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たゝず
ふりがな文庫
“
彳
(
たゝず
)” の例文
取出して
飮
(
のみ
)
暫時
(
しばし
)
其處に休み居ける中段々夜も
更行
(
ふけゆき
)
四邊
(
あたり
)
も
寂
(
しん
)
としける此時
手拭
(
てぬぐひ
)
に深く
面
(
おも
)
てを
包
(
つゝ
)
みし男二人伊勢屋の
門
(
かど
)
に
彳
(
たゝず
)
み内の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
門
(
かど
)
、
背戸
(
せど
)
の
清
(
きよ
)
き
流
(
ながれ
)
、
軒
(
のき
)
に
高
(
たか
)
き
二本柳
(
ふたもとやなぎ
)
、——
其
(
そ
)
の
青柳
(
あをやぎ
)
の
葉
(
は
)
の
繁茂
(
しげり
)
——こゝに
彳
(
たゝず
)
み、あの
背戸
(
せど
)
に
團扇
(
うちは
)
を
持
(
も
)
つた、
其
(
そ
)
の
姿
(
すがた
)
が
思
(
おも
)
はれます。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今こゝへ来て
彳
(
たゝず
)
んでみると、矢張土間には
竃
(
かまど
)
の湯が
沸
(
たぎ
)
らしてあって、
生暖
(
なまあたゝ
)
かい空気の中に、あの忘れられない異臭が匂っているのである。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
此春より來慣れたる道なればにや、思はぬ方に迷ひ來しものかなと、
無情
(
つれな
)
かりし人に通ひたる昔忍ばれて、
築垣
(
ついがき
)
の
下
(
もと
)
に我知らず
彳
(
たゝず
)
みける。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
他の一匹はおくみがこちらに
彳
(
たゝず
)
んでゐるのを見ると、柵の側まで歩いて来て、頭を出してぢつとこちらを見てゐるのであつた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
襖のかげに
彳
(
たゝず
)
んで、袖口で眼をふいてゐた母が、思ひ迫つたやうにみよ子に囁いた。みよ子はなぜかぞつとしてふるへた。
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
潮田さんは折々雪中に
彳
(
たゝず
)
んでは、目を閉ぢて黙祷して居た。翁は堪へることが出来ず、真赤になつて叫んだ。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
〽しばし
彳
(
たゝず
)
む
上手
(
うはて
)
より
梅見返
(
うめみがへ
)
りの舟の
唄
(
うた
)
。〽忍ぶなら/\
闇
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
は置かしやんせ、月に雲のさはりなく、
辛気
(
しんき
)
待つ
宵
(
よひ
)
、
十六夜
(
いざよひ
)
の、
内
(
うち
)
の
首尾
(
しゆび
)
はエーよいとのよいとの。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ば加へたり此の時少し篁村息を
吐
(
つ
)
き河原に立やすらひて四方を眺め
崩
(
くえ
)
たる
崕道
(
がけみち
)
を
見上
(
みあぐ
)
るに
夫婦連
(
めをとづれ
)
の
旅人
(
たびゝと
)
通りかゝり川へ下りんも危うし崖を越んも安からずと
彳
(
たゝず
)
み居しが
頓
(
やが
)
て男は
崩
(
くえ
)
たる處ろへ足を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
一寸立留つて振
廻
(
かへ
)
つて見ると、少し隔つて若い女性が
彳
(
たゝず
)
んでゐる。見覺えのある顏だな、と思つたが、其人は立つたまゝ動かない、おりて來ようともしない。何人だらう。私は二三歩後戻りした。
夢
(旧字旧仮名)
/
吉江喬松
、
吉江孤雁
(著)
ゆふぐれの中庭に、疲れた一匹の馬が
彳
(
たゝず
)
む。
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
此
(
こ
)
の
可哀
(
あはれ
)
な
車夫
(
しやふ
)
に
向
(
むか
)
つて、
大川
(
おほかは
)
の
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
むやうに、
姿
(
すがた
)
を
引締
(
ひきし
)
めて
彳
(
たゝず
)
んだ
袖崎
(
そでさき
)
の
帽子
(
ばうし
)
には、
殊更
(
ことさら
)
に
月
(
つき
)
が
宿
(
やど
)
るが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えた。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
外の三人の首に対しても順々に祈りを捧げたあとで、又もう一度父の前へ来てぼんやり
彳
(
たゝず
)
んでいた時であった、娘は乳母にそう云われたので
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いゝお天気でございますね。」と言ひつゝ、おくみはそこに
彳
(
たゝず
)
んで、青木さんの足もとの方の壁にかけてある、珍らしい壁かけの画を見てゐた。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
何を
便
(
たより
)
に尋ぬべき、
燈
(
ともしび
)
の光を
的
(
あて
)
に、
數
(
かず
)
もなき
在家
(
ざいけ
)
を
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
に
彷徨
(
さまよ
)
ひて問ひけれども、絶えて知るものなきに、愈〻心惑ひて只〻茫然と
野中
(
のなか
)
に
彳
(
たゝず
)
みける。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
も見ずに
迯行
(
にげゆき
)
しが殘りし二人は顏見合せ
怖
(
こは
)
い者見たしの
譬
(
たとへ
)
の如く
何樣
(
どん
)
な人やら
能
(
よく
)
見
(
み
)
んと思へば何分
恐
(
おそろ
)
しく小一町
手前
(
てまへ
)
に
彳
(
たゝず
)
みしが
連
(
つれ
)
の男は聲を
懸
(
かけ
)
寧
(
いつ
)
その事田町
通
(
とほ
)
りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
火
(
ひ
)
を
見
(
み
)
るな、
火
(
ひ
)
を
見
(
み
)
るな、で、
私
(
わたし
)
たちは、すぐ
其
(
そ
)
の
傍
(
わき
)
の
四角
(
よつかど
)
に
彳
(
たゝず
)
んで、
突通
(
つきとほ
)
しに
天
(
てん
)
を
浸
(
ひた
)
す
炎
(
ほのほ
)
の
波
(
なみ
)
に、
人心地
(
ひとごこち
)
もなく
醉
(
よ
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「もう大抵一と通りはお調べがついたんでございますか?」と、おくみは坊ちやんと二人でしばらくそこに
彳
(
たゝず
)
んだ。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
中門のあたりと
覚
(
おぼ
)
しい所にほと/\と戸を
叩
(
たゝ
)
く者があるので、開けて見ると、亡くなった筈の菅丞相が
彳
(
たゝず
)
んでいた。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
遣
(
つか
)
ひ盡しはや一錢も
無
(
なく
)
なりいと
空腹
(
くうふく
)
に成しに
折節
(
をりふし
)
餠屋
(
もちや
)
の
店先
(
みせさき
)
なりしが
彳
(
たゝず
)
みて手の内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
欄干
(
らんかん
)
の
横木
(
よこぎ
)
が、
水
(
みづ
)
の
響
(
ひゞ
)
きで、
光
(
ひかり
)
に
搖
(
ゆ
)
れて、
袂
(
たもと
)
に
吹
(
ふ
)
きかゝるやうに、
薄黒
(
うすぐろ
)
く
二
(
ふた
)
ツ
三
(
み
)
ツ
彳
(
たゝず
)
むのみ、
四邊
(
あたり
)
に
人影
(
ひとかげ
)
は
一
(
ひと
)
ツもなかつた。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それでも
敢
(
あえ
)
て近寄ろうとはせず、五六歩離れて
彳
(
たゝず
)
んでいると、父が小声で何かぶつ/\
呟
(
つぶや
)
いているのが聞えた。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
明
(
あかる
)
きより
暗
(
くら
)
きに
入
(
い
)
る
處
(
ところ
)
、
暗
(
くら
)
きより
明
(
あかる
)
きに
出
(
い
)
づる
處
(
ところ
)
、
石
(
いし
)
に
添
(
そ
)
ひ、
竹
(
たけ
)
に
添
(
そ
)
ひ、
籬
(
まがき
)
に
立
(
た
)
ち、
戸
(
と
)
に
彳
(
たゝず
)
み、
馬蘭
(
ばらん
)
の
中
(
なか
)
の、
古井
(
ふるゐ
)
の
傍
(
わき
)
に、
紫
(
むらさき
)
の
俤
(
おもかげ
)
なきはあらず。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし
甚
(
はなは
)
だ笑止なことに、平中は去年以来此の忍び歩きを繰り返して、或る時はこゝぞと思う
遣戸
(
やりど
)
の外で息を
凝
(
こ
)
らしてみたり、
勾欄
(
こうらん
)
のほとりに
彳
(
たゝず
)
んでみたり
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
行先
(
ゆくさき
)
が
案
(
あん
)
じられて、
我
(
われ
)
にもあらずしよんぼりと、
門
(
と
)
に
彳
(
たゝず
)
んで
入
(
はひ
)
りもやらぬ、
媚
(
なまめか
)
しい
最明寺殿
(
さいみやうじどの
)
を、
手
(
て
)
を
採
(
と
)
つて
招
(
せう
)
じ
入
(
い
)
れて、
舁据
(
かきす
)
ゑるやうに
圍爐裏
(
ゐろり
)
の
前
(
まへ
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
学校の往き復りには、よく清元の師匠の家の窓下に
彳
(
たゝず
)
んで、うっとりと聞き惚れて居ました。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
彳
(
たゝず
)
めば、
暖
(
あたゝか
)
く
水
(
みづ
)
に
抱
(
いだ
)
かれた
心地
(
こゝち
)
がして、
藻
(
も
)
も、
水草
(
みづくさ
)
もとろ/\と
夢
(
ゆめ
)
が
蕩
(
とろ
)
けさうに
裾
(
すそ
)
に
靡
(
なび
)
く。おゝ、
澤山
(
たくさん
)
な
金魚藻
(
きんぎよも
)
だ。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
隙さえあれば、彼はこっそり瑠璃光丸の目を盗んで、大講堂の内陣に
彳
(
たゝず
)
みながら、観世音や
弥勒
(
みろく
)
菩薩の
艷冶
(
えんや
)
な尊容に、夢見るような瞳を凝らしつゝ、茫然と物思いに耽って居た。
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
碧潭
(
へきたん
)
の
氣
(
き
)
一脈
(
いちみやく
)
、
蘭
(
らん
)
の
香
(
か
)
を
吹
(
ふ
)
きて、
床
(
ゆか
)
しき
羅
(
うすもの
)
の
影
(
かげ
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
むと
覺
(
おぼ
)
えしは、
年
(
とし
)
經
(
ふ
)
る
庄屋
(
しやうや
)
の
森
(
もり
)
を
出
(
い
)
でて、
背後
(
うしろ
)
なる
岨道
(
そばみち
)
を
通
(
とほ
)
る
人
(
ひと
)
の、ふと
彳
(
たゝず
)
みて
見越
(
みこ
)
したんなる。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その時衣ずれのおとが急に止んだので、夫人が人声のきこえて来る
黒漆塗
(
くろうるしぬ
)
りの
枠
(
わく
)
の縁に
彳
(
たゝず
)
みつゝ静かに耳を傾けている様子が推量された。河内介は
懐
(
ふところ
)
から
図書
(
ずしょ
)
の密書を取り出して
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
予は
殆
(
ほとん
)
ど
絶
(
ぜつ
)
せむとせり、そも何者の見えしとするぞ、雪もて築ける
裸体
(
らたい
)
の
婦人
(
をんな
)
、あるが
如
(
ごと
)
く無きが如き
灯
(
ともしび
)
の蔭に
朦朧
(
もうろう
)
と乳房のあたりほの見えて描ける如く
彳
(
たゝず
)
めり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こう思って私は瓢箪形をした池の
汀
(
みぎわ
)
の芝生に
彳
(
たゝず
)
んでひろい/\庭の中を見廻した。
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
峰
(
みね
)
を
視
(
なが
)
めて、
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
に
彳
(
たゝず
)
んだ
時
(
とき
)
もあり、
岸
(
きし
)
づたひに
川船
(
かはぶね
)
に
乘
(
の
)
つて
船頭
(
せんどう
)
もなしに
流
(
なが
)
れて
行
(
ゆ
)
くのを
見
(
み
)
たり、
揃
(
そろ
)
つて、すつと
拔
(
ぬ
)
けて、
二人
(
ふたり
)
が
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の
柱
(
はしら
)
から
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た
事
(
こと
)
もある。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何方
(
いづかた
)
トモナク迷ヒ行ケリ、(中略)其外
治部少輔
(
ぢぶせういう
)
ガ息女ドモ多カリシガ、天下免許ヲ蒙リテ都ノ傍ニ
彳
(
たゝず
)
ミケレドモ、人ノ情ハ世ニ有ル程昨日ニカハル習ナレバ、洛中ニ
栖
(
すみ
)
カネテ西山辺ニ身ヲ
遁
(
のが
)
レ
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
三社樣
(
さんじやさま
)
の
御神輿
(
おみこし
)
が、
芳原
(
よしはら
)
を
渡
(
わた
)
つた
時
(
とき
)
であつた。
仲
(
なか
)
の
町
(
ちやう
)
で、
或
(
ある
)
引手茶屋
(
ひきてぢやや
)
の
女房
(
にようばう
)
の、
久
(
ひさ
)
しく
煩
(
わづら
)
つて
居
(
ゐ
)
たのが、
祭
(
まつり
)
の
景氣
(
けいき
)
に
漸
(
やつ
)
と
起
(
お
)
きて、
微
(
ほのか
)
に
嬉
(
うれ
)
しさうに、しかし
悄乎
(
しよんぼり
)
と
店先
(
みせさき
)
に
彳
(
たゝず
)
んだ。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
楕圓形
(
だゑんけい
)
の
葉
(
は
)
は、
羽状複葉
(
うじやうふくえふ
)
と
云
(
い
)
ふのが
眞蒼
(
まつさを
)
に
上
(
うへ
)
から
可愛
(
かはい
)
い
花
(
はな
)
をはら/\と
包
(
つゝ
)
んで、
鷺
(
さぎ
)
が
緑
(
みどり
)
なす
蓑
(
みの
)
を
被
(
かつ
)
いで、
彳
(
たゝず
)
みつゝ、
颯
(
さつ
)
と
開
(
ひら
)
いて、
雙方
(
さうはう
)
から
翼
(
つばさ
)
を
交
(
かは
)
した、
比翼連理
(
ひよくれんり
)
の
風情
(
ふぜい
)
がある。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯
(
ト
)
、
夫人
(
ふじん
)
の
居室
(
ゐま
)
に
當
(
あた
)
る、
甘
(
あま
)
くして
艷
(
つや
)
つぽく、
色
(
いろ
)
の
濃
(
こ
)
い、
唐
(
から
)
の
桐
(
きり
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
いた
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
に、
一人
(
ひとり
)
影
(
かげ
)
暖
(
あたゝ
)
かく
彳
(
たゝず
)
んだ、
少年
(
せうねん
)
の
書生
(
しよせい
)
の
姿
(
すがた
)
がある。
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
、
形容
(
けいよう
)
、
都
(
と
)
にして
麗
(
れい
)
なり、と
書
(
か
)
いてある。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時
(
そのとき
)
裏
(
うら
)
の
山
(
やま
)
、
向
(
むか
)
ふの
峯
(
みね
)
、
左右
(
さいう
)
前後
(
ぜんご
)
にすく/\とあるのが、一ツ一ツ
嘴
(
くちばし
)
を
向
(
む
)
け、
頭
(
かしら
)
を
擡
(
もた
)
げて、
此
(
こ
)
の一
落
(
らく
)
の
別天地
(
べツてんち
)
、
親仁
(
おやぢ
)
を
下手
(
したで
)
に
控
(
ひか
)
へ、
馬
(
うま
)
に
面
(
めん
)
して
彳
(
たゝず
)
んだ
月下
(
げツか
)
の
美女
(
びぢよ
)
の
姿
(
すがた
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
くが
如
(
ごと
)
く
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
第一
(
だいいち
)
、
身
(
み
)
に
着
(
つ
)
いた
絲
(
いと
)
の、
玩弄具
(
おもちや
)
の
鳥
(
とり
)
が、
彳
(
たゝず
)
んだものを、
向
(
むか
)
うへ
通拔
(
とほりぬ
)
ける
數
(
すう
)
はない。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
店頭
(
みせさき
)
へ、
恭
(
うや/\
)
しく
彳
(
たゝず
)
んで、
四邊
(
あたり
)
を
見
(
み
)
ながら、せまつた
聲
(
こゑ
)
で
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すら/\と
末廣
(
すゑひろ
)
がりに
細
(
ほそ
)
く
彳
(
たゝず
)
む
夕
(
ゆふべ
)
の
煙
(
けむり
)
の
中
(
なか
)
である。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
欄干
(
らんかん
)
に
彳
(
たゝず
)
んで、
返
(
かへ
)
りを
行違
(
ゆきちが
)
はせて
見送
(
みおく
)
つた。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
巌
(
いは
)
の
彼方
(
かなた
)
に
恰
(
あだか
)
も
卓
(
つくえ
)
に
向
(
むか
)
つて
立
(
た
)
つ
状
(
さま
)
して
彳
(
たゝず
)
んだ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しばし
彳
(
たゝず
)
む。
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彳
部首:⼻
3画
“彳”を含む語句
彳立
彷徨彳亍