“近頃:ちかごろ” の例文
“近頃:ちかごろ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花18
泉鏡太郎15
夏目漱石4
宮沢賢治4
今村明恒2
“近頃:ちかごろ”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 地球科学・地学 > 地震学(児童)100.0%
文学 > ロシア・ソヴィエト文学 > 小説 物語9.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
近頃ちかごろ評判ひょうばん浮世絵師うきよえし鈴木晴信すずきはるのぶ錦絵にしきえをそのままのうつくしさ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
近頃ちかごろわがくににはアメリカふう高層建築物こうそうけんちくぶつ段々だん/\増加ぞうかしつゝある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ところが、それからだんだん国元の様子が父に不利になって来て、近頃ちかごろではまるっきり音沙汰おとさたもありません。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
勘次かんじさん近頃ちかごろ工合ぐあひがえゝといふはなしだが」親方おやかた義理ぎりぺんのやうにいふと
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
近頃ちかごろ協會けふくわいなどでは、それを子供こどものためにわるいとつて氣遣きづかつてゐる。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
近頃ちかごろわかあたらしい中華民國ちうくわみんこく人達ひとたちからしかられるかもれないが
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
日本にほん麻雀マアジヤン近頃ちかごろ少々せう/\ねこ杓子しやくしものかんじになつてしまつたが
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
近頃ちかごろこゝろしてひとふ、甲胄堂かつちうだうはなあやめ、あはれに、いまけりとぞ。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かけはなれたべつのものであるといふふうに、いままでのひとおほおもつてゐましたが、近頃ちかごろ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「これはまた迂濶うかつばん飴売あめうり土平どへいは、近頃ちかごろ江戸えど名物めいぶつでげすぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
近頃ちかごろになってわたしは、いろんなことに慣れもしたし、ことにザセーキン家では、やっとこさいろんなことを見せつけられた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
近頃ちかごろ頻々ひんぴんとして金澤かなざは旅行りよかうする人々ひと/″\みなその調味てうみしやうす。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
エレメンタルスの名は元よりあつたでせうが、その活動が小説に現れ出したのは、近頃ちかごろの事に違ひありますまい。
近頃の幽霊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
かへつ國家こくからんとならむこと、憂慮きづかはしくさふらふついては近頃ちかごろ御無心ごむしんながら
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もつとも周三は近頃ちかごろおそろしい藝術的げいじゆつてき頬悶ほんもんおちいツて、何うかすると
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
私は仕方なしに言葉の上で、い加減にうろつきまわった末、Kが近頃ちかごろ何かいいはしなかったかと奥さんに聞いてみました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十勝岳とかちだけ近頃ちかごろまで死火山しかざんかんがへられてゐた火山かざんひとつであるが
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「矢っ張りつまらない内職をしてゐるんですが、どうも近頃ちかごろは不景気で、あんまりくない様です」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
近頃ちかごろはあんまり書物を読まないから、新しい事は知りませんよ。学校の先生に聞いた方が好いでしょう」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たづぬるにくはしからず、宿題しゆくだいにしたところ近頃ちかごろ神田かんだそだつた或婦あるをんなをしへた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれ近頃ちかごろなる擧動きよどう評判ひやうばん持切もちきつてゐる始末しまつ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
近頃ちかごろ石匕いしさじの名行はるる樣に成りしが、是とても决してとなへには非ざるなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
かれ近頃ちかごろなる挙動きょどう評判ひょうばん持切もちきっている始末しまつ
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
土器どきでは三本脚さんぼんあしのれきなどでありますが、近頃ちかごろにいたつて河南省かなんしよう甘肅省かんしゆくしようあたりでは
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかるに近頃ちかごろいたつて不思議ふしぎ評判ひやうばん院内ゐんないつたはつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかるに近頃ちかごろいたって不思議ふしぎ評判ひょうばん院内いんないつたわった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ないでもございませぬが、近頃ちかごろ統一とういつふかくなっためか、だんだんそうしたかんがえがうすらいでまいりました。
近頃ちかごろたいへんに御無沙汰ごぶさたいたしました。いつも御機嫌ごきげんなにより結構けっこうでございます……。』
しかし近頃ちかごろきつね毛皮けがは帽子ぼうし首卷くびまきなどがつくられます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
ヴィタミンBの注射をするのが癖になってしまって、近頃ちかごろでは医者へ行くまでもなく、強力ベタキシンの注射薬を備えて置いて、家族が互に
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
しなはつい近頃ちかごろつた勘次かんじことしきりにおもされて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
蕪村ぶそん芭蕉ばしょうの俳句に関しては、近頃ちかごろさかんに多くの研究文献が輩出している。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
「署長さん、ご存じでしょうか、近頃ちかごろ林野りんや取締法とりしまりほうの第一条をやぶるものが大変あるそうですが、どうしたのでしょう。」
毒もみのすきな署長さん (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
近頃ちかごろだれます、鐵無地てつむぢ羽織はおりて、温氣うんきに、めりやすの襯衣しやつです。そして
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近頃ちかごろは、得月とくげつなどといふのが評判ひやうばんたかいとく、が、いまもこのうたおもむきはあるのであらう。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一枚物ではソプラノで「宝石の歌」は昔メルバやファーラーのが有名であったが、近頃ちかごろのではコロムビアのヴァランかポリドールのシャンピだろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
近頃ちかごろでは私は散歩といえば、自分でどこへ行こうなどと考えずに、この犬の行く方へだまってついて行くことに決めているようなわけなのである。
二十幾年にじふいくねんぶりかで、近頃ちかごろつたが、夫人ふじん矢張やつぱ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これ近頃ちかごろになつてて増した西洋作りで、内部の装飾其他の大部分は、代助の意匠にもとづいて、専門家へ注文して出来上つたものである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……りるつもりか、さては近頃ちかごろ工面くめんがいゝナなぞとおせきなさるまじく。
鳥影 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近頃ちかごろ噴火ふんかもつともよく記憶きおくせられてゐるのは櫻島さくらじまたか一千六十米いつせんろくじゆうめーとる)であらう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
一人が博物をつらまえて近頃ちかごろこないなのが、でけましたぜ、弾いてみまほうか。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いかに息災そくさいでもすでに五十九、あけて六十にならうといふのが、うちでこそはくる/\𢌞まはれ、近頃ちかごろ遠路とほみちえうもなく
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
近頃ちかごろ土地とち名物めいぶつ浪子饅頭なみこまんぢうふものあり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
近頃ちかごろではフィードラーの管弦楽を指揮したレコードがある(ビクター愛好家協会)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
あなたは、九州で、女学校の体操教師をしていると、近頃ちかごろ風の便りにききました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
江戸・大阪の浄瑠璃じょうるりに出てくる抱え遊女は、駆落かけおちの際でもなければ外へは出ぬものになっていたが、地方は近頃ちかごろまでかなりの自由があったらしい。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
さきに国民之友こくみんのともくはしくいだされたれば、誰人たれびとも知りたらんが、近頃ちかごろ一新聞あるしんぶん菊塢きくう無学むがくなりしゆゑ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
ところが、この法師が浮気者うわきものであったとみえ、近頃ちかごろは同じ遊女仲間の一人に、心をうつして、しげしげ通っているといううわさが、お兼の耳に伝わって来た。
大力物語 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
體が快くものうく、そして頭が馬鹿に輕くなツてゐて、近頃ちかごろになく爽快さうくわいだ………恰で頭の中に籠ツてゐた腐ツたガスがスツカリ拔けて了ツたやうな心地である。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
画家。そうか。大分長く顔を見せなかったなあ。近頃ちかごろどうだい。
江戸えどのむかしよりして、これを東京とうきやうひる時鳥ほとゝぎすともいひたい、その苗賣なへうりこゑは、近頃ちかごろくことがすくなくなつた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近頃ちかごろは、弓形になった橋の傾斜けいしゃが苦痛でならない。
馬地獄 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
山椒さんせうを、近頃ちかごろおなあたりすまはるゝ、上野うへの美術學校出びじゆつがくかうでわかひとから手土産てみやげもらつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
地震ぢしんときけたのが彼処あすこ近頃ちかごろてかけた市庁しちやうあれと、甲板かんぱんうへ評定ひやうぢやうとり/″\すこぶやかましい。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
我は近頃ちかごろ煙草たばこみ習へど、
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おれは近頃ちかごろ欧羅巴ヨウロツパの往復に、
南洋館 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
近頃ちかごろ病氣びやうきめに待命中たいめいちゆうよし勿論もちろん危篤きとくといふほど病氣びやうきではあるまいが、つまたゞ一人ひとりあにであれば
日本につぽんアルプスの上高地かみこうち梓川あづさがはには、もといはなで、あしすべるといはれたほど澤山たくさんゐたものですが、近頃ちかごろはだんだんつてたようです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
喧嘩の出ているのは驚ろかないのだが、中学の教師堀田某ほったぼうと、近頃ちかごろ東京から赴任ふにんした生意気なる某とが、順良なる生徒を使嗾しそうしてこの騒動そうどう喚起かんきせるのみならず
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
明進軒めいしんけん島金しまきん飛上とびあがつて常磐ときは(はこがはひる)とところを、奴等やつら近頃ちかごろ景氣けいきでは——蛉鍋はまなべと……あたりがついた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「しかしながら人間どもは不届だ。近頃ちかごろはわしの祭にも供物一つ持って来ん、おのれ、今度わしの領分に最初に足を入れたものはきっと泥の底に引き擦り込んでやらう。」土神はまたきりきり歯噛はがみしました。
土神と狐 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
だから近頃ちかごろうた文學ぶんがくうへからは、かういふ態度たいどはよいとはいへないが、それにしてもつくつたものが相當そうとうによければ、やはりよいといふよりほかはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
近頃ちかごろ時々とき/″\我輩わがはい建築けんちく本義ほんぎなんであるかなどゝむづ質問しつもん提出ていしゆつして我輩わがはいこまらせるひとがある。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
けれども、近頃ちかごろ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
近頃ちかごろ不景氣ふけいきだ、と徒黨とたう十餘輩じふよはいかたらうて盛唐縣せいたうけん塚原つかはらいたり、數十すうじふつかあばきて金銀寶玉きんぎんはうぎよく掠取かすめとる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
著者ちよしやはじ此話このはなし南洋傳來なんようでんらいのものではあるまいか、とうたがつてみたこともあるが、近頃ちかごろ研究けんきゆう結果けつか、さうでないようにおもはれてたのである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
べん游侠ゆうきょうの徒、仲由ちゅうゆうあざなは子路という者が、近頃ちかごろ賢者けんじゃうわさも高い学匠がくしょう陬人すうひと孔丘こうきゅうはずかしめてくれようものと思い立った。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「しかしながら人間どもは不届ふとどきだ。近頃ちかごろはわしの祭にも供物くもつ一つ持って来ん、おのれ、今度わしの領分に最初に足を入れたものはきっとどろの底に引きんでやろう。」土神はまたきりきり歯噛みしました。
土神ときつね (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
これ面白おもしろい、近頃ちかごろ落語らくご大分だいぶ流行はやるから、何所どこかで座料ざれうとつ内職ないしよくにやつたら面白おもしろからう、事によつたら片商売かたしやうばいになるかもしれない。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「フム、蒙古もうこの王子が馬にのることが下手では困つたものだね。よし/\、わしに考へがあるから、ぢや、今日はお前ひとりで行つてもよろしい。だが近頃ちかごろ、馬賊がこのへんの山にはいつて来たといふことだから、よく気をつけなさいよ」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
成分は蛋白質が二二パアセント、脂肪が十八ポイント七パアセント、含水炭素がゼロポイント九パアセントですが、これは只今ただいまではあんまり重要じゃありません。油揚の代りに近頃ちかごろさかんになったのは玉蜀黍とうもろこしです。
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
このときねずみにくさは、近頃ちかごろ片腹痛かたはらいたく、苦笑くせうをさせられる、あの流言蜚語りうげんひごとかをたくましうして、女小兒をんなこどもおびやかすともがらにくさとおなじであつた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
——これは帰京ききやう早々そう/\たづねにあづかつた緑蝶夫人ろくてふふじんとひこたへたのであるが——じつくち宿やど洋燈ランプだつたので、近頃ちかごろ余程よほどめづらしかつた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
娯樂ごらくものの講談かうだんに、近頃ちかごろ大立おほだてものの、岡引をかつぴきが、つけて、つて、さだめて、御用ごようと、ると、幽靈いうれいは……わかをんなとはたものの慾目よくめだ。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つたく、近頃ちかごろ天津てんしん色男いろをとこ何生なにがしふもの、二日ふつかばかりやしきけた新情人しんいろもとから、午後二時半頃こごにじはんごろばうとしてかへつてた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ソーンフィールドは立派な舊家きうかでございましてね、近頃ちかごろは、どちらかと申せば、打棄てられてゐるやうですが、それにしましても、立派な處なのでございます。でも冬になりますと、立派な住家にまつたくの獨りぽつちで、淋しいのでございますのよ。
をとこ女蕩をんなたらしの浮氣うはきもの、近頃ちかごろあによめ年増振としまぶりけて、多日しばらく遠々とほ/″\しくなつてたが、一二年いちにねんふか馴染なじんでたのであつた。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近頃ちかごろはそれで名が通ってしまいましたが、もともと避暑地なんですから。今頃は花が一時に咲き乱れて何とも云えない良い季節ですよ。それなのに都会の人はまだ来ないし、土地の者は田植たうえで忙しい。だから静かに勉強するには申し分ありませんね」
浴槽 (新字新仮名) / 大坪砂男(著)
この席におられる大森教授は私と同年かまたは前後して大学を出られた方ですが、その大森さんが、かつて私にどうも近頃ちかごろの生徒は自分の講義をよくかないで困る、どうも真面目まじめが足りないで不都合ふつごうだというような事を云われた事があります。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わし行者ぎやうじやでもなんでもないのぢや。近頃ちかごろまで、梅暮里うめぼりみぞて、あはせのえきつてましたが、きなどぶろくのたしにもらんで、おもひついた擬行者まがひぎやうじやぢや。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
台町の方から坂の上までは人力車が通うが、左側に近頃ちかごろ刈り込んだ事のなさそうな生垣を見て右側に広い邸跡やしきあとを大きい松が一本我物顔に占めている赤土の地盤を見ながら、ここからが坂だと思う辺まで来ると、突然勾配こうばいの強い、狭い、曲りくねった小道になる。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
先頃さきごろ大阪おほさかよりかへりしひとはなしに、彼地かのちにては人力車じんりきしやさかんおこなはれ、西京さいきやう近頃ちかごろまでこれなきところ追々おひ/\さかんにて、四百六輌しひやくろくりやう
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なにかな、御身おみ遠方ゑんぱうから、近頃ちかごろ双六すごろく温泉をんせんへ、夫婦ふうふづれで湯治たうぢて、不図ふと山道やまみち内儀ないぎ行衛ゆくゑうしなひ、半狂乱はんきやうらんさがしてござる御仁ごじんかな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近頃ちかごろ私の手に入れたものに「鵙屋春琴伝」という小冊子がありこれが私の春琴女を知るに至った端緒たんちょであるがこの書は生漉きずきの和紙へ四号活字で印刷した三十枚ほどのもので察するところ春琴女の三回に弟子の検校がだれかに頼んで師の伝記を編ませ配り物にでもしたのであろう。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
材料をどうしたものだらうか。君も知つてゐるとほり、薔薇はまだ出ないし、石竹せきちく近頃ちかごろ、むやみに註文があつたんで、すつかり使ひつくしてしまつたんだ。それに似寄りの染粉も、みんなになつてしまつたのだ。もう、薔薇色の革はちつとも持合せがないのに、すぐ取りかゝらなけりやならんのだ。
虹猫と木精 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
とはいえかれだって、近頃ちかごろは様子が変って、めっきりせもしたし、相変らず笑い上戸じょうごではあったものの、その笑い声はみょうにぶく、毒をふくんで、短くなったし、平生の軽い皮肉や、とってつけたような冷笑癖れいしょうへきは、我にもない神経質ないらだちに変っていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
東京とうきやうの或る固執派オルソドキシカー教会けうくわいぞくする女学校ぢよがつかう教師けうし曾我物語そがものがたり挿画さしゑ男女なんによあるを猥褻わいせつ文書ぶんしよなりとんだ感違かんちがひして炉中ろちう投込なげこみしといふ一ツばなし近頃ちかごろ笑止せうしかぎりなれど
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)