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泳
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およ
ふりがな文庫
“
泳
(
およ
)” の例文
その
金魚
(
きんぎょ
)
は
友
(
とも
)
だちもなく、
親
(
おや
)
や、
兄弟
(
きょうだい
)
というものもなく、まったくの
独
(
ひと
)
りぼっちで、さびしそうに
水盤
(
すいばん
)
の
中
(
なか
)
を
泳
(
およ
)
ぎまわっていました。
水盤の王さま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其処
(
そこ
)
へ
懸
(
か
)
けては
我等
(
わしら
)
が
鮒
(
ふな
)
ぢや。
案山子
(
かゝし
)
が
簑
(
みの
)
を
捌
(
さば
)
いて
捕
(
と
)
らうとするなら、ぴち/\
刎
(
は
)
ねる、
見事
(
みごと
)
に
泳
(
およ
)
ぐぞ。
老爺
(
ぢい
)
が
広言
(
くわうげん
)
を
吐
(
は
)
くではねえ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども一体どうだろう、小鳥が啼かないでいられず魚が
泳
(
およ
)
がないでいられないように人はどういうことがしないでいられないだろう。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
やがて船は、米倉の下の
岸
(
きし
)
へつきました。水ぎわにあそんでいた、たくさんのあひるどもが、があがあなきながら
泳
(
およ
)
ぎにげました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
おれの
泳
(
およ
)
ぎかたがへただったせいじゃないぞ、ズルスケ。おれはガンのところまでいって、もうすこしでガンにとびかかろうとしたんだ。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
▼ もっと見る
あの
涙
(
なみだ
)
の
池
(
いけ
)
で
泳
(
およ
)
いでからは
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
も
變
(
かは
)
つたやうで、
硝子
(
ガラス
)
洋卓
(
テーブル
)
も
小
(
ちひ
)
さな
戸
(
と
)
のあつた
大廣間
(
おほびろま
)
も
全
(
まつた
)
く
何處
(
どこ
)
へか
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せて
了
(
しま
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
やがて
向
(
む
)
こうに一つの
島
(
しま
)
が
見
(
み
)
えました。くらげは「あれがきっと
猿
(
さる
)
が
島
(
しま
)
だな。」と
思
(
おも
)
いながら、やがて
島
(
しま
)
に
泳
(
およ
)
ぎつきました。
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
船長のこの話が終らないうちに、もう小さなやつが大勢、海岸へ出て来たかと思うと、船をめがけて、ぽちゃぽちゃと
泳
(
およ
)
いで来はじめました。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
押
(
お
)
しつもまれつする
人波
(
ひとなみ
)
のあいだから、
泳
(
およ
)
ぐように顔をだした
鞍馬
(
くらま
)
の
竹童
(
ちくどう
)
は、
忍剣
(
にんけん
)
や
小文治
(
こぶんじ
)
などの、
仲間
(
なかま
)
の者までむちゅうになって
押
(
お
)
しのけながら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
運河には石の
眼鏡橋
(
めがねばし
)
。橋には
往来
(
わうらい
)
の
麦稈帽子
(
むぎわらばうし
)
。——忽ち
泳
(
およ
)
いで来る
家鴨
(
あひる
)
の一むれ。
白白
(
しろじろ
)
と日に照つた家鴨の一むれ。
続野人生計事
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さて、
寒
(
さむ
)
さは
日々
(
ひび
)
にひどくなって
来
(
き
)
ました。
子家鴨
(
こあひる
)
は
水
(
みず
)
が
凍
(
こお
)
ってしまわない
様
(
よう
)
にと、しょっちゅう、その
上
(
うえ
)
を
泳
(
およ
)
ぎ
廻
(
まわ
)
っていなければなりませんでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この
前
(
まへ
)
の
關東大地震
(
かんとうだいぢしん
)
に
際
(
さい
)
し、
熱海
(
あたみ
)
で
津浪
(
つなみ
)
に
浚
(
さら
)
はれたものゝ
中
(
うち
)
、
伊豆山
(
いづさん
)
の
方
(
ほう
)
へ
向
(
むか
)
つて
泳
(
およ
)
いだものは
助
(
たす
)
かつたといふ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
いはなややまめは
𧮾谷
(
けいこく
)
を
流
(
なが
)
れる
激流
(
げきりゆう
)
の
中
(
なか
)
で、はつらつと
泳
(
およ
)
いでをり、
二三尺
(
にさんじやく
)
も
空
(
そら
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
るほどの
元氣
(
げんき
)
ものです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
彼は、それを私の手から取つて、高く提げて
寢臺
(
ベッド
)
を
檢
(
しら
)
べた。何も
彼
(
か
)
もが眞黒に燻つてゐた。敷布はビショ/\になり、絨毯は水の中を
泳
(
およ
)
ぎまはつてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
友達の眼の長く切れた
痩
(
や
)
せ
形
(
がた
)
の
細君
(
さいくん
)
と、まだ處女で肉付に丸味のある妹とは、その色白の肌に海水着の黒いのを着て、ボートの
板子
(
いたご
)
に一緒に取り附いて
泳
(
およ
)
いだ。
地方主義篇:(散文詩)
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
あわてた寳屋、疊の上を額で
泳
(
およ
)
ぐやうな恰好になるのを、ガラツ八は襟髮を取つてピタリと
引据
(
ひきす
)
ゑました。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
普通の身体なら、こんな海は片手でも
泳
(
およ
)
げる。せっかく壺を手に入れたのに、つい鼻の先に陸を見ながら、
果敢
(
はか
)
ない最期を遂げるのかと思うと、無念でならない。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
端艇
(
たんてい
)
を
覆
(
くつが
)
へす
懼
(
おそれ
)
があるので
今
(
いま
)
しも
右舷
(
うげん
)
間近
(
まぢか
)
に
泳
(
およ
)
いで
來
(
き
)
た三四
尺
(
しやく
)
の
沙魚
(
ふか
)
、『
此奴
(
こいつ
)
を。』と
投込
(
なげこ
)
む
餌
(
え
)
の
浪
(
なみ
)
に
沈
(
しづ
)
むか
沈
(
しづ
)
まぬに、
私
(
わたくし
)
は『やツ。しまつた。』と
絶叫
(
ぜつけう
)
したよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すはやとて両人衣服を
脱
(
ぬぎ
)
すて水に飛入り
泳
(
およ
)
ぎよりて光る物を
探
(
さぐ
)
りみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを
取得
(
とりえ
)
て家に
皈
(
かへ
)
り、まづ
灶
(
かまど
)
の
下
(
もと
)
に
置
(
おき
)
しに光り
一室
(
いつしつ
)
を
照
(
てら
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
代助には、平岡の凡てが、恰も肺の強くない人の、
重苦
(
おもくる
)
しい
葛湯
(
くづゆ
)
の
中
(
なか
)
を
片息
(
かたいき
)
で
泳
(
およ
)
いでゐる様に取れた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それもえゝが
蛙
(
けえる
)
だの
蛇
(
へび
)
だのが
來
(
き
)
てね、
蛙
(
けえる
)
はなんだが
蛇
(
へび
)
がなんぼにも
厭
(
いや
)
ではあ、
棒
(
ぼう
)
で
引
(
ひ
)
つ
掛
(
か
)
けて
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
へ
打
(
ぶ
)
ん
投
(
な
)
げて
見
(
み
)
ても、
執念深
(
しふねんぶけ
)
えつちのか
又
(
また
)
ぞよ/\
泳
(
およ
)
いで
來
(
き
)
て
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
栄子が何うして三人の子供まで取られたうへに、実家からさへも
疎
(
うと
)
まれて独りで世のなかの
真中
(
たゞなか
)
へ
泳
(
およ
)
ぎ出さなければならなかつたかと云ふ事情が、段々明かになつて来た。
質物
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
江戸
(
えど
)
から
来
(
き
)
ている
小供
(
こども
)
はそれが
羨
(
うらやま
)
しくて
耐
(
たま
)
らなかったものでございましょう、
自分
(
じぶん
)
では
泳
(
およ
)
げもせぬのに、
女中
(
じょちゅう
)
の
不在
(
るす
)
の
折
(
おり
)
に
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
深
(
ふか
)
い
水溜
(
みずたまり
)
の
一
(
ひと
)
つに
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んだから
耐
(
たま
)
りませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
泳
(
およ
)
がんと
爲
(
す
)
るものゝやうに
兩手
(
りやうて
)
を
動
(
うご
)
かして、
誰
(
たれ
)
やらの
寐臺
(
ねだい
)
にやう/\
取縋
(
とりすが
)
つた。と
又
(
また
)
も
此時
(
このとき
)
振下
(
ふりおろ
)
したニキタの
第
(
だい
)
二の
鐵拳
(
てつけん
)
、
背骨
(
せぼね
)
も
歪
(
ゆが
)
むかと
悶
(
もだ
)
ゆる
暇
(
ひま
)
もなく
打續
(
うちつゞい
)
て、
又々
(
また/\
)
三
度目
(
どめ
)
の
鐵拳
(
てつけん
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
水鳥がむれて
泳
(
およ
)
いでいる時も、あめんぼが勢いよく走っている時もありました。しかし清造には、この
沼
(
ぬま
)
のあたりが、一番しずかでだれにもいじめられずに遊んでいられる場所だったのです。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
それから宿へ著くとそこの庭に四角な箱のやうなものが地にいけてある。清い水がそこに不断にながれおちて
鰻
(
うなぎ
)
が一ぱい
泳
(
およ
)
いでゐる。そんなに沢山に鰻のゐるところは今まで見たことはなかつた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
土
(
つち
)
や
空気
(
くうき
)
や水のいぶき、または
闇
(
やみ
)
の中にうごめいてる、
飛
(
と
)
んだりはったり
泳
(
およ
)
いだりしている
小
(
ちい
)
さな
生物
(
いきもの
)
の、歌や
叫
(
さけ
)
びや音、または
晴天
(
せいてん
)
や雨の
前兆
(
ぜんちょう
)
、または
夜
(
よる
)
の
交響曲
(
シンフォニー
)
の
数
(
かぞ
)
えきれないほどの
楽器
(
がっき
)
など
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「そうよなあ、十八か、九かな。二人とも
大望
(
たいもう
)
をもってな。あわよくば外国船に乗りこんで、メリケンへ渡ろうというんじゃ。シアトルにでも行ったとき、海にとびこんで
泳
(
およ
)
ぎ
渡
(
わた
)
ろうという
算段
(
さんだん
)
よ」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
喬之助は、春の野に蝶を追うような様子で、フラフラと
泳
(
およ
)
ぐように、前へ出て来た。パラリ、結び目の解けた手拭の
端
(
はし
)
を口にくわえて、やはり、
右手
(
めて
)
にはだらりと
抜刀
(
ぬきみ
)
を
提
(
さ
)
げている。
虚
(
うつ
)
ろな
表情
(
かお
)
だ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
余等は毎日寺の下の
川淵
(
かわぶち
)
に
泳
(
およ
)
ぎ、三度〻〻
南瓜
(
とうなす
)
で飯を食わされた。村から
水瓜
(
すいか
)
を買うて来て、川に
浸
(
ひた
)
して置いて食ったりした。余は今記念の為に、川に下りて川水の中から赤い石と白い石とを
拾
(
ひろ
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
もうどっかへ
泳
(
およ
)
いで逃げちゃってらあ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
かえるは、
入
(
い
)
り
口
(
ぐち
)
からはいると、きれいな
水
(
みず
)
があって、
魚
(
うお
)
がたくさん
泳
(
およ
)
いでいましたから、
大喜
(
おおよろこ
)
びでいきなり
中
(
なか
)
へ
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
みました。
お母さんのひきがえる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そこに、
白鳥
(
はくてう
)
の
抜羽
(
ぬけは
)
一
枚
(
ひら
)
、
白帆
(
しらほ
)
の
船
(
ふね
)
ありとせよ。
蝸牛
(
まい/\つぶろ
)
の
角
(
つの
)
を
出
(
だ
)
して、
櫓
(
ろ
)
を
操
(
あやつ
)
るものありとせよ、
青螽
(
あをいなご
)
の
流
(
なが
)
るゝ
如
(
ごと
)
き
発動汽艇
(
はつどうきてい
)
の
泳
(
およ
)
ぐとせよ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その水へ半分顔を
浸
(
ひた
)
して
泳
(
およ
)
ぎながら
横目
(
よこめ
)
で海岸の方を見ますと、
泥岩
(
でいがん
)
の向うのはずれは高い草の
崖
(
がけ
)
になって木もゆれ雲もまっ白に光りました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
家鴨
(
あひる
)
やドード
鳥
(
てう
)
、ローリー
鳥
(
てう
)
や
小鷲
(
こわし
)
、
其他
(
そのほか
)
種々
(
いろ/\
)
の
珍
(
めづ
)
らしい
動物
(
どうぶつ
)
が
居
(
ゐ
)
ましたが、
愛
(
あい
)
ちやんの
水先案内
(
みづさきあんない
)
で、
皆
(
みん
)
な
隊
(
たい
)
を
成
(
な
)
して
殘
(
のこ
)
らず
岸
(
きし
)
に
泳
(
およ
)
ぎつきました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
飛
(
と
)
ぶお手なみはさっき拝見しましたが、ほかのことなら、きっと、もっとおじょうずでしょう。
泳
(
およ
)
ぎなんかは、さぞおとくいなんでしょうね?」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
他
(
ほか
)
の
家鴨達
(
あひるたち
)
は、こんな、
足
(
あし
)
の
滑
(
すべ
)
りそうな
土堤
(
どて
)
を
上
(
のぼ
)
って、
牛蒡
(
ごぼう
)
の
葉
(
は
)
の
下
(
した
)
に
坐
(
すわ
)
って、この
親家鴨
(
おやあひる
)
とお
喋
(
しゃべ
)
りするより、
川
(
かわ
)
で
泳
(
およ
)
ぎ
廻
(
まわ
)
る
方
(
ほう
)
がよっぽど
面白
(
おもしろ
)
いのです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこにはさっきのあひるどもが、やっぱりがあがあなきながら、いかにもおもしろそうに
泳
(
およ
)
ぎまわっていました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
胴
(
どう
)
のない生首は、胴をかくして立ち
泳
(
およ
)
ぎをしている人間のように、グルリとまわって、
足軽
(
あしがる
)
のほうへ顔を向けた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すはやとて両人衣服を
脱
(
ぬぎ
)
すて水に飛入り
泳
(
およ
)
ぎよりて光る物を
探
(
さぐ
)
りみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを
取得
(
とりえ
)
て家に
皈
(
かへ
)
り、まづ
灶
(
かまど
)
の
下
(
もと
)
に
置
(
おき
)
しに光り
一室
(
いつしつ
)
を
照
(
てら
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「えらいツ、八、其處へ何んだつて氣が付かなかつたんだ。あの晩、赤酒を呑む振りをして呑まなかつた奴と、
泳
(
およ
)
ぎのうまい奴を調べて來い、——今度は間違ひ無いぞ」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、とうとう
猿
(
さる
)
はくらげの
背中
(
せなか
)
に
乗
(
の
)
りました。
猿
(
さる
)
を
背中
(
せなか
)
に
乗
(
の
)
せると、くらげはまたふわりふわり
海
(
うみ
)
の上を
泳
(
およ
)
いで、こんどは
北
(
きた
)
へ
北
(
きた
)
へと
帰
(
かえ
)
っていきました。しばらく行くと
猿
(
さる
)
は
くらげのお使い
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
……一時間ばかりたった
後
(
のち
)
、
手拭
(
てぬぐい
)
を頭に巻きつけた僕等は海水帽に
貸下駄
(
かしげた
)
を突っかけ、半町ほどある海へ
泳
(
およ
)
ぎに行った。道は庭先をだらだら下りると、すぐに浜へつづいていた。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
再
(
ふたゝ
)
び
海面
(
かいめん
)
に
浮
(
うか
)
び
出
(
い
)
でゝ、
命
(
いのち
)
を
限
(
かぎ
)
りに
泳
(
およ
)
いで
居
(
を
)
ると、
暫
(
しばら
)
くして、
彼方
(
かなた
)
の
波上
(
はじやう
)
から、
人
(
ひと
)
の
呼聲
(
よびごゑ
)
と、
櫂
(
オール
)
の
音
(
ね
)
とが
近
(
ちか
)
づいて
來
(
き
)
て、
吾等
(
われら
)
兩人
(
りやうにん
)
は
遂
(
つひ
)
に
情
(
なさけ
)
ある
一艘
(
いつそう
)
の
端艇
(
たんてい
)
に
救
(
すく
)
ひ
上
(
あ
)
げられたのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さうしては
又
(
また
)
凡
(
すべ
)
ての
幼
(
をさな
)
いものゝ
特有
(
もちまへ
)
で
凝然
(
ぢつ
)
として
居
(
を
)
られなくて
可憐
(
かれん
)
な
尾
(
を
)
をひら/\と
動
(
うご
)
かしながら、
力
(
ちから
)
に
餘
(
あま
)
る
水
(
みづ
)
の
勢
(
いきほひ
)
にぐつと
持
(
も
)
ち
去
(
さ
)
られつゝ
泳
(
およ
)
いで
居
(
ゐ
)
る。
與吉
(
よきち
)
は
鼠麹草
(
はゝこぐさ
)
の
花
(
はな
)
を
水
(
みづ
)
へ
投
(
な
)
げた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
彼
(
かれ
)
は
泳
(
およ
)
がんとするもののように
両手
(
りょうて
)
を
動
(
うご
)
かして、
誰
(
たれ
)
やらの
寐台
(
ねだい
)
にようよう
取縋
(
とりすが
)
った。とまたもこの
時
(
とき
)
振下
(
ふりおろ
)
したニキタの
第
(
だい
)
二の
鉄拳
(
てっけん
)
、
背骨
(
せぼね
)
も
歪
(
ゆが
)
むかと
悶
(
もだ
)
ゆる
暇
(
ひま
)
もなく
打続
(
うちつづい
)
て、またまた三
度目
(
どめ
)
の
鉄拳
(
てっけん
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
又
(
また
)
津浪
(
つなみ
)
に
浚
(
さら
)
はれた
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
て、
其港灣
(
そのこうわん
)
の
奧
(
おく
)
に
接近
(
せつきん
)
した
所
(
ところ
)
では
潮
(
うしほ
)
の
差引
(
さしひき
)
が
急
(
きゆう
)
であるから、
游泳
(
ゆうえい
)
も
思
(
おも
)
ふように
行
(
ゆ
)
かないけれども、
港灣
(
こうわん
)
の
兩翼端
(
りようよくたん
)
近
(
ちか
)
くにてはかような
事
(
こと
)
がないから、
平常通
(
へいじようどほ
)
りに
泳
(
およ
)
ぎ
得
(
え
)
られる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
うん、
上
(
うえ
)
の
方
(
ほう
)
には、くらげが、
傘
(
かさ
)
のような
形
(
かたち
)
をして、
泳
(
およ
)
いでいるし、すこし
下
(
した
)
の
岩陰
(
いわかげ
)
には、たこが
腕組
(
うでぐ
)
みをして、
考
(
かんが
)
え
込
(
こ
)
んでいるしな。
海が呼んだ話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ひら/\、と
夕空
(
ゆふぞら
)
の
雲
(
くも
)
を
泳
(
およ
)
ぐやうに
柳
(
やなぎ
)
の
根
(
ね
)
から
舞上
(
まひあが
)
つた、あゝ、
其
(
それ
)
は
五位鷺
(
ごゐさぎ
)
です。
中島
(
なかじま
)
の
上
(
うへ
)
へ
舞上
(
まひあが
)
つた、と
見
(
み
)
ると
輪
(
わ
)
を
掛
(
か
)
けて
颯
(
さつ
)
と
落
(
おと
)
した。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
いくら昨日までよく
泳
(
およ
)
げる人でも、今日のからだ
加減
(
かげん
)
では、いつ水の中で動けないようになるかわからないというのです。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
泳
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“泳”を含む語句
游泳
水泳
立泳
蛙泳
朴泳孝
浮泳
電気泳動
亀泳
遊泳靴
遊泳
片泳
游泳者
游泳祝祭
泳手
泳出
水泳衣
水泳場
曲泳
平泳