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気
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き
ふりがな文庫
“
気
(
き
)” の例文
旧字:
氣
この
不自由
(
ふじゆう
)
な、
醜
(
みにく
)
い、
矛盾
(
むじゅん
)
と
焦燥
(
しょうそう
)
と
欠乏
(
けつぼう
)
と
腹立
(
はらだ
)
たしさの、
現実
(
げんじつ
)
の
生活
(
せいかつ
)
から、
解放
(
かいほう
)
される
日
(
ひ
)
は、そのときであるような
気
(
き
)
がしたのです。
希望
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
平生
(
へいぜい
)
から
嘲
(
あざけ
)
るものは
嘲
(
あざけ
)
るが、
心優
(
こゝろやさ
)
しい
衣絵
(
きぬゑ
)
さんは、それでも
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
がつて、
存分
(
ぞんぶん
)
に
沸
(
わ
)
かして
飲
(
の
)
むやうにと
言
(
い
)
つた
厚情
(
こゝろざし
)
なのであつた。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そしていきなりお
姫
(
ひめ
)
さまにとびかかって、ただ
一口
(
ひとくち
)
に
食
(
た
)
べようとしました。お
姫
(
ひめ
)
さまはびっくりして、
気
(
き
)
が
遠
(
とお
)
くなってしまいました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
と
是
(
これ
)
から
釣堀
(
つりぼり
)
へまゐりますと、
男女
(
なんによ
)
の
二人連
(
ふたりづれ
)
ゆゑ
先方
(
せんぱう
)
でも
気
(
き
)
を
利
(
き
)
かして
小間
(
こま
)
へ
通
(
とほ
)
して、
蜆
(
しゞみ
)
のお
汁
(
つけ
)
、お
芋
(
いも
)
の
煑転
(
につころ
)
がしで
一猪口
(
いつちよこ
)
出ました。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
空
(
そら
)
を
焦
(
こが
)
す
狼火
(
のろし
)
……そして
最後
(
さいご
)
に
武運
(
ぶうん
)
いよいよ
尽
(
つ
)
きてのあの
落城
(
らくじょう
)
……四百
年後
(
ねんご
)
の
今日
(
こんにち
)
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
してみる
丈
(
だけ
)
でも
気
(
き
)
が
滅入
(
めい
)
るように
感
(
かん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
小鳥
(
ことり
)
一
羽
(
わ
)
飼
(
か
)
つたこともないという、ごうつくばりの
因業
(
いんごう
)
おやじが、なぜ
金魚
(
きんぎょ
)
を
飼
(
か
)
う
気
(
き
)
になつたか、その
点
(
てん
)
にも
問題
(
もんだい
)
がないことはない。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
兄
(
にい
)
さんはいつもむつかしいことをいうので、たいてい
僕
(
ぼく
)
にはよくわからないのだが、この
言葉
(
ことば
)
は
半分
(
はんぶん
)
ぐらいはわかるような
気
(
き
)
がした。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「いや、
気
(
き
)
に
病
(
や
)
むほどのことでもなかろうが、
何
(
なん
)
せ
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
の
急病
(
きゅうびょう
)
での。ちっとばかり、
朝
(
あさ
)
から
世間
(
せけん
)
が
暗
(
くら
)
くなったような
気
(
き
)
がするのさ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
しかし
段々
(
だんだん
)
と
落着
(
おちつ
)
くに
随
(
したが
)
って、さすがにミハイル、アウエリヤヌイチに
対
(
たい
)
しては
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
で、
定
(
さだ
)
めし
恥入
(
はじい
)
っていることだろうと
思
(
おも
)
えば。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
(
それ
)
が
少
(
すこ
)
し
過
(
す
)
ぎて、ポカ/\する
風
(
かぜ
)
が、
髯面
(
ひげつら
)
を
吹
(
ふ
)
く
頃
(
ころ
)
となると、もう
気
(
き
)
が
重
(
おも
)
く、
頭
(
あたま
)
がボーツとして、
直
(
ひた
)
と
気焔
(
きえん
)
が
挙
(
あが
)
らなくなつて
了
(
しま
)
ふ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
するとだんだん
気
(
き
)
がふさいで、
病気
(
びょうき
)
になりました。それから八
月
(
つき
)
経
(
た
)
った
時
(
とき
)
に、
女
(
おんな
)
は
夫
(
おっと
)
の
所
(
ところ
)
へ
行
(
い
)
って、
泣
(
な
)
きながら、こう
言
(
い
)
いました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ところが
少
(
すこ
)
し
行
(
い
)
つたとき、
嘉十
(
かじふ
)
はさつきのやすんだところに、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
忘
(
わす
)
れて
来
(
き
)
たのに
気
(
き
)
がつきましたので、
急
(
いそ
)
いでまた
引
(
ひ
)
つ
返
(
かへ
)
しました。
鹿踊りのはじまり
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
数
(
かぞ
)
え
歳
(
どし
)
の二つにしかならない
男
(
おとこ
)
の
児
(
こ
)
であるが、あのきかない
気
(
き
)
の
光子
(
みつこ
)
さんに
比
(
くら
)
べたら、これはまた
何
(
なん
)
というおとなしいものだろう。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「頭の濡れないのは尼さんばかりだからさ。それに、松風村雨の話を聴いていたから、あの尼さんの
伊勢訛
(
いせなま
)
りで、フと
気
(
き
)
が付いたんだ」
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もうその時分には今松も、よほど上方というところに、上方の寄席のなかの
気
(
き
)
ッ
風
(
ぷ
)
というものに馴らされてきていた、よんどころなく。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
すぐ……わかる……わかるつもりじゃ。なぜならば、つい先頃、大坂表で会うているのじゃ。また、いつもの
気
(
き
)
ままが出て、わしを
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あっちはほんのしるしでいいよ。姉ちゃん
気
(
き
)
いつけていつもいろんなもんやっているんだもの。——この蓬、饀はいってか?」
三月の第四日曜
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
君
(
きみ
)
、ちょっと
聴
(
き
)
き
給
(
たま
)
え。
君
(
きみ
)
はずいぶん
見
(
み
)
っともないね。だから
僕達
(
ぼくたち
)
は
君
(
きみ
)
が
気
(
き
)
に
入
(
い
)
っちまったよ。
君
(
きみ
)
も
僕達
(
ぼくたち
)
と
一緒
(
いっしょ
)
に
渡
(
わた
)
り
鳥
(
どり
)
にならないかい。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そしてゴットフリートが、「そんなにまずくはない……
気
(
き
)
にいった……」とただそれだけでもいってくれると、
嬉
(
うれ
)
しくてたまらなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
此地火一に
陰火
(
いんくわ
)
といふ。かの
如法寺村
(
によほふじむら
)
の陰火も
微風
(
すこしのかぜ
)
の
気
(
き
)
いづるに
発燭
(
つけぎ
)
の火をかざせば
風気
(
ふうき
)
手
(
て
)
に
応
(
おう
)
じて
燃
(
もゆ
)
る、
陽火
(
やうくわ
)
を
得
(
え
)
ざれば
燃
(
もえ
)
ず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
本堂
(
ほんだう
)
の
方
(
はう
)
では
経
(
きやう
)
を
読
(
よ
)
む
声
(
こゑ
)
、
鉦
(
かね
)
を
打
(
う
)
つ
音
(
おと
)
もしてゐる。
道子
(
みちこ
)
は
今年
(
ことし
)
もいつか
盆
(
ぼん
)
の十三
日
(
にち
)
になつたのだと
初
(
はじ
)
めて
気
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
である。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
そして女が両側の店を覗き覗き、きよろ/\してゐるやうだつたら、その女は屹度
移
(
うつ
)
り
気
(
き
)
だから、
迚
(
とて
)
も
不在
(
るす
)
勝
(
がち
)
な海員の女房には出来かねる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
書画
(
しょが
)
骨董
(
こっとう
)
を
買
(
か
)
うことが
熱心
(
ねっしん
)
で、
滝田
(
たきた
)
さん
自身
(
じしん
)
話
(
はな
)
されたことですが、
何
(
なに
)
も
買
(
か
)
う
気
(
き
)
がなくて
日本橋
(
にほんばし
)
の
中通
(
なかどお
)
りをぶらついていた
時
(
とき
)
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ラランのやつに
欺
(
だま
)
されたと
気
(
き
)
づいても、
可哀
(
かあい
)
さうなペンペはその
抉
(
えぐ
)
られた
両方
(
りやうほう
)
の
眼
(
め
)
から
血
(
ち
)
を
滴
(
したた
)
らすばかりだつた。もうラランの
名
(
な
)
も
呼
(
よ
)
ばない。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
主人は自分よりほかのものでは
到底
(
とても
)
弁じない用事なので、「はあようがす」と云って
気
(
き
)
さくに立って
梯子段
(
はしごだん
)
を
上
(
のぼ
)
って行った。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ですから、
武揚
(
たけあき
)
がろうやに
入
(
い
)
れられているといううわさはきいたことがありますが、べつに、それいじょうは
気
(
き
)
にもとめていなかったのです。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「
神楽坂上
(
かぐらざかうえ
)
の
御箪笥町
(
おたんすまち
)
までやっておくれ。あの、ほら、
南蔵院
(
なんぞういん
)
さまの前だよ。長丁場で
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だけれども
南鐐
(
なんりょう
)
でいいかえ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
たとえば
療法
(
りょうほう
)
にも
信仰
(
しんこう
)
だの
加持祈祷
(
かじきとう
)
だのを混合する。もちろん病気によってはいわゆる
気
(
き
)
の
病
(
やま
)
いもあるから、心の持ちようで
癒
(
なお
)
る病気もあろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
まあ、そう笑い給うな、兎に角そんな風な
呑
(
の
)
ん
気
(
き
)
な、殆ど無我的な気分になれる所は、神楽坂の外にはそう沢山ないよ。
早稲田神楽坂
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
よその
家
(
うち
)
はもう
寝静
(
ねしず
)
まつてゐるので、なんにも
気
(
き
)
が
注
(
つ
)
かないかも知れませんが、わたし達はどうも不安心でなりません。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
右隣りの席へ就いたうすら
※
(
ひげ
)
のある男は、来る早々促し/\あおりかけて、
気
(
き
)
斗牛
(
とぎゅう
)
を貫くという勢い、その上膳の物を退治ることもすこぶる神速だ。
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
この
界隈
(
かいわい
)
の、まだ全く未成熟な住民の
気
(
き
)
ッ
風
(
ぷ
)
にあわせて、その限りで納得の行くことをやってのければよかったのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
ふうん、村人をなぐりたおしてあばれまわったというのか……なんて
乱暴
(
らんぼう
)
なことをするのだ。えっ、なに、
巡査
(
じゅんさ
)
はなぐられて
気
(
き
)
ぜつしたっていうのか。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
そうしてこういうことが、
自己
(
じこ
)
の
天職
(
てんしょく
)
からみてもかえってとうといのじゃないかなど考えながら、ますます
乗
(
の
)
り
気
(
き
)
になって農民に
親
(
した
)
しむことをつとめた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
寝
(
ね
)
て
居
(
ゐ
)
なくてはいけないなんの
病中
(
びやうちう
)
に
失礼
(
しつれい
)
も
何
(
なに
)
もあつたものぢやアないそれとも
少
(
すこ
)
し
起
(
お
)
きて
見
(
み
)
る
気
(
き
)
なら
僕
(
ぼく
)
に
寄
(
よ
)
りかゝつて
居
(
ゐ
)
るがいゝと
抱
(
いだ
)
き
起
(
おこ
)
せば
居直
(
ゐなほ
)
つて。
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
外套
(
がいとう
)
のポケットへ
手
(
て
)
を
突
(
つ
)
っこんでみたが、手にあたらない。と、
不意
(
ふい
)
に
気
(
き
)
がついて見ると、それは人の
外套
(
がいとう
)
だった。シューラはさもいまいましそうに
叫
(
さけ
)
んだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
事
(
こと
)
に
依
(
よ
)
つたら
御覧
(
ごらん
)
になつたかも
知
(
し
)
れないが、
幼児
(
をさなご
)
のことゆゑ、
気
(
き
)
を
付
(
つ
)
けてやらねばなるまい。
真昼時
(
まひるどき
)
で
気
(
き
)
が
重
(
おも
)
くなる。
物
(
もの
)
皆
(
みな
)
悉
(
こと/″\
)
く
白
(
しろ
)
つぽい。しかあれかし、
亜孟
(
アメン
)
。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
チョイと云う事からしてまず
気
(
き
)
に障わる。文三も
怫然
(
むっ
)
とはしたが、
其処
(
そこ
)
は内気だけに何とも言わなかった。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
わたくしは此詩句を取つて、
姑
(
しばら
)
く
妄
(
みだり
)
に
下
(
しも
)
の如くに解する。霞亭の学術は前年癸亥に
略
(
ほゞ
)
成つた。歳晩の舟遊は、その新に卒業して
気
(
き
)
揚
(
あが
)
り
興
(
きよう
)
豪
(
がう
)
なる時に於てせられた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
四条大橋を渡って華やかな祇園の通りは、
暢
(
の
)
ん
気
(
き
)
に歩いて居れば
何時
(
いつ
)
通っても楽しいところである。
六日月
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
一二
禽
(
きん
)
を
制
(
せい
)
するは
気
(
き
)
にあり。
婦
(
ふ
)
を制するは其の
夫
(
をつと
)
の
雄
(
を
)
々しきにありといふは、
現
(
げ
)
にさることぞかし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
問、
足下
(
そくか
)
は尚ほ
何時迄
(
いつまで
)
も
著述
(
ちよじゆつ
)
に
従事
(
じうじ
)
せれんとする乎(
基督信徒
(
きりすとしんと
)
に他人の
仕事
(
しごと
)
を
気
(
き
)
にする者
多
(
おほ
)
し)。
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
此に於て
熬米
(
いりごめ
)
を
噛
(
か
)
み以て一時の
飢
(
うへ
)
を
忍
(
しの
)
び、一
気
(
き
)
走駆
(
さうく
)
して
直
(
ただ
)
ちに沿岸に
至
(
いた
)
り飯を
煑
(
に
)
んと
决
(
けつ
)
す、此に於て山を
降
(
くだ
)
り方向を
定
(
さだ
)
めて沼辺に
至
(
いた
)
らんとし、山を
下
(
くだ
)
れば前方の山又山
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
ちょうど、それだけの
数
(
すう
)
の小さな
壜
(
びん
)
が
並
(
なら
)
んでいるようで、ジャンセエニュ
先生
(
せんせい
)
は、その
壜
(
びん
)
の一つ一つへ学問という
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
をつぎ
込
(
こ
)
んでいらっしゃるのだという
気
(
き
)
がします。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
私は
何時
(
いつ
)
も昔のあなたがお思ひになつたやうに
年
(
とし
)
と云ふものの目に映つて来ない幸福な
気
(
き
)
に包まれた人達なのであらうと、さう云ふ人達に対しては思つて居るだけなのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
先
(
まづ
)
気
(
き
)
を
丹田
(
たんでん
)
に落つけ、
震
(
ふる
)
ふ足を踏しめ、づか/\と青木子の面前にすゝみ出でゝ怪しき目礼すれば、大臣は眼鏡の上よりぢろりと一
瞥
(
べつ
)
、むつとしたる顔付にて答礼したまふ。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「こんな石をけずるなんて、
人間
(
にんげん
)
にできるものか。いくらよしむらのように
気
(
き
)
が
長
(
なが
)
くても。」
ラクダイ横町
(新字新仮名)
/
岡本良雄
(著)
かつはその
可哀
(
あわれ
)
な境遇を
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
と思うのとのために、これもまたいろいろに親切にしてやる。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ようし、それがどんな
気
(
き
)
ッ
風
(
ぷ
)
の女か知らないが、両国のお初が、どういう女か、長さんに、ひとつ、とっくり見て貰いましょう。あたしだって、身も軽いが、手足も動くんだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
人といふものは二気あれば即ち病む、といふ古い支那の
諺
(
ことわざ
)
にある通り(中略)宜しく
胆
(
たん
)
を
張
(
は
)
り
気
(
き
)
を
壮
(
さか
)
んにし、飲食を適宜にし、運動を怠らずして、
無所
(
むしよ
)
畏心
(
ゐしん
)
に安住すべきである。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
“気”の解説
気(气、氣 CHEE )、また氣(き)とは、中国思想や道教や中医学(漢方医学)などの用語の一つ。一般的に気は不可視であり、流動的で運動し、作用をおこすとされている。しかし、気は凝固して可視的な物質となり、万物を構成する要素と定義する解釈もある。宇宙生成論や存在論でも論じられた。
(出典:Wikipedia)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“気”を含む語句
気遣
病気
気色
侠気
温気
気合
気質
気勢
雰囲気
蒸気
火気
呆気
気持
気狂
狂気
臭気
無邪気
湿気
食気
気難
...