トップ
>
歩
>
あゆ
ふりがな文庫
“
歩
(
あゆ
)” の例文
日影なおあぶずりの
端
(
は
)
に
躊
(
た
)
ゆたうころ、川口の浅瀬を村の若者二人、はだか馬に
跨
(
またが
)
りて静かに
歩
(
あゆ
)
ます、画めきたるを見ることもあり。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
余
(
よ
)
は何者か、
余
(
われ
)
に近く
歩
(
あゆ
)
み寄る
跫音
(
あしおと
)
、続いて何事か囁く声を聞き侯ふが、
少時
(
しばらく
)
にして再び歩み
出
(
いだ
)
せば、……あゝ
何処
(
いづこ
)
にて捕へられしや。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
いまにも、
降
(
ふ
)
ってきそうな、
灰色
(
はいいろ
)
に
曇
(
くも
)
った
空
(
そら
)
を
気
(
き
)
にしながら、
父親
(
ちちおや
)
が
大
(
おお
)
またに
歩
(
あゆ
)
むのを、
小太郎
(
こたろう
)
は
小
(
ちい
)
さな
足
(
あし
)
で
追
(
お
)
いかけたのです。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おとなしく手をとられて常人のごとく安らかに
芝生
(
しばふ
)
等の上を
歩
(
あゆ
)
むもの、すべて
老若
(
ろうにゃく
)
の
男女
(
なんにょ
)
を
合
(
あわ
)
せて十人近い患者の
群
(
むれ
)
が、今しも
病房にたわむ花
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
本堂
(
ほんだう
)
に
額
(
ぬかづ
)
き
果
(
は
)
てて、
衝
(
つ
)
と
立
(
た
)
ちて
階
(
きざはし
)
の
方
(
かた
)
に
歩
(
あゆ
)
み
出
(
い
)
でたるは、
年紀
(
とし
)
はやう/\
二十
(
はたち
)
ばかりと
覺
(
おぼ
)
しき
美人
(
びじん
)
、
眉
(
まゆ
)
を
拂
(
はら
)
ひ、
鐵漿
(
かね
)
をつけたり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
けれども……
皷動
(
こどう
)
が
全
(
まつた
)
く
靜
(
しづ
)
まつて、
血
(
ち
)
の
流
(
なが
)
れがもとのゆるやかさにかへつた
頃
(
ころ
)
、
極
(
きは
)
めて
靜
(
しづ
)
かに
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
つて
來
(
く
)
るもの
侘
(
わ
)
びしさを
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
伝吉
(
でんきち
)
が
駕籠
(
かご
)
の
中
(
なか
)
で
鼻
(
はな
)
の
頭
(
あたま
)
を
引
(
ひ
)
ッこすってのひとり
啖呵
(
たんか
)
も、
駕籠屋
(
かごや
)
には
少
(
すこ
)
しの
効
(
き
)
き
目
(
め
)
もないらしく、
駕籠
(
かご
)
の
歩
(
あゆ
)
みは、
依然
(
いぜん
)
として
緩
(
ゆる
)
やかだった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
まぎれもないスペイン型、
﨟
(
ろう
)
たけた若い美人である。と、お町うつむいた。メダルへくちびるを触れたのである。いつか
歩
(
あゆ
)
みもとまっている。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
我はわが道を
歩
(
あゆ
)
もう。しかしそれはいかなる道であろうか。神の国の嘉信を宣べ伝えても、人々は容易にこれを受けない。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
どうして、おせんが地味な
服装
(
なり
)
でもして、いくらか彼の方へ
歩
(
あゆ
)
び寄るどころか。彼女は今でもあの通りの派手づくりだ。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
終夜
(
しうや
)
雨
(
あめ
)
に
湿
(
うるほ
)
ひし為め、水中を
歩
(
あゆ
)
むも
別
(
べつ
)
に意となさず、二十七名の一隊
粛々
(
しゆく/\
)
として
沼
(
ぬま
)
を
渉
(
わた
)
り、
蕭疎
(
しようそ
)
たる
藺草
(
いくさ
)
の間を
過
(
す
)
ぎ、
悠々
(
いう/\
)
たる
鳧鴨
(
ふわう
)
の群を
驚
(
おどろ
)
かす
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
神さまの御指導によって正しい道が
歩
(
あゆ
)
めるようにということだった。それなら何も差支ない。私は聖書を貰って、能く考えて見ることに
納得
(
なっとく
)
した。
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
お
媛
(
ひめ
)
さまのところへ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
つて、ものをいひに
行
(
ゆ
)
くと、いすけより
媛
(
ひめ
)
は、おほくめの
命
(
みこと
)
の
目
(
め
)
のさいてあるのに
氣
(
き
)
がつかれて、
歌
(
うた
)
をうたひかけられました。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
娘
(
むすめ
)
は
歩
(
あゆ
)
みながら私の顏を
凝
(
ぢつ
)
と見入ツた。あゝ其の意味深い
眼色
(
めいろ
)
!私は何んと云ツて其を
形容
(
けいやう
)
することが出來やう。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此處
(
こゝ
)
で
彼等
(
かれら
)
の
間
(
あひだ
)
には、それ/\
袂別
(
わかれ
)
の
言
(
ことば
)
もあらうと
思
(
おも
)
つたので、
私
(
わたくし
)
は
氣轉
(
きてん
)
よく
一人
(
ひとり
)
離
(
はな
)
れて
波打際
(
なみうちぎは
)
へと
歩
(
あゆ
)
み
出
(
だ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
斯くて四里を
歩
(
あゆ
)
んで、午後の一時
渓声
(
けいせい
)
響く処に
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
天幕
(
てんまく
)
が見えた。林君以下きながしのくつろいだ姿で迎える。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
此
(
この
)
地
(
ち
)
の
冬季
(
とうき
)
の
寒威
(
かんゐ
)
は
實
(
じつ
)
に
烈
(
はげ
)
しく、
河水
(
かすゐ
)
の
如
(
ごと
)
きは
其
(
その
)
表面
(
へうめん
)
氷結
(
へうけつ
)
して
厚
(
あつ
)
さ
尺餘
(
しやくよ
)
に
到
(
いた
)
り、
人馬
(
じんば
)
共
(
とも
)
に
其
(
その
)
上
(
うへ
)
を
自由
(
じいう
)
に
歩
(
あゆ
)
み
得
(
う
)
。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
など
打返
(
うちかへ
)
し
其
(
その
)
むかしの
恋
(
こひ
)
しうて
無端
(
そゞろ
)
に
袖
(
そで
)
もぬれそふ
心地
(
こゝち
)
す、
遠
(
とほ
)
くより
音
(
おと
)
して
歩
(
あゆ
)
み
来
(
く
)
るやうなる
雨
(
あめ
)
、
近
(
ちか
)
き
板戸
(
いたど
)
に
打
(
うち
)
つけの
騒
(
さわ
)
がしさ、いづれも
淋
(
さび
)
しからぬかは。
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
喬介は振り返って、
遠去
(
とおざ
)
けてあった矢島五郎の側まで
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
傍
(
かたえ
)
の警官には眼も
呉
(
く
)
れず、こう声を掛けた。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
と
女博士
(
をんなはかせ
)
は静かな眉尻に一寸皺を寄せた。そして天国の
黄金
(
きん
)
の
梯子
(
はしご
)
でも下りるやうな足つきをしてかたことと廊下を
歩
(
あゆ
)
んで、騒ぎの聞える一室の前に立つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
檜
(
ひのき
)
の
扉
(
とびら
)
に銀のような
瓦
(
かわら
)
を
載
(
の
)
せた門を
這入
(
はい
)
ると、
御影
(
みかげ
)
の敷石に水を打って、
斜
(
なな
)
めに十歩ばかり
歩
(
あゆ
)
ませる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かれらの
目算
(
もくさん
)
では、この一番こそ、
疑
(
うたが
)
うまでもない
勝味
(
かちみ
)
のあるものと
信
(
しん
)
じているのだ。天下
歩
(
あゆ
)
むことにかけて、たれか、
早足
(
はやあし
)
の
燕作
(
えんさく
)
にまさる人間があるはずはない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ブラ/\と
面白
(
おもしろ
)
き空想を
伴
(
つれ
)
にして
堤
(
どて
)
を
北頭
(
きたがしら
)
に
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を
歩
(
あゆ
)
ませながら、
見送
(
みおく
)
り
果
(
はて
)
てドヤ/\と帰る人々が
大尉
(
たいゐ
)
の
年
(
とし
)
は
幾
(
いく
)
つならんの、
何処
(
いづこ
)
の
出生
(
しゆつしやう
)
ならんの、
或
(
あるひ
)
は
短艇
(
ボート
)
の
事
(
こと
)
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「おい、なにをする。お前はよくよく判らねえ女だな。もう仕方がねえ。腕ずくだ。さあ、
歩
(
あゆ
)
べ」
半七捕物帳:37 松茸
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
性行にも音楽にも、生ける時も、
棺
(
かん
)
を
蓋
(
おお
)
うても、崇拝者と
勁敵
(
けいてき
)
との多いワグナーではあったが、その
歩
(
あゆ
)
みは巨人的でその音楽の後世への影響の
深甚
(
しんじん
)
さは否むべくもない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
ある
日
(
ひ
)
私
(
わたくし
)
がいつになく
統一
(
とういつ
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
に
倦
(
あ
)
きて、
岩屋
(
いわや
)
の
入口
(
いりぐち
)
まで
何
(
なん
)
とはなしに
歩
(
あゆ
)
み
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
のことでございました。ひょっくりそこへ
現
(
あら
)
われたのが
例
(
れい
)
の
指導役
(
しどうやく
)
のお
爺
(
じい
)
さんでした。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
薄
(
うす
)
き影と、
薄
(
うす
)
き光は、
落花
(
らくゝわ
)
点々
(
てん/\
)
たる庭に落ちて、地を歩す、
宛
(
さ
)
ながら
天
(
てん
)
を
歩
(
あゆ
)
むの
感
(
かん
)
あり。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
柔和
(
にゅうわ
)
なる者は幸いなりとは、
基督
(
キリスト
)
の
教訓
(
きょうくん
)
であるが、
汝
(
なんじ
)
に敵する者を愛せよとか、あるいは
汝
(
なんじ
)
を迫害する者に
復仇
(
ふっきゅう
)
するなかれとか、
汝
(
なんじ
)
に一里の道を
強
(
し
)
うる者あらば二里を
歩
(
あゆ
)
めとか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
穴
(
あな
)
を
作
(
つく
)
るに當つては、或は長さ
幾歩
(
いくほ
)
、
幅
(
はば
)
幾歩と
歩
(
あゆ
)
み試み、或は
繩
(
なわ
)
を
採
(
と
)
り
尋數
(
ひろすう
)
を
測
(
はか
)
りて地上に
張
(
は
)
り
廻
(
めぐ
)
らし、堀る可き
塲所
(
ばしよ
)
の大さを定め、
尖
(
とが
)
りたる
棒
(
ぼう
)
を以て地を
穿
(
うが
)
ち、
籠
(
かご
)
、
席
(
むしろ
)
の類に土を受け
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
爪繰
(
つまぐり
)
たり其の跡は藤井左京麻上下にて續いて山内伊賀亮は上下なり四人の者潛りより入りて玄關式臺の眞中を
悠然
(
いうぜん
)
として
歩
(
あゆ
)
み
行
(
ゆ
)
く門内には與力同心の數人スハと云へば
搦
(
から
)
め
捕
(
とら
)
んと控へたり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
急
(
いそ
)
いで
歩
(
あゆ
)
み
初
(
はじ
)
める、
丁度
(
ちやうど
)
激
(
はげ
)
しい
熱病
(
ねつびやう
)
にでも
俄
(
にはか
)
に
襲
(
おそ
)
はれたやう。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
両人とも打っ斬るから矢切山へ
歩
(
あゆ
)
べッてえんだが、可愛相でがんすネ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「一所に
歩
(
あゆ
)
べ……おい、作公、何を愚図/\してやがるんだ?」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
声もなき
白痴
(
はくち
)
の児をば抱きながら入日を見るがごとくに
歩
(
あゆ
)
み
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この道は
山峡
(
やまがひ
)
ふかく入りゆけど
吾
(
われ
)
はここにて
歩
(
あゆ
)
みとどめつ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
広告のため、楽隊の
囃
(
はや
)
しに
伴
(
つ
)
れて彼を
歩
(
あゆ
)
ませぬ……
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「おい安の字、一緒に
歩
(
あゆ
)
びねえ」
初午試合討ち
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
歩
(
あゆ
)
めば、歩むほど林の落葉を——
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
見すぼらしげに
歩
(
あゆ
)
むものかも
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
時間の
歩
(
あゆ
)
みのおそろしさよ。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
陸
(
くが
)
を
行
(
ゆ
)
けば
平地
(
へいち
)
を
歩
(
あゆ
)
むが
如
(
ごと
)
く
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
「さあ、
歩
(
あゆ
)
べ」
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「おかあさん、感情家だけではいけませんよ。生きるという事実の上に根を置いて、
冷酷
(
れいこく
)
なほどに
思索
(
しさく
)
の
歩
(
あゆ
)
みを進めて下さい。」
巴里のむす子へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
すぐに
庫裏
(
くり
)
の
玄関先
(
げんくわんさき
)
へ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
折
(
をり
)
よく
住職
(
ぢゆうしよく
)
らしい
年配
(
ねんぱい
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
今
(
いま
)
がた
配達
(
はいたつ
)
されたらしい
郵便物
(
いうびんぶつ
)
を
見
(
み
)
ながら
立
(
た
)
つてゐたので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
与助
(
よすけ
)
がこういいますと、おおかみは、ぴたりと
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うえ
)
に
歩
(
あゆ
)
みを
止
(
と
)
めました。そして、しばらくじっとして
動
(
うご
)
きませんでした。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
絵巻
(
えまき
)
を
展
(
ひろ
)
げた
川筋
(
かわすじ
)
の
景色
(
けしき
)
を、
見
(
み
)
るともなく
横目
(
よこめ
)
で
見
(
み
)
ながら、千
吉
(
きち
)
と
鬼
(
おに
)
七は
肩
(
かた
)
をならべて、
静
(
しず
)
かに
橋
(
はし
)
の
上
(
うえ
)
を
浅草御門
(
あさくさごもん
)
の
方
(
ほう
)
へと
歩
(
あゆ
)
みを
運
(
はこ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
愛宕町
(
あたごちやう
)
は七八丁の距離しかないので銀之助は
静
(
しづ
)
のこと、今の
妻
(
さい
)
の
元子
(
もとこ
)
のことを考へながら、
歩
(
あゆ
)
むともなく、
徐々
(
のろ/\
)
歩
(
あ
)
るいた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
大正元年暮の二十九日、雪の黄昏を眺めた私の心のやるせない淋しさ——それは世界を掩うて近寄り来る死の蔭の
冷
(
ひい
)
やりとした
歩
(
あゆ
)
みをわれ知らず感じたのでした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
彼は平和の人でありました。しかし不真実な世界に真実の人間が来たる時、彼は自分でまっすぐに
歩
(
あゆ
)
んでいるだけのことであるのに、世界は敵意をいだいて彼を眺める。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
趙はその驢馬に乗って四方を遍歴したが、かつて一度もあやまちなく、馬は一日に百里を
歩
(
あゆ
)
んだ。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“歩”を含む語句
歩行
徒歩
行歩
歩廊
漫歩
散歩
歩調
御歩行
一歩
進歩
反歩
急歩
歩出
濶歩
歩哨
歩合
出歩行
十歩
速歩
歩板
...