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腕
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うで
ふりがな文庫
“
腕
(
うで
)” の例文
「あの
面
(
つら
)
に、げんこつをくらわせることはなんでもない。だが、
己
(
おれ
)
が、
腕
(
うで
)
に
力
(
ちから
)
をいれて
打
(
う
)
ったら、あの
顔
(
かお
)
が
欠
(
か
)
けてしまいはせぬか?」
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一列に六人ずつ、それこそ
腕
(
うで
)
も動かせないくらい、ぎっしりとならんでいるのでした。けれども、かえって、それでよかったのです。
のろまのハンス:――むかしばなしの再話――
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
とかくするうち、少年の
腕
(
うで
)
のできものはすっかりかわきましたが、ジェンナーは、おいそれと第二の実験にはかかり得ませんでした。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
三人の友だちとは、俳人の
露柴
(
ろさい
)
、洋画家の
風中
(
ふうちゅう
)
、
蒔画師
(
まきえし
)
の
如丹
(
じょたん
)
、——三人とも
本名
(
ほんみょう
)
は
明
(
あか
)
さないが、その道では知られた
腕
(
うで
)
っ
扱
(
こ
)
きである。
魚河岸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
にもならないで、ばたりと
力
(
ちから
)
なく
墓石
(
はかいし
)
から
下
(
お
)
りて、
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまぬ
)
き、
差俯向
(
さしうつむ
)
いて、ぢつとして
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
ると、しつきりなしに
蚊
(
か
)
が
集
(
たか
)
る。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
こういい
残
(
のこ
)
した
鬼
(
おに
)
の
言葉
(
ことば
)
を
綱
(
つな
)
は
忘
(
わす
)
れずにいました。それで
万一
(
まんいち
)
取
(
と
)
り
返
(
かえ
)
されない
用心
(
ようじん
)
に、
綱
(
つな
)
は
腕
(
うで
)
を
丈夫
(
じょうぶ
)
な
箱
(
はこ
)
の中に
入
(
い
)
れて、
門
(
もん
)
の
外
(
そと
)
に
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
王子は
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
んで、
岩
(
いわ
)
の上に
座
(
すわ
)
りました。いつまでもじっと
我慢
(
がまん
)
していました。しかし、そのうちに、だんだん
恐
(
おそろ
)
しくなってきました。
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
澄まして行き過ぎるうしろ姿に、いっそうムッとした二人の雲助、いきなり
空駕
(
からかご
)
をほうりだして、バラバラッと
腕
(
うで
)
まくりのただ一打ち!
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父がマレーフスキイ
伯爵
(
はくしゃく
)
の
腕
(
うで
)
をとって、広間を横ぎって
玄関
(
げんかん
)
の方へ連れ出し、
従僕
(
じゅうぼく
)
のいる前で、冷やかにこう言い渡したのである。——
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そして、年とった頭をニールスの
腕
(
うで
)
になんどもなんどもこすりつけて、こまっている者をよく
助
(
たす
)
けてくれたと言って、ほめました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
古木
(
こぼく
)
の
樣
(
やう
)
な
醜
(
みにく
)
き
腕
(
うで
)
を
延
(
のば
)
して、
鐵車
(
てつしや
)
の
檻
(
おり
)
を
引握
(
ひきつか
)
み、
力任
(
ちからまか
)
せに
車
(
くるま
)
を
引倒
(
ひきたほ
)
さんとするのである。
猛犬稻妻
(
まうけんいなづま
)
は
猛然
(
まうぜん
)
として
其
(
その
)
手
(
て
)
に
噛
(
か
)
み
付
(
つ
)
いた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
蟲の
音
(
ね
)
亙
(
わた
)
りて月高く、いづれも哀れは秋の夕、
憂
(
う
)
しとても
逃
(
のが
)
れん
術
(
すべ
)
なき
己
(
おの
)
が影を踏みながら、
腕
(
うで
)
叉
(
こまぬ
)
きて小松殿の
門
(
かど
)
を立ち出でし瀧口時頼。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
≪オォルの折れる
迄
(
まで
)
、
腕
(
うで
)
の折れる迄もと思い全力を挙げて戦って参りましたが武運
拙
(
つた
)
なく敗れて故郷の
皆様
(
みなさま
)
に
御合
(
おあわ
)
せする顔もありません。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
伊賀の暴れん坊こと、
柳生源
(
やぎゅうげん
)
三
郎
(
ろう
)
は、江戸から百十三里、剣術大名
柳生対馬守
(
やぎゅうつしまのかみ
)
の弟で、こいつがたいへんに
腕
(
うで
)
のたつ
怖
(
おっか
)
ない若侍。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そのうちに午後になりましたから、このかわいい奥さんは
腕
(
うで
)
に手かごをかけて、子どもの手を引いて出かける用意をしました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
かく呼んだのであろう〕今に
腕
(
うで
)
一本で食べて行かなければならない者が
素人
(
しろうと
)
のこいさんに及ばないようでは心細いぞといった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かくてもあられねば
妻
(
つま
)
は
着
(
き
)
たる
羽織
(
はおり
)
に
夫
(
をつと
)
の
首
(
くび
)
をつゝみてかゝへ、
世息
(
せがれ
)
は
布子
(
ぬのこ
)
を
脱
(
ぬぎ
)
て父の
死骸
(
しがい
)
に
腕
(
うで
)
をそへて
泪
(
なみだ
)
ながらにつゝみ
脊負
(
せおは
)
んとする時
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
十二ばかりの
眼
(
め
)
の茶いろな
可愛
(
かわい
)
らしい女の子が、黒い
外套
(
がいとう
)
を
着
(
き
)
て青年の
腕
(
うで
)
にすがって
不思議
(
ふしぎ
)
そうに
窓
(
まど
)
の外を見ているのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
芋蟲
(
いもむし
)
は
腕
(
うで
)
を
組
(
く
)
んで
其頂
(
そのいたゞ
)
きに
坐
(
すわ
)
り、
悠々
(
いう/\
)
と
長
(
なが
)
い
水煙草
(
みづたばこ
)
の
煙管
(
きせる
)
を
喫
(
ふか
)
してゐて、
愛
(
あい
)
ちやんや
其他
(
そのた
)
の
物
(
もの
)
にも
一切
(
いつさい
)
眼
(
め
)
をくれませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
成程
腕
(
うで
)
つ
節
(
ぷし
)
は
勁
(
つよ
)
さうに出来てゐるが、その二十年といふもの、金なぞたんまり握つた事の無ささうな
掌面
(
てのひら
)
だなと弟子は思つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
父親
(
てゝおや
)
は
先刻
(
さきほど
)
より
腕
(
うで
)
ぐみして
目
(
め
)
を
閉
(
と
)
ぢて
有
(
あり
)
けるが、あゝ
御袋
(
おふくろ
)
、
無茶
(
むちや
)
の
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふてはならぬ、
我
(
わ
)
しさへ
始
(
はじ
)
めて
聞
(
き
)
いて
何
(
ど
)
うした
物
(
もの
)
かと
思案
(
しあん
)
にくれる
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
頭はたたき
割
(
わ
)
られ、
腕
(
うで
)
はへし折られて、これがあの
温厚
(
おんこう
)
な人の姿であるか、と
憤
(
いきどお
)
りを感じさせるほどに、ひどいものだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
それでも
彼
(
かれ
)
の
強健
(
きやうけん
)
な
鍛練
(
たんれん
)
された
腕
(
うで
)
は
定
(
さだ
)
められた一
人分
(
にんぶん
)
の
仕事
(
しごと
)
を
果
(
はた
)
すのは
日
(
ひ
)
が
稍
(
やゝ
)
傾
(
かたぶ
)
いてからでも
強
(
あなが
)
ち
難事
(
なんじ
)
ではないのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
打れて
眞逆
(
まつさか
)
さまに倒るゝをお花は
透
(
すか
)
さず
駈寄
(
かけよつ
)
て左の
腕
(
うで
)
を
打落
(
うちおと
)
せば吾助は
起
(
おき
)
んと
齒切
(
はがみ
)
を爲す友次郎お花忠八
諸共
(
もろとも
)
押重
(
おしかさな
)
り十分止めを
刺貫
(
さしとほ
)
し終に首を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
小初は、
跳
(
は
)
ね
込
(
こ
)
み台の
櫓
(
やぐら
)
の上板に立ち上った。
腕
(
うで
)
を額に
翳
(
かざ
)
して、空の雲気を
見廻
(
みまわ
)
した。軽く
矩形
(
くけい
)
に
擡
(
もた
)
げた右の上側はココア色に
日焦
(
ひや
)
けしている。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
鐘楼
(
しゅろう
)
の
下
(
した
)
にあじさいが
咲
(
さ
)
きさかっている
真昼
(
まひる
)
どきだった。
松男君
(
まつおくん
)
が
腕
(
うで
)
によりをかけて、あざやかに一つごオん、とついた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
すると、
聖母
(
せいぼ
)
マリアは、生まれたばかりの赤ちゃんをお
妃
(
きさき
)
さまの
腕
(
うで
)
からとって、子どもといっしょにきえてしまいました。
マリアの子ども
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
朝月は朝月で、近づく敵兵の
肩
(
かた
)
、
腕
(
うで
)
、
兜
(
かぶと
)
のきらいなくかみついてはふりとばし、また、まわりの敵をけちらしふみにじる。
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
女神はまず急いで
髪
(
かみ
)
をといて、男まげにおゆいになり、両方のびんと両方の
腕
(
うで
)
とに、
八尺
(
やさか
)
の
曲玉
(
まがたま
)
というりっぱな玉の
飾
(
かざ
)
りをおつけになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
珠運とか云う小二才はおのれだな
生
(
なま
)
弱々しい顔をして
能
(
よく
)
もお辰を
拐帯
(
かどわか
)
した、若いには似ぬ感心な
腕
(
うで
)
、
併
(
しか
)
し若いの、
闘鶏
(
しゃも
)
の前では
地鶏
(
じどり
)
はひるむわ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この
貝輪
(
かひわ
)
を
腕
(
うで
)
にはめる
風俗
(
ふうぞく
)
は、
今日
(
こんにち
)
でも
南洋
(
なんよう
)
あたりの
野蠻人
(
やばんじん
)
の
間
(
あひだ
)
に
多
(
おほ
)
く
見受
(
みう
)
けられますが、たゞその
貝輪
(
かひわ
)
はその
刳
(
ゑぐ
)
り
孔
(
あな
)
がわりあひに
小
(
ちひ
)
さいので
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
「柳君!」と千三は光一の
腕
(
うで
)
をとった。「きみは
後悔
(
こうかい
)
するぞ、きみはぼくをそんな人間だと思っていたのか、きみは……」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
彼
(
か
)
れは
腕
(
うで
)
は
細
(
ほそ
)
かつたが、この
中
(
なか
)
には
南蠻鐵
(
なんばんてつ
)
の
筋金
(
すぢがね
)
が
入
(
はひ
)
つてゐると
思
(
おも
)
ふほどの
自信
(
じしん
)
がある。
其
(
そ
)
の
細
(
ほそ
)
い
手
(
て
)
の
先
(
さ
)
きに
附
(
つ
)
いてゐる
掌
(
てのひら
)
が、ぽん/\と
鳴
(
な
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
それは
腕
(
うで
)
っ
節
(
ぷし
)
が強くて、さながら町の英雄でした。町の英雄というのはどこにでもあり、どこででも
調法
(
ちょうほう
)
がられました。
銭形平次捕物控:349 笛吹兵二郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
法一さん、それは、おまえのふしぎなほどに、たくみなびわの
腕
(
うで
)
まえが、おまえをそういうところへみちびいたのじゃ。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
腕
(
うで
)
を消毒したりするのに手間取っているのを見ると、寺田は一代の苦痛を一秒でも早く
和
(
やわら
)
げてやりたさに、早く早くと自分も手伝ってやるのだった。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ところで、きょう、ユリの左腕は惨たる有様なのよ、あわれ玉の(
腕
(
うで
)
に非ず)かいなも虫にくわれて、赤ブツブツで、丁度この間の輝坊のようです。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
いま
直
(
す
)
ぐにも
描
(
か
)
ける
器用
(
きよう
)
な
腕
(
うで
)
が
却
(
かえ
)
って
邪間
(
じゃま
)
になって、
着物
(
きもの
)
なんぞ
着
(
き
)
た
女
(
おんな
)
を
描
(
か
)
いても、
始
(
はじ
)
まらないとの
心
(
こころ
)
からであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
神風
(
かみかぜ
)
を起こしてあの
帆
(
ほ
)
をふくらせ、
水夫
(
かこ
)
の
腕
(
うで
)
の力を二倍にし、鳥のごとくにすみやかにこの岸に着かしめたまえ。(
鳥居
(
とりい
)
のほうに走り出そうとする)
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
が、それは
別
(
べつ
)
の
話
(
はなし
)
、あの
時
(
とき
)
は
何
(
なに
)
をいうにも
四辺
(
あたり
)
が
真暗
(
まっくら
)
でどうすることもできず、しばらく
腕
(
うで
)
を
拱
(
こまね
)
いてぼんやり
考
(
かんが
)
え
込
(
こ
)
んでいるより
外
(
ほか
)
に
道
(
みち
)
がなかった。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
何しろ
腕
(
うで
)
一
杯
(
ぱい
)
のところを見せて、
少
(
すくな
)
くとも日本の
洋畫界
(
やうぐわかい
)
に一
生面
(
せいめん
)
を
開
(
ひら
)
かうといふ
野心
(
やしん
)
であツたから、其の用意、其の
苦心
(
くしん
)
、實に
慘
(
さん
)
憺たるものであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
葛西
(
かさい
)
の
肥料屋
(
こやしや
)
では、
肥桶
(
こえおけ
)
にぐっと
腕
(
うで
)
を突込み、べたりと糞のつくとつかぬで
下肥
(
しもごえ
)
の
濃薄
(
こいうすい
)
従って良否を験するそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
遊
(
あそ
)
んでツてよ。」と
周囲
(
しうゐ
)
の
人込
(
ひとごみ
)
を
憚
(
はゞか
)
り、
道子
(
みちこ
)
は
男
(
をとこ
)
の
腕
(
うで
)
をシヤツの
袖
(
そで
)
と一しよに
引張
(
ひつぱ
)
り、
欄干
(
らんかん
)
から
車道
(
しやだう
)
の
稍
(
やゝ
)
薄暗
(
うすぐら
)
い
方
(
はう
)
へと
歩
(
あゆ
)
みながら、すつかり
甘
(
あま
)
えた
調子
(
てうし
)
になり
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
あんな奴にかかっては
鉄拳制裁
(
てっけんせいさい
)
でなくっちゃ利かないと、
瘤
(
こぶ
)
だらけの
腕
(
うで
)
をまくってみせた。おれはついでだから、君の腕は強そうだな
柔術
(
じゅうじゅつ
)
でもやるかと聞いてみた。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
質屋の番頭が目的だった彼の十代の日の
膝
(
ひざ
)
の
苦行
(
くぎょう
)
はもう身についてしまっているというのだ。彼はいま、三十に近くなって、こんどは
腕
(
うで
)
をかためねばならないのだ。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
それに
大概
(
たいがい
)
腕
(
うで
)
よりもより
以上
(
いじやう
)
に
口
(
くち
)
の
達者
(
たつしや
)
な
面面
(
めんめん
)
が
多
(
おほ
)
いのだからその
騷々
(
さう/″\
)
しさも
以
(
もつ
)
て
察
(
さつ
)
すべきである。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「そこで途中の
藪
(
やぶ
)
でその
腕
(
うで
)
っ
節
(
ぷし
)
で貝が
殺
(
ヤ
)
られるのか、そうは子供をあやすようにはまいらぬ。」
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「ちょっとした
怪我
(
けが
)
でも痛いンだから、これで
腕
(
うで
)
や
脚
(
あし
)
を切断するとなると、どんなでしょう?」
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
私には今のところそれを退治るいい工夫が
浮
(
う
)
かばん。このさいきみの
腕
(
うで
)
にたよるほかない……
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
そんなみちみち私の
出遇
(
であ
)
うのは、ごく
稀
(
まれ
)
には散歩中の西洋人たちもいたが、
大概
(
たいがい
)
、枯枝を
背負
(
せお
)
ってくる老人だとか
蕨
(
わらび
)
とりの帰りらしい
籃
(
かご
)
を
腕
(
うで
)
にぶらさげた娘たちばかりだった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
“腕”の意味
《名詞》
(うで)ひじと手首との間。
(うで)意味1より転じて、肩と手首の間の総称。
(うで)わざまえ。技量。
(うで)力。
(うで)腕木。
(出典:Wiktionary)
“腕”の解説
腕(うで、かいな)とは、人間の肩から手までの部分のこと。
人間の腕は医学的には、上肢(じょうし)と呼ばれる事が多い。腕は肘を境に、肩に近い方を上腕(じょうわん)、手の方を前腕(ぜんわん)という。
(出典:Wikipedia)
腕
常用漢字
中学
部首:⾁
12画
“腕”を含む語句
手腕
両腕
腕力
腕節
腕前
腕利
腕拱
小腕
双腕
左腕
御腕
腕車
腕組
右腕
腕白盛
腕椅子
利腕
凄腕
腕木
腕時計
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