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急
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いそ
ふりがな文庫
“
急
(
いそ
)” の例文
あるとき、一
羽
(
わ
)
のつばめは、
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
ろうと
思
(
おも
)
って、
遠
(
とお
)
いところから、
急
(
いそ
)
いで
飛
(
と
)
んできましたが、すでに
船
(
ふね
)
の
立
(
た
)
ってしまった
後
(
あと
)
でした。
赤い船とつばめ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
達二
(
たつじ
)
は早く、おじいさんの所へ
戻
(
もど
)
ろうとして
急
(
いそ
)
いで引っ
返
(
かえ
)
しました。けれどもどうも、それは前に来た所とは
違
(
ちが
)
っていたようでした。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
直
(
たゞ
)
ちに
此
(
こ
)
れが
扇子
(
せんす
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
た
所爲
(
せい
)
だと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
知
(
し
)
つて
急
(
いそ
)
いで
其扇子
(
そのせんす
)
を
捨
(
す
)
てました、
恰
(
あだか
)
も
縮
(
ちゞ
)
むのを
全
(
まつた
)
く
恐
(
おそ
)
れるものゝ
如
(
ごと
)
く。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
陰陽博士
(
おんやうはくし
)
で聞えた
安倍晴明
(
あべのせいめい
)
の後裔が京都の
上京
(
かみぎやう
)
に住んでゐる。ある時日の
暮
(
く
)
れ
方
(
かた
)
に
急
(
いそ
)
ぎ
歩
(
あし
)
で一条戻り橋を通りかゝると、橋の下から
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼女の魂は普通の人々が長い生涯の間生活するのと同じほどの景を、非常に短い時間の内に生活しようと、
急
(
いそ
)
いでゐるやうに見えた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
それからすぐの家の門へ入るまで私は、まるで駈けると同じ様な速さで、何も考えるいとまもなく
急
(
いそ
)
いだ。祖母の顔を見るとすぐ
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
こう
独
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
を
言
(
い
)
いながら、
道
(
みち
)
ばたの
石
(
いし
)
の上に「どっこいしょ。」と
腰
(
こし
)
をかけて、つづらを
下
(
お
)
ろして、
急
(
いそ
)
いでふたをあけてみました。
舌切りすずめ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
絞
(
しぼ
)
るやうな
冷汗
(
ひやあせ
)
になる
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
さ、
足
(
あし
)
が
窘
(
すく
)
んだといふて
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
られる
数
(
すう
)
ではないから、びく/\しながら
路
(
みち
)
を
急
(
いそ
)
ぐと
又
(
また
)
しても
居
(
ゐ
)
たよ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何處
(
どこ
)
へゆく
何處
(
どこ
)
へゆく、
逃
(
に
)
げてはならないと
坐中
(
ざちう
)
の
騷
(
さわ
)
ぐに
照
(
てー
)
ちやん
高
(
たか
)
さん
少
(
すこ
)
し
頼
(
たの
)
むよ、
直
(
じ
)
き
歸
(
かへ
)
るからとてずつと
廊下
(
らうか
)
へ
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
に
出
(
いで
)
しが
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「そうともそうとも。こうなったら、
急
(
いそ
)
いでくれろと
頼
(
たの
)
まれても、
足
(
あし
)
がいうことを
聞
(
き
)
きませんや。あっしと
仙蔵
(
せんぞう
)
との、
役得
(
やくとく
)
でげさァね」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
さゝ、ヂュリエットを
起
(
おこ
)
して、
着飾
(
きかざ
)
らせい。
俺
(
おれ
)
は
往
(
い
)
てパリスどのに
挨拶
(
あいさつ
)
せう。……さゝ、
急
(
いそ
)
げ/\。
婿
(
むこ
)
どのは
最早
(
もう
)
來
(
わ
)
せたわ。
急
(
いそ
)
げ
急
(
いそ
)
げ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
大佐閣下
(
たいさかつか
)
、
鐵車
(
てつしや
)
も
見事
(
みごと
)
に
出來
(
でき
)
ましたれば、
善
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げで
今
(
いま
)
から
直
(
す
)
ぐと
紀念塔
(
きねんたふ
)
を
建
(
た
)
てに
出發
(
しゆつぱつ
)
しては
如何
(
どう
)
でせう、すると
氣
(
き
)
も
晴々
(
はれ/″\
)
しますから。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
お
品
(
しな
)
は
林
(
はやし
)
を
幾
(
いく
)
つも
過
(
す
)
ぎて
自分
(
じぶん
)
の
村
(
むら
)
へ
急
(
いそ
)
いだが、
疲
(
つか
)
れもしたけれど
懶
(
ものう
)
いやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
幾度
(
いくたび
)
か
路傍
(
みちばた
)
へ
荷
(
に
)
を
卸
(
おろ
)
しては
休
(
やす
)
みつゝ
來
(
き
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
折々
(
をり/\
)
庭
(
には
)
で
遇
(
あ
)
ふ
會計係
(
くわいけいがゝり
)
の
小娘
(
こむすめ
)
の、
彼
(
かれ
)
が
愛
(
あい
)
してゐた
所
(
ところ
)
のマアシヤは、
此
(
こ
)
の
節
(
せつ
)
は
彼
(
かれ
)
が
微笑
(
びせう
)
して
頭
(
あたま
)
でも
撫
(
な
)
でやうとすると、
急
(
いそ
)
いで
遁出
(
にげだ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そも/\天上の
劒
(
つるぎ
)
たるや、斬るに當りて
急
(
いそ
)
がず
遲
(
おく
)
れじ、たゞ望みつゝまたは恐れつゝそを待つ者にかゝる事ありと見ゆるのみ 一六—一八
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
呼て只今
番頭樣
(
ばんとうさま
)
より今日は
殊
(
こと
)
によき
日和
(
ひより
)
ゆゑ
出帆
(
しゆつぱん
)
すべしとの事なり我等も
左樣
(
さやう
)
に存ずれば
急
(
いそ
)
ぎ
出帆
(
しゆつぱん
)
の用意有べしといふ
水差
(
みづさし
)
是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
急
(
いそ
)
ぐつて先月
中
(
ぢう
)
に越す
筈
(
はづ
)
の所を
明後日
(
あさつて
)
の天長節迄待たしたんだから、どうしたつて
明日中
(
あしたぢう
)
に
探
(
さが
)
さなければならない。どこか心当りはないか」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると元木は教師の腕をとらえて「先生、あたいの絵よくできてんのかい?」とまた催促した。しかし杉本は
急
(
いそ
)
がしく瞬きしながら言うのである。
白い壁
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
私
(
わたくし
)
は
急
(
いそ
)
いで
巌
(
いわ
)
から
降
(
お
)
りてそこへ
行
(
い
)
って
見
(
み
)
ると、
案
(
あん
)
に
違
(
たが
)
わず
巌山
(
いわやま
)
の
底
(
そこ
)
に八
畳
(
じょう
)
敷
(
じき
)
ほどの
洞窟
(
どうくつ
)
が
天然
(
てんねん
)
自然
(
しぜん
)
に
出来
(
でき
)
て
居
(
お
)
り、そして
其所
(
そこ
)
には
御神体
(
ごしんたい
)
をはじめ
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
段々
野良
(
のら
)
の仕事が
急
(
いそ
)
がしくなつて欠席の多くなるべき月に、これ以上歩合を上せては、郡視学に疑はれる
惧
(
おそ
)
れがある。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
内
(
なか
)
には
主人
(
あるじ
)
の
宗匠
(
そうしやう
)
が
万年青
(
おもと
)
の
鉢
(
はち
)
を
並
(
なら
)
べた
縁先
(
えんさき
)
へ
小机
(
こづくゑ
)
を
据
(
す
)
ゑ
頻
(
しきり
)
に
天地人
(
てんちじん
)
の順序をつける
俳諧
(
はいかい
)
の
選
(
せん
)
に
急
(
いそ
)
がしい
処
(
ところ
)
であつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
どうして
急
(
いそ
)
がしくって、そんなに早くはとてもなんて、いやに急がしがってる奴を、無理に頼み込んで、明日の午後四時までに出来上る約束をした。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
いづれ
唯事
(
たゞごと
)
ならじと思へば何となく
心元
(
こゝろもと
)
なく、水汲みて
急
(
いそ
)
ぎ坊に歸り、一杖一鉢、常の如く都をさして出で行きぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
彼は
急
(
いそ
)
いで着物を着ました。それがまた金の布地で仕立てた堂々たる衣装に変ったので、彼は夢中になりました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
「わたしが
急
(
いそ
)
いでるのを知ってるくせに、やっぱりうるさく
附
(
つ
)
きまとうんだね。ほんとに
情
(
なさけ
)
ない子だよ!」
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
すると、
向
(
むこ
)
うでは、この
新
(
あたら
)
しくやって
来
(
き
)
た
者
(
もの
)
をちらっと
見
(
み
)
ると、すぐ
翼
(
つばさ
)
を
拡
(
ひろ
)
げて
急
(
いそ
)
いで
近
(
ちか
)
づいて
来
(
き
)
ました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
若々
(
わか/\
)
しく
胸
(
むね
)
をどきつかせながら、
急
(
いそ
)
いで
机
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
取
(
と
)
つて
封
(
ふう
)
を
切
(
き
)
つた。
彼女
(
かのぢよ
)
の
顏
(
かほ
)
はみる/\
喜
(
よろこ
)
びに
輝
(
かゞや
)
いた。
曲
(
ゆが
)
みかげんに
結
(
むす
)
んだ
口許
(
くちもと
)
に
微笑
(
ほゝゑみ
)
が
泛
(
うか
)
んでゐる。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
思いかけず期に
遅
(
おく
)
るることなどあらんも計られずと、
危
(
あや
)
ぶみおもいて、須坂に在りて
待
(
ま
)
たんといわれし丸山氏のもとへ人をやりて謝し、
急
(
いそ
)
ぎて豊野の方へいでたちぬ。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その
人
(
ひと
)
のよろこびつたらありませんでした。
急
(
いそ
)
いで、それをぶらさげて
歸
(
かへ
)
らうと
立
(
た
)
ちあがりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
そんな訳であるから、さっき帰ってからまだ
二晌
(
ふたとき
)
とは過ぎていないのに、女の迎いを
急
(
いそ
)
がせる。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「では、ぼくたちは
急
(
いそ
)
ぎますから、これで失礼します。美術品はじゅうぶん注意して、たいせつに保管するつもりですから、どうかご安心ください。では、さようなら。」
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
かの有名な森
蘭丸
(
らんまる
)
。その蘭丸の
従兄弟
(
いとこ
)
であり、そうして過ぐる夜衣笠山まで、巫女を追って行った若武士なのである。信長の大切の命を受け、京へ
急
(
いそ
)
いでいるところであった。
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
別に深く
底意地
(
そこいじ
)
の悪いというほどの人ではないが、妙に大事の場合などになるとその時をはずしていなくなったりして、毎度、
急
(
いそ
)
がしい時などに困らされたものでありますが
幕末維新懐古談:28 東雲師逝去のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ゆるやかな
単純
(
たんじゅん
)
な
幼稚
(
ようち
)
な歌で、重々しい
寂
(
さび
)
しげな、そして少し
単調
(
たんちょう
)
な足どりで、決して
急
(
いそ
)
がずに進んでゆく——時々長い間やすんで——それからまた
行方
(
ゆくえ
)
もかまわず進み
出
(
だ
)
し
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
急
(
いそ
)
がしきシネマトグラフの中なれば、誰とわかねど
突拍子
(
とつぺし
)
もなく現はれて
気狂
(
きちがひ
)
のごと
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
佳
(
い
)
い
心持
(
こゝろもち
)
になつて、
自分
(
じぶん
)
は
暫時
(
しばら
)
くぢつとして
居
(
ゐ
)
たが、
突然
(
とつぜん
)
、さうだ
自分
(
じぶん
)
もチヨークで
畫
(
か
)
いて
見
(
み
)
やう、さうだといふ一
念
(
ねん
)
に
打
(
う
)
たれたので、
其儘
(
そのまゝ
)
飛
(
と
)
び
起
(
お
)
き
急
(
いそ
)
いで
宅
(
うち
)
に
歸
(
か
)
へり、
父
(
ちゝ
)
の
許
(
ゆるし
)
を
得
(
え
)
て
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたし
)
は
畢生
(
ひつせい
)
の
幸福
(
かうふく
)
の
影
(
かげ
)
が
消
(
き
)
えて
了
(
しま
)
つたかのやうに
心
(
むね
)
を
騒
(
さは
)
がせ、
急
(
いそ
)
いで
引出
(
ひきだ
)
して
見
(
み
)
た。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
不意
(
ふい
)
にうるんだ
妻
(
つま
)
の
瞳
(
ひとみ
)
を
刹那
(
せつな
)
に
意識
(
いしき
)
しながら、
夫
(
をつと
)
はわざと
投
(
な
)
げつけるやうに
言
(
い
)
つた。
何
(
なに
)
か
重
(
おも
)
いものが
胸
(
むね
)
に
來
(
き
)
た。そして、
夫
(
をつと
)
は
壁掛
(
かべかけ
)
を
手
(
て
)
に
取
(
と
)
ると、
急
(
いそ
)
ぎ
足
(
あし
)
にアトリエの
方
(
はう
)
へ
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
丁度
(
てうど
)
墓門
(
ぼもん
)
にでも
急
(
いそ
)
ぐ人のやうな
足取
(
あしどり
)
で、トボ/\と其の淋しい
歩
(
あゆみ
)
を
續
(
つゞ
)
けて行ツた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
にんじんは、
急
(
いそ
)
いでこういう。それが一番
都合
(
つごう
)
のいい弁解だと思ったからである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
父
(
とう
)
さんが
急
(
いそ
)
いで
木
(
き
)
の
下
(
した
)
へ
行
(
ゆ
)
きますと、
橿鳥
(
かしどり
)
が
高
(
たか
)
い
木
(
き
)
の
上
(
うへ
)
からそれを
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
まして
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
急
(
いそ
)
いであたしは
一掴
(
ひとつかみ
)
の
草
(
くさ
)
を
毟
(
むし
)
つて、
此児
(
このこ
)
の
口
(
くち
)
と
手
(
て
)
を
拭
(
ふ
)
いてやつて、かう
言
(
い
)
つた。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
たう/\わらべ、
祭
(
まつ
)
り
時
(
どき
)
なたん、
果報
(
かほ
)
時のなたん、
急
(
いそ
)
ぢ
立
(
た
)
ち
登
(
のぼ
)
れ、
御祭
(
おまつり
)
よすらに
ユタの歴史的研究
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
甚兵衛は
急
(
いそ
)
いで家へ
帰
(
かえ
)
りまして、
綺麗
(
きれい
)
な女の人形を一つ取り、その中に
釘
(
くぎ
)
をいっぱいつめて、
釘
(
くぎ
)
の
尖
(
とが
)
った
先
(
さき
)
が、
皆
(
みな
)
外の方に
向
(
む
)
くように
拵
(
こしら
)
えあげました。それを
持
(
も
)
って
猿
(
さる
)
の所へもどってきました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あちこちへ投げ飛ばされたり、倒されたりしたのをいかにも
急
(
いそ
)
いで
鳥料理:A Parody
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
而して自称憂国家の作するところ多くは
自儘
(
じまゝ
)
なり。彼等は僻見多し、彼等は
頑曲
(
ぐわんきよく
)
多し。彼等は復讐心を以て事を成す。彼等は盲目の執着を以て業を
急
(
いそ
)
ぐ。彼等は夢幻中の虚想を以て唯一の理想となす。
富嶽の詩神を思ふ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
セミョノフの
砲艦
(
はうかん
)
ひとつ
泊
(
は
)
てゐるを
背向
(
そがひ
)
にしつつ我は
急
(
いそ
)
げり
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ただ、一そう道を
急
(
いそ
)
ぎ出しただけである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
急
(
いそ
)
がしく
煽
(
あお
)
ぐ
団扇
(
うちわ
)
の紅は浮く
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
「さあ、
急
(
いそ
)
がしいぞ!」
黒襟飾組の魔手
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
急
常用漢字
小3
部首:⼼
9画
“急”を含む語句
急遽
性急
急忙
急込
急須
危急
急激
大急
急足
急拵
早急
急流
急立
火急
急々
急歩
急使
急湍
急病
緩急
...