人生
(
じんせい
)
の
意味
(
ゐみ
)
が
含
(
ふく
)
まれてゐるやうな氣がしてならなかツた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
含
常用漢字
中学
部首:⼝
7画
“含”を含む語句
含羞
含羞草
含笑
含嗽
羽含
羞含
含蓄
涙含
増一阿含経
含満
含漱
阿含経
云含
詩韻含英
含嗽茶碗
御含
差含
王含
含声
含味
...