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出
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いづ
ふりがな文庫
“
出
(
いづ
)” の例文
出
(
いづ
)
るに車あり、入るに家あり、衣食亦た自ら適するに足るものあり、旅するに
費
(
ついえ
)
あり、病むときに医あり、何不自由もなく世を渡り
主のつとめ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
さて一同の目の前には天下の浮世絵師が幾人よって
幾度
(
いくたび
)
丹青
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
しても到底描き
尽
(
つく
)
されぬ
両国橋
(
りょうごくばし
)
の夜の景色が現われ
出
(
いづ
)
るのであった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
盛りにて仙境の
想
(
おもひ
)
あり聞く
熱川
(
にえがは
)
には温泉の
出
(
いづ
)
る所ありと
此等
(
こゝら
)
に暑を避けて其の湯に塵を
洗
(
そゝ
)
ぐならば即身即仙とんだ樂しき事なるべきに
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
世に越後の
七不思議
(
なゝふしぎ
)
と
称
(
しよう
)
する其一ツ
蒲原郡
(
かんばらこほり
)
妙法寺村の
農家
(
のうか
)
炉中
(
ろちゆう
)
の
隅
(
すみ
)
石臼
(
いしうす
)
の
孔
(
あな
)
より
出
(
いづ
)
る火、人
皆
(
みな
)
奇
(
き
)
也として
口碑
(
かうひ
)
につたへ
諸書
(
しよしよ
)
に
散見
(
さんけん
)
す。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼女の若き日の憧れは、未来の外交官たる直也の妻として、遠く海外の社交界に、日本婦人の華として、咲き
出
(
いづ
)
ることではなかつたか。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
向ひの家の二階のはづれを
僅
(
わづ
)
かにもれ
出
(
いづ
)
る影したはしく、大路に
立
(
たち
)
て心ぼそく
打
(
うち
)
あふぐに、秋風たかく吹きて空にはいさゝかの雲もなし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
すれば是は容易の
公事
(
くじ
)
でなし
那
(
あ
)
の惣右衞門めは
年
(
とし
)
こそ
老込
(
おいこみ
)
たれど
並々
(
なみ/\
)
の者に非ず
彼
(
かれ
)
是
(
これ
)
評定所へ
出
(
いづ
)
るならば此方が是迄の惡事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
目をば
優
(
まさ
)
る鏡とせんとてわがかの水(人をしてその
中
(
なか
)
にて優れる者とならしめん爲流れ
出
(
いづ
)
る)の
方
(
かた
)
に身を
屈
(
かゞ
)
めしその早さには
如
(
し
)
かじ 八五—八七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「ええ、御免下さいまし、甚だ推参なわけで、飛んだ失礼でございまするが、手前通りがかりのもので、」といい
出
(
いづ
)
る。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
誰も見ていないと思って自分の寝室でいかなる行動に
出
(
いづ
)
るか——聖なる神秘はあなた方の行手に! これによってまず
些
(
いささ
)
かの御満足を与え得れば
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
なんでもこの
山巓
(
さんてん
)
を少し
降
(
くだ
)
った
叢
(
くさむら
)
の中には、どこかに岩間から湧き
出
(
いづ
)
る
清泉
(
せいせん
)
があるとは、日中
麓
(
ふもと
)
の村で耳にしたので
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
運命とは神意に
出
(
いづ
)
るものにもあらず、天命にもあらず、怪異にもあらず。古昔
希臘
(
ギリシヤ
)
人は
以為
(
おもへ
)
らく、人智の得て思議すべからざる者是れ
則
(
すなは
)
ち運命なりと。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
(中略)
扨
(
さて
)
此娘、(中略)つとめに
出
(
いづ
)
る其日より、富豪の大臣かかり、
早速
(
さそく
)
に身うけして、三八夫婦母おやも大阪へ引きとり、有りしにかはる
暮
(
くらし
)
と成り
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ぢり/\と
汗腺
(
かんせん
)
から
搾
(
しぼ
)
れ
出
(
いづ
)
る
汗
(
あせ
)
が
其
(
そ
)
の
趾
(
あと
)
つけられた
流
(
なが
)
れの
途
(
みち
)
を
絶
(
た
)
たないで
其處
(
そこ
)
だけ
蕎麥
(
そば
)
の
埃
(
ほこり
)
を
洗
(
あら
)
ひ
去
(
さ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
彼
(
かれ
)
はおつたの
前
(
まへ
)
に
其
(
そ
)
の
暑相
(
あつさう
)
な
身
(
み
)
を
向
(
む
)
けた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
出
(
いづ
)
るに自動車あり、
居
(
を
)
るに
明眸皓歯
(
めいぼうかうし
)
あり、面白い書籍あり、心を
蕩
(
とろ
)
かす
賭博
(
とばく
)
あり、飽食し、暖衣し、富貴あり、名誉あり、一の他の不満不平あるなくして
ある僧の奇蹟
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
某国の他教を禁ずる、
必竟
(
ひっきょう
)
自国の平安を保つの主意に
出
(
いづ
)
るがごときは、すなわちこれを禁ずるの権利あり。
「ヒリモア」万国公法の内宗教を論ずる章(撮要)
(新字新仮名)
/
ロバート・フィリモア
(著)
鎔岩
(
ようがん
)
の
大部分
(
だいぶぶん
)
は
火口底
(
かこうてい
)
から
次第
(
しだい
)
に
火口壁
(
かこうへき
)
の
上部
(
じようぶ
)
まで
盛
(
も
)
り
上
(
あが
)
つて
遂
(
つひ
)
に
外側
(
そとがは
)
に
溢
(
あふ
)
れ
出
(
いづ
)
るに
至
(
いた
)
ることがある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
やがて三たび馬の
嘶
(
いなな
)
く
音
(
ね
)
がして中庭の石の上に堅き蹄が鳴るとき、ギニヴィアは
高殿
(
たかどの
)
を下りて、騎士の出づべき門の真上なる窓に
倚
(
よ
)
りて、かの人の
出
(
いづ
)
るを遅しと待つ。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
イエス
答
(
こたえ
)
けるは人はパンのみにて
生
(
いく
)
るものにあらずただ神の口より
出
(
いづ
)
る
凡
(
すべて
)
の
言
(
ことば
)
に
因
(
よ
)
ると
録
(
しる
)
されたり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
と言葉をのこして
我
(
わが
)
部屋を
出
(
いづ
)
ればホッと息つきましたが、この
夜
(
よ
)
は到頭
寐転
(
ねこか
)
しをくわせられ不平でお帰りになり、其の次の
夜
(
よ
)
も/\同じような手でうまく逃げられて
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
米
(
こめ
)
は
俵
(
たはら
)
より
涌
(
わ
)
き
銭
(
ぜに
)
は
蟇口
(
がまぐち
)
より
出
(
いづ
)
る
結構
(
けつこう
)
な
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
何
(
なに
)
が
不足
(
ふそく
)
で
行倒
(
ゆきだふ
)
れの
茶番
(
ちやばん
)
狂言
(
きやうげん
)
する事かとノンキに
太平楽
(
たいへいらく
)
云ふて、
自作
(
じさく
)
の
小説
(
せうせつ
)
が
何十遍
(
なんじつぺん
)
摺
(
ずり
)
とかの
色表紙
(
いろべうし
)
を
付
(
つ
)
けて
売出
(
うりだ
)
され
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
為に
早
(
はや
)
く人家ある所に
出
(
いづ
)
るの
方針
(
ほうしん
)
を
執
(
と
)
らざるべからざるを以て、
斯
(
か
)
く議論の
沸騰
(
ふつたう
)
したるなり。
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
平和
(
へいわ
)
を
亂
(
みだ
)
す
暴人
(
ばうじん
)
ども、
同胞
(
どうばう
)
の
血
(
ち
)
を
以
(
もっ
)
て
刃金
(
はがね
)
を
穢
(
けが
)
す
不埓奴
(
ふらちやつ
)
……
聽
(
き
)
きをらぬな?……やア/\、
汝等
(
おのれら
)
、
邪
(
よこし
)
まなる
嗔恚
(
しんに
)
の
炎
(
ほのほ
)
を
己
(
おの
)
が
血管
(
けっくわん
)
より
流
(
なが
)
れ
出
(
いづ
)
る
紫
(
むらさき
)
の
泉
(
いづみ
)
を
以
(
もっ
)
て
消
(
け
)
さうと
試
(
こゝろ
)
むる
獸類
(
けだもの
)
ども
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
春の花いづれとなく皆開け
出
(
いづ
)
る色ごとに目おどろかぬは無きを、心短く打すてゝ散りぬるが恨めしうおぼゆるころほひ、此花の
独
(
ひとり
)
たち後れて夏にさきかゝるなん、あやしく心にくゝ
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
いつのよいかにして賜はることを得べきなど思ひ
出
(
いづ
)
るまゝに有しこと恋しく、世の人のうらめしう、今より後の身心ぼそうなど取あつめて一つ涙ひぬものから、かく
成行
(
なりゆき
)
しも誰ゆゑかは
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
一
下部
(
しもべ
)
あまた
召使
(
めしつかう
)
とも
万
(
よろず
)
の事自から辛労を忍て勤ること女の作法也。舅姑の為に衣を縫ひ食を調へ、夫に仕て衣を畳み
席
(
しきもの
)
を掃き、子を育て
汚
(
けがれ
)
を洗ひ、常に家の内に居て
猥
(
みだり
)
に外へ
出
(
いづ
)
べからず。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
骨折れた
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
をさしかけて
門
(
かど
)
を
出
(
いづ
)
れば
心の姿の研究
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
牡丹
蘂
(
しべ
)
深くわけ
出
(
いづ
)
る
蜂
(
はち
)
の
名残
(
なごり
)
かな 芭蕉
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
極みなき地平の物語り
出
(
いづ
)
る物語り
天の海
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
ああ
腸
(
はらはた
)
が腐た人は子の可愛さも分りはすまい、もうお別れ申ますと風呂敷さげて表へ
出
(
いづ
)
れば、早くゆけゆけとて呼かへしてはくれざりし。
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
アーノルドの「あづま」世に
出
(
いづ
)
るの時は近しと聞く、英国の詩宗が文覚を観るの眼光いかんは、読者と共に
刮目
(
くわつもく
)
して待つべし。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
掘
(
ほら
)
ざれば家の用
路
(
ろ
)
を
塞
(
ふさ
)
ぎ
人家
(
じんか
)
を
埋
(
うづめ
)
て人の
出
(
いづ
)
べき
処
(
ところ
)
もなく、
力強
(
ちからつよき
)
家も
幾万斤
(
いくまんきん
)
の雪の
重量
(
おもさ
)
に
推砕
(
おしくだかれ
)
んをおそるゝゆゑ、家として雪を
掘
(
ほら
)
ざるはなし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
人にさそはれ
夕凉
(
ゆうすずみ
)
に
出
(
いづ
)
る時もわれのみは
予
(
あらかじ
)
め夜露の肌を
冒
(
おか
)
さん事を
慮
(
おもんばか
)
りて気のきかぬメリヤスの
襯衣
(
シャツ
)
を着込み常に
足袋
(
たび
)
をはく。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「
曲翠
(
きよくすゐ
)
問
(
とふ
)
、
発句
(
ほつく
)
を取りあつめ、集作ると云へる、此道の
執心
(
しふしん
)
なるべきや。
翁
(
をう
)
曰
(
いはく
)
、これ卑しき心より
我
(
わが
)
上手
(
じやうず
)
なるを知られんと我を忘れたる名聞より
出
(
いづ
)
る事也。」
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼等
(
かれら
)
の
爲
(
ため
)
に
平生
(
へいぜい
)
殆
(
ほと
)
んど
半
(
なかば
)
以上
(
いじやう
)
を
無駄
(
むだ
)
に
使
(
つか
)
はれて
居
(
ゐ
)
る
焔
(
ほのほ
)
が
竈
(
かまど
)
の
口
(
くち
)
から
捲
(
まく
)
れて
立
(
た
)
つた。
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
の
餘計
(
よけい
)
に
洩
(
も
)
れて
出
(
いづ
)
る
焔
(
ほのほ
)
が
彼
(
かれ
)
の
自由
(
じいう
)
を
失
(
うしな
)
うて
凍
(
こほ
)
らうとして
居
(
ゐ
)
る
手
(
て
)
を
暖
(
あたゝ
)
めた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
或
(
あるひ
)
は
外壁
(
がいへき
)
の
上部
(
じようぶ
)
に
生
(
しよう
)
じた
裂
(
さ
)
け
目
(
め
)
から
出
(
いづ
)
ることもあり、
又
(
また
)
側壁
(
そくへき
)
を
融
(
と
)
かしてそこから
溢
(
あふ
)
れ
出
(
で
)
ることもある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
寂
(
しん
)
として、谷の
筧
(
かけひ
)
の趣あり。雲
山岫
(
さんしゅう
)
に
湧
(
わ
)
くごとく、白気
件
(
くだん
)
の欄干を籠めて、薄くむらむらと
靉靆
(
たなび
)
くのは、そこから下りる地の底なる蒸風呂の、
煉瓦
(
れんが
)
を漏れ
出
(
いづ
)
る湯気である。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
這入
(
はひり
)
ながらオイ/\貴樣は
勇
(
いさま
)
しき
根性
(
こんじやう
)
だな日々一文づつ貰ひ居ながら稻葉丹後守樣の御屋敷へ
罷
(
まか
)
り
出
(
いづ
)
るなどと
餘
(
あま
)
り
口巾
(
くちはゞ
)
ツたきことを云ものかなと大いに
笑
(
わら
)
ひつゝ文右衞門の
容體
(
なり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
出
(
いづ
)
ればまた
曠野
(
ひろの
)
にて
燒石
(
やけいし
)
昔し噴出せしまゝなり開墾せんにも二三尺までは灰の如き土にて何も作りがたしとぞ
此所
(
こゝ
)
は輕井澤より
沓掛
(
くつかけ
)
追分小田井の三宿の間なり四里程なれば忽ち小田井に着きて滊車を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
出
(
いづ
)
べくとして出ずなりぬ梅の宿
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
出
(
いづ
)
ると
処
(
お
)
ると
固
(
もと
)
より
定
(
さだまり
)
有り
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
隣家
(
となり
)
に
咲
(
さ
)
ける
遲咲
(
おそざき
)
きの
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
、
都
(
みやこ
)
めづらしき
垣根
(
かきね
)
の
雪
(
ゆき
)
の、
凉
(
すゞ
)
しげなりしを
思
(
おも
)
ひ
出
(
いづ
)
ると
共
(
とも
)
に、
月
(
つき
)
に
見合
(
みあ
)
はせし
花
(
はな
)
の
眉
(
まゆ
)
はぢて
背
(
そむ
)
けしえり
足
(
あし
)
の
美
(
うつ
)
くしさ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
●さて熊を
捕
(
とる
)
に
種々
(
しゆ/″\
)
の
術
(
じゆつ
)
あり。かれが
居
(
をる
)
所の
地理
(
ちり
)
にしたがつて
捕得
(
とりえ
)
やすき術をほどこす。熊は秋の土用より
穴
(
あな
)
に入り、春の土用に穴より
出
(
いづ
)
るといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
縁日の事からもう一人私の記憶に浮び
出
(
いづ
)
るものは、
富坂下
(
とみざかした
)
の
菎蒻閻魔
(
こんにゃくえんま
)
の近所に住んでいたとかいう
瞽女
(
ごぜ
)
である。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
文士の前にある戦塲は、一局部の原野にあらず、広大なる原野なり、彼は事業を
齎
(
もた
)
らし帰らんとして戦塲に赴かず、必死を期し、原頭の露となるを覚悟して家を
出
(
いづ
)
るなり。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
刧
(
おび
)
やかし味方に付る時は
江戸表
(
えどおもて
)
へ
名乘
(
なのり
)
出
(
いづ
)
るに必ず
便利
(
べんり
)
なるべしと不敵にも思案を定め彼奧座敷に至り
燭臺
(
しよくだい
)
に
灯
(
あか
)
りを
點
(
とも
)
し
茵
(
しとね
)
の上に
欣然
(
きんぜん
)
と座を
占
(
し
)
め
胴卷
(
どうまき
)
の金子は
脇
(
わき
)
の臺に
差置
(
さしお
)
き所持の二品を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
とつかつかと
外
(
おもて
)
に
出
(
いづ
)
れば、廊下をばたばたと走る音して姿は見えずに
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
何
(
なん
)
でえ
※等
(
あねら
)
」
勘次
(
かんじ
)
は
無意識
(
むいしき
)
にさういつた。
彼
(
かれ
)
の
胸
(
むね
)
のあたりに
湧
(
わ
)
き
出
(
いづ
)
る
汗
(
あせ
)
は、
僅
(
わづか
)
に
曲折
(
きよくせつ
)
をなしつゝ
幾筋
(
いくすぢ
)
かの
流
(
なが
)
るゝ
途
(
みち
)
を
作
(
つく
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
其處
(
そこ
)
には
蕎麥
(
そば
)
の
幹
(
から
)
から
知
(
し
)
られぬ
程
(
ほど
)
づつ
立
(
た
)
つ
埃
(
ほこり
)
が
付
(
つ
)
いて
濕
(
しめ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
尋ねんなど思ひ續くるうち夜は明けしが嬉しや雨も止みぬ馬二
頭
(
ひき
)
曳き來り
二方荒神
(
にはうくわうじん
)
といふものに二人づゝ乘すといふ繪に見話には聞しが自ら乘るは珍しく勇み乘りて立ち
出
(
いづ
)
れば雨の名殘の樹々の露
領
(
えり
)
に冷たく
宿
(
しゆく
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
何故
(
なぜ
)
でもいけませぬ、
私
(
わたし
)
は
我
(
わが
)
まゝ
故
(
ゆゑ
)
、
申
(
まをす
)
まいと
思
(
おも
)
ふ
時
(
とき
)
は
何
(
ど
)
うしても
嫌
(
い
)
やでござんすとて、ついと
立
(
た
)
つて
椽
(
ゑん
)
がはへ
出
(
いづ
)
るに、
雲
(
くも
)
なき
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
かげ
凉
(
すゞ
)
しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“出”を含む語句
出入
出来
出会
出立
外出
出來
出會
露出
思出
出発
湧出
出端
申出
言出
突出
目出度
出逢
退出
生出
抽出
...