内部ないぶ)” の例文
どう大動搖だいどうえうはじめた。はやなかたいからである。けれどもなが密閉みつぺいせられてある岩窟がんくつ内部ないぶには、惡瓦斯あくぐわす發生はつせいしてるに相違さうゐない。
ふゆがくると、きゅうわたしは、人間にんげんから大事だいじにされました。わたし内部ないぶのすすや、あのくものなどは、きれいにはらわれたのです。
煙突と柳 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これによつて地球ちきゆう内部ないぶとほるときの地震波ぢしんぱはやさは、地球ちきゆう鋼鐵こうてつとした場合ばあひ幾倍いくばいにもあたることがわかり、また地球ちきゆう内部ないぶてつしんからつてをり
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
内部ないぶ案外あんがい綺麗きれいでありますから、ちょっとこゝで住居じゆうきよしてもよいとおもふほどであります。道理どうりときには乞食こじきなどが、この石室せきしつんだりしてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それで内部ないぶいろのあるえきふくんで、そのつよひかりさへぎるわけで、つまり若葉わかば自分自身じぶんじしん保護ほごをするのです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
外部ぐわいぶだとか、内部ないぶだとか……。いやわたくしには然云さういことすこしもわからんです。わたくしつてゐることたゞ是丈これだけです。』と、かれ立上たちあがり、おこつた院長ゐんちやうにらける。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ばらばらと櫓梯子やぐらばしごりると、ふたりは文字もんじ奥郭おくぐるわ内部ないぶへはいった。そして、岩壁がんぺき洞窟どうくつ利用りようしててられてある、とりでの本丸ほんまるのなかへ走りこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
サーチライトのようないなずまがたの光が、さっと、ガラスまどを通して、貨車かしゃ内部ないぶへさしこんだ。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
えうするにかれぐらゐ年輩ねんぱい青年せいねんが、一人前いちにんまへ人間にんげんになる楷梯かいていとして、をさむべきことつとむべきことには、内部ないぶ動搖どうえうやら、外部ぐわいぶ束縛そくばくやらで、一切いつさいかなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
なみ江丸えまる本島ほんたうはこんでしよひんうちにあつたのでたゞちに着手ちやくしゆしたが、其爲そのためすくなからぬ勞力ほねをりと、諸種しよしゆ重要ぢゆうえうなる藥品等やくひんとうつひやしたは勿論もちろん海底戰鬪艇かいていせんとうてい内部ないぶ各室かくしつ裝飾用さうしよくようにと
類品るゐひん諸所しよ/\より出でたり。これを作るには火山石の適宜てきぎの大さのものをえらび凹み石を作ると同樣どうやう順序じゆんじよて、一めんに大なる凹みをまふけ、此凹みの内部ないぶをばの石を以てらしたるものなるべし
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
ピラミッドの内部ないぶに入りて外光ぐわいくわうをのぞきて見たりかはるがはるに
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
けれど、内部ないぶでは、やはり客車きゃくしゃっているひとたちとおなじようなことをいって、うわさをしていたにちがいありません。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うして龕燈がんどう横穴よこあな突出つきだして、内部ないぶらしてやうとしたが、そのひかりあた部分ぶぶんは、白氣はくき濛々もう/\として物凄ものすごく、なになにやらすこしもわからぬ。
いしとこ三方さんぽうまうけて死體したいくようになつてあつたり、天井てんじよう家屋かおく屋根やねをまねてあるのもあつたり、内部ないぶ刀劍とうけんかたちつたものなどがあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
金庫きんこ書庫しよこ土藏どぞうにはおの/\おほきさに相應そうおうする器物きぶつたとへば土藏どぞうならばばけつ)にみづくこと。これは内部ないぶ貴重品きちようひん蒸燒むしやきになるのをふせぐためである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その内部ないぶ葉緑粒ようりよくりゆうは、毎日まいにち日光につこうちからをかりて、空氣中くうきちゆうにある、人間にんげんがいをする炭酸瓦斯たんさんがすひ、そのかはりに、人間にんげんになくてはならない酸素さんそをはきして
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部ぐわいぶだとか、苦痛くつうや、たいする輕蔑けいべつだとか、眞正しんせいなる幸福かうふくだとか、と那麼言草こんないひぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適當てきたうしてゐる哲學てつがくです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
とすれば、いずれ内部ないぶのようすを多少ながら聞きかじっているにそういあるまいから、ここへきたところをつかまえて、いろいろそののことをさぐって見ようと思う。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨夜さくや大海嘯おほつなみすさまじき光景くわうけいでは、その十二のたる最早もはや一個いつこのこつてらぬことわかつてるが、それでも、まんいちもとおもつて、吾等われらこゝろそら洞中どうちう秘密造船所ひみつざうせんじよ内部ないぶ驅付かけつけてたが
おじいさんは、なにかいっているとみえて、くちだけはうごいていたが、ガラスの内部ないぶでいっているので、こえがすこしもこえてきませんでした。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天井てんぜうからほねがぶらさがつてるの、セメントで内部ないぶつてるのと、高等野次馬かうとうやじうまさはぎとつたらかつた。
くうくう」だとか、内部ないぶだとか、外部がいぶだとか、苦痛くつうや、たいする軽蔑けいべつだとか、真正しんせいなる幸福こうふくだとか、とこんな言草いいぐさは、みなロシヤの怠惰者なまけもの適当てきとうしている哲学てつがくです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
古墳こふんかたちと、それから外側そとがはつてゐた埴輪はにわについて、たゞいま一通ひととほりおはなししたのでありますが、これからは、古墳こふん内部ないぶにある石棺せきかん石室せきしつのおはなしをいたしませう。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ド、ド、ド、ドッと蛾次郎の悲鳴ひめいが小屋の内部ないぶをたたきまわった。出口をさがしているのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは遠方地震えんぽうぢしん觀測かんそくによつて、わが地球ちきゆう内部ないぶ構造こうぞう推究すいきゆうする仕方しかたである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
實見じつけんはしませんが、御覽ごらんとうり、海面かいめんから餘程よほどたかいあの屏風岩べうぶいわ尖頭せんとうにも、海草かいさう打上うちあげられたほどですから、秘密造船所ひみつざうせんじよ内部ないぶ無論むろん海潮かいてう浸入しんにうのために、大損害だいそんがいかうむつたことでせう
これはなつあひだはさかんに生育せいいくする、言葉ことばをかへてへばみき内部ないぶ細胞さいぼうがどん/\生長せいちようするのにたいしてふゆあひだはその生長せいちようがとまるため、内部ないぶ細胞さいぼうも、そのまゝ、びないでゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
くら内部ないぶには、電燈でんとうがともっていました。そして、だんだんとしたほうふかくなっていて、地下室ちかしつになっていました。かれは、だんりかけました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
した破片はへんうちに、内模樣うちもやうのある土器どき内部ないぶ把手とツてゆうするのがある。これなぞも珍品ちんぴんかぞふべしだ。
外部がいぶだとか、内部ないぶだとか……。いやわたくしにはそううことはすこしもわからんです。わたくしっていることはただこれだけです。』と、かれ立上たちあがり、おこった院長いんちょうにらける。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
また内部ないぶから蒸氣じようきすためぱんがたのものとなるのである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
けれどそのときは、内部ないぶはしんとして人影ひとかげがなかった。ちょうどそこへ、五、六にん子供こどもらがやってきて、ガラス内側うちがわをのぞいていました。
灰色の姉と桃色の妹 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、内部ないぶ電燈でんとうがともって、そのしたに三にんおとこが、鉄板てっぱんはこんでいました。おとこたちは、幸三こうぞうかおました。かれは、少年しょうねんにあいたいとげました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもちいさな肉体にくたい可憐かれんたましいは、病菌びょうきんが、内部ないぶから侵蝕しんしょくするのと、これを薬品やくひん抗争こうそうする、外部がいぶからの刺激しげきとで、ほとんどえきれなかったのであります。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どのいえめてしまって、わずかに、のすきまから、内部ないぶともっている燈火ともしびひかりが、さむい、さびしいそとやみなかに、かすかなひかりおくっているばかりでありました。
幸福のはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それらの内部ないぶには、独立どくりつした子供部屋こどもべやがあり、またどのしつにも暖房装置だんぼうそうちとどいているであろう。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうかんがえると、かれは、あるきながら感慨無量かんがいむりょうなのでした。記憶きおくのこ床屋とこやがあったのではいりました。もちろん主人しゅじんもちがっていれば、内部ないぶのようすもわっていました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
あかいガラスをとおして、内部ないぶをのぞくと、いくつか、かげうごいています。じっとるとおじいさんが、こしかけていました。また、いつか、たびかけたわかもの夫婦ふうふがいました。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
悲壮ひそう気持きもちで、もんはいろうとすると、内部ないぶからがやがや人声ひとごえがきこえました。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして墓地ぼちぎて、おかにさしかかりますと、そこにはおおきな病院びょういんがあります。かみながくうしろにらしたあねは、病院びょういん内部ないぶしのんで、病人びょうにんのいるへやを、一つ一つのぞいてあるきました。
消えた美しい不思議なにじ (新字新仮名) / 小川未明(著)