)” の例文
若者わかものは、近所きんじょぬのたんわりに、手綱たづなとくつわをってうまにつけますと、さっそくそれにって、またずんずんあるいて行きました。
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
天晴あつぱ一芸いちげいのあるかひに、わざもつつまあがなへ! 魔神まじんなぐさたのしますものゝ、美女びじよへてしかるべきなら立処たちどころかへさする。——
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ばかばかしい。はやんでせろ。いくらでもおまえがたのわりはまれてくるわ。」と、みきからだふるわしておこったのであります。
葉と幹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれがたのもしきをよろこびて、のこる田をもりつくしてかねへ、一一絹素きぬあまた買積かひつみて、京にゆく日を一二もよほしける。
これは吾人ごじん日々ひゞ會話くわいわ新聞しんぶんなどにも無數むすう發見はつけんするが、たとへば、ちかごろ何々日といふはりに何々デーといふ惡習あくしふが一おこなはれてゐる。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
同樣どうようおとへるに『落葉針葉樹らくようしんようじゆ』(からまつ、いてふなど)と『落葉闊葉樹らくようかつようじゆ』(さくら、もみぢなど)のべつがあります。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
横田いよいよ嘲笑あざわらいて、お手前とてもその通り道にもとりたる事はせぬと申さるるにあらずや、これが武具などならば、大金にうとも惜しからじ
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
謙作はしかたなしに車をえて走らしたが、その車もまたどこにも止まらなかった。車の上を一日照らしていた何時いつの間にかかすれてしまった。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
新信条を以て旧信条にふべしとふは可なり。之を増減刪加さんかすべしと曰ふは可なり。之を置くの可否を論ずるに至りては事理を解せざるの太甚はなはだしき者也。
信仰個条なかるべからず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
「創作」とか、「葡萄酒」とか。後の言葉は麺麭パンを主の肉にえ葡萄酒を主の血に代えるという宗教上の儀式の言葉から意味だけを借りて来たのであった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
日本現代の西洋摸倣も日本語の使用を法律にて禁止なし、これにふるに欧洲語を以てする位の意気込とならぬ限りこの国の小説家漢文を無視しては損なり。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
がふほどをりやうとした但馬守たじまのかみは、めづらしく二三銚子てうしへたが、一かうふといふことをらなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
よってその関係かんけい大概たいがいしるして序文にう。明治二十四年十月十六日、木村旧軍艦奉行ぶぎょうの従僕福沢諭吉 しるす
「ピストル」猟銃も亦あめ湿うるうてさびを生ぜる贅物ぜいぶつとなり、唯帰途の一行無事ぶじ祝砲しゆくはうはりしのみ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
そしてわたしたちのわりにボートへれた人たちは、きっとみんなたすけられて、心配しんぱいしてっているめいめいのお父さんやお母さんや自分のお家へやら行くのです。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
お延は仕方がないので、茶をえるのを口実に、席を立とうとした。小林はそれさえさえぎった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
またその梅を折る人も物を盗むは悪い事と知りながらそれを金にえようというわけでもなく、多寡たかが梅の花の一枝位だから折ってやれと、ひそかに折り取ろうとしていると
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
妾が烏滸おこそしりを忘れて、えて半生の経歴をきわめて率直に少しく隠す所なくじょせんとするは、あながちに罪滅ぼしの懺悔ざんげえんとにはあらずして、新たに世と己れとに対して
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
十一時雑煮ぞうに。東京仕入の種物たねもの沢山で、すこぶるうまい。長者気ちょうじゃきどりで三碗える。尤ももちは唯三個。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
その間髪かんはつには、ふたりの頭脳あたまに、助かッたぞッ——という歓呼かんこがあがったであろうが、結果は同じことだった。ただ業火ごうか地獄じごくから八かん地獄じごく位置いちえたにすぎなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薪にへて僅に得しひえあるを与へんと僧を呼び留め、尊者そんじゃよ、道のためにせらるる尊き人よ、幸ひに我が奉つる麁食そしいを納め玉はむや、と問へば僧はふりかへりて、薪を売る人よ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
私の答礼にえたいのである。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
夢にうつゝへ難き
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
そのわり一つおねがいがあります。どうぞくすのきでふねをこしらえて、みずをいっぱいれて、その中にささのかべてください。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「あのやまのあちらの温泉おんせんへ、どうかつれていってください。」と、会長かいちょうが、みんなにわって、北国ほっこくからきたすずめにたのみました。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しか労力らうりよく仕払しはらふべき、報酬はうしうりやう莫大ばくだいなるにくるしんで、生命いのちにもへて最惜いとをし恋人こひびとかりうばふて、交換かうくわんすべき条件でうけんつる人質ひとじちたに相違さうゐない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大金にうとも惜しからじ、香木に不相応なる価を出さんとせらるるは、若輩じゃくはいの心得違なりと申候。
「なんの、遍路の者はお互いでございます。草鞋わらじえや旅籠銭はたごせんは大丈夫ですか」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勇蔵ゆうぞうわってあかぼうりをしながら、ボールをていた達吉たつきちみみへも、一人ひとり子供こどもんできて、伯父おじ災難さいなんらせました。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのわりまた、ねずみがわるさをはじめたら、いつでもつけ次第しだいころしてもかまわない。どうだね、それで承知しょうちしてくれるか。
猫の草紙 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
がいむらさきしやべて四十里しじふり歩障ほしやうつくれば、そうにしきへてこれ五十里ごじふりる。武帝ぶていしうとちからへて、まけるなとて、珊瑚樹さんごじゆたか二尺にしやくなるをたまふ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「オイ、ぐちをこぼしてもしかたがねえ。早く水をえておこうじゃねえか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるほど、そんなら、わたしは、おもいきって、やすくしましょう。そのわり、仕事しごとのほうは、すこしぞんざいになるかもしれないが……。」
五銭のあたま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、それはおどくですね。ではそのわりに、これをげましょう。のどがかわいたでしょう、おがりといって、げておくれ。」
一本のわら (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ねん幾月いくつきはじめて、世界せかいへた天竺てんぢく蕃蛇剌馬ばんじやらあまん黄昏たそがれに、いろした鸚鵡あうむくちから、おなことばいたので、投臥なげふしていた、とひます。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
茂助の一喝いっかつにようやく鎮まったものの、ついこの頃、えたばかりのふすまが破れ放題に破れているし、そこらの調度や机や書物なども乱脈に取りちらかって、目もあてられない有様である。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あの寺男てらおとこているなら、ほかのものをわりにさせればいいのだ。このむらには、あそんでいるものが、幾人いくにんもあるはずだ。」
娘と大きな鐘 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おもいました。そこで天子てんしさまにねがって、自分じぶん御褒美ごほうびいただわりに、宗任むねとうはじめてきのとりこをのこらずゆるしてやりました。
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
れば、はれるとわしよわる。天守てんしゆからは、よくさばけ、最早もはをんなおもるやうわかひとさとせとある……御身達おみたち生命いのちへても取戻とりもどしたいとつてふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まっ白に塗った湯女ゆなが、銚子のえを持ってきながら
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのわりおぼうさま、しっかりたのんでおきますがね、わたしがかえってくるまで、あなたはそこにじっとすわっていて、どこへもうごかないでくださいよ。
安達が原 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、かぜは、かなしむ母親ははおやわり、はるかなるくにへさまよいゆく、みなしのために、かすれがちなこえで、子守歌こもりうたをうたってきかせるのであります。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
つきて、面影おもかげゆべくは、たれかまた哀別離苦あいべつりくふものぞ。たかれいよ、須臾しばらくあひだかへれ、に。きみにあこがるゝもの、あいらしくかしこ遺兒ゐじたちと、温優貞淑をんいうていしゆくなる令夫人れいふじんとのみにあらざるなり。
芥川竜之介氏を弔ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「弓のえを。土屋ッ、弓の代えを」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ようございますとも。そのかわり万一まんいちわたしがけたら、にいさんのわりに、わたしがごちそうをしましょう。」
春山秋山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
十二になると、おとうさんのおわりをするのか、らないけれど、きゅうに、自分じぶんでも大人おとなになったようながする。
ある少年の正月の日記 (新字新仮名) / 小川未明(著)
にも生命いのちにもへてはうとふ。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
茶筅ちゃせん髪は、折髷おりまげえている。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もしもし、おばあさん、くたびれたらすこしお手伝てつだいをいたしましょう。そのわりこのなわをといてください。」
かちかち山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
あのこまかいこうしじまのわりに、おかあさんは、どこからかしろなエプロンをってきてはたらいていたのです。
はてしなき世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)