“白木:しらき” の例文
“白木:しらき”を含む作品の著者(上位)作品数
夏目漱石6
泉鏡花5
芥川竜之介4
島崎藤村3
吉川英治3
“白木:しらき”を含む作品のジャンル比率
哲学 > 心理学 > 超心理学・心霊研究9.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
白木しらき祭壇さいだんには四ほうざさの葉がそよぎ、御霊鏡みたまかがみが、白日はくじつのように光っている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
白木しらき位牌ゐはいこゝろばかりの手向たむけをしただけで一せんでもかれ冗費じようひおそれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ここの竜神様りゅうじんさまが、またもやれい白衣姿びゃくいすがたで、白木しらきながつえをつきながら
はしら掘立ほつたて、そして白木しらきのまゝで、たかくちぎとかつをぎが屋根やねうへについてゐて
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
中央ちゅうおう正面しょうめん白木しらきつくえうえにははたして日頃ひごろ信仰しんこう目標まとである
松本は白張しらはり提灯ちょうちん白木しらき輿こしが嫌だと云って、宵子の棺を喪車に入れたのである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白木しらきわんはひずみゆがみ、使い初めた日からもう汚れていて、水ですすぐのも気休めにすぎなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
白木しらきの小さい墓標を買ってさして、それへ「秋風の聞えぬ土にめてやりぬ」という一句を書いた。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さいなみ苦しめてくれ……というように、白木しらきの位牌を二つながら抱き締めて、どんなにほおずりをして、接吻せっぷんしつつ
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
生まされる女も、子どもの将来が、たとえ白木しらき墓標ぼひょうにつづこうとも、あんじてはならないのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
罪状をしるした白木しらきふだ、首の番をする下役人したやくにん——それはいつもと変りません。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
土蔵の奥には昔から、火伏ひぶせの稲荷いなりまつってあると云う、白木しらきの御宮がありました。
黒衣聖母 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一石栃いちこくとちにある白木しらきの番所から、上松あげまつの陣屋の辺へかけて、諸役人の目の光らない日は一日もないことを知っていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
木曾山一帯を支配する尾張藩おわりはんの役人が森林保護の目的で、禁止林の盗伐を監視する白木しらきの番所も、妻籠と馬籠の間に隠れている。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ふくろのよりも白木しらきまゝのおしな位牌ゐはいこゝろからの線香せんかうけぶりなびいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれはその蝋燭ろうそくを小さい白木しらきの箱に入れて、なにか呪文じゆもんのやうなことをとなへた上で、うや/\しく弥助にわたした。
その晩、白布につつまれた白木しらきの小箱と、半兵衛の書簡とが、竹中家の一家臣にかかえられ早馬を以て、安土の佐久間信盛の許へさし送られた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ろうたく口誦くちずさみながら、なかば渡ると、白木しらききざはしのあるところ
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
白木しらきの戒名よりも淋しい花ではありますが、貴女のお手に取られたら、白い花も紅に見えましょう。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
藤村は訪ねて行った二人を、追々に閲歴のさびがついて島崎家の名物とまでなった、あの素朴な白木しらきの机のそばに引きつけておいて真面目な顔でいった。
机は白木しらき三宝さんぼうを大きくしたくらいな単簡たんかんなもので、インキつぼと粗末な筆硯ひっけんのほかには何物をもせておらぬ。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
白木しらきの宮に禰宜ねぎの鳴らす柏手かしわでが、森閑しんかんと立つ杉のこずえに響いた時、見上げる空から、ぽつりと何やらひたいに落ちた。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
突張つっぱりの白木しらきの柱が、すくすくと夜風に細って、積んだ棚が、がたがた崩れる。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白木しらき宮柱みやはしら萱葺かやぶきの屋根をした素朴なやしろでありました。
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
白木しらきのものを別として塗は拭漆のもの多く稀には墨漆すみうるし朱漆しゅうるし
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
むでつないだなはえ、一杯いつぱい日當ひあたりで、いきなりつちうへ白木しらき卓子テエブルを一きやくゑた
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
甥は手帛ハンケチのやうに真つ青な顔をして、短刀を白木しらきさやに納めた。
白木しらききりの机から、その上に掛けてある赤い毛氈もうせん、古いすずりまでが待っているような、その自分の居間の畳の上に、彼は長々と足腰を延ばした。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その夜の旅寝の夢の中に、彼は正式の装束しょうぞくを着けた正香が来て、手にする白木しらきしゃくで自分を打つと見て、涙をそそぎ、すすり泣いて目をさました。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
薄板で建って居る、三方さんぽうが囲ったばかり、編んで繋いだなわも見え、一杯の日当ひあたりで、いきなり土の上へ白木しらき卓子テエブルを一脚えた
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
従兄の白木しらき位牌いはいの前には燈心とうしんが一本火を澄ましていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
やがて立ち上がって、一人一人に挨拶あいさつをするうちに、自分は控所にある洋卓テーブルやら、絨氈じゅうたんやら、白木しらき格天井ごうてんじょうやらを眺めた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……こゝの此の書棚の上には、花はちょうしてなかつた、——手附てつきの大形の花籠はなかごと並べて、白木しらききりの、軸ものの箱がツばかり。
印度更紗 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
倒れたのは、馬ばかりか、人ばかりか、二しゃくかく白木しらきの十まで、上からッ二つにさけ、余煙よえんのなかへゆら、——と横になりかかってきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或は白木しらき指物細工さしものざいくうるしぬりてその品位を増す者あり、或は障子しょうじ等をつくって本職の大工だいく巧拙こうせつを争う者あり
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
薩摩の蚊飛白がすり、紺献上の五分づまりの帯、透綾すきやの羽織、扇子と煙草入れを腰へ差し、白木しらきののめりの下駄を履き、白鞣しろなめしの鼻緒に、十三本柾が通っている。
噺家の着物 (新字新仮名) / 三遊亭金馬(著)
日清にっしん 日露にちろ 日華にっか とじゅんをおって古びた石碑せきひにつづいて、新らしいのはほとんど白木しらきのままのちたり、たおれているのもあった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
この店は卓も腰掛けも、ニスを塗らない白木しらきだった。
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自分のように出来損いの木像は仏師屋の隅で虫が喰うまで白木しらきのままくすぶっていても遺憾いかんはないが、これはうまく仕上がったと思う彫刻には一日も早くはくを塗ってやりたい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一、 秋風や白木しらきの弓につる張らん 去来
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
肩に継布つぎぬのの当ったあわせ一枚に白木しらきの三じゃく、そろばんしぼりの紺手拭で頬かむりをして、大刀といっしょに両膝を抱き、何かを見物するように、ドッカリ腰を押しつけているのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこは同じふるい街道筋ではあるが、白木しらきの番所の跡があるような深い森林の間で、場処によっては追剥おいはぎの出たといううわさの残った寂しいところをも通り過ぎなければ、馬籠峠の上に出られない。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ことに、先のものは白衣びゃくえなので、いっそう老人にははっきりと輪廓りんかくが見てとれた。その上、白い袖の端やすそに、点々と、血汐らしいものがにじんで見え、白木しらきの杖をつかんでいる。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい。私どもの墓地は相当広大でございまして、先祖代々土葬どそうということにして居ります。で、あの間違えたご婦人の遺骸いがいも、白木しらきかんおさめまして、そのまま土葬してございますような次第しだいです」
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
九尺四方白木しらきの道場の正面には、不動明王の御像を掛けさせ護摩壇ごまだんゑ、燈明とうみやう供物くもつを並べ、中程のところに東海坊、白衣に袈裟けさを掛け、散らし髮に兜巾ときんを戴き、揉みに揉んで祈るのです。
程たたぬまにそこへ命じた白木しらきの板が運ばれたのを見すますと、たっぷり筆に墨を含ませて書きも書いたり、奔馬ほんばくうを行くがごとき達筆で、墨痕ぼっこん淋漓りんりと自ら退屈男の書きしたためたのは実に次のごとき大文字です。