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手間
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てま
ふりがな文庫
“
手間
(
てま
)” の例文
此方
(
こちら
)
は
焚火
(
たきび
)
どころで
無
(
な
)
い。
汗
(
あせ
)
を
垂
(
た
)
らして
掘
(
ほ
)
り
進
(
すゝ
)
むのに、いや、
土龍
(
むぐろ
)
のやうだの、
井戸掘
(
ゐどほり
)
の
手間
(
てま
)
だの、
種々
(
いろ/\
)
な
批評
(
ひひやう
)
を
頭
(
あたま
)
から
冠
(
かぶ
)
せられる。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「そんなに
手間
(
てま
)
をとっちゃいられないよ。おれは、
石見守
(
いわみのかみ
)
さまの駕籠がたつと、一しょに、
甲府
(
こうふ
)
の
躑躅
(
つつじ
)
ヶ
崎
(
さき
)
へ帰らなけりゃならない」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「五円や?」春吉は驚いたように言って、「五円なら、山の草
手間
(
てま
)
十日分でねえが? そんな高えもの、とっても我々にゃあ……」
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「お
手間
(
てま
)
を
取
(
と
)
らせることじゃない。ちと
折
(
おり
)
いって、
相談
(
そうだん
)
したい
訳
(
わけ
)
もある。ついそこまで、ほんのしばらく、つき
合
(
あ
)
っておくれでないか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
父親
(
ちちおや
)
は、
手間
(
てま
)
がとれても、
子供
(
こども
)
の
気
(
き
)
の
向
(
む
)
くままにまかせて、ぼんやり
立
(
た
)
ち
止
(
ど
)
まって、それを
見守
(
みまも
)
っていることもありました。
幾年もたった後
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
年
(
とし
)
が
行
(
い
)
かない
爲
(
ため
)
か、
舌
(
した
)
が
能
(
よ
)
く
回
(
まは
)
らないので、
抗辯
(
かうべん
)
のしやうが
如何
(
いか
)
にも
億劫
(
おくくふ
)
で
手間
(
てま
)
が
掛
(
か
)
かつた。
宗助
(
そうすけ
)
は
其所
(
そこ
)
を
特
(
とく
)
に
面白
(
おもしろ
)
く
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
請負人
(
うけおひにん
)
は払ふべき
手間
(
てま
)
を払ひ、
胡魔化
(
ごまか
)
される丈け胡魔化してカスリを取り、労働者は皆一度に
己
(
おの
)
が村々へ帰ることになつた。
椋のミハイロ
(新字旧仮名)
/
ボレスワフ・プルス
(著)
本郷三丁目で
留
(
とま
)
ると、下車する人々のために長い間
手間
(
てま
)
どつた。私は人に押され押され、車掌台に立つて往来を
眺
(
なが
)
めてゐた。
イボタの虫
(新字旧仮名)
/
中戸川吉二
(著)
先刻
(
さつき
)
から、
出入
(
ではひ
)
りのお
秋
(
あき
)
の
素振
(
そぶり
)
に、
目
(
め
)
を
着
(
つ
)
けた、
爐邊
(
ろべり
)
に
煮
(
に
)
ものをして
居
(
ゐ
)
た
母親
(
はゝおや
)
が、
戸外
(
おもて
)
に
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れるのに、フト
心着
(
こゝろづ
)
いて
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それでも
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
まではさういふ
仕事
(
しごと
)
が
幾
(
いく
)
らも
無
(
な
)
かつたので、
其
(
そ
)
の
賃錢
(
ちんせん
)
は
仕事
(
しごと
)
を
始
(
はじ
)
める
時
(
とき
)
其
(
そ
)
の
研
(
と
)
ぎ
減
(
へ
)
らした
唐鍬
(
たうぐは
)
の
刄先
(
はさき
)
を
打
(
う
)
たせる
鍛冶
(
かぢ
)
の
手間
(
てま
)
と
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
馬
(
うま
)
を
附
(
つ
)
けるのに
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れるとかと
力
(
りき
)
んで、
上句
(
あげく
)
には、
何
(
いつ
)
も
黙
(
だま
)
れとか、
彼
(
か
)
れこれ
云
(
い
)
うな、とかと
真赤
(
まっか
)
になって
騒
(
さわぎ
)
を
返
(
かえ
)
す。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
とみんなで
駆
(
か
)
けつけるうちに、あんまり
手間
(
てま
)
がとれたので、
長
(
なが
)
い
名
(
な
)
の
庄助
(
しょうすけ
)
さんは、とうとう
水
(
みず
)
に
溺
(
おぼ
)
れて
死
(
し
)
にました。
長い名
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
かつ、筆算は一人の手にかない、十露盤は二人を要す。算の
遅速
(
ちそく
)
は同様なるも、一人の
手間
(
てま
)
だけははぶくべし。
小学教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
洋服の人は単に
上衣
(
うわぎ
)
を脱ぐだけでよろしいという事であって、僕たちの組の人は全部洋服だったので、身支度にも
手間
(
てま
)
がかからず、すぐに体操が始まった。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それからは
符牒
(
ふちょう
)
でしょう、何か
互
(
たがい
)
にいい合って、
手間
(
てま
)
の取れることなどもありますが、
極
(
き
)
まりが附いて皆がそこを離れるころには、また別の方で呼立てます。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
かれここに八十神
忿
(
いか
)
りて、大穴牟遲の神を殺さむとあひ
議
(
はか
)
りて、
伯伎
(
ははき
)
の國の
手間
(
てま
)
の山本
一
に至りて云はく
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
仏様だの、置き物だの、
手間
(
てま
)
の掛かった、
品
(
ひん
)
の好い、本当の
彫物
(
ちょうこく
)
をこしらえるんで、あんな、稲荷町の荒っぽいものとは訳が違うんだ。そりゃ上等のものなんだ。
幕末維新懐古談:03 安床の「安さん」の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
今月ももう
七日
(
なぬか
)
とすると、来月号の締切り日は——
弔辞
(
ちょうじ
)
などを書いている場合ではない。昼夜兼行に勉強しても、元来仕事に
手間
(
てま
)
のかかる彼には出来上るかどうか疑問である。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これいかんとなれば縮を一
端
(
たん
)
になすまでに人の
手
(
て
)
を
労
(
らう
)
する事かぞへ
尽
(
つく
)
しがたし。なか/\
手間
(
てま
)
に
賃銭
(
ちんせん
)
を
当
(
あて
)
て
算量
(
つもる
)
事にはあらず、雪中に
籠居
(
こもりをる
)
婦女等
(
ふぢよら
)
が
手
(
て
)
を
空
(
むなし
)
くせざるのみの
活業
(
いとなみ
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
考へ又元の水口より立出
何喰
(
なにくは
)
ぬ
顏
(
かほ
)
にて我が家を
指
(
さし
)
て立歸りたり
道庵
(
だうあん
)
は此日
病家
(
びやうか
)
にて
手間
(
てま
)
取
漸々
(
やう/\
)
夜
(
よ
)
亥刻
(
よつどき
)
近き頃歸り來り
灯
(
あかり
)
を
點
(
とも
)
して
四邊
(
あたり
)
を見るに座敷を取
散
(
ちら
)
しあれば
不審
(
ふしん
)
に思ひ其
邊
(
へん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
下札
(
さげふだ
)
は
今
(
いま
)
誂
(
あつらへ
)
にやつてある、まだ
出来
(
でき
)
て
来
(
こ
)
んが
蝋色
(
ろいろ
)
にして
金蒔絵
(
きんまきゑ
)
で
文字
(
もじ
)
を
現
(
あらは
)
し、
裏表
(
うらおもて
)
とも
懸
(
か
)
けられるやうな
工合
(
ぐあひ
)
に、少し
気取
(
きどつ
)
て注文をしたもんぢやから、
手間
(
てま
)
が取れてまだ
出来
(
でき
)
ぬが
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何事
(
なにごと
)
も
無
(
な
)
く
納
(
おさま
)
りのつき、
今日
(
けふ
)
は
一人
(
ひとり
)
でお
厠
(
ちようず
)
にも
行
(
ゆ
)
かれるやうに
成
(
なり
)
ました、
右
(
みぎ
)
の
譯故
(
わけゆゑ
)
の
手間
(
てま
)
どり、
昨日
(
きのふ
)
家
(
うち
)
を
出
(
で
)
まする
時
(
とき
)
も、
氣
(
き
)
がわく/\して
何事
(
なにごと
)
も
思
(
おも
)
はれず、
後
(
あと
)
にて
思
(
おも
)
へば
締
(
しま
)
りも
付
(
つ
)
けず
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うっかりつまらぬ
事
(
こと
)
を
申上
(
もうしあ
)
げてお
手間
(
てま
)
を
取
(
と
)
らせました。
私
(
わたくし
)
は
急
(
いそ
)
いで、あの
時
(
とき
)
、
神様
(
かみさま
)
が
幽界
(
ゆうかい
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
の
事
(
こと
)
、その
他
(
た
)
に
就
(
つ
)
いて
私
(
わたくし
)
に
言
(
い
)
いきかせて
下
(
くだ
)
されたお
話
(
はなし
)
の
要点
(
ようてん
)
を
申上
(
もうしあ
)
げることに
致
(
いた
)
しましょう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「ああそうですか。それは
手間
(
てま
)
が省けていい。じゃあこの大使館の始末を借りるまでもなく、
余
(
よ
)
自
(
みずか
)
らが彼の寝室に忍びこみ、余自らの
青竜刀
(
せいりゅうとう
)
を以て、余自らが彼の首をはねてしまいましょう」
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
みんなは、大国主神を、
伯耆
(
ほうき
)
の国の
手間
(
てま
)
の山という山の下へつれて行って
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
理解
(
わか
)
つて戴けるやうな御返辭を申上げますのには私少し
手間
(
てま
)
どりさうでございます。贈物にはいろんな意味があるのぢやあございませんかしら。ですからそれに就いて意見を云ふ前にみんなを
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「昼のうちは間の山へ
稼
(
かせ
)
ぎに参りまして、家へ帰ってから、出直してお座敷のお客様へ出ますものでございますから、それで、その
間
(
あわい
)
に、いくらか
手間
(
てま
)
が取れるのでございますが、もう見えまする」
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だって、あれだけの冒険をしてやっと
這入
(
はい
)
ったんだぜ、(盗人は三重の
扉
(
とびら
)
を
手際
(
てぎわ
)
よく明けて入りました)あれ
位
(
くら
)
いの仕事じゃ(盗人は作りたての
外套
(
がいとう
)
に帽子をとりました。)まだ
手間
(
てま
)
に合うまいよ。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
私はそのためそれを昇り切るのにかなり
手間
(
てま
)
どつた
鳥料理:A Parody
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
グレ ところが、
其
(
その
)
立
(
た
)
つまでが
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れうて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
さればといって——それにグズグズ
手間
(
てま
)
どっているまに、
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
一
族
(
ぞく
)
が
天
(
てん
)
ヶ
丘
(
おか
)
から道をかえて、
勝頼公
(
かつよりこう
)
をとおく
護送
(
ごそう
)
してしまったら
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思
(
おも
)
いのほか、
電髪
(
パーマネント
)
に
手間
(
てま
)
どられて、
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
たときは、いつしか
西
(
にし
)
の
方
(
ほう
)
の
空
(
そら
)
が、わずかに
淡紅色
(
たんこうしょく
)
をして、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れていました。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
が、
此
(
この
)
電車
(
でんしや
)
が、あの……
車庫
(
しやこ
)
の
處
(
ところ
)
で、
一寸
(
ちよつと
)
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れて、やがて
發車
(
はつしや
)
して
間
(
ま
)
もなく、
二
(
に
)
の
橋
(
はし
)
へ、
横搖
(
よこゆ
)
れに
飛
(
と
)
んで
進行中
(
しんかうちう
)
。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
土をならすだけならさほど
手間
(
てま
)
も
入
(
い
)
るまいが、土の中には大きな石がある。土は
平
(
たい
)
らにしても石は平らにならぬ。石は切り砕いても、岩は始末がつかぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてやっと
思
(
おも
)
いきって
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がると、またなごり
惜
(
お
)
しそうに
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
り、
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
り、さんざん
手間
(
てま
)
をとった
後
(
あと
)
で、ふいとどこかへ出ていってしまいました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
其
(
その
)
日々々の
手間
(
てま
)
を取って一家の
生計
(
くらし
)
を立てて行くその仕事の余暇を見つけては、今申す通り実物を教師にして写生することを心掛けているのであるから、なかなか
幕末維新懐古談:36 脂土や石膏に心を惹かれたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
工事
(
こうじ
)
がどんなことかも
能
(
よ
)
く
知
(
し
)
らなかつたが一
日
(
にち
)
の
手間
(
てま
)
が五十
錢
(
せん
)
以上
(
いじやう
)
にもなるといふので、それが
其
(
その
)
季節
(
きせつ
)
としては
法外
(
はふぐわい
)
な
値段
(
ねだん
)
なのに
惚
(
ほ
)
れ
込
(
こ
)
んで
畢
(
しま
)
つたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
なし
覺
(
おぼ
)
えの一刀差込で三五郎
諸共
(
もろとも
)
に我が家を出けるが川崎手前にて日の
暮
(
くれ
)
るやうに
量
(
はか
)
り
道々
(
みち/\
)
戯
(
たはぶ
)
れ
言
(
ごと
)
など言て
手間
(
てま
)
どり名にし
逢
(
あふ
)
鈴ヶ森に差掛りし頃は
稍
(
やゝ
)
戌
(
いつゝ
)
過
(
す
)
ぎにもなりければ重四郎は前後を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
手間
(
てま
)
が
惜
(
お
)
しさに
見舞
(
みまい
)
にも
行
(
ゆ
)
かねえしみッたれ
野郎
(
やろう
)
だ、とそれこそ
口
(
くち
)
をそろえて
悪
(
わる
)
くいわれるなァ、
加賀様
(
かがさま
)
の
門
(
もん
)
よりもよく
判
(
わか
)
ってるぜ。——つまらねえ
理屈
(
りくつ
)
ァいわねえで、
速
(
はや
)
く
羽織
(
はおり
)
を
着
(
き
)
せねえかい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ステーシヨン
迄
(
まで
)
の二百ヴエルスタの
道
(
みち
)
を二
晝夜
(
ちうや
)
で
過
(
す
)
ぎたが、
其間
(
そのあひだ
)
馬
(
うま
)
の
繼場々々
(
つぎば/\
)
で、ミハイル、アウエリヤヌヰチは、やれ、
茶
(
ちや
)
の
杯
(
こつぷ
)
の
洗
(
あら
)
ひやうが
奈何
(
どう
)
だとか、
馬
(
うま
)
を
附
(
つ
)
けるのに
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れるとかと
力
(
りき
)
んで
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私はそのためそれを昇りきるのにかなり
手間
(
てま
)
どった
鳥料理
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
一
時
(
じ
)
重
(
おも
)
かった、
母
(
はは
)
の
病気
(
びょうき
)
もおいおいにいいほうへと
向
(
む
)
かいましたけれど、
衰弱
(
すいじゃく
)
しきったものはもとのごとく
元気
(
げんき
)
になるには、
手間
(
てま
)
がとれたのであります。
新しい町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
小六は御米の
後姿
(
うしろすがた
)
の、
羽織
(
はおり
)
が帯で高くなった
辺
(
あたり
)
を
眺
(
なが
)
めていた。何を
探
(
さが
)
すのだかなかなか
手間
(
てま
)
が取れそうなので
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「夜明けまでに、
手間
(
てま
)
いらずの法で殺してやる。うぬばかりでなく、この村へ
隠密
(
おんみつ
)
にはいる者はみんなこうだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
保名
(
やすな
)
の
体
(
からだ
)
が
元
(
もと
)
どおりになるにはなかなか
手間
(
てま
)
がかかりました。
娘
(
むすめ
)
はそれでも、
毎日
(
まいにち
)
ちっとも
飽
(
あ
)
きずに、
親身
(
しんみ
)
の
兄弟
(
きょうだい
)
の
世話
(
せわ
)
をするように
親切
(
しんせつ
)
に
世話
(
せわ
)
をしました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
其
(
そ
)
れ
處
(
どこ
)
ぢやねえや、
俺
(
お
)
らと一
緒
(
しよ
)
に
居
(
ゐ
)
んのせえ
厭
(
や
)
なんだんべが、
別々
(
べつ/\
)
に
成
(
な
)
つちやつたな、つまんねえ、
餘計
(
よけい
)
な
錢
(
ぜね
)
なんぞ
遣
(
つか
)
つて、
俺
(
お
)
らだつて
大
(
えけ
)
えこと
手間
(
てま
)
打
(
ぶ
)
つこんだな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「もし、
些
(
ちつ
)
と
急
(
いそ
)
がないと、
平常
(
ふだん
)
なら、
何
(
なに
)
、
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
ですが、
此
(
こ
)
の
吹降
(
ふきぶり
)
で、
途中
(
とちう
)
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れますから。」
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そこで、私の
手間
(
てま
)
のことについて相談がありましたが、一日に一
分
(
ぶ
)
(今の二十五銭)、一月三十日の時は七円五十銭、三十一日の時は七円七十五銭の手間を師匠から
貰
(
もら
)
うことになりました。
幕末維新懐古談:21 年季あけ前後のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
小六
(
ころく
)
は
御米
(
およね
)
の
後姿
(
うしろすがた
)
の、
羽織
(
はおり
)
が
帶
(
おび
)
で
高
(
たか
)
くなつた
邊
(
あたり
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。
何
(
なに
)
を
探
(
さが
)
すのだか
中々
(
なか/\
)
手間
(
てま
)
が
取
(
と
)
れさうなので
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
敵
(
てき
)
が
攻
(
せ
)
めて
来
(
き
)
たというのに、よけいなことをする
手間
(
てま
)
で、なぜ
早
(
はや
)
く
敵
(
てき
)
を
防
(
ふせ
)
ぐ
用意
(
ようい
)
をしないのです。
蔵人
(
くらんど
)
でもなんでもかまいません。わたしはあくまで
鎮西八郎
(
ちんぜいはちろう
)
です。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“手間”で始まる語句
手間取
手間賃
手間暇
手間潰
手間隙
手間費
手間暇間