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近頃
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ちかごろ
ふりがな文庫
“
近頃
(
ちかごろ
)” の例文
男
(
をとこ
)
は
女蕩
(
をんなた
)
らしの
浮氣
(
うはき
)
もの、
近頃
(
ちかごろ
)
は
嫂
(
あによめ
)
の
年増振
(
としまぶり
)
に
目
(
め
)
を
着
(
つ
)
けて、
多日
(
しばらく
)
遠々
(
とほ/″\
)
しくなつて
居
(
ゐ
)
たが、
最
(
も
)
う
一二年
(
いちにねん
)
、
深
(
ふか
)
く
馴染
(
なじ
)
んで
居
(
ゐ
)
たのであつた。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
八の
字
(
じ
)
を
深
(
ふか
)
くしながら、
寄
(
よ
)
せた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼先
(
めさき
)
を、ちらとかすめたのは、
鶯
(
うぐいす
)
の
糞
(
ふん
)
をいれて
使
(
つか
)
うという、
近頃
(
ちかごろ
)
はやりの
紅色
(
べにいろ
)
の
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
どうも、
宗
(
そう
)
さんも
餘
(
あん
)
まり
近頃
(
ちかごろ
)
は
御出
(
おいで
)
でないし、
私
(
わたし
)
も
御無沙汰
(
ごぶさた
)
許
(
ばかり
)
してゐるのでね、つい
御前
(
おまへ
)
の
事
(
こと
)
は
御話
(
おはなし
)
をする
譯
(
わけ
)
にも
行
(
い
)
かなかつたんだよ
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
是
(
これ
)
は
面白
(
おもしろ
)
い、
近頃
(
ちかごろ
)
落語
(
らくご
)
が
大分
(
だいぶ
)
流行
(
はや
)
るから、
何所
(
どこ
)
かで
座料
(
ざれう
)
を
取
(
とつ
)
て
内職
(
ないしよく
)
にやつたら
面白
(
おもしろ
)
からう、事に
依
(
よつ
)
たら
片商売
(
かたしやうばい
)
になるかもしれない。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日本
(
につぽん
)
アルプスの
上高地
(
かみこうち
)
の
梓川
(
あづさがは
)
には、もといはなで、
足
(
あし
)
が
滑
(
すべ
)
るといはれたほど
澤山
(
たくさん
)
ゐたものですが、
近頃
(
ちかごろ
)
はだんだん
減
(
へ
)
つて
來
(
き
)
たようです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
▼ もっと見る
「さういふ
短
(
みじか
)
いのは
端布片
(
はしぎれ
)
で
買
(
か
)
ふに
限
(
かぎ
)
るのさ、
幾
(
いく
)
らにもつかないもんだよ、
私
(
わたし
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
出
(
で
)
る
序
(
ついで
)
もあるから
買
(
か
)
つて
來
(
き
)
て
遣
(
や
)
つても
善
(
い
)
いよ」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
幽明交通
(
ゆうめいこうつう
)
の
途
(
みち
)
が
杜絶
(
とだえ
)
ているせいか、
近頃
(
ちかごろ
)
の
人間
(
にんげん
)
はまるきり
駄目
(
だめ
)
じゃ……。
昔
(
むかし
)
の
人間
(
にんげん
)
にはそれ
位
(
くらい
)
のことがよく
判
(
わか
)
っていたものじゃが……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
日本
(
にほん
)
の
麻雀
(
マアジヤン
)
も
近頃
(
ちかごろ
)
は
少々
(
せう/\
)
猫
(
ねこ
)
も
杓子
(
しやくし
)
もの
感
(
かん
)
じになつてしまつたが、
僅
(
わづ
)
か四五
年
(
ねん
)
ほどの
間
(
あひだ
)
にこれほど
隆盛
(
りうせい
)
を
見
(
み
)
た
勝負事
(
しようぶごと
)
はあるまいし
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
著者
(
ちよしや
)
は
初
(
はじ
)
め
此話
(
このはなし
)
が
南洋傳來
(
なんようでんらい
)
のものではあるまいか、と
疑
(
うたが
)
つてみたこともあるが、
近頃
(
ちかごろ
)
研究
(
けんきゆう
)
の
結果
(
けつか
)
、さうでないように
思
(
おも
)
はれて
來
(
き
)
たのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
になってわたしは、いろんなことに慣れもしたし、ことにザセーキン家では、やっとこさいろんなことを見せつけられた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
魯
(
ろ
)
の
卞
(
べん
)
の
游侠
(
ゆうきょう
)
の徒、
仲由
(
ちゅうゆう
)
、
字
(
あざな
)
は子路という者が、
近頃
(
ちかごろ
)
賢者
(
けんじゃ
)
の
噂
(
うわさ
)
も高い
学匠
(
がくしょう
)
・
陬人
(
すうひと
)
孔丘
(
こうきゅう
)
を
辱
(
はずか
)
しめてくれようものと思い立った。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「署長さん、ご存じでしょうか、
近頃
(
ちかごろ
)
、
林野
(
りんや
)
取締法
(
とりしまりほう
)
の第一条をやぶるものが大変あるそうですが、どうしたのでしょう。」
毒もみのすきな署長さん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
は
石匕
(
いしさじ
)
の名行はるる樣に成りしが、是とても决して
好
(
よ
)
き
稱
(
とな
)
へには非ざるなり。イースタアアイランド土人及びエスキモーは
現
(
げん
)
に
此石器
(
このせきき
)
を有す。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
甚麼話
(
どんなはなし
)
を
爲
(
す
)
るので
有
(
あ
)
らうか、
彼處
(
かしこ
)
へ
行
(
い
)
つても
處方書
(
しよはうがき
)
を
示
(
しめ
)
さぬでは
無
(
な
)
いかと、
彼方
(
あつち
)
でも、
此方
(
こつち
)
でも、
彼
(
かれ
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
の
奇
(
き
)
なる
擧動
(
きよどう
)
の
評判
(
ひやうばん
)
で
持切
(
もちき
)
つてゐる
始末
(
しまつ
)
。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
江戸・大阪の
浄瑠璃
(
じょうるり
)
に出てくる抱え遊女は、
駆落
(
かけお
)
ちの際でもなければ外へは出ぬものになっていたが、地方は
近頃
(
ちかごろ
)
までかなりの自由があったらしい。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
一枚物ではソプラノで「宝石の歌」は昔メルバやファーラーのが有名であったが、
近頃
(
ちかごろ
)
のではコロムビアのヴァランかポリドールのシャンピだろう。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
エレメンタルスの名は元よりあつたでせうが、その活動が小説に現れ出したのは、
近頃
(
ちかごろ
)
の事に違ひありますまい。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
また
近頃
(
ちかごろ
)
發掘
(
はつくつ
)
されたツタンカーメンといふ
王樣
(
おうさま
)
のお
墓
(
はか
)
から
出
(
で
)
た
黄金
(
きん
)
づくめのすてきな
品物
(
しなもの
)
が
山
(
やま
)
のように
陳列
(
ちんれつ
)
せられて、
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
をびっくりさせてをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「ようございますとも。」女は
近頃
(
ちかごろ
)
にない好い心持ちで、こう答えた。もう一週間この
方
(
かた
)
、こんな風に心にわだかまりのない話し振をした事はなかった。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
尤も最初の二三回は、
普請場
(
ふしんば
)
の砂があったお蔭で助かったけれども、
生憎
(
あいにく
)
近頃
(
ちかごろ
)
は何処にも砂なんかありはしない。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ところが、それからだんだん国元の様子が父に不利になって来て、
近頃
(
ちかごろ
)
ではまるっきり
音沙汰
(
おとさた
)
もありません。
噂
(
うわさ
)
には一族
郎党
(
ろうとう
)
、ほとんど
全滅
(
ぜんめつ
)
だとの事です。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかしそれを
拒
(
こば
)
んで
答
(
こた
)
へずにしまふのは、
殆
(
ほとん
)
どそれは
譃
(
うそ
)
だと
云
(
い
)
ふと
同
(
おな
)
じやうになる。
近頃
(
ちかごろ
)
歸
(
き
)
一
協會
(
けふくわい
)
などでは、それを
子供
(
こども
)
のために
惡
(
わる
)
いと
云
(
い
)
つて
氣遣
(
きづか
)
つてゐる。
寒山拾得縁起
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
だから
近頃
(
ちかごろ
)
の
歌
(
うた
)
や
文學
(
ぶんがく
)
の
上
(
うへ
)
からは、かういふ
態度
(
たいど
)
はよいとはいへないが、それにしても
作
(
つく
)
つたものが
相當
(
そうとう
)
によければ、やはりよいといふより
外
(
ほか
)
はありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
ソーンフィールドは立派な
舊家
(
きうか
)
でございましてね、
近頃
(
ちかごろ
)
は、どちらかと申せば、打棄てられてゐるやうですが、それにしましても、立派な處なのでございます。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
時々
(
とき/″\
)
我輩
(
わがはい
)
に
建築
(
けんちく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
は
何
(
なん
)
であるかなどゝ
云
(
い
)
ふ
六
(
むづ
)
ヶ
敷
(
し
)
い
質問
(
しつもん
)
を
提出
(
ていしゆつ
)
して
我輩
(
わがはい
)
を
困
(
こま
)
らせる
人
(
ひと
)
がある。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
側
(
そば
)
から憑司は
額
(
うな
)
づきて恐れながら申上げん私し親類とは申せども
近頃
(
ちかごろ
)
は一向出入も仕つらず候處傳吉は其の朝に
限
(
かぎ
)
り用事もこれなきに私し方へ參り
悴夫婦
(
せがれふうふ
)
が
柏原
(
かしはばら
)
へ行事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
東京
(
とうきやう
)
の或る
固執派
(
オルソドキシカー
)
教会
(
けうくわい
)
に
属
(
ぞく
)
する
女学校
(
ぢよがつかう
)
の
教師
(
けうし
)
が
曾我物語
(
そがものがたり
)
の
挿画
(
さしゑ
)
に
男女
(
なんによ
)
の
図
(
づ
)
あるを
見
(
み
)
て
猥褻
(
わいせつ
)
文書
(
ぶんしよ
)
なりと
飛
(
と
)
んだ
感違
(
かんちが
)
ひして
炉中
(
ろちう
)
に
投込
(
なげこ
)
みしといふ一ツ
咄
(
ばなし
)
も
近頃
(
ちかごろ
)
笑止
(
せうし
)
の
限
(
かぎ
)
りなれど
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
君も知つてゐるとほり、薔薇はまだ出ないし、
石竹
(
せきちく
)
は
近頃
(
ちかごろ
)
、むやみに註文があつたんで、すつかり使ひつくしてしまつたんだ。それに似寄りの染粉も、みんなになつてしまつたのだ。
虹猫と木精
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
此
(
こ
)
の
梅屋敷
(
うめやしき
)
は文化九年の春より
菊塢
(
きくう
)
が開きしなり、百
花園
(
くわゑん
)
菊塢の
伝
(
でん
)
は
清風廬主人
(
せいふうろしゆじん
)
、さきに
国民之友
(
こくみんのとも
)
に
委
(
くは
)
しく
出
(
いだ
)
されたれば、
誰人
(
たれびと
)
も知りたらんが、
近頃
(
ちかごろ
)
一新聞
(
あるしんぶん
)
に
菊塢
(
きくう
)
は
無学
(
むがく
)
なりしゆゑ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
其處らが
寂
(
しん
)
として
薄暗
(
うすぐら
)
い。體が快く
懶
(
ものう
)
く、そして頭が馬鹿に輕くなツてゐて、
近頃
(
ちかごろ
)
になく
爽快
(
さうくわい
)
だ………恰で頭の中に籠ツてゐた腐ツたガスがスツカリ拔けて了ツたやうな心地である。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
あなたは、九州で、女学校の体操教師をしていると、
近頃
(
ちかごろ
)
風の便りにききました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ところが、この法師が
浮気者
(
うわきもの
)
であったとみえ、
近頃
(
ちかごろ
)
は同じ遊女仲間の一人に、心をうつして、しげしげ通っているという
噂
(
うわさ
)
が、お兼の耳に伝わって来た。お兼は、安からず、思っていた。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
蕪村
(
ぶそん
)
や
芭蕉
(
ばしょう
)
の俳句に関しては、
近頃
(
ちかごろ
)
さかんに多くの研究文献が輩出している。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
夫
(
それ
)
から
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
へかけて、カリフォルニヤ
街
(
がい
)
の
坂道
(
さかみち
)
を、
断間
(
たえま
)
なく
鋼索鉄道
(
ケーブルカー
)
の
往来
(
わうらい
)
するのが
見
(
み
)
える。
地震
(
ぢしん
)
の
時
(
とき
)
に
焼
(
や
)
けたのが
彼処
(
あすこ
)
、
近頃
(
ちかごろ
)
建
(
た
)
てかけた
市庁
(
しちやう
)
は
彼
(
あれ
)
と、
甲板
(
かんぱん
)
の
上
(
うへ
)
の
評定
(
ひやうぢやう
)
とり/″\
頗
(
すこぶ
)
る
喧
(
やかま
)
しい。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
然
(
しか
)
るに
今月
(
こんげつ
)
の
初旬
(
はじめ
)
、
本國
(
ほんごく
)
から
届
(
とゞ
)
いた
郵便
(
ゆうびん
)
によると、
妻
(
つま
)
の
令兄
(
あに
)
なる
松島海軍大佐
(
まつしまかいぐんたいさ
)
は、
兼
(
かね
)
て
帝國軍艦高雄
(
ていこくぐんかんたかを
)
の
艦長
(
かんちやう
)
であつたが、
近頃
(
ちかごろ
)
病氣
(
びやうき
)
の
爲
(
た
)
めに
待命中
(
たいめいちゆう
)
の
由
(
よし
)
、
勿論
(
もちろん
)
危篤
(
きとく
)
といふ
程
(
ほど
)
の
病氣
(
びやうき
)
ではあるまいが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
で
近頃
(
ちかごろ
)
では私は散歩といえば、自分でどこへ行こうなどと考えずに、この犬の行く方へだまってついて行くことに決めているようなわけなのである。蹄鍛冶屋の横道は、私はまだ一度も歩かない。
西班牙犬の家:(夢見心地になることの好きな人々の為めの短篇)
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
は、弓形になった橋の
傾斜
(
けいしゃ
)
が苦痛でならない。
疲
(
つか
)
れているのだ。
馬地獄
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
おれは
近頃
(
ちかごろ
)
欧羅巴
(
ヨウロツパ
)
の往復に
南洋館
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
我は
近頃
(
ちかごろ
)
煙草
(
たばこ
)
を
喫
(
の
)
み習へど
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「
近頃
(
ちかごろ
)
はそれで名が通ってしまいましたが、もともと避暑地なんですから。今頃は花が一時に咲き乱れて何とも云えない良い季節ですよ。それなのに都会の人はまだ来ないし、土地の者は
田植
(
たうえ
)
で忙しい。だから静かに勉強するには申し分ありませんね」
浴槽
(新字新仮名)
/
大坪砂男
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
どうだい。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
下町
(
したまち
)
の
方
(
はう
)
は
知
(
し
)
らない。
江戸
(
えど
)
のむかしよりして、これを
東京
(
とうきやう
)
の
晝
(
ひる
)
の
時鳥
(
ほとゝぎす
)
ともいひたい、その
苗賣
(
なへうり
)
の
聲
(
こゑ
)
は、
近頃
(
ちかごろ
)
聞
(
き
)
くことが
少
(
すくな
)
くなつた。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
御米
(
およね
)
、
御前
(
おまへ
)
は
神經
(
しんけい
)
が
過敏
(
くわびん
)
になつて、
近頃
(
ちかごろ
)
何
(
ど
)
うかしてゐるよ。もう
少
(
すこ
)
し
頭
(
あたま
)
を
休
(
やす
)
めて
能
(
よ
)
く
寐
(
ね
)
る
工夫
(
くふう
)
でもしなくつちや
不可
(
いけ
)
ない」と
云
(
い
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし
近頃
(
ちかごろ
)
ではもうそんな
拙
(
へた
)
な
真似
(
まね
)
はいたしません。
天狗
(
てんぐ
)
がどんな
立派
(
りっぱ
)
な
姿
(
すがた
)
に
化
(
ば
)
けていても、すぐその
正体
(
しょうたい
)
を
看破
(
かんぱ
)
して
了
(
しま
)
います。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
尤
(
もつと
)
も、
支那人
(
しなじん
)
は
麻雀
(
マアジヤン
)
を
親
(
した
)
しい
仲間
(
なかま
)
の
一組
(
ひとくみ
)
で
樂
(
たの
)
しむといふやうに
心得
(
こゝろえ
)
てゐるらしいが、
近頃
(
ちかごろ
)
の
日本
(
にほん
)
のやうにそれを
團隊的競技
(
だんたいてききやうぎ
)
にまで
進
(
すゝ
)
めて
來
(
き
)
て
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「こまけえ
勘定
(
かんぢやう
)
にや
近頃
(
ちかごろ
)
燐寸
(
マツチ
)
と
極
(
き
)
めて
置
(
お
)
くんだが、
何處
(
どこ
)
の
商人
(
あきんど
)
もさうのやうだな」
商人
(
あきんど
)
は
卵
(
たまご
)
を
笊
(
ざる
)
へ
入
(
い
)
れながらいひ
續
(
つゞ
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
女
(
おんな
)
ならでは
夜
(
よ
)
のあけぬ、その
大江戸
(
おおえど
)
の
隅々
(
すみずみ
)
まで、
子供
(
こども
)
が
唄
(
うた
)
う
毬唄
(
まりうた
)
といえば、
近頃
(
ちかごろ
)
「おせんの
茶屋
(
ちゃや
)
」にきまっていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
どんな
話
(
はなし
)
をするのであろうか、
彼処
(
かしこ
)
へ
行
(
い
)
っても
処方書
(
しょほうがき
)
を
示
(
しめ
)
さぬでは
無
(
な
)
いかと、
彼方
(
あっち
)
でも、
此方
(
こっち
)
でも、
彼
(
かれ
)
が
近頃
(
ちかごろ
)
の
奇
(
き
)
なる
挙動
(
きょどう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
で
持切
(
もちき
)
っている
始末
(
しまつ
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかしながら人間どもは不届だ。
近頃
(
ちかごろ
)
はわしの祭にも供物一つ持って来ん、おのれ、今度わしの領分に最初に足を
土神と狐
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これは
近頃
(
ちかごろ
)
西洋
(
せいよう
)
の
文明
(
ぶんめい
)
がはひつて
來
(
き
)
ても
同
(
おな
)
じことで、いかに
西洋風
(
せいようふう
)
を
習
(
なら
)
つても、ある
點
(
てん
)
には
日本人
(
につぽんじん
)
には
日本人
(
につぽんじん
)
らしい
趣味
(
しゆみ
)
と
特質
(
とくしつ
)
が、
消
(
き
)
えないのであります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
近
常用漢字
小2
部首:⾡
7画
頃
常用漢字
中学
部首:⾴
11画
“近”で始まる語句
近
近所
近江
近寄
近々
近習
近衛
近傍
近郷
近眼