“三方崩”の読み方と例文
読み方割合
さんぽうくず100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
猟夫かりゅうど樵夫きこりの荒くれ男ですらこれを魔所と唱えて、昼も行悩ゆきなや三方崩さんぽうくずれの悪所絶所を、女の弱い足で夜中に越そうと云うのは、余りに無謀で大胆であった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
更に山の方を振返ふりかえって見ると、三方崩さんぽうくずれの彼方あなたから不思議な形の黒雲くろくも勃々むくむくと湧き出して来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
天正十三年、所謂いわゆる「飛騨の三方崩さんぽうくずれ」という怖るべき大地震が、ここら一帯の地形を一変して、ふもと近いみちにまでつるぎなす岩石が突出とっしゅつした。其中そのなかには怒れる人の顔のような真蒼な岩もあった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)