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消
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け
ふりがな文庫
“
消
(
け
)” の例文
ある
時
(
とき
)
は、
隣室
(
りんしつ
)
に
臥
(
ね
)
てゐるKの
夫人
(
ふじん
)
に
搖
(
ゆす
)
り
起
(
おこ
)
されて
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
ましたが、
彼女
(
かのぢよ
)
にはそれが
單
(
たん
)
に
夢
(
ゆめ
)
とばかり、
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
すことができなかつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
「ばか、
天
(
てん
)
は、一
里
(
り
)
も、二
里
(
り
)
も、十
里
(
り
)
も、百
里
(
り
)
も、もっと、もっと
高
(
たか
)
いのだよ。」と
反対
(
はんたい
)
した
子供
(
こども
)
は、それを
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
して
叫
(
さけ
)
びました。
木に上った子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まつたそが中の
御厨子
(
みづし
)
の本尊、
妖娟
(
たをやか
)
なる天女の姿、匂ひやかなる雪の肌、
消
(
け
)
たば消ちなむ
目見
(
まみ
)
の霞……造りも造りたる偽の御堂よな。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
まむかうの
黒
(
くろ
)
べいも
櫻
(
さくら
)
がかぶさつて
眞白
(
まつしろ
)
だ。さつと
風
(
かぜ
)
で
消
(
け
)
したけれども、しめた
後
(
あと
)
は
又
(
また
)
こもつて
咽
(
む
)
せつぽい。
濱野
(
はまの
)
さんも
咳
(
せき
)
して
居
(
ゐ
)
た。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、その
試合
(
しあい
)
を取り
消
(
け
)
すことを申しでたので、
龍太郎
(
りゅうたろう
)
や忍剣もかたすみで
相談
(
そうだん
)
のうえ、あらためて、こういう
返答
(
へんとう
)
をかれにあたえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
私の自転車の提灯の火を見て、さては、狐火、と
魂
(
たましい
)
消
(
け
)
しましたぞ、などと相かえり見て言って、またひとしきり笑いさざめくのである。
懶惰の歌留多
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
さるを今は王土の
外
(
そと
)
ヴェルデの
岸邊
(
きしべ
)
に雨に洗はれ風に
搖
(
ゆす
)
らる、彼
消
(
け
)
せる
燈火
(
ともしび
)
をもてこれをかしこに移せるなり 一三〇—一三二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
個人消防上
(
こじんしようぼうじよう
)
の
最大要件
(
さいだいようけん
)
は
時機
(
じき
)
を
失
(
うしな
)
ふことなく、
最
(
もつと
)
も
敏速
(
びんそく
)
に
處置
(
しよち
)
することにある。これは
火
(
ひ
)
は
小
(
ちひ
)
さい
程
(
ほど
)
、
消
(
け
)
し
易
(
やす
)
いといふ
原則
(
げんそく
)
に
基
(
もと
)
づいてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
細君は
下女
(
げじょ
)
をよんで、自分のひよりげたを
駒
(
こま
)
げたにとりかえさして、
縁端
(
えんばた
)
へ
腰
(
こし
)
をかけた。そうしてげたのあとを
消
(
け
)
してくれ、と下女に
命
(
めい
)
じた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
門野
(
かどの
)
を
出
(
だ
)
した
後
(
あと
)
で、代助は椽側に
出
(
で
)
て、椅子に腰を
掛
(
か
)
けた。
門野
(
かどの
)
の帰つた時は、
洋燈
(
ランプ
)
を
吹
(
ふ
)
き
消
(
け
)
して、
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
に
凝
(
じつ
)
としてゐた。
門野
(
かどの
)
は
暗
(
くら
)
がりで
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それでもお
前
(
まへ
)
笹
(
さゝ
)
づる
錦
(
にしき
)
の
守
(
まも
)
り
袋
(
ぶくろ
)
といふやうな
證據
(
しようこ
)
は
無
(
な
)
いのかえ、
何
(
なに
)
か
手懸
(
てがゝ
)
りは
有
(
あ
)
りさうなものだねとお
京
(
きやう
)
の
言
(
い
)
ふを
消
(
け
)
して
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
命
(
みこと
)
は
日頃
(
ひごろ
)
の、あの
雄々
(
おお
)
しい
御気性
(
ごきしょう
)
とて「
何
(
な
)
んの
愚
(
おろ
)
かなこと!」とただ一
言
(
ごん
)
に
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
して
了
(
しま
)
われましたが、ただいかにしても
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
し
得
(
え
)
ないのは
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
『あ、とうとう
消
(
け
)
だ。』と
誰
(
たれ
)
かが叫んでいた。おかしいのはねえ、列のまん中ごろに一人の少し
年老
(
としと
)
った人が居たんだ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そして、ほかの鳥たちのさけび声も聞こえないほど遠くまで、まちがった方向にひっぱっていってから、とつぜん
霧
(
きり
)
の中に姿を
消
(
け
)
してしまいました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
試
(
こゝろ
)
みに
蝋燭
(
らふそく
)
が
吹
(
ふ
)
き
消
(
け
)
された
後
(
あと
)
の
燄
(
ほのふ
)
の
樣
(
さま
)
を
想像
(
さうざう
)
して
見
(
み
)
ました、
前
(
まへ
)
に
其麽
(
そんな
)
物
(
もの
)
を
見
(
み
)
たことを
記憶
(
きおく
)
して
居
(
ゐ
)
ませんでしたから。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
もっと
燭火
(
あかし
)
を
持
(
も
)
て、
家來共
(
けらいども
)
!
食卓
(
テーブル
)
を
疊
(
たゝ
)
んでしまうて、
爐
(
ろ
)
の
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
せ、
餘
(
あま
)
り
室内
(
ざしき
)
が
熱
(
あつ
)
うなったわ。……あゝ、こりゃ
思
(
おも
)
ひがけん
好
(
よ
)
い
慰樂
(
なぐさみ
)
であったわい。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
遂
(
つひ
)
には
其處
(
そこ
)
に
恐怖
(
おそれ
)
が
加
(
くは
)
はれば
棒
(
ぼう
)
で
叩
(
たゝ
)
いたり
土塊
(
つちくれ
)
を
擲
(
はふ
)
つたり、
又
(
また
)
は
自分等
(
じぶんら
)
の
衣物
(
きもの
)
をとつてぱさり/\と
叩
(
たゝ
)
いたりして
其
(
その
)
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
すことに
力
(
つと
)
めるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
白雪のふれば幽かに、たまゆらは澄みてありけど、白雪の
消
(
け
)
ぬるたまゆら、ほのかなるまたも
消
(
け
)
にけり。白雪のはかな
心地
(
ごこち
)
の、我身にも
遣
(
や
)
るかたもなし。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
消
(
け
)
し
魂
(
たましひ
)
を
飛
(
とば
)
し更に
生
(
いき
)
たる心地もなく
互
(
たがひ
)
に
顏
(
かほ
)
を見合せ思ひ/\に
神佛
(
しんぶつ
)
を
祈
(
いの
)
り
溜息
(
ためいき
)
を
吐
(
つく
)
ばかりなり風は益々
強
(
つよ
)
く船を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されば「れぷろぼす」は
愈
(
いよいよ
)
胆を
消
(
け
)
いて、学匠もろとも中空を射る矢のやうに
翔
(
かけ
)
りながら、
戦
(
をのの
)
く声で尋ねたは
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
今日誤ってもいだ
烏瓜
(
からすうり
)
を
刳
(
く
)
って細君が鶴子の為に
瓜燈籠
(
うりどうろう
)
をつくり、帆かけ舟を
彫
(
ほ
)
って縁につり下げ、しば/\風に吹き
消
(
け
)
されながら、小さな蝋燭をともした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
しながらよく
見
(
み
)
ると、
牛
(
うし
)
や
馬
(
うま
)
の
繪
(
え
)
が
續々
(
ぞく/\
)
と
七八十程
(
しちはちじゆうほど
)
も
現
(
あらは
)
れて
來
(
き
)
たので、サウツオラは
驚
(
おどろ
)
きました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
糸
(
いと
)
を
通
(
とほ
)
した
針
(
はり
)
がまだ
半襟
(
はんえり
)
から
拔
(
ぬ
)
かれないであつたとて、それで
死
(
し
)
んだとて、それでいゝのだ! いつ
私
(
わたし
)
がこの
世
(
よ
)
から
消
(
け
)
されたつて、あの
光
(
ひかり
)
は
少
(
すこ
)
しも
變
(
かは
)
りなく
照
(
て
)
る。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
いまだからそんな
口
(
くち
)
もきけるんだ。
此
(
こ
)
の
尼
(
あま
)
つちよめ!……
貴樣
(
きさま
)
が
花
(
はな
)
だつた
時分
(
じぶん
)
ときたらな……どうだい、あの
吝嗇
(
けち
)
くせえ
小
(
ちつ
)
ぽけな、
消
(
け
)
えてなくなりさうな
花
(
はな
)
がさ。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
持皈
(
もちかへ
)
りて
主
(
ぬし
)
を
尋
(
たづね
)
ばやと
鐺
(
かま
)
を
手
(
て
)
にさげて二町ばかりあゆみしにしきりに
重
(
おも
)
くなり、
鐺
(
かま
)
の内に
声
(
こゑ
)
ありて我をいづくへ
連
(
つ
)
れ
行
(
ゆく
)
ぞといふに
胆
(
きも
)
を
消
(
け
)
し
鐺
(
かま
)
をすてゝ
逃
(
にげ
)
さりしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
三
時
(
じ
)
が
鳴
(
な
)
る、
彼
(
かれ
)
はランプを
消
(
け
)
して
寐室
(
ねべや
)
に
行
(
い
)
つた。が、
奈何
(
どう
)
しても
睡眠
(
ねむり
)
に
就
(
つ
)
くことは
出來
(
でき
)
ぬのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
恁
(
か
)
う
言
(
い
)
ふと、
或
(
あるひ
)
は
嗤
(
わら
)
ふ
人
(
ひと
)
があるかも
知
(
し
)
れぬ。が、
其
(
それ
)
は
秘密
(
ひみつ
)
がなかつた
折
(
をり
)
のことで、
若
(
も
)
し
有
(
あ
)
つたら、
其
(
それ
)
こそ
大事
(
だいじ
)
だ。
私
(
わたし
)
は
寧
(
むし
)
ろ
此不安
(
このふあん
)
を
消
(
け
)
すために、
私
(
そつ
)
と四
畳半
(
でふはん
)
へ
忍込
(
しのびこ
)
んだ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
消し口を取ると、
消
(
け
)
し
札
(
ふだ
)
というものをぶら下げた。これは箱根竹に麻糸で結わえた細い木の札で、これが掛かると、その組々の消し口が裏書きされたことになったのです。
幕末維新懐古談:16 その頃の消防夫のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
初
(
はじめ
)
の
間
(
あひだ
)
は
矢張
(
やはり
)
頭
(
あたま
)
が
妙
(
めう
)
で、
先刻
(
せんこく
)
と
同
(
おな
)
じ
樣
(
やう
)
にいろ/\の
妄想
(
まうざう
)
が
消
(
け
)
しても
消
(
け
)
しても
胸
(
むね
)
に
浮
(
うか
)
んで
來
(
き
)
て
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
殊
(
こと
)
にはげしい
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
にも
打
(
う
)
ち
消
(
け
)
されずに、
靜
(
しづ
)
かな
時雨
(
しぐれ
)
の
音
(
おと
)
のしてゐるのを
自分
(
じぶん
)
が
聞
(
き
)
いてゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
そのうち、シャツがくねくねと
気味
(
きみ
)
わるく動き、
人間
(
にんげん
)
がぬぎすてるようにまるまったと思うと、ぽんと
窓
(
まど
)
ぎわになげすてられて、
怪
(
あや
)
しい男は
完全
(
かんぜん
)
にその
姿
(
すがた
)
を
消
(
け
)
してしまった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
これは
球突
(
たまつき
)
を
少
(
すこ
)
しやつた人の
誰
(
たれ
)
しも
經驗
(
けいけん
)
する事で、
夜
(
よる
)
電氣
(
でんき
)
を
消
(
け
)
して床にはひると
暗
(
くら
)
闇の中に赤白の四つの
球
(
たま
)
をのせた青い
球台
(
たまたい
)
が
浮
(
う
)
かんで來て、
取
(
と
)
り方を
夢
(
む
)
中で
空想
(
くうそう
)
したりする。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
この
雪
(
ゆき
)
の
消
(
け
)
のこる
時
(
とき
)
にいざ
行
(
ゆ
)
かな
山橘
(
やまたちばな
)
の
実
(
み
)
の
照
(
て
)
るも
見
(
み
)
む 〔巻十九・四二二六〕 大伴家持
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
でも、そこまできたら、こわいなぞという気持は、すっかり
消
(
け
)
しとんでしまいました。
百姓マレイ
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
活きて
爾苦
(
しかくるし
)
める身をも、なほさすがに
魂
(
たましひ
)
も
消
(
け
)
ぬべく
打駭
(
うちおどろ
)
かしつる彼等が
死状
(
しにざま
)
なるよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
戲
(
たはむ
)
れに
枯草
(
かれくさ
)
へ
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
した
子供等
(
こどもら
)
は、
遙
(
はる
)
かに
見
(
み
)
える
大勢
(
おほぜい
)
の
武士
(
ぶし
)
の
姿
(
すがた
)
に
恐
(
おそ
)
れて、
周章
(
あわ
)
てながら
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
さうと、
青松葉
(
あをまつば
)
の
枝
(
えだ
)
で
叩
(
たゝ
)
くやら、
燃
(
も
)
えてゐる
草
(
くさ
)
の
上
(
うへ
)
へ
轉
(
ころ
)
がるやらして、
頻
(
しき
)
りに
騷
(
さわ
)
いでゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
普通人の生活といふものを、その女のところではじめて知つた、深い、
消
(
け
)
せない思ひ出があればこそ、
果敢
(
はか
)
なく
果
(
は
)
てた、夕顏の宿の女も心にのこつて、いつまでもいつまでも消えなかつたのだ。
夏の夜
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ローウッドの塀の中に暗影と
怖
(
おそ
)
れがひそんでゐる間に、部屋や廊下に病院の匂ひが流れ、藥品や香料が死の惡臭を
消
(
け
)
さうと
空
(
むな
)
しい努力をしてゐる間に戸外の生々とした丘や、美しい森林地には
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「ウン。野郎……元ッカラ本職だったかも知んねッテ
皆
(
みんな
)
、
左様
(
せい
)
云ってッケンド……いつも仕事をブッタクリやがった癖に挨拶もしねえで
消
(
け
)
えちまった
罰当
(
ばちあた
)
りだあ。今にキット捕まるにきまってら」
老巡査
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
女はにっこり
笑
(
わら
)
って、すっとかき
消
(
け
)
すように
見
(
み
)
えなくなりました。
殺生石
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
行方
(
ゆくへ
)
なき空に
消
(
け
)
ちてよかがり火のたよりにたぐふ煙とならば
源氏物語:27 篝火
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
酒のみの我等がいのち露霜の
消
(
け
)
やすきものを逢はでをられぬ
木枯紀行
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
ほの白く山きりかゝる岩の
上
(
へ
)
に
触
(
ふ
)
れば
消
(
け
)
ぬがに咲ける石楠花
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
奥山
(
おくやま
)
の
菅
(
すが
)
の
葉
(
は
)
凌
(
し
)
ぬぎふる
雪
(
ゆき
)
の
消
(
け
)
なば
惜
(
を
)
しけむ
雨
(
あめ
)
なふりそね
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
朝
(
あした
)
咲き
夕
(
ゆふべ
)
は消ぬる
鴨頭草
(
つきくさ
)
の
消
(
け
)
ぬべき恋も吾はするかも
或る国のこよみ
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
掻
(
か
)
き
消
(
け
)
すやうに見えなくなつた——といふのです。
銭形平次捕物控:140 五つの命
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
影薄れゆき、
色
(
いろ
)
蒼
(
あを
)
み、
絶
(
た
)
えなむとして
消
(
け
)
つべきか。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
霞気不
レ
消連旬雪
霞気
(
かき
)
も
消
(
け
)
さず
連旬
(
れんじゅん
)
の雪
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
照りては、また
音
(
おと
)
もなく
消
(
け
)
ぬるけはひ。
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「
消
(
け
)
えろとおっしゃいましても。……」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
“消”を含む語句
消息
消魂
魂消
消耗
消費
消光
消化
消失
吹消
消印
消防
費消
打消
消防夫
消々
消磨
押魂消
罪障消滅
帳消
消毒
...