きよう)” の例文
これより須原驛に至る間、わがきようはいかに揚り、わが吟懷はいかに振ひ、わが胸はいかにさま/″\なる空想を以て滿されたりけむ。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
何れも大作たいさくだ。雖然何を見たからと謂つて、些ともきようらぬばかりか、其の名畫が眼に映つると、むし忌々いま/\しいといふ氣が亢じて來る。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とも二人三人召連めしつ春風はるかぜとほがけのうまり、たふのあたりにいたり、岩窟堂がんくつだう虚空蔵こくうざうにてさけをのむ——とある。古武士こぶしがけの風情ふぜいきようあり。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我が良人をつと今宵こよひも帰りのおそくおはしますよ。我が子は早くねむりしに、帰らせ給はゞきようなくやおぼさん。大路おほぢの霜に月こほりて、踏む足いかに冷たからん。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お熊もきようがりて「其の方がよう御座んす、どうせ、貴所あなた家内うちの人も同様でいらつしやるんですから」と言ふを「成程、其れが西洋式でがすかナ」と利八も笑ふ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
呼立よびたて申せども是と云きようもなく候へば只々御氣根きこんに御あがり下されよと云に周藏は取あへず此周藏佐治右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたくしは此詩句を取つて、しばらみだりしもの如くに解する。霞亭の学術は前年癸亥にほゞ成つた。歳晩の舟遊は、その新に卒業してあがきようがうなる時に於てせられた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「へゝえ、畜生奴ちきしよめこんでもおこつてらあ」かね博勞ばくらうはちよいと蟷螂かまきりをつゝいてひときようがつてわらつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
よくあるやつさといひ度さうな、きようの乘らない相手の態度には頓着無く、額際ひたひぎはを汗ばませて喋つた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
びんつたまゝつてへや四隅よすみつて、そこに一二滴づゝりかけた。斯様かやうきようじたあと白地しろぢ浴衣ゆかた着換きかえて、あたらしい小掻巻かいまきしたやすらかな手足てあしよこたへた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
左内きようじてむしろをすすみ、さてしもかたらせ給ふに、富貴の道のたかき事、おのがつねにおもふ所露たがはずぞ侍る。ここにおろかなるとひ事の侍るが、ねがふはつばらにしめさせ給へ。
ところが小田原をだはらから熱海あたみまでの人車鐵道じんしやてつだうこの喇叭がある。不愉快ふゆくわい千萬なこの交通機關かうつうきくわんこの鳴物なりものいてるけで如何どうきようたすけてるとはかね自分じぶんおもつてたところである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
つぎたのはおほくの賓客まらうどで、大抵たいてい王樣わうさま女王樣ぢよわうさまとで、そのなかあいちやんは白兎しろうさぎるのをりました、それはさもいそがしさうに、氣短きみじがにはなしながら、はれる事々こと/″\わらきようじて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
三度目が愈々いよ/\正念場しやうねんばで、を閉めて暫く待つてゐると、きようにはづんだ狐の脚音がして、尻尾のに触る音が聞えたか聞えぬかに、矢庭やにはを引開けると、後向きに尻尾を振りあげた狐は
神ここに力をわびぬときべにのにほひきようがるめしひの少女をとめ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
きようざめたりな、このくるひ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
御遊ごいうきようをぞ添へられける
しばしのきようにことよせて
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
きようもなきこと
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たびきようある
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
きようきたれば
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なぐさみにとのたまふにぞ、くるしき御伽おんとぎつとむるとおもひつも、いしみ、すなむる心地こゝちして、珍菜ちんさい佳肴かかうあぢはひく、やう/\に伴食しやうばんすれば、幼君えうくんいたきようたま
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
取落せり其の財布の中には命にも替難かへがたき金廿兩入置たれば若何方どなた御拾おひろひ成れし御方あらば何卒御渡し下されよとほろ/\涙をこぼしながら申しける故在合ありあふ人々きよう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
全體ぜんたいたびをしながら何物なにものをもず、ても何等なんら感興かんきようおこさず、おこしてもそれ折角せつかく同伴者つれかたあつさらきようすこともしないなら、はじめから其人そのひとたび面白おもしろみをらないのだ
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
果ては、自分はきように堪へかねて、常々暗誦あんしようして居る長恨歌ちやうごんかを極めて声低くぎんじ始めた。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
数言すげんきようきて、遠寺ゑんじかね一五六五更を告ぐる。夜すでけぬ。わかれを給ふべし。こよひの長談ながものがたりまことに君がねむりをさまたぐと、ちてゆくやうなりしが、かき消して見えずなりにけり。
彼等かれらいたゞいて裝飾さうしよくそのひかりれゝばことごとるやうにはつきりとしろした。ほとんど疲勞ひらうといふことをかんじないであらうかとあやしまれる彼等かれら益々ます/\きようじようじてすこ亂雜らんざつけた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
良人をつと今宵こよひかへりのおそくおはしますよ、はやねぶりしにかへらせたまはゞきようなくやおぼさん、大路おほぢしもつきこほりてあしいかにつめたからん、炬燵こたつもいとよし、さけもあたゝめんばかりなるを
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
で取りかゝりからもう熱がめる、きようが無くなる、しんから嫌氣いやけして了ツた。然うなると、幾ら努力したと謂ツて、あがいたと謂ツて、何のやくにも立ちはしない。で、たゞ狼狽する、えうするに意氣鎖沈せうちんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
きようざめたりな、このくるひ
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
素より成道じやうだうきようにあらず
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
取寄とりよせ芝居者しばゐもの淨瑠璃語じやうるりかた三絃彈さみせんひきなど入込いりこま皆々みな/\得意とくいの藝をあらはたはぶきようじけり茲にまた杉森すぎのもり新道しんみち孫右衞門店まごゑもんたな横山玄柳よこやまげんりういふ按摩あんまあり是はわけて白子屋へ入浸いりひた何樣なにさま白子屋一けん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
籠中かごのなかひとこゑふるはし、「おひとわるい、かゝ難儀なんぎきようがりてなぶりたまふは何事なにごとぞ。きみ御心おんこゝろはいかならむ、まこと心細こゝろぼそくなりさふらふ」と年效としがひもなくなみだながす、御傍おそば面々めん/\笑止せうしおも
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さうするとものはそれをきようあることにがや/\とはやてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
今ぞきようあり、怨みある
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
お村もすこしくなる口なるに、其夜そのよは心さわやぎ、きようまた深かりければ、飲過のみすごしていたひぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのすもゝはなはなすもゝころ二階にかい一室いつしつ四疊半よでふはんだから、せまえんにも、段子はしごうへだんにまで居餘ゐあまつて、わたしたち八人はちにん先生せんせいはせて九人くにん一夕いつせき俳句はいくくわいのあつたとききようじようじて、先生せんせい
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、おなしたさきれた、とおもふとしぼつてづるのやうななみだとゝもに、ほろり、とさいちた。たなごゝろわするゝばかりこゝろめて握占にぎりしめたときはなうづまくやうに製作せいさくきよういた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二世にせおろ三世さんぜまでもとおも雪枝ゆきえも、言葉ことばあらそひをきようがつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)