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借
>
か
ふりがな文庫
“
借
(
か
)” の例文
それであれが冬じゅうおまえを
借
(
か
)
りきる代わりに、二十フランぐらいは出そうから、それでわしもしばらくやってゆくつもりだった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
おとっつあんはそこで、その
家
(
うち
)
の自転車を
借
(
か
)
り、それにのって、もうチェーンがきれるほどペタルをふんで
土浦
(
つちうら
)
へ走っていきました。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
さうして
東隣
(
ひがしどなり
)
から
借
(
か
)
りて
來
(
き
)
た
蓙
(
ござ
)
が五六
枚
(
まい
)
敷
(
し
)
かれた。それから
土地
(
とち
)
の
習慣
(
しふくわん
)
で
勘次
(
かんじ
)
は
淨
(
きよ
)
めてやつたお
品
(
しな
)
の
死體
(
したい
)
は一
切
(
さい
)
を
近所
(
きんじよ
)
の
手
(
て
)
に
任
(
まか
)
せた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「どうせ藤尾さんのようには参りません——あらそんな
椽側
(
えんがわ
)
へ煙草の灰を捨てるのは
御廃
(
およ
)
しなさいよ。——これを
借
(
か
)
して上げるから」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今更
(
いまさら
)
ながら
長吉
(
ちようきち
)
の
亂暴
(
らんぼう
)
に
驚
(
おどろ
)
けども
濟
(
す
)
みたる
事
(
こと
)
なれば
咎
(
とが
)
めだてするも
詮
(
せん
)
なく、
我
(
わ
)
が
名
(
な
)
を
借
(
か
)
りられしばかりつく/″\
迷惑
(
めいわく
)
に
思
(
おも
)
はれて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
その時には
箕作麟祥
(
みつくりりんしょう
)
のお
祖父
(
じい
)
さんの箕作
阮甫
(
げんぽ
)
と云う人が調所の
頭取
(
とうどり
)
で、
早速
(
さっそく
)
入門を許して
呉
(
く
)
れて、入門すれば字書を
借
(
か
)
ることが出来る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
才蔵は
御岳
(
みたけ
)
につくまで、じゅうぶん
腕
(
うで
)
をきたえておこうというので
宿
(
やど
)
へつくと
稽古槍
(
けいこやり
)
を
借
(
か
)
りて、源次郎をワラ
人形
(
にんぎょう
)
のように
突
(
つ
)
きたおす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下宿
(
げしゅく
)
の
主人
(
しゅじん
)
にきいてみても、前の家をたれが
借
(
か
)
りているのか知りませんでした。なにしろ、にんげんの
姿
(
すがた
)
をみたことがないというのです。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「いいよ、
僕
(
ぼく
)
が、
負
(
ま
)
ければ、もう
貸
(
か
)
してくれといわない。そして、
今度
(
こんど
)
きたときに
借
(
か
)
りたのは
返
(
かえ
)
すからね。」と、
少年
(
しょうねん
)
は、
答
(
こた
)
えたのです。
友だちどうし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
通
(
とほ
)
りかゝつた
見知越
(
みしりごし
)
の、みうらと
言
(
い
)
ふ
書店
(
しよてん
)
の
厚意
(
こうい
)
で、
茣蓙
(
ござ
)
を
二枚
(
にまい
)
と、
番傘
(
ばんがさ
)
を
借
(
か
)
りて、
砂
(
すな
)
の
吹
(
ふ
)
きまはす
中
(
なか
)
を
這々
(
はふ/\
)
の
體
(
てい
)
で
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
快活
(
くわいくわつ
)
なる
水兵
(
すいへい
)
の
一群
(
いちぐん
)
は
其
(
その
)
周圍
(
まわり
)
を
取卷
(
とりま
)
いて、『やあ、
可愛
(
かあひ
)
らしい
少年
(
せうねん
)
だ、
乃公
(
おれ
)
にも
借
(
か
)
せ/\。』と
立騷
(
たちさわ
)
ぐ、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
右手
(
めて
)
を
擧
(
あ
)
げて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
そ
)
の
愛
(
あい
)
する
所
(
ところ
)
((ノ人))を
論
(
ろん
)
ずれば
則
(
すなは
)
ち
以
(
もつ
)
て
(七五)
資
(
し
)
を
借
(
か
)
るとせられ、
其
(
そ
)
の
憎
(
にく
)
む
所
(
ところ
)
((ノ人))を
論
(
ろん
)
ずれば、
則
(
すなは
)
ち
以
(
もつ
)
て
己
(
おのれ
)
を
嘗
(
こころ
)
むとせらる。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
「お前さんは、そんなことを云うが、お前さんに
生命
(
いのち
)
を
奪
(
と
)
られて体を
借
(
か
)
られる人間の身になってみたらどうだ、俺が邪魔をするわけも判るよ」
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
乗
(
の
)
り
手
(
て
)
はがっかりして、
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
しそうな
顔
(
かお
)
をしながら、
近所
(
きんじょ
)
の
百姓馬
(
ひゃくしょううま
)
を
借
(
か
)
りて、それに
乗
(
の
)
ってしおしおと
帰
(
かえ
)
っていきました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
ほんとうはあの
高利貸
(
こうりか
)
しに、むかしお
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りて、ひどい
目
(
め
)
にあつたことがあるの。しかえしをしてやろうと
思
(
おも
)
つていたわ。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「困ったわねえ」マンは、ちょっと小首をひねったが、「そんなら、十分ほど、待っとって下さい。
借
(
か
)
って来てあげますけ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
其
書
(
しよ
)
を
借
(
か
)
りえてよみしに、○
塔不剌
(
たふふら
)
とありて
注
(
ちゆう
)
に○
葱
(
ねぎ
)
○
椒
(
さんしよ
)
○油○
醤
(
ひしほ
)
を
熬
(
いりつけ
)
、
後
(
あと
)
より
鴨
(
あひる
)
或は雞○
鵞
(
が
)
をいれ、
慢火
(
ぬるひ
)
にて
養熟
(
しあげる
)
とあり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「あいつの金
借
(
か
)
つたが
最後屁
(
さいごべえ
)
や。……蟒に捲かれたやうなもんで、もうあかん。田から畑から家屋敷道具まで吸ひ込まれて了ふんやさかいな。」
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
彼女の手から生れる
可憐
(
かれん
)
な小芸術品は次第に愛好者を呼び集め、去年は幸子の
肝煎
(
きもいり
)
で心斎橋筋の或る画廊を
借
(
か
)
りて個展を開いた程であった。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分の所信を貫徹するためには、一たび
固
(
かた
)
めた決心を
抂
(
ま
)
げぬ、あくまでも、左右の言にも耳を
借
(
か
)
さずに猛進するくらいの強いところが必要である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
さればこの中途半端の市街に対しては、
風雨
(
ふうう
)
雪月
(
せつげつ
)
夕陽
(
せきよう
)
等の助けを
借
(
か
)
るにあらずんば到底芸術的感興を催す事ができない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
つまり、医学者として軽業師の子供の畸形的に発育した生理状態を調べるのだから、一晩
借
(
か
)
してくれと申込んだのです。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
欝金
(
うこん
)
の
風呂敷
(
ふろしき
)
に
包
(
つつ
)
んで、
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うえ
)
に
確
(
しっか
)
と
抱
(
かか
)
えたのは、
亭主
(
ていしゅ
)
の
松江
(
しょうこう
)
が
今度
(
こんど
)
森田屋
(
もりたや
)
のおせんの
狂言
(
きょうげん
)
を
上演
(
じょうえん
)
するについて、
春信
(
はるのぶ
)
の
家
(
いえ
)
へ
日参
(
にっさん
)
して
借
(
か
)
りて
来
(
き
)
た
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
(いいえ。さっきの
泉
(
いずみ
)
で
洗
(
あら
)
いますから、
下駄
(
げた
)
をお
借
(
か
)
りして。)老人は新らしい
山桐
(
やまぎり
)
の下駄とも一つ
縄緒
(
なわお
)
の
栗
(
くり
)
の木下駄を気の
毒
(
どく
)
そうに一つもって来た。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
マーキュ はて、
足下
(
おぬし
)
は
戀人
(
こひびと
)
ではないか? すればキューピッドの
翼
(
はね
)
でも
借
(
か
)
りて、
鴉
(
からす
)
や
鳶
(
とび
)
のやうに
翔
(
かけ
)
ったがよからう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「吉弥だッてそうでさア、ね、小遣いを立てかえてあるし、
髢
(
かもじ
)
だッて、早速髷に結うのにないと言うので、
借
(
か
)
してあるから、持って来るはずだ、わ」
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
然
(
しか
)
らば
第
(
だい
)
一
案
(
あん
)
の
外國
(
ぐわいこく
)
で
日本
(
にほん
)
は
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りることが
出來
(
でき
)
るかと
云
(
い
)
ふと、
遺憾
(
ゐかん
)
ながら
外國
(
ぐわいこく
)
では
金
(
かね
)
を
借
(
か
)
りることが
出來
(
でき
)
ない。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「よく気がついてくれた。腹を切るのに、脇差の
借
(
か
)
り
立
(
た
)
てもなるまいから、切れものはここに用意をしておいた」
ボニン島物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
わが
臆病
(
おくびょう
)
なる心は
憐憫
(
れんびん
)
の情に打ち勝たれて、余は覚えず
側
(
そば
)
に倚り、「何故に泣きたもうか。ところに
繋累
(
けいるい
)
なき
外人
(
よそびと
)
は、かえりて力を
借
(
か
)
し
易
(
やす
)
きこともあらん」
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
噫
(
ああ
)
、世間の最も不敵なる者高利を貸して、これを
借
(
か
)
るは更に最も不敵なる者と為さざらんや。ここを
以
(
も
)
て、高利は
借
(
か
)
るべき人これを借りて始めて用ゐるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
また富みて
一一四
善根を
種
(
う
)
うるにも
一一五
ゆゑなきに恵みほどこし、その人の不義をも
察
(
あきら
)
めず
一一六
借
(
か
)
しあたへたらん人は、善根なりとも
財
(
たから
)
はつひに散ずべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
うーむ、水まで
借
(
か
)
りて使ふんだな。妻「
其代
(
そのかは
)
りお
前
(
まへ
)
の
嗜
(
すき
)
な物を
取
(
とつ
)
て置いたよ。亭「え、
何
(
なに
)
を。妻「
赤飯
(
おこは
)
。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その人が人手を
借
(
か
)
らなくってはどうする事も出来ない、
可哀相
(
かわいそう
)
な人だもんだから、わたしはその人に世話をしてやって、その人のためには、わたしがいなくなっては
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
平素の二倍もの力さえ振るった。が、彼はともすれば突き負けそうになった。手軽に兜や猩々緋を
借
(
か
)
したことを、後悔するような感じが頭の中をかすめたときであった。
形
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
なき
滿足
(
まんぞく
)
を
以
(
もつ
)
て
書見
(
しよけん
)
に
耽
(
ふけ
)
るのである、
彼
(
かれ
)
は
月給
(
げつきふ
)
を
受取
(
うけと
)
ると
直
(
す
)
ぐ
半分
(
はんぶん
)
は
書物
(
しよもつ
)
を
買
(
か
)
ふのに
費
(
つひ
)
やす、
其
(
そ
)
の六
間
(
ま
)
借
(
か
)
りてゐる
室
(
へや
)
の三つには、
書物
(
しよもつ
)
と
古雜誌
(
ふるざつし
)
とで
殆
(
ほとんど
)
埋
(
うづま
)
つてゐる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
署長
(
しょちょう
)
はケンプ
博士
(
はくし
)
からピストルを
借
(
か
)
りて、外にでた。ところが、アダイ署長が
芝生
(
しばふ
)
の上を門に近づいて、中ほどにきたときである。目に見えない
怪物
(
かいぶつ
)
が、署長を
襲
(
おそ
)
った。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
併
(
しか
)
しながら、いたづらに
完全
(
くわんぜん
)
の
物
(
もの
)
のみを
選
(
えら
)
び、
金錢
(
きんせん
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
買入
(
かひい
)
れ、
或
(
あるひ
)
は
他
(
た
)
の
手
(
て
)
を
借
(
か
)
りて
集
(
あつ
)
めて、いたづらに
其數
(
そのすう
)
の
多
(
おほ
)
きを
誇
(
ほこ
)
る
者
(
もの
)
の
如
(
ごと
)
きは、
余
(
よ
)
は
决
(
けつ
)
して
取
(
と
)
らぬのである。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
それには耳も
借
(
か
)
さない風情で雪に慣れた南日君は、得意の鼻をいや高くして長い脛を飛ばす。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
夜は
大家
(
おおや
)
の中庭の縁側に行って話した。戦争の話がいつも出る。二三日前荻生さんから借りた戦争画報を二三冊また
借
(
か
)
してやったが、それについてのいろいろの質問が出る。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
婦負
(
めひ
)
の
野
(
ぬ
)
の
薄
(
すすき
)
おし
靡
(
な
)
べ
降
(
ふ
)
る
雪
(
ゆき
)
に
宿
(
やど
)
借
(
か
)
る
今日
(
けふ
)
し
悲
(
かな
)
しく
思
(
おもほ
)
ほ
(
イは
)
ゆ 〔巻十七・四〇一六〕 高市黒人
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
昔
(
むかし
)
の
人
(
ひと
)
の
言葉
(
ことば
)
を
借
(
か
)
りていふならば、
大地震
(
だいぢしん
)
に
家
(
いへ
)
の
潰
(
つぶ
)
れるのは、
皆
(
みな
)
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しに
由
(
よ
)
るのである。もし
此
(
この
)
搖
(
ゆ
)
り
戻
(
もど
)
しを
餘震
(
よしん
)
だと
解
(
かい
)
したならば
餘震
(
よしん
)
は
最
(
もつと
)
も
恐
(
おそ
)
ろしいものでなければならぬ。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
土井は最初そこへ
着
(
つ
)
いた
晩
(
ばん
)
、筆を執るやうな落着きがないのに、ちよつと
失望
(
しつばう
)
したが、
家主
(
やぬし
)
の
住
(
すま
)
つてゐる家の
離
(
はな
)
れを一
室
(
しつ
)
借
(
か
)
りておいたからと、甥が言ふので、彼はそれを信じて
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
仮に姑息論者に一歩を
借
(
か
)
して、古き世に使ひし語をのみ用うるとして、もし王朝時代に用ゐし漢語だけにても十分にこれを用ゐなば、なほ和歌の変化すべき余地は多少可有之候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
どこへもゆかずに岬の村で
山伐
(
やまき
)
りや
漁師
(
りょうし
)
をしている吉次は、あいかわらず
借
(
か
)
り
猫
(
ねこ
)
のようなおとなしさで、みんなのうしろに
控
(
ひか
)
え、水ばなをすすりあげながらだまって頭をさげた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
『もうちょっとの間、あたしに
借
(
か
)
しといておくれ、ナイトメヤさん、』とスケヤクロウは答えました。『あの茂った藪の蔭に、あたし何かちらっと見えたような気がするからさ。』
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
此方からも
麦扱
(
むぎこ
)
きを借りたり、饂飩粉を挽いてもらったり、
豌豆
(
えんどう
)
や里芋を売ってもらったりした。おかみも
小金
(
こがね
)
を
借
(
か
)
りに来たり張板を
借
(
か
)
りに来たりした。其子供もよく遊びに来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
此地
(
こゝ
)
には
妓楼
(
ぎろう
)
がありますでな、
酉
(
とり
)
の無いのも
異
(
い
)
なものぢやといふ事でと、
神酒
(
みき
)
の
番
(
ばん
)
するらしきが
何
(
なに
)
ゆゑかあまたゝび
顔撫
(
かほな
)
でながら、
今日限
(
こんにちかぎ
)
り
此祠
(
このほこら
)
を
借
(
か
)
りましたぢや。これも六七年前。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
今日
(
こんにち
)
のごとく
機械
(
きかい
)
の
力
(
ちから
)
がない
時代
(
じだい
)
でありますから、たゞ
多數
(
たすう
)
の
人間
(
にんげん
)
が
力
(
ちから
)
を
合
(
あは
)
せて、
時
(
とき
)
には
牛馬
(
ぎゆうば
)
の
力
(
ちから
)
を
借
(
か
)
りたかもわかりませんが、
多
(
おほ
)
くは
人力
(
じんりよく
)
をもつてなされたものに
相違
(
そうい
)
ありません。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
新嘗
(
にいなめ
)
の嘗の字は、漢国にて秋祭を嘗と
云
(
い
)
ふを
借
(
か
)
れる
也
(
なり
)
。
伴信友
(
ばんのぶとも
)
の『神社私考』などには、明らかに、かく断定し、その以前の学者たちも、ほぼこの点までは認めていたかと思われる。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「フン、面白いな、浩一郎さん、その鍵というのを、
一寸
(
ちょっと
)
私へ
借
(
か
)
して下さらんか」
古銭の謎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
借
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“借”を含む語句
借家
前借
借金
仮借
借問
押借
貸借
室借
借財
借銭
八所借
借間
地借
七所借
拝借
店借
借用
宿借
間借
陣借
...