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ふりがな文庫
“
幾
(
いく
)” の例文
モミの木からは、毎年毎年新しい芽がでて、のびていきますから、その
節
(
ふし
)
の数をかぞえれば、その木が
幾
(
いく
)
つになったかわかるのです。
モミの木
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
山家
(
やまが
)
あたりに
住
(
す
)
むものが、
邸中
(
やしきぢう
)
、
座敷
(
ざしき
)
まで
大
(
おほき
)
な
茸
(
きのこ
)
が
幾
(
いく
)
つともなく
出
(
で
)
て
祟
(
たゝ
)
るのに
困
(
こう
)
じて、
大峰
(
おほみね
)
葛城
(
かつらぎ
)
を
渡
(
わた
)
つた
知音
(
ちいん
)
の
山伏
(
やまぶし
)
を
頼
(
たの
)
んで
來
(
く
)
ると
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
幾
(
いく
)
たびか、
眠
(
ねむ
)
られぬままに、からだを
動
(
うご
)
かしていたちょうはついに、
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
を
浴
(
あ
)
びながら、どこへとなく、
飛
(
と
)
び
去
(
さ
)
ってしまいました。
冬のちょう
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
見究
(
みきわ
)
めようとしているのであったが、
幾
(
いく
)
十
丈
(
じょう
)
とも知れないほど深く湛えた蒼黒い水は、頼正の眼を
遮
(
さえぎ
)
って水底を奥の方へ隠している。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
書窓
(
しょそう
)
から眺めると、
灰色
(
はいいろ
)
をした
小雨
(
こさめ
)
が、
噴霧器
(
ふんむき
)
で
噴
(
ふ
)
く様に、
弗
(
ふっ
)
——
弗
(
ふっ
)
と北から
中
(
なか
)
ッ
原
(
ぱら
)
の杉の森を
掠
(
かす
)
めて
斜
(
はす
)
に
幾
(
いく
)
しきりもしぶいて通る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
町幅一杯
(
まちはばいっぱい
)
ともいうべき
竜宮城
(
りゅうぐうじょう
)
に
擬
(
ぎ
)
したる
大燈籠
(
おおどうろう
)
の中に
幾
(
いく
)
十の火を点ぜるものなど、火光美しく
透
(
す
)
きて
殊
(
こと
)
に目ざましく
鮮
(
あざ
)
やかなりし。
突貫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それから
幾
(
いく
)
百年間の意識の闇が続いたものか、再び気が付いた時は、(すなわち、それは今のことだが)一人の
波斯
(
ぺるしゃ
)
の軍人として
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
さればこのたび川島家と縁談整いて、
輿入
(
こしいれ
)
済みし時は、浪子も息をつき、父中将も、継母も、伯母も、
幾
(
いく
)
も、皆それぞれに息をつきぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
今
(
いま
)
の
苦勞
(
くらう
)
を
戀
(
こひ
)
しがる
心
(
こゝろ
)
も
出
(
い
)
づべし、
斯
(
か
)
く
形
(
かたち
)
よく
生
(
うま
)
れたる
身
(
み
)
の
不幸
(
ふしやはせ
)
、
不相應
(
ふさうおう
)
の
縁
(
ゑん
)
につながれて
幾
(
いく
)
らの
苦勞
(
くらう
)
をさする
事
(
こと
)
と
哀
(
あは
)
れさの
増
(
まさ
)
れども
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今度
(
こんど
)
は
二
(
ふた
)
つの
叫
(
さけ
)
び
聲
(
ごゑ
)
がして、
又
(
また
)
硝子
(
ガラス
)
のミリ/\と
破
(
わ
)
れる
音
(
おと
)
がしました。『
胡瓜
(
きうり
)
の
苗床
(
なへどこ
)
が
幾
(
いく
)
つあるんだらう!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
お
品
(
しな
)
は
林
(
はやし
)
を
幾
(
いく
)
つも
過
(
す
)
ぎて
自分
(
じぶん
)
の
村
(
むら
)
へ
急
(
いそ
)
いだが、
疲
(
つか
)
れもしたけれど
懶
(
ものう
)
いやうな
心持
(
こゝろもち
)
がして
幾度
(
いくたび
)
か
路傍
(
みちばた
)
へ
荷
(
に
)
を
卸
(
おろ
)
しては
休
(
やす
)
みつゝ
來
(
き
)
たのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
声色づかいでは
幾
(
いく
)
らそれが上手でも結局は声色づかいで、永久に名優ではないのでありますから、全く価値がないのであります。
習書要訣:――美の認識について――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
一月や二月、そぎやんこつしてみたとこツで、
幾
(
いく
)
りやんもなりやせんぢやなツか。そりよりや、お
前
(
まい
)
、はよう戻つてやつた方がよかばい。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
B あゝ、あれは
駄目
(
だめ
)
だよ。
葉書
(
はがき
)
一
枚
(
まい
)
ぐらゐの
短文
(
たんぶん
)
で、ちよつと
氣
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
を
書
(
か
)
き
得
(
え
)
る
樣
(
やう
)
な
名士
(
めいし
)
は
幾
(
いく
)
らも
居
(
ゐ
)
ないからな。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
金時計
(
きんどけい
)
だの
金鎖
(
きんぐさり
)
が
幾
(
いく
)
つも
並
(
なら
)
べてあるが、
是
(
これ
)
もたゞ
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
や
恰好
(
かつかう
)
として、
彼
(
かれ
)
の
眸
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
る
丈
(
だけ
)
で、
買
(
か
)
ひたい
了簡
(
れうけん
)
を
誘致
(
いうち
)
するには
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
幾
(
いく
)
つもの時計が揃って遅れていたというのには、何か特別の意味がなければならぬ。だが、人々はそこまで深く考えなかった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
五七
間
(
けん
)
ほどなる四角或は三角なる雪の長さは二三十
間
(
けん
)
もあらんとおもふが谷によこたはりたる上に、なほ
幾
(
いく
)
つとなく大小かさなりたるなど
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
清見寺の鐘の音に送り迎へられし夕べあしたの
幾
(
いく
)
そたび、三保の松原になきあかしゝ月あかき一夜は、げに見はてぬ夢の恨めしきふし多かりき。
清見寺の鐘声
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
從
(
したが
)
つて、今度の
實
(
じつ
)
力主
義
(
ぎ
)
の名人
制
(
せい
)
度は、たとへ
幾
(
いく
)
分えげつない
感
(
かん
)
じはあつても、たしかに
棋界
(
きかい
)
の
進
(
しん
)
歩といふべきであらう。何も
勝負
(
せうふ
)
だ、
戰
(
たゝか
)
ひだ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
果然
(
くわぜん
)
彼
(
か
)
れは
幾
(
いく
)
ばくもなくして
漢族
(
かんぞく
)
のために
亡
(
ほろ
)
ぼされた。
獨
(
ひと
)
り
拓拔氏
(
たくばつし
)
のみならず
支那塞外
(
しなさくぐわい
)
の
蠻族
(
ばんぞく
)
は
概
(
おほむ
)
ねその
轍
(
てつ
)
を
履
(
ふ
)
んでゐる。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
赤帽のあとから来た紳士は貧相な
痩
(
や
)
せた人であるが、この人は腰をかけないで太った紳士の前に立ったままつづけさまに
幾
(
いく
)
つもお
辞儀
(
じぎ
)
をしていた。
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
このやくもたつなども、
古
(
ふる
)
い
書物
(
しよもつ
)
の
説明
(
せつめい
)
にさへ、
幾
(
いく
)
すぢもの
雲
(
くも
)
が
立
(
た
)
ち
圍
(
かこ
)
んだところから、いはれたものとしてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
きやがれ、——今日はお
幾
(
いく
)
のところへ行くと聽いて、あわてて飛起きて來やがつたらう——顏を洗つたのか」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでも習いたいのなら大阪には
幾
(
いく
)
らもよい師匠があるどこへなと勝手に弟子入りをしや私の所は今日限り
止
(
や
)
めてもらいますこちらから断りますと
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
幾
(
いく
)
ら
丁斑魚
(
めだか
)
でも
滿足
(
まんぞく
)
を
得
(
え
)
られんなら、
哲學
(
てつがく
)
を
爲
(
せ
)
ずには
居
(
を
)
られんでせう。
苟
(
いやしく
)
も
智慧
(
ちゑ
)
ある、
教育
(
けういく
)
ある、
自尊
(
じそん
)
ある、
自由
(
じいう
)
を
愛
(
あい
)
する、
即
(
すなは
)
ち
神
(
かみ
)
の
像
(
ざう
)
たる
人間
(
にんげん
)
が。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「そりゃ君の説は
勘定
(
かんじょう
)
が少し違うぜ、地球の
曲線
(
カーブ
)
の
度
(
ど
)
は一マイルについて
幾
(
いく
)
らいくらだぜ。君の先の例に取った
何
(
なん
)
マイル以上にある船の
帆柱
(
ほばしら
)
は
云々
(
うんぬん
)
」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ロレ
南無
(
なむ
)
やフランシス
上人
(
しゃうにん
)
、
護
(
まも
)
らせられい! はれ、けったいな、
今宵
(
こよひ
)
此
(
この
)
老脚
(
らうきゃく
)
が
幾
(
いく
)
たび
墓穴
(
はかあな
)
に
蹉躓
(
けつまづ
)
いたことやら!……
誰
(
た
)
れぢゃ、そこにゐるのは?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
マアぼうは、そんなことを決していうのじゃありませんよ、坊はやっぱりそのままがわたしには
幾
(
いく
)
ら
好
(
いい
)
のか知れぬ
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
「大層結構です、ぜひ
伺
(
うかが
)
いましょう」と、やがて彼女は言った。——「でも、あなたはまだほんとにお若いのね! お
幾
(
いく
)
つですの、失礼ですけれど?」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
でも、
今
(
いま
)
から
考
(
かんが
)
えれば、
私
(
わたくし
)
にはこれでも
生前
(
せいぜん
)
から
幾
(
いく
)
らか
霊覚
(
れいかく
)
のようなものが
恵
(
めぐ
)
まれていたらしいのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
書生を懲らしめる酒の話は
幾
(
いく
)
らもあるが、安政二年の春、始めて長崎から出て緒方の塾に入門したその
即日
(
そくじつ
)
に、在塾の一書生が始めて私に
遇
(
あっ
)
て
云
(
い
)
うには
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
日本食事は一向まだ研究がしてない。味噌汁一
椀
(
わん
)
に飯三杯は
幾
(
いく
)
カロリーになるか滅多に
知
(
しっ
)
ている医者もあるまい。それだから食餌療法が我邦に行われん。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
お
伽話
(
とぎばなし
)
にだってこの様な大名生活はないだろう。彼女に見せてやったなら、どんな事を云うであろうか。老女中が次々と五十
幾
(
いく
)
ツかの部屋を見せてくれた。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「忍剣どのも加わるとあれば、
千兵
(
せんぺい
)
にまさる
今日
(
きょう
)
の味方、穴山一族の
木
(
こ
)
ッ
葉
(
ぱ
)
武者どもが、たとえ、
幾
(
いく
)
百
幾
(
いく
)
千
騎
(
き
)
あろうとも、おそるるところはござりませぬ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、とうとう、大きなてっぺんの
焼
(
や
)
けた
栗
(
くり
)
の木の前まで来た時、ぼんやり
幾
(
いく
)
つにも
岐
(
わか
)
れてしまいました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
岬
(
みさき
)
の道を出て、いよいよ本村にはいるころから、みんなはしぜんと小声にしゃべっていた。一本松の村までには
幾
(
いく
)
つかの町や村の、たくさんの
部落
(
ぶらく
)
があった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
お
頼
(
たの
)
う
申
(
まう
)
します。坊「ドーレ。金「
何卒
(
どうぞ
)
これを。坊「ア、
成程
(
なるほど
)
、
難渋寺
(
なんじふじ
)
かへ、
宜
(
よろ
)
しい、
此方
(
こちら
)
へ。金「それで
此
(
この
)
並焼
(
なみやき
)
はお
幾
(
いく
)
らでげす。坊「
並焼
(
なみやき
)
は一
歩
(
ぶ
)
と二百だね。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ねエMさんがあなたに歌をかいて下さいって。
幾
(
いく
)
つでも出来るだけ」Mさんというひとはピチピチとした弾力のある子供っぽい愛くるしい顔をしている
癖
(
くせ
)
に
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
山麓
(
さんろく
)
から
頂上
(
ちようじよう
)
までの
間
(
あひだ
)
にいろ/\
模樣
(
もよう
)
の
變
(
かは
)
つた
幾
(
いく
)
つかの
森林帶
(
しんりんたい
)
がかさなつてゐるわけです このように
土地
(
とち
)
の
高低
(
こうてい
)
によつて
現
(
あらは
)
れる
森林帶
(
しんりんたい
)
のことを『
垂直的森林帶
(
すいちよくてきしんりんたい
)
』
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
ブラ/\と
面白
(
おもしろ
)
き空想を
伴
(
つれ
)
にして
堤
(
どて
)
を
北頭
(
きたがしら
)
に
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
を
歩
(
あゆ
)
ませながら、
見送
(
みおく
)
り
果
(
はて
)
てドヤ/\と帰る人々が
大尉
(
たいゐ
)
の
年
(
とし
)
は
幾
(
いく
)
つならんの、
何処
(
いづこ
)
の
出生
(
しゆつしやう
)
ならんの、
或
(
あるひ
)
は
短艇
(
ボート
)
の
事
(
こと
)
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
筆
(
ふで
)
の
軸
(
ぢく
)
は
先
(
さき
)
の
方
(
はう
)
だけを
小刀
(
こがたな
)
か
何
(
なに
)
かで
幾
(
いく
)
つにも
割
(
わ
)
りまして、
朝顏
(
あさがほ
)
のかたちに
折
(
を
)
り
曲
(
ま
)
げるといゝのです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
新吉
(
しんきち
)
は
見物
(
けんぶつ
)
したくてたまらないのですが、そうは出来ません。十
幾
(
いく
)
頭という馬のかいばをつくらねばなりません。何十
種
(
しゅ
)
という動物の食べものをつくらねばなりません。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
『
玄竹
(
げんちく
)
。
酒
(
さけ
)
を
辛
(
から
)
いと
感
(
かん
)
ずるやうになつては、
人間
(
にんげん
)
も
駄目
(
だめ
)
だなう。
幾
(
いく
)
ら
飮
(
の
)
んでも
可味
(
うま
)
くはないぞ。』
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と
幾
(
いく
)
ら考え直しても、やはり追いかけられていると云う気もちをとりさることができなかった。
追っかけて来る飛行機
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
聞て
庄
(
しやう
)
兵衞は
默然
(
もくぜん
)
として居たりしが又大岡殿仰らるゝ樣其方
何
(
なん
)
年
何
(
なん
)
月
幾
(
いく
)
日何故古郷を立て
江戸
(
えど
)
へ來りしぞ
庄
(
しやう
)
兵衞ヘイ二三年
跡
(
あと
)
身代
(
しんだい
)
零落
(
れいらく
)
に付き稼ぎの爲めまかり出しと云ふを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その紫色の帯の
処
(
ところ
)
までは、
辛
(
かろ
)
うじて見えるが、それから上は、見ようとして、
幾
(
いく
)
ら身を
悶掻
(
もが
)
いても見る事が出来ない、しかもこの時は、非常に息苦しくて、眼は
開
(
ひら
)
いているが
女の膝
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
サンスクリットの原書は一つでありますが漢訳の経文は
幾
(
いく
)
つにもなって居りまして、その文の同じかるべきはずのものがあるいは同じのもあればまた違って居るのもあります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
「じゃ、あなたは、エムリーヌ・カペルさん、十二から四つ
引
(
ひ
)
いたら、
幾
(
いく
)
つ
残
(
のこ
)
りますか。」
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
お夏の擧動は其夜甚だ怪しかつた。翌朝法界屋が立つて行つた後、お夏は門口に出て、其男の行つた秋田の方を眺め/\、
幾
(
いく
)
等叱つても
嚇
(
おど
)
しても二時間許り家に
入
(
はい
)
らなかつた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それで私はここで
幾
(
いく
)
らかのすぐれた科学者の
事蹟
(
じせき
)
について皆さんにお話しして
見
(
み
)
ようとするのに
当
(
あた
)
って、まずガリレイのことから始めるのが、当然の順序であると考えるのです。
ガリレオ・ガリレイ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
“幾”を含む語句
幾許
幾何
幾日
幾干
庶幾
幾時
幾度
幾分
幾多
幾人
幾年
幾個
幾重
幾通
幾千
幾歳
幾条
幾夜
幾箇
幾曲
...