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白木
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しらき
ふりがな文庫
“
白木
(
しらき
)” の例文
幕府では木租の中を
割
(
さ
)
いて、
白木
(
しらき
)
六千
駄
(
だ
)
を木曾の人民に与え、白木五千駄を山村氏に与え、別に山村氏には東美濃地方に領地をも与えて
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
程たたぬまにそこへ命じた
白木
(
しらき
)
の板が運ばれたのを見すますと、たっぷり筆に墨を含ませて書きも書いたり、
奔馬
(
ほんば
)
空
(
くう
)
を行くがごとき達筆で
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
従兄の
白木
(
しらき
)
の
位牌
(
いはい
)
の前には
燈心
(
とうしん
)
が一本火を澄ましていた。そのまた位牌を据えた机の前には娘たちが二人
夜着
(
よぎ
)
をかぶっていた。
冬
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
明
(
あけ
)
て内より
白木
(
しらき
)
の
箱
(
はこ
)
と
黒塗
(
くろぬり
)
の箱とを取出し伊賀亮が
前
(
まへ
)
へ差出す時に伊賀亮は天一坊に
默禮
(
もくれい
)
し
恭
(
うや/\
)
しく
件
(
くだん
)
の
箱
(
はこ
)
の
紐
(
ひも
)
を
解
(
とき
)
中より
御墨附
(
おんすみつき
)
と御
短刀
(
たんたう
)
とを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その晩、白布につつまれた
白木
(
しらき
)
の小箱と、半兵衛の書簡とが、竹中家の一家臣にかかえられ早馬を以て、安土の佐久間信盛の許へさし送られた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
やがて立ち上がって、一人一人に
挨拶
(
あいさつ
)
をするうちに、自分は控所にある
洋卓
(
テーブル
)
やら、
絨氈
(
じゅうたん
)
やら、
白木
(
しらき
)
の
格天井
(
ごうてんじょう
)
やらを眺めた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かれはその
蝋燭
(
ろうそく
)
を小さい
白木
(
しらき
)
の箱に入れて、なにか
呪文
(
じゆもん
)
のやうなことを
唱
(
とな
)
へた上で、うや/\しく弥助にわたした。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
白木
(
しらき
)
のものを別として塗は拭漆のもの多く稀には
墨漆
(
すみうるし
)
や
朱漆
(
しゅうるし
)
。しばしば特殊な
衣裳
(
いしょう
)
をこらしてある。
透彫
(
すかしぼり
)
や
浮彫
(
うきぼり
)
や、また
線彫
(
せんぼり
)
や、模様もまた多種である。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
藤村は訪ねて行った二人を、追々に閲歴のさびがついて島崎家の名物とまでなった、あの素朴な
白木
(
しらき
)
の机のそばに引きつけておいて真面目な顔でいった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
……こゝの此の書棚の上には、花は
丁
(
ちょう
)
ど
挿
(
さ
)
してなかつた、——
手附
(
てつき
)
の大形の
花籠
(
はなかご
)
と並べて、
白木
(
しらき
)
の
桐
(
きり
)
の、軸ものの箱が
三
(
み
)
ツばかり。其の真中の
蓋
(
ふた
)
の上に……
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたくし
)
はうれしくもあれば、また
意外
(
いがい
)
でもあり、
言
(
い
)
わるるままに
急
(
いそ
)
いで
建物
(
たてもの
)
の
内部
(
なか
)
へ
入
(
はい
)
って
見
(
み
)
ますと、
中央
(
ちゅうおう
)
正面
(
しょうめん
)
の
白木
(
しらき
)
の
机
(
つくえ
)
の
上
(
うえ
)
には
果
(
はた
)
して
日頃
(
ひごろ
)
信仰
(
しんこう
)
の
目標
(
まと
)
である
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
先手の竜燈は
久世山
(
くぜやま
)
の下にかゝつて居た。
白木
(
しらき
)
づくりに
鋲打
(
びやううち
)
の寝棺を十幾人の人夫が
担
(
かつ
)
いだ。
萌黄
(
もえぎ
)
に緑色の
変袘
(
かはりぶき
)
を
襲
(
かさ
)
ねた
白無垢
(
しろむく
)
を見せて、鋲がキラキラと揺れ動く。
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
或は
白木
(
しらき
)
の
指物細工
(
さしものざいく
)
に
漆
(
うるし
)
を
塗
(
ぬり
)
てその品位を増す者あり、或は
戸
(
と
)
障子
(
しょうじ
)
等を
作
(
つくっ
)
て本職の
大工
(
だいく
)
と
巧拙
(
こうせつ
)
を争う者あり、しかのみならず、近年に
至
(
いたり
)
ては
手業
(
てわざ
)
の外に商売を兼ね
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
煤
(
すゝ
)
け
切
(
き
)
つた
佛壇
(
ぶつだん
)
の
菜種油
(
なたねあぶら
)
の
明
(
あか
)
りは
遠
(
とほ
)
い
國
(
くに
)
からでも
光
(
ひか
)
つて
來
(
く
)
るやうにぽつちりと
微
(
かす
)
かに
見
(
み
)
えた。お
袋
(
ふくろ
)
のよりも
先
(
ま
)
づ
白木
(
しらき
)
の
儘
(
まゝ
)
のお
品
(
しな
)
の
位牌
(
ゐはい
)
に
心
(
こゝろ
)
からの
線香
(
せんかう
)
の
煙
(
けぶり
)
が
靡
(
なび
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
白木
(
しらき
)
の戒名よりも淋しい花ではありますが、貴女のお手に取られたら、白い花も紅に見えましょう。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そして
今日
(
こんにち
)
なほ
大神宮
(
だいじんぐう
)
はなんべん
建
(
た
)
てかへても
形
(
かたち
)
だけは
昔
(
むかし
)
のまゝに、
屋根
(
やね
)
は
茅葺
(
かやぶ
)
き、
柱
(
はしら
)
は
掘立
(
ほつた
)
て、そして
白木
(
しらき
)
のまゝで、
高
(
たか
)
くちぎとかつをぎが
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
についてゐて
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
肩に
継布
(
つぎぬの
)
の当った
袷
(
あわせ
)
一枚に
白木
(
しらき
)
の三
尺
(
じゃく
)
、そろばん
絞
(
しぼ
)
りの紺手拭で頬かむりをして、大刀といっしょに両膝を抱き、何かを見物するように、ドッカリ腰を押しつけているのだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ただし日本では今一つ、同じ変化を助け促した
瀬戸物
(
せともの
)
というものの力があった。
白木
(
しらき
)
の
椀
(
わん
)
はひずみゆがみ、使い初めた日からもう汚れていて、水で
滌
(
すす
)
ぐのも気休めにすぎなかった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
長者の一行は
漸
(
ようや
)
く伊勢に着いて、
先
(
ま
)
ず
外宮
(
げぐう
)
に
参詣
(
さんけい
)
しました。
白木
(
しらき
)
の
宮柱
(
みやはしら
)
に
萱葺
(
かやぶき
)
の屋根をした素朴な
社
(
やしろ
)
でありました。一の
華表
(
とりい
)
を
潜
(
くぐ
)
ったところで、
驕慢
(
きょうまん
)
な長者は大きな声をだしました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もう一人人的資源をつくってこい……そういって一週間の
休暇
(
きゅうか
)
を出す軍隊というところ。生まされる女も、子どもの将来が、たとえ
白木
(
しらき
)
の
墓標
(
ぼひょう
)
につづこうとも、あんじてはならないのだ。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
九尺四方
白木
(
しらき
)
の道場の正面には、不動明王の御像を掛けさせ
護摩壇
(
ごまだん
)
を
据
(
す
)
ゑ、
燈明
(
とうみやう
)
供物
(
くもつ
)
を並べ、中程のところに東海坊、白衣に
袈裟
(
けさ
)
を掛け、散らし髮に
兜巾
(
ときん
)
を戴き、揉みに揉んで祈るのです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薩摩の蚊
飛白
(
がすり
)
、紺献上の五分づまりの帯、
透綾
(
すきや
)
の羽織、扇子と煙草入れを腰へ差し、
白木
(
しらき
)
ののめりの下駄を履き、
白鞣
(
しろなめし
)
の鼻緒に、十三本柾が通っている。桐は越後ではなく会津でございます。
噺家の着物
(新字新仮名)
/
三遊亭金馬
(著)
ちっとも恥かしいと思わなかったばかりでなく、もっともっと自分を恥かしめ、
苛
(
さい
)
なみ苦しめてくれ……というように、
白木
(
しらき
)
の位牌を二つながら抱き締めて、どんなに
頬
(
ほお
)
ずりをして、
接吻
(
せっぷん
)
しつつ
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
甥は
手帛
(
ハンケチ
)
のやうに真つ青な顔をして、短刀を
白木
(
しらき
)
の
鞘
(
さや
)
に納めた。猫の逃げ出した
下
(
した
)
つ
腹
(
ぱら
)
では、いつの間にか「武士道」と「孟子」とが帰つて来て、
蟇
(
ひきがへる
)
のやうに遠慮して、そつと溜息をついてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「はい。私どもの墓地は相当広大でございまして、先祖代々
土葬
(
どそう
)
ということにして居ります。で、あの間違えたご婦人の
遺骸
(
いがい
)
も、
白木
(
しらき
)
の
棺
(
かん
)
に
納
(
おさ
)
めまして、そのまま土葬してございますような
次第
(
しだい
)
です」
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一、 秋風や
白木
(
しらき
)
の弓に
弦
(
つる
)
張らん 去来
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
白木
(
しらき
)
の
桐
(
きり
)
の机から、その上に掛けてある赤い
毛氈
(
もうせん
)
、古い
硯
(
すずり
)
までが待っているような、その自分の居間の畳の上に、彼は長々と足腰を延ばした。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
倒れたのは、馬ばかりか、人ばかりか、二
尺
(
しゃく
)
角
(
かく
)
の
白木
(
しらき
)
の十
字
(
じ
)
架
(
か
)
まで、上から
真
(
ま
)
ッ二つにさけ、
余煙
(
よえん
)
のなかへゆら、——と横になりかかってきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遲
(
おそ
)
しと
待
(
また
)
れける頃は
享保
(
きやうほ
)
十一
丙午年
(
ひのえうまどし
)
四月十一日天一坊は
供揃
(
ともぞろ
)
ひして御城代の
屋敷
(
やしき
)
へ
赴
(
おも
)
むく
其行列
(
そのぎやうれつ
)
には先に
白木
(
しらき
)
の
長持
(
ながもち
)
二
棹
(
さを
)
萌黄純子
(
もえぎどんす
)
に
葵御紋付
(
あふひごもんつき
)
の
油箪
(
ゆたん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
路端
(
みちばた
)
の人はそれを何か不可思議のものでもあるかのように
目送
(
もくそう
)
した。松本は
白張
(
しらはり
)
の
提灯
(
ちょうちん
)
や
白木
(
しらき
)
の
輿
(
こし
)
が嫌だと云って、宵子の棺を喪車に入れたのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……こゝの
此
(
こ
)
の
書棚
(
しよだな
)
の
上
(
うへ
)
には、
花
(
はな
)
は
丁
(
ちやう
)
ど
插
(
さ
)
してなかつた、——
手附
(
てつき
)
の
大形
(
おほがた
)
の
花籠
(
はなかご
)
と
並
(
なら
)
べて、
白木
(
しらき
)
の
桐
(
きり
)
の、
軸
(
ぢく
)
ものの
箱
(
はこ
)
が
三
(
み
)
ツばかり。
其
(
そ
)
の
眞中
(
まんなか
)
の
蓋
(
ふた
)
の
上
(
うへ
)
に……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
戻り橋のほとりへ参りますと、もうその首を曝した前には、
大勢
(
おおぜい
)
人がたかって居ります。罪状を
記
(
しる
)
した
白木
(
しらき
)
の
札
(
ふだ
)
、首の番をする
下役人
(
したやくにん
)
——それはいつもと変りません。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お
爺
(
じい
)
さまは
快
(
こころよ
)
く
私
(
わたくし
)
の
願
(
ねが
)
いを
入
(
い
)
れ、ちょっとあちらを
向
(
む
)
いて
黙祷
(
もくとう
)
されましたが、モー
次
(
つ
)
ぎの
瞬間
(
しゅんかん
)
には、
白木
(
しらき
)
の
台座
(
だいざ
)
の
附
(
つ
)
いた、一
体
(
たい
)
の
御鏡
(
みかがみ
)
がお
爺
(
じい
)
さまの
掌
(
てのひら
)
に
載
(
の
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
日清
(
にっしん
)
日露
(
にちろ
)
日華
(
にっか
)
と
順
(
じゅん
)
をおって古びた
石碑
(
せきひ
)
につづいて、新らしいのはほとんど
白木
(
しらき
)
のままの
朽
(
く
)
ちたり、
倒
(
たお
)
れているのもあった。そのなかで仁太や竹一や正のはまだ新らしくならんでいた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
九尺四方
白木
(
しらき
)
の道場の正面には、不動明王の御像を掛けさせ
護摩壇
(
ごまだん
)
を
据
(
す
)
え、
灯明
(
とうみょう
)
供物
(
くもつ
)
を並べ、中ほどのところに東海坊、白衣に
袈裟
(
けさ
)
を掛け、散らし髪に
兜巾
(
ときん
)
を戴き、
揉
(
も
)
みに揉んで祈るのです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
土瓶
(
どびん
)
へ
入
(
い
)
れた
水
(
みづ
)
を
持
(
も
)
つて
墓參
(
はかまゐ
)
りに
行
(
い
)
つて、それから
膳椀
(
ぜんわん
)
も
皆
(
みな
)
返
(
かへ
)
して
近所
(
きんじよ
)
の
人々
(
ひと/″\
)
も
歸
(
かへ
)
つた
後
(
のち
)
勘次
(
かんじ
)
は
㷀然
(
けいぜん
)
として
古
(
ふる
)
い
机
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
に
置
(
お
)
かれた
白木
(
しらき
)
の
位牌
(
ゐはい
)
に
對
(
たい
)
して
堪
(
たま
)
らなく
寂
(
さび
)
しい
哀
(
あは
)
れつぽい
心持
(
こゝろもち
)
になつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その夜の旅寝の夢の中に、彼は正式の
装束
(
しょうぞく
)
を着けた正香が来て、手にする
白木
(
しらき
)
の
笏
(
しゃく
)
で自分を打つと見て、涙をそそぎ、すすり泣いて目をさました。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
白木
(
しらき
)
の宮に
禰宜
(
ねぎ
)
の鳴らす
柏手
(
かしわで
)
が、
森閑
(
しんかん
)
と立つ杉の
梢
(
こずえ
)
に響いた時、見上げる空から、ぽつりと何やら
額
(
ひたい
)
に落ちた。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一杯の
日当
(
ひあたり
)
で、いきなり土の上へ
白木
(
しらき
)
の
卓子
(
テエブル
)
を一脚
据
(
す
)
えた、その上には
大土瓶
(
おおどびん
)
が一個、
茶呑茶碗
(
ちゃのみぢゃわん
)
が
七個
(
ななつ
)
八個
(
やつ
)
。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この店は卓も腰掛けも、ニスを塗らない
白木
(
しらき
)
だった。おまけに店を囲う物は、江戸伝来の
葭簀
(
よしず
)
だった。だから洋食は食っていても、ほとんど洋食屋とは思われなかった。
魚河岸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そう見えたのもつかの
間
(
ま
)
で、とつぜん、
奉行小屋
(
ぶぎょうごや
)
の
柱
(
はしら
)
が、すさまじい音をして折れたかと思うと、
血
(
ち
)
か、
肉
(
にく
)
か、
白木
(
しらき
)
の
羽目板
(
はめいた
)
へまッ
赤
(
か
)
なものが、
牡丹
(
ぼたん
)
のように飛びちった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
最も理想的なのは
白木
(
しらき
)
である。これは光線をすべて反射するからであろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
春
(
はる
)
の
間
(
あひだ
)
にお
品
(
しな
)
の四十九
日
(
にち
)
も
過
(
すご
)
した。
白木
(
しらき
)
の
位牌
(
ゐはい
)
に
心
(
こゝろ
)
ばかりの
手向
(
たむけ
)
をしただけで一
錢
(
せん
)
でも
彼
(
かれ
)
は
冗費
(
じようひ
)
を
怖
(
おそ
)
れた。
彼
(
かれ
)
が
再
(
ふたゝ
)
び
利根川
(
とねがは
)
の
工事
(
こうじ
)
へ
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
は
冬
(
ふゆ
)
は
漸
(
やうや
)
く
險惡
(
けんあく
)
な
空
(
そら
)
を
彼等
(
かれら
)
の
頭上
(
づじやう
)
に
表
(
あら
)
はした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
或
(
あ
)
の
日
(
ひ
)
私
(
わたくし
)
が
統一
(
とういつ
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
に
疲
(
つか
)
れて、
瀑壺
(
たきつぼ
)
の
所
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
てぼんやり
水
(
みず
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
お
)
りますと、ここの
竜神様
(
りゅうじんさま
)
が、
又
(
また
)
もや
例
(
れい
)
の
白衣姿
(
びゃくいすがた
)
で、
白木
(
しらき
)
の
長
(
なが
)
い
杖
(
つえ
)
をつきながら、ひょっくり
私
(
わたくし
)
の
傍
(
そば
)
へお
現
(
あら
)
われになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
相屆
(
あひとゞ
)
ける頃は
享保
(
きやうほ
)
十一午年九月廿日天一坊が京都出立の
行列
(
ぎやうれつ
)
は
先供
(
さきども
)
は例の如く赤川大膳と藤井左京の
兩人
(
りやうにん
)
一日代りの積りにて其供方には
徒士
(
かち
)
若黨
(
わかたう
)
四人づつ
長棒
(
ながぼう
)
の
駕籠
(
かご
)
に
陸尺
(
ろくしやく
)
八人
跡箱
(
あとばこ
)
二人
鎗
(
やり
)
長柄
(
ながえ
)
傘杖草履取兩掛合羽籠等なり其跡は天一坊の同勢にて
眞先
(
まつさき
)
なる
白木
(
しらき
)
の長持には
葵
(
あふひ
)
の
御紋
(
ごもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一石栃
(
いちこくとち
)
にある
白木
(
しらき
)
の番所から、
上松
(
あげまつ
)
の陣屋の辺へかけて、諸役人の目の光らない日は一日もないことを知っていた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
机は
白木
(
しらき
)
の
三宝
(
さんぼう
)
を大きくしたくらいな
単簡
(
たんかん
)
なもので、インキ
壺
(
つぼ
)
と粗末な
筆硯
(
ひっけん
)
のほかには何物をも
載
(
の
)
せておらぬ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一杯
(
いつぱい
)
の
日當
(
ひあたり
)
で、いきなり
土
(
つち
)
の
上
(
うへ
)
へ
白木
(
しらき
)
の
卓子
(
テエブル
)
を一
脚
(
きやく
)
据
(
す
)
ゑた、
其
(
その
)
上
(
うへ
)
には
大土瓶
(
おほどびん
)
が一
個
(
こ
)
、
茶呑茶碗
(
ちやのみぢやわん
)
が
七個
(
なゝつ
)
八個
(
やつ
)
。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ことに、先のものは
白衣
(
びゃくえ
)
なので、いっそう老人にははっきりと
輪廓
(
りんかく
)
が見てとれた。その上、白い袖の端や
裾
(
すそ
)
に、点々と、血汐らしいものが
滲
(
にじ
)
んで見え、
白木
(
しらき
)
の杖をつかんでいる。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
土蔵の奥には昔から、
火伏
(
ひぶ
)
せの
稲荷
(
いなり
)
が
祀
(
まつ
)
ってあると云う、
白木
(
しらき
)
の御宮がありました。
黒衣聖母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“白木”の解説
白木
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
木
常用漢字
小1
部首:⽊
4画
“白木”で始まる語句
白木綿
白木屋
白木蓮
白木造
白木綿雲
白木綿花
白木槿
白木綿等
白木作
白木彫