“上松”の読み方と例文
読み方割合
あげまつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
諸方の城郭も、今は無用の長物としてくずされるまっ最中だ。上松あげまつ宿の原畑役所なぞが取り払われたのは、早くも明治元年のことである。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
寝覚ねざめでは、宿場茶屋の端をかりて、早目な昼めしを喰べたので、事なく済んだが、やがて一峠越えて、上松あげまつのあたりへかかると
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でも、上松あげまつを過ぎる頃から、急に雪のいきほひが衰へだし、どうかするとぱあつと薄日のやうなものが車内にもさしこんでくるやうになつた。
辛夷の花 (新字旧仮名) / 堀辰雄(著)