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歩
>
ほ
ふりがな文庫
“
歩
(
ほ
)” の例文
只
一四二
烈婦
(
さかしめ
)
のみ
主
(
ぬし
)
が秋を
約
(
ちか
)
ひ給ふを守りて、家を出で給はず。翁も又
一四三
足
(
あし
)
蹇
(
なへ
)
ぎて百
歩
(
ほ
)
を
難
(
かた
)
しとすれば、深く
閉
(
た
)
てこもりて出でず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
みな、生きてかえる
戦
(
いくさ
)
とは思わないので、張りつめた
面色
(
めんしょく
)
である。決死のひとみ、ものいわぬ口を、かたくむすんで、
粛々
(
しゅくしゅく
)
、
歩
(
ほ
)
をそろえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
急に
歩
(
ほ
)
を速めて、駅の出口に向つた。が、もうその時は、鬼頭のことは頭になかつた。さういふ気易さで、明るい街を見た。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
ニールスは、すぐさま身をふりはなして、二
歩
(
ほ
)
ほどうしろへさがりました。そして、ナイフをさやから引きぬいて、目の前につきだしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「
少
(
すこ
)
し
歩
(
ある
)
かないか」と代助が
誘
(
さそ
)
つた。平岡も
口
(
くち
)
程
忙
(
いそ
)
がしくはないと見えて、
生返事
(
なまへんじ
)
をしながら、一所に
歩
(
ほ
)
を
運
(
はこ
)
んで
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
彼
(
かれ
)
は
冬
(
ふゆ
)
になつてまた
起
(
おこ
)
りかけた
僂痲質斯
(
レウマチス
)
を
恐
(
おそ
)
れて
極
(
きは
)
めてそろ/\と
歩
(
ほ
)
を
運
(
はこ
)
んだ。
利根川
(
とねがは
)
を
渡
(
わた
)
つてからは
枯木
(
かれき
)
の
林
(
はやし
)
は
索寞
(
さくばく
)
として
連續
(
れんぞく
)
しつゝ
彼
(
かれ
)
を
呑
(
の
)
んだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
指揮刀
(
しきたう
)
の
鞘
(
さや
)
の
銀色
(
ぎんいろ
)
を
闇
(
やみ
)
の
中
(
なか
)
に
閃
(
ひらめ
)
かしてゐる
小隊長
(
せうたいちやう
)
の
大島少尉
(
おほしませうゐ
)
さへよろけながら
歩
(
ある
)
いてゐるのが、五六
歩
(
ほ
)
先
(
さき
)
に
見
(
み
)
えた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
男気
(
おとこけ
)
のない
奥庭
(
おくにわ
)
に、
次第
(
しだい
)
に
数
(
かず
)
を
増
(
ま
)
した
女中達
(
じょちゅうたち
)
は、お
蓮
(
れん
)
の
姿
(
すがた
)
を
見失
(
みうしな
)
っては一
大事
(
だいじ
)
と
思
(
おも
)
ったのであろう。
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きもおしなべて、
庭
(
にわ
)
の
木戸
(
きど
)
へと
歩
(
ほ
)
を
乱
(
みだ
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
開
(
ひら
)
けたる所は
月光
(
げつくわう
)
水
(
みづ
)
の如く流れ、
樹下
(
じゆか
)
は
月光
(
げつくわう
)
青
(
あを
)
き雨の如くに漏りぬ。
歩
(
ほ
)
を
返
(
か
)
へして、木蔭を
過
(
す
)
ぐるに、
灯火
(
ともしび
)
のかげ
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
を
漏
(
も
)
れて、人の
夜涼
(
やれう
)
に
語
(
かた
)
るあり。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
博士は驚いて戸口の方へ
歩
(
ほ
)
を
搬
(
はこ
)
んだ。扉に手をかけようとすると
扉
(
ドア
)
の方でひとりでパッと開いた。——その向こうには、助手の理学士の
土色
(
つちいろ
)
の顔があった。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
垣根
(
かきね
)
の
近邊
(
ほとり
)
たちはなれて、
見返
(
みかへ
)
りもせず二三
歩
(
ほ
)
すゝめば
遣水
(
やりみづ
)
の
流
(
な
)
がれおと
清
(
きよ
)
し、
心
(
こゝろ
)
こゝに
定
(
さだ
)
まつて
思
(
おも
)
へば
昨日
(
きのふ
)
の
我
(
わ
)
れ、
彷彿
(
はうふつ
)
として
何故
(
なにゆ
)
ゑに
物
(
もの
)
おもひつる
身
(
み
)
ぞ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
時
(
とき
)
に
柳川君
(
やながはくん
)
、
君
(
きみ
)
は
當分
(
たうぶん
)
此
(
この
)
港
(
みなと
)
に
御滯在
(
おとまり
)
でせうねえ、それから、
西班牙
(
イスパニヤ
)
の
方
(
はう
)
へでもお
廻
(
まは
)
りですか、それとも、
更
(
さら
)
に
歩
(
ほ
)
を
進
(
すゝ
)
めて、
亞弗利加
(
アフリカ
)
探險
(
たんけん
)
とでもお
出掛
(
でか
)
けですか。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
雪中を
歩
(
ほ
)
する人
陰嚢
(
いんのう
)
を
綿
(
わた
)
にてつゝむ事をす、しかせざれば
陰嚢
(
いんのう
)
まづ
凍
(
こほり
)
て
精気
(
せいき
)
尽
(
つく
)
る也。又
凍死
(
こゞえしゝ
)
たるを
湯火
(
たうくわ
)
をもつて
温
(
あたゝむ
)
れば
助
(
たすか
)
る事あれども
武火
(
つよきひ
)
熱湯
(
あつきゆ
)
を
用
(
もち
)
ふべからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
朝
(
あさ
)
須原峠の
嶮
(
けん
)
を
登
(
のぼ
)
る、
偶々
(
たま/\
)
行者三人の
来
(
きた
)
るに
逢
(
あ
)
ふ、身には幾日か
風雨
(
ふうう
)
に
晒
(
さら
)
されて
汚
(
けが
)
れたる白衣を
着
(
ちやく
)
し、
肩
(
かた
)
には
長
(
なが
)
き
珠数
(
じゆづ
)
を
懸垂
(
けんすゐ
)
し、三個の
鈴声
(
れいせい
)
歩
(
ほ
)
に従ふて
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
扨
(
さて
)
今朝
(
こんちょう
)
、此の辺からは煙も見えず、音も聞えぬ、新
停車場
(
ステエション
)
で
唯
(
ただ
)
一
人
(
にん
)
下
(
お
)
り立つて、
朝霧
(
あさぎり
)
の
濃
(
こま
)
やかな
野中
(
のなか
)
を
歩
(
ほ
)
して、雨になつた
午
(
ご
)
の
時
(
とき
)
過ぎ、
媼
(
おうな
)
の
住居
(
すまい
)
に
駈
(
か
)
け込んだまで
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
況
(
いわ
)
んや、更に研究の
歩
(
ほ
)
を進めて一旦死んだ身体に人工心臓を装置して、生命を取り戻すことが出来るようになるならば、家兎も、心から感謝してくれるだろうと思いました。
人工心臓
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
尾生はやや待遠しそうに水際まで
歩
(
ほ
)
を移して、舟
一艘
(
いっそう
)
通らない静な川筋を眺めまわした。
尾生の信
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女に
聖力
(
みちから
)
を注ぎて、
爾
(
なんぢ
)
の
聖旨
(
みむね
)
を地に成さしめ給へ、篠田は
歩
(
ほ
)
を転じて表の
方
(
かた
)
に出でぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
故に教育の目的は
如何
(
いか
)
に深淵なる学理の攻究研鑽を積むも、常識圏外に逸する事なく、研学の
歩
(
ほ
)
を進むると同時に、活社会を離れず、いわゆる世と
推移
(
おしうつ
)
り時世の進歩傾向を知ると共に
教育の最大目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
野菊、夏菊、月見草、足にかかる早露を踏みしだいて、二人は黙って
歩
(
ほ
)
を拾った。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そこは学校の垣根である、
歩
(
ほ
)
一歩
(
いっぽ
)
に詰められた生蕃は後ろを垣にさえぎられた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
さう同情して思ふから、一層この
後
(
のち
)
があの人のためにも自分のためにも心配でならないと、こんな事を思つて居る鏡子は
俯向
(
うつむ
)
き勝ちに
歩
(
ほ
)
を運んで居た。
何時
(
いつ
)
の間にか回生病院の前へ出た。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
やがて、
歩
(
ほ
)
一歩、近づくに随って、そのものの形態がハッキリと分って来た。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして、その無言の影二つは、
歩
(
ほ
)
一
歩
(
ぽ
)
、川なかのうへへ近づくのである。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
寿司においては、いちはやく男女同権の世界に
歩
(
ほ
)
を進めたようだ。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
歩
(
ほ
)
を
停
(
とゞ
)
めて、力量と堪忍とを楯に直立して、各方面を眺めたり。
頌歌
(旧字旧仮名)
/
ポール・クローデル
(著)
うちはずみにほふ青みや兵ふたり
歩
(
ほ
)
のそろひをり田に映るかげ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
味
(
あぢ
)
も
素氣
(
そつけ
)
もないことを
云
(
い
)
ツて、二人は
又
(
また
)
黙
(
だま
)
ツて
歩
(
ほ
)
を
續
(
つづ
)
ける。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
歩
(
ほ
)
はばは三
百
(
びやく
)
六
十尺
(
じうしやく
)
。
月夜のでんしんばしらの軍歌
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ある小春の穏かな日の二時頃であったが、吾輩は
昼飯後
(
ちゅうはんご
)
快よく一睡した
後
(
のち
)
、運動かたがたこの茶園へと
歩
(
ほ
)
を運ばした。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
客來
(
きやくらい
)
にやあらん
折
(
をり
)
わろかりと
歩
(
ほ
)
を
返
(
かへ
)
せしが、さりとも
此處
(
こゝ
)
まで
來
(
き
)
しものを
此
(
この
)
まま
歸
(
かへ
)
るも
無益
(
むやく
)
しゝと、
庭
(
には
)
より
廻
(
め
)
ぐりて
椽
(
ゑん
)
に
上
(
あが
)
れば、
客間
(
きやくま
)
めきたる
所
(
ところ
)
に
話
(
はな
)
し
聲
(
ごゑ
)
す
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
木々のあいだを
縫
(
ぬ
)
っていく、
松明
(
たいまつ
)
のあかい光について
伊那丸
(
いなまる
)
も
忍剣
(
にんけん
)
も
滝壺
(
たきつぼ
)
のほとりへ向かって
歩
(
ほ
)
をはやめる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月より流るゝ
風
(
かぜ
)
梢
(
こずえ
)
をわたる
毎
(
ごと
)
に、一庭の
月光
(
げつくわう
)
と
樹影
(
じゆえい
)
と
相抱
(
あひいだ
)
いて
跳
(
おど
)
り、
白
(
はく
)
揺
(
ゆ
)
らぎ
黒
(
こく
)
さゞめきて、
其中
(
そのなか
)
を
歩
(
ほ
)
するの
身
(
み
)
は、
是
(
こ
)
れ
無熱池
(
むねつち
)
の
藻
(
も
)
の
間
(
ま
)
に
遊
(
あそ
)
ぶの
魚
(
うを
)
にあらざるかを
疑
(
うたが
)
ふ。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
かく言い
懸
(
か
)
けて振り返りぬ。巡査はこのとき
囁
(
ささや
)
く声をも聞くべき距離に着々として
歩
(
ほ
)
しおれり。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
従来此深山に
分
(
わ
)
け
入
(
い
)
りて人命を
失
(
うしな
)
ひしもの
既
(
すで
)
に十余名、
到底
(
とうてい
)
深入
(
しんにふ
)
することを
得
(
え
)
ず
古
(
いにしへ
)
より山中に
恐
(
おそ
)
ろしき
鬼婆
(
をにばば
)
ありて人を
殺
(
ころ
)
して之を
食
(
くら
)
ふ、
然
(
しか
)
らざるも人一たひ
歩
(
ほ
)
を此深山に
入
(
い
)
るれは
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
かく
氣
(
き
)
の
沈
(
しづ
)
んで
居
(
を
)
る
時
(
とき
)
には、
賑
(
にぎ
)
はしき
光景
(
くわうけい
)
にても
眺
(
なが
)
めなば、
幾分
(
いくぶん
)
か
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
むる
因
(
よすが
)
ともならんと
考
(
かんが
)
へたので、
私
(
わたくし
)
は
兩人
(
ふたり
)
を
引連
(
ひきつ
)
れて、
此時
(
このとき
)
一
番
(
ばん
)
に
賑
(
にぎ
)
はしく
見
(
み
)
えた
船首
(
せんしゆ
)
の
方
(
かた
)
へ
歩
(
ほ
)
を
移
(
うつ
)
した。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いづれか我が住みし家ぞと立ち
惑
(
まど
)
ふに、ここ
八〇
二十
歩
(
ほ
)
ばかりを去りて、
雷
(
らい
)
に
摧
(
くだ
)
かれし松の
聳
(
そび
)
えて立てるが、雲
間
(
ま
)
の星のひかりに見えたるを、げに
八一
我が軒の
標
(
しるし
)
こそ見えつると
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「世に処するには一歩を
譲
(
ゆず
)
るを高しとなす、
歩
(
ほ
)
を
退
(
しりぞ
)
くるは即ち歩を進むるの
張本
(
ちょうほん
)
」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
●そも/\
茲谷
(
このたに
)
は山桜多かりしゆゑ桜谷とよびけるを、地火あるをもつて四方四五十
歩
(
ほ
)
(六尺を歩といふ)をひらきて
平坦
(
たひら
)
の地となし、地火を
借
(
か
)
りて
浴室
(
よくしつ
)
となし、人の遊ぶ所とせしとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「たんと
穫
(
と
)
れべえなこんぢや、
幹
(
から
)
ばかしでもたえした
出來
(
でき
)
だな」といつて
勘次
(
かんじ
)
に
近
(
ちか
)
く
歩
(
ほ
)
を
運
(
はこ
)
んだ。
勘次
(
かんじ
)
は
庭先
(
にはさき
)
の
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
の
陰
(
かげ
)
へ
二
(
ふた
)
つの
臼
(
うす
)
を
横
(
よこ
)
に
轉
(
ころ
)
がしておつぎと
二人
(
ふたり
)
で
夏蕎麥
(
なつそば
)
を
打
(
う
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
そして、たがいにしっかりとだきあって、一、二
歩
(
ほ
)
あとへさがりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
軽い溜息をついて、二三歩狭い司令塔の中に
歩
(
ほ
)
を移しました。
太平洋雷撃戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
うちはずみにほふ青みや兵ふたり
歩
(
ほ
)
のそろひをり田に映るかげ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
思い出したように、
歩
(
ほ
)
をとめた泰軒が
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
兄さんは自分が鋭敏なだけに、自分のこうと思った針金のように
際
(
きわ
)
どい線の上を渡って生活の
歩
(
ほ
)
を進めて行きます。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると、かれより六、七
歩
(
ほ
)
まえを、だれやら、しずかに、ピタピタと足をはこんでいく者がある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
指す
方
(
かた
)
もあらでありくともなく
歩
(
ほ
)
をうつすに、
頭
(
かしら
)
ふらふらと足の
重
(
おも
)
たくて
行悩
(
ゆきなや
)
む、前に
行
(
ゆ
)
くも、後ろに帰るも皆
見知越
(
みしりごし
)
のものなれど、
誰
(
たれ
)
も取りあはむとはせで
往
(
ゆ
)
きつ
来
(
きた
)
りつす。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
●そも/\
茲谷
(
このたに
)
は山桜多かりしゆゑ桜谷とよびけるを、地火あるをもつて四方四五十
歩
(
ほ
)
(六尺を歩といふ)をひらきて
平坦
(
たひら
)
の地となし、地火を
借
(
か
)
りて
浴室
(
よくしつ
)
となし、人の遊ぶ所とせしとぞ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
おつぎの
姿
(
すがた
)
が五六
人
(
にん
)
立
(
た
)
つた
中
(
なか
)
に
見
(
み
)
えなく
成
(
な
)
つた
時
(
とき
)
勘次
(
かんじ
)
は
商人
(
あきんど
)
の
筵
(
むしろ
)
を
立
(
た
)
つてすつと
樅
(
もみ
)
の
木
(
き
)
の
側
(
そば
)
へ
行
(
い
)
つた。おつぎは一二
歩
(
ほ
)
位置
(
ゐち
)
を
變
(
か
)
へた
丈
(
だけ
)
であつたので、
彼
(
かれ
)
は
直
(
すぐ
)
におつぎの
白
(
しろ
)
い
姿
(
すがた
)
と
相
(
あひ
)
接
(
せつ
)
して
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
七面鳥照りゆるぎつつ
歩
(
ほ
)
は遅し尾羽響き鳴るひと足ごとに
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
“歩”を含む語句
歩行
徒歩
行歩
歩廊
漫歩
散歩
歩調
御歩行
一歩
進歩
反歩
急歩
歩出
濶歩
歩哨
歩合
出歩行
十歩
速歩
歩板
...