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貸
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か
ふりがな文庫
“
貸
(
か
)” の例文
「わたしは
新羅
(
しらぎ
)
の
国
(
くに
)
からはるばる
渡
(
わた
)
って
来
(
き
)
た
天日矛命
(
あまのひぼこのみこと
)
というものです。どうぞこの
国
(
くに
)
の中で、わたしの
住
(
す
)
む
土地
(
とち
)
を
貸
(
か
)
して
頂
(
いただ
)
きたい。」
赤い玉
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
私
(
わたくし
)
の顔を見ると、「ちょっと手をお
貸
(
か
)
し」といったまま、自分は席に着いた。私は兄に代って、
油紙
(
あぶらがみ
)
を父の
尻
(
しり
)
の下に
宛
(
あ
)
てがったりした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「いいよ、
僕
(
ぼく
)
が、
負
(
ま
)
ければ、もう
貸
(
か
)
してくれといわない。そして、
今度
(
こんど
)
きたときに
借
(
か
)
りたのは
返
(
かえ
)
すからね。」と、
少年
(
しょうねん
)
は、
答
(
こた
)
えたのです。
友だちどうし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
序
(
ついで
)
だと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
て
來
(
き
)
たが、
此處
(
こゝ
)
からぢやあつちの
方
(
はう
)
のそれ
知
(
し
)
つてべえ
仕切
(
しき
)
つて
貸
(
か
)
すつちんだから、
俺
(
お
)
ら
其處
(
そこ
)
さ
入
(
え
)
れてえと
思
(
おも
)
つて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「ルミのほうが身が軽い。あの子に長ぐつを
貸
(
か
)
しておやり。あの子なら、行って水を取って来られるだろう」とかれは言った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
マアセルは今日夕方の
番
(
シフト
)
だったので、いま「モナコの岸」から、近処に
貸
(
か
)
りてる自分の部屋へ帰って来たところである。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
しまつた、
借
(
か
)
りものだ、と
冷
(
ひや
)
りとすると、ざつ、ざぶり、ばしやツ。
弱
(
よわ
)
つた。が、
落着
(
おちつ
)
いた。
緑蝶夫人
(
ろくてふふじん
)
の
貸
(
か
)
し
振
(
ぶり
)
を
思
(
おも
)
へ。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
額
(
がく
)
は取りのけてもらって、自分の好きな人の写真をかけよう。床の掛け物もこれはよしてもらって、大木さんから
子規
(
しき
)
先生の物を
貸
(
か
)
りてきてかけよう。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
自分
(
じぶん
)
の
收入以上
(
しうにふいじやう
)
の
暮
(
くら
)
しをして、
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ぬから
借金
(
しやくきん
)
を
續
(
つゞ
)
けて
居
(
ゐ
)
ると
云
(
い
)
ふ
事態
(
じたい
)
であるからして、
左樣
(
さやう
)
な
状態
(
じやうたい
)
の
國
(
くに
)
には
金
(
かね
)
は
貸
(
か
)
さぬと
云
(
い
)
ふのが
英米
(
えいべい
)
の
立前
(
たてまへ
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「
智恵
(
ちえ
)
を
貸
(
か
)
せとな。はッはッは。これは
面白
(
おもしろ
)
い。
智恵
(
ちえ
)
はわたしよりお
前
(
まえ
)
の
方
(
ほう
)
が
多分
(
たぶん
)
に
持合
(
もちあわ
)
せているはずだがの」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
小僧
(
こぞう
)
や。小「へえ。旦「お
隣
(
となり
)
へ
往
(
いつ
)
てノ
蚊帳
(
かや
)
の
釣手
(
つりて
)
を打つんだから
鉄槌
(
かなづち
)
を
貸
(
か
)
して下さいと
然
(
さ
)
う
云
(
い
)
つて
借
(
か
)
りて
来
(
こ
)
い。小「へえ……
往
(
いつ
)
て
参
(
まゐ
)
りました。旦「
貸
(
か
)
して
呉
(
く
)
れたか。 ...
吝嗇家
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
三郎
(
さぶろう
)
、この時間うな木ペン
使
(
つか
)
ってがら、おれさ
貸
(
か
)
せな。」キッコがとなりの三郎に云いました。
みじかい木ぺん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鶫
(
つぐみ
)
といふ
鳥
(
とり
)
や
鶸
(
ひわ
)
といふ
鳥
(
とり
)
は、
何
(
なん
)
百
羽
(
ぱ
)
飛
(
と
)
んで
參
(
まゐ
)
りましても、みんな
網
(
あみ
)
や
黐
(
もち
)
に
掛
(
かゝ
)
つてしまひますが、
私共
(
わたしども
)
にかぎつて
軒先
(
のきさき
)
を
貸
(
か
)
して
下
(
くだ
)
すつたり
巣
(
す
)
をかけさせたりして
下
(
くだ
)
さいます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
自由には
取扱
(
とりあつか
)
ひ難く殊に
只今
(
たゞいま
)
手元
(
てもと
)
には一兩の金も是無しと云と雖も三五郎は
遙々
(
はる/″\
)
是迄
(
これまで
)
來りしゆゑ何卒
貸
(
か
)
し
呉
(
くれ
)
よと申に段右衞門
我等
(
われら
)
今
(
いま
)
は
別
(
べつ
)
に
金儲
(
かねまう
)
けも無れば是非もなしと
斷
(
ことわ
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
また
君
(
きみ
)
たちの
作
(
つく
)
つた
歌
(
うた
)
もぜひおくつて
見
(
み
)
せてほしい。も一つ。この
本
(
ほん
)
は
自分
(
じぶん
)
ひとりでは
讀
(
よ
)
まないで、なるべくお
友
(
とも
)
だちみんなに
見
(
み
)
せ、
讀
(
よ
)
ませ、
貸
(
か
)
してやるやうにしてもらひたい。
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
「こりゃ
大
(
たい
)
したものだ。目貫の
獅子
(
しし
)
は
本金
(
ほんきん
)
で、
鍔
(
つば
)
は
後藤祐乗
(
ごとうゆうじょう
)
の作らしい。ウーム……どうだい竹童さん、ものはひとつそうだんだが、その刀をおれに四、五日
貸
(
か
)
してくれないか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而
(
さう
)
して
彼
(
かれ
)
は
昔
(
むかし
)
の
生活
(
せいくわつ
)
が
健全
(
けんぜん
)
で、
愉快
(
ゆくわい
)
で、
興味
(
きようみ
)
の
有
(
あ
)
つたこと、
其頃
(
そのころ
)
の
上流社會
(
じやうりうしやくわい
)
には
知識
(
ちしき
)
が
有
(
あ
)
つたとか、
又
(
また
)
其社會
(
そのしやくわい
)
では
廉直
(
れんちよく
)
、
友誼
(
いうぎ
)
を
非常
(
ひじやう
)
に
重
(
おも
)
んじてゐたとか、
證文
(
しようもん
)
なしで
錢
(
ぜに
)
を
貸
(
か
)
したとか
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
齒
(
はツ
)
かけの、
嫌
(
い
)
やな
奴
(
やつ
)
め、
這入
(
はい
)
つて
來
(
き
)
たら
散々
(
さん/″\
)
と
窘
(
いぢ
)
めてやる
物
(
もの
)
を、
歸
(
かへ
)
つたは
惜
(
お
)
しい
事
(
こと
)
をした、どれ
下駄
(
げた
)
をお
貸
(
か
)
し、
一寸
(
ちよつと
)
見
(
み
)
てやる、とて
正太
(
しようた
)
に
代
(
かわ
)
つて
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
せば
軒
(
のき
)
の
雨
(
あま
)
だれ
前髮
(
まへがみ
)
に
落
(
お
)
ちて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私の
貸
(
か
)
した本を
腕
(
うで
)
一杯に抱えて、はじけそうな、
銀杏返
(
いちょうがえ
)
しを見せて振り向きもしないで、
町風
(
まちふう
)
に
内輪
(
うちわ
)
ながら
早足
(
はやあし
)
に歩いて行く後姿なんかを思いながらフイと番地を聞いて置かなかった
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今度は内容証明ではなかつたけれども、中をあけてみると、やはりあなたに
貸
(
か
)
した百円を返して下さいと書いてあつた。のみならず、わたしも病身ではあり女のことだからと書いてあつた。
偽者二題
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
衣
(
きぬ
)
貸
(
か
)
さむ踊れと言ひし
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「この
国
(
くに
)
はわたしの
治
(
おさ
)
めている
土地
(
とち
)
で、あなたに
貸
(
か
)
して
上
(
あ
)
げる
場所
(
ばしょ
)
といって、ほかにありません。では
海
(
うみ
)
の中を
貸
(
か
)
しましょう。」
赤い玉
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「おばあさん、すみませんが、そのざるをお
貸
(
か
)
しください。」と、いって、
自分
(
じぶん
)
の
土産
(
みやげ
)
を
入
(
い
)
れてきたざるを
借
(
か
)
りて
帰
(
かえ
)
りました。
海のおばあさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
然
(
しか
)
し
他
(
た
)
に
方法
(
はうはふ
)
もないので
彼
(
かれ
)
は
地主
(
ぢぬし
)
へ
哀訴
(
あいそ
)
して
小作米
(
こさくまい
)
の
半分
(
はんぶん
)
を
次
(
つぎ
)
の
秋
(
あき
)
まで
貸
(
か
)
して
貰
(
もら
)
つた。
地主
(
ぢぬし
)
は
東隣
(
ひがしどなり
)
の
舊主人
(
きうしゆじん
)
であつたのでそれも
承諾
(
しようだく
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「わたしは目が見えなくなったかしらん」と親方は
低
(
ひく
)
い声で言って、両手を目に当てた。「森についてまっすぐにおいで。手を
貸
(
か
)
しておくれ」
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
……これはそのまゝ、いま
頂戴
(
ちやうだい
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
る。……ふろ
敷包
(
しきづつみ
)
を
御持參
(
ごぢさん
)
で、「
机
(
つくゑ
)
を
貸
(
か
)
しな。」とお
見
(
み
)
えに
成
(
な
)
つた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
貸
(
か
)
して呉れと切り
込
(
こ
)
んで
頼
(
たの
)
んだ時は、あゝ
手痛
(
てきびし
)
く跳ね付けて
置
(
お
)
きながら、いざ断念して帰る段になると、却つて断わつた方から、
掛念
(
けねん
)
がつて
駄目
(
だめ
)
を
押
(
お
)
して
出
(
で
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それ
程
(
ほど
)
までにいうんなら、
仕方
(
しかた
)
がない、
預
(
あず
)
かろう。その
換
(
かわ
)
り、
太夫
(
たゆう
)
が
借
(
か
)
りに
来
(
き
)
たにしても、もう二
度
(
ど
)
と
再
(
ふたた
)
び
貸
(
か
)
すことじゃないから、それだけは
確
(
しか
)
と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
しとくぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
(
喰
(
た
)
べたくないよおっかさん。)童子が申されました。(おいしいのだよ。どれ、
箸
(
はし
)
をお
貸
(
か
)
し。)
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
六
畳
(
でふ
)
の
座敷
(
ざしき
)
を
借切
(
かりき
)
つてゐると、
火鉢
(
ひばち
)
はここへ
置
(
お
)
くよ、
烟草盆
(
たばこぼん
)
も
置
(
お
)
くよ、
土瓶
(
どびん
)
も
貸
(
か
)
してやる、
水指
(
みづさし
)
もこゝに
有
(
あ
)
るは、
手水場
(
てうづば
)
へは
此処
(
こゝ
)
から
往
(
い
)
くんだ、こゝへ
布巾
(
ふきん
)
も
掛
(
か
)
けて
置
(
お
)
くよ
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうして
彼
(
かれ
)
は
昔
(
むかし
)
の
生活
(
せいかつ
)
が
健全
(
けんぜん
)
で、
愉快
(
ゆかい
)
で、
興味
(
きょうみ
)
のあったこと、その
頃
(
ころ
)
の
上流社会
(
じょうりゅうしゃかい
)
には
知識
(
ちしき
)
があったとか、またその
社会
(
しゃかい
)
では
廉直
(
れんちょく
)
、
友誼
(
ゆうぎ
)
を
非常
(
ひじょう
)
に
重
(
おも
)
んじていたとか、
証文
(
しょうもん
)
なしで
銭
(
ぜに
)
を
貸
(
か
)
したとか
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
おゝ
夫
(
それ
)
よりは
彼
(
か
)
の
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
彼
(
あ
)
の
人
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
、
藤本
(
ふぢもと
)
のならば
宜
(
よ
)
き
智惠
(
ちゑ
)
も
貸
(
か
)
してくれんと、十八
日
(
にち
)
の
暮
(
くれ
)
れちかく、
物
(
もの
)
いへば
眼口
(
めくち
)
にうるさき
蚊
(
か
)
を
拂
(
はら
)
ひて
竹村
(
たけむら
)
しげき
龍華寺
(
りうげじ
)
の
庭先
(
にはさき
)
から
信如
(
しんによ
)
が
部屋
(
へや
)
へのそりのそりと
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
整理
(
せいり
)
の
出來
(
でき
)
て
居
(
ゐ
)
ない
國
(
くに
)
には
金
(
かね
)
を
貸
(
か
)
さぬのは
已
(
や
)
むを
得
(
え
)
ないことである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
と、
異口同音
(
いくどうおん
)
にさけんだが、いかにかれの
危難
(
きなん
)
を知っても、それへ力を
貸
(
か
)
してやることもならず、
鷲
(
わし
)
はまた、バッと山かげに突きあたって
飛翼
(
ひよく
)
をかえし、広い
琵琶湖
(
びわこ
)
の上を高くひくく舞いはじめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで
六部
(
ろくぶ
)
は、これこれこういうわけだから、どうか
人助
(
ひとだす
)
けだと
思
(
おも
)
って、二三
日
(
にち
)
この
犬
(
いぬ
)
を
貸
(
か
)
してもらえまいかとたのみますと、りょうしは
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
はたして、
隣
(
となり
)
の
先生
(
せんせい
)
がやってきました。そして、
大事
(
だいじ
)
に
扱
(
あつか
)
うから、ちょっとあほう
鳥
(
どり
)
を
学校
(
がっこう
)
へ
貸
(
か
)
してくれないかと
頼
(
たの
)
みました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
宿屋
(
やどや
)
の
亭主
(
ていしゅ
)
は、あいつには一週間の
宿料
(
しゅくりょう
)
の
貸
(
か
)
しがあるから、あの
悪党
(
あくとう
)
、どうかしてつかまえてやりたいと言っていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
それだつて、
小原女
(
をはらめ
)
が
賣
(
う
)
りに
來
(
く
)
るのを
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
られもしますまい。
可
(
よ
)
うがす、
肩
(
かた
)
をお
貸
(
か
)
し
申
(
まを
)
しませう。これへ
乘
(
の
)
つて、
廂
(
ひさし
)
へかゝつて、
大屋根
(
おほやね
)
へお
上
(
のぼ
)
んなさい。
人参
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「だから、本郷からわざ/\
遣
(
や
)
つて
来
(
き
)
たんだ。なに、
金
(
かね
)
は
借
(
か
)
りなくても
好
(
い
)
い。——
貸
(
か
)
せば猶
好
(
い
)
いが——
夫
(
それ
)
より少し
分
(
わか
)
らない所があるから、相談しやうと
思
(
おも
)
つて」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いい
智恵
(
ちえ
)
をお
貸
(
か
)
し
申
(
もう
)
しやすから、
小僧
(
こぞう
)
さんのしくじりなんざさっぱり
水
(
みず
)
に
流
(
なが
)
しておやんなさいまし
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
この
戸棚
(
とだな
)
に
夜具
(
やぐ
)
蒲団
(
ふとん
)
もあるよと
何
(
なに
)
から
何
(
なに
)
まで
残
(
のこ
)
らず
貸
(
か
)
して
下
(
すだ
)
すつてよ、
往
(
い
)
つた
当座
(
たうざ
)
だから
療治
(
れうぢ
)
はないや、
退屈
(
たいくつ
)
だらうと思つて
岩田屋
(
いはたや
)
の
御夫婦
(
ごふうふ
)
が
来
(
き
)
て、
四方山
(
よもやま
)
の話をして
居
(
を
)
ると
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ここの水少し
干
(
ほ
)
したほういいな、鉄梃を
貸
(
か
)
しませんか。」と
云
(
い
)
うものもありました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
米
(
こめ
)
大變
(
たいへん
)
だから
俺
(
お
)
れが
風呂敷
(
ふろしき
)
ぢやちつと
小
(
ち
)
つちえんだが
大
(
え
)
かえの
有
(
あ
)
れば
貸
(
か
)
してくんねえか
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
『
然
(
さ
)
うだ
名譽
(
めいよ
)
が
大切
(
たいせつ
)
だ。
全體
(
ぜんたい
)
這麼町
(
こんなまち
)
に
足
(
あし
)
を
踏込
(
ふみこ
)
んだのが
間違
(
まちが
)
ひだつた。』と、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
にドクトルに
向
(
むか
)
つて
云
(
い
)
ふた。『
實
(
じつ
)
は
私
(
わたし
)
は
負
(
ま
)
けたのです。で、
奈何
(
どう
)
でせう、
錢
(
ぜに
)
を五百
圓
(
ゑん
)
貸
(
か
)
しては
下
(
くだ
)
さらんか?』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「あいつにこまごまと積もって、十両ばかりの
貸
(
か
)
しがあるンだが」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんだずるい。
自分
(
じぶん
)
ばかりさして、おれにも
貸
(
か
)
してくんなせい。」といって、
他
(
た
)
の
一人
(
ひとり
)
の
娘
(
むすめ
)
は、その
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
いかけました。
日がさとちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
秋
(
あき
)
になって
刈
(
か
)
り
入
(
い
)
れをするころになると、人に
貸
(
か
)
した
方
(
ほう
)
の
田
(
た
)
はあたり
前
(
まえ
)
の
出来
(
でき
)
でしたが、
自分
(
じぶん
)
の
分
(
ぶん
)
に
作
(
つく
)
った
方
(
ほう
)
の
田
(
た
)
は
大
(
たい
)
そうよくみのりました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
小判
(
こばん
)
處
(
どころ
)
か、
一分
(
いちぶ
)
一
(
ひと
)
ツ
貸
(
か
)
してくれる
相談
(
さうだん
)
がない
處
(
ところ
)
から、むツとふくれた
頬邊
(
ほゝべた
)
が、くしや/\と
潰
(
つぶ
)
れると、
納戸
(
なんど
)
へ
入
(
はひ
)
つてドタリと
成
(
な
)
る。
所謂
(
いはゆる
)
フテ
寢
(
ね
)
と
云
(
い
)
ふのである。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おまえにはきのう一スー
貸
(
か
)
してある。それをきょう持って来るやくそくだったが、いくら持って来たな」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
三四郎はあまり
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
いた事のない男だから、請求の理由に至つて困却した。仕方がないからたゞ友達が
金
(
かね
)
を
失
(
な
)
くして弱つてゐたから、つい気の毒になつて
貸
(
か
)
してやつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
貸
常用漢字
小5
部首:⾙
12画
“貸”を含む語句
高利貸
貸家
貸借
金貸
貸金
貸元
賃貸
貸座敷
席貸
貸自動車
貸間館
売貸家
腕貸
又貸
貸與
貸遣
貸浴衣
貸家札
貸長屋
貸店
...