“幾通”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いくつう60.0%
いくとおり20.0%
いくとお10.0%
いくとほ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幾度いくたび幾通いくつう御文おんふみを拝見だにせぬ我れ、いかばかり憎くしとおぼしめすらん。はいさばこのむね寸断になりて、常の決心の消えうせん覚束おぼつかなさ。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「調べさえすれば因果はいくらでもある。御前、梅に幾通いくとおりあるか知ってるか」と煙草盆を釣るして、また煙管きせるの雁首で灰の中をき廻す。宗近君はこの機に乗じて話頭を転換した。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕の主張は人を呼ぶのにナンジとかアナタとかオマエとかキサマとか幾通いくとおりもある言葉を一つに定める時はその中の一番丁寧ていねいな言葉にめようというのだ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
さてもあやしや車上しやじやうひと萬世橋よろづよばしにもあらず鍋町なべちやうにもあらず本銀町ほんしろかねちやうぎたり日本橋にほんばしにもとゞまらず大路おほぢ小路こうぢ幾通いくとほりそも何方いづかたかんとするにか洋行やうかうして歸朝きてうのちつま
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)