“行悩”の読み方と例文
旧字:行惱
読み方割合
ゆきなや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たださえ行悩ゆきなやむのに、秋暑しという言葉は、残暑のきびしさより身にこたえる。また汗の目に、野山の赤いまで暑かった。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伊賀いが上野うえのは旧藤堂とうどう侯の領分だが藩政の頃犯状はんじょうあきらかならず、去迚さりとて放還ほうかんも為し難き、俗に行悩ゆきなやみの咎人とがにんある時は、本城ほんじょう伊勢いせ安濃津あのつ差送さしおくるとごう
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
猟夫かりゅうど樵夫きこりの荒くれ男ですらこれを魔所と唱えて、昼も行悩ゆきなや三方崩さんぽうくずれの悪所絶所を、女の弱い足で夜中に越そうと云うのは、余りに無謀で大胆であった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)