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対
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たい
ふりがな文庫
“
対
(
たい
)” の例文
旧字:
對
夏
(
なつ
)
になると、
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
雲
(
くも
)
が
屋根
(
やね
)
の
上
(
うえ
)
を
流
(
なが
)
れました。
女
(
おんな
)
は、ときどき、それらのうつりかわる
自然
(
しぜん
)
に
対
(
たい
)
して、ぼんやりながめましたが
ちょうと三つの石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と言って、それから特に小さい者だけが来るようにと東の
対
(
たい
)
のほうへ童女を呼びにやった。しばらくして愛らしい姿の子が四人来た。
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
印南は嘗て蘭軒に
猪牙
(
ちよき
)
舟の
対
(
たい
)
を求められて、
直
(
たゞち
)
に蛇目傘と答へたと蘭軒雑記に見えてゐるから、必ずや詩をも善くしたことであらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しかし
段々
(
だんだん
)
と
落着
(
おちつ
)
くに
随
(
したが
)
って、さすがにミハイル、アウエリヤヌイチに
対
(
たい
)
しては
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
で、
定
(
さだ
)
めし
恥入
(
はじい
)
っていることだろうと
思
(
おも
)
えば。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
さう
泊
(
とまり
)
が知れて見ると急ぐにも当らんから、どうだね、一ゲエム。君はこの頃風早と
対
(
たい
)
に成つたさうだが、長足の進歩ぢやないか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
花前は主人に
対
(
たい
)
しても、ただ
例
(
れい
)
のごとくちょっと頭をさげたばかりである。かえって主人のほうからしたしくことばをかけた。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そうほうの
仲
(
なか
)
に
板挟
(
いたばさ
)
みとなって、ややしばらく、
腕
(
うで
)
をくんでしまったが、やがて、
大久保
(
おおくぼ
)
がたの者と
忍剣
(
にんけん
)
たちの
両方
(
りょうほう
)
へ
対
(
たい
)
して
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
越後の西北は
大洋
(
おほうみ
)
に
対
(
たい
)
して
高山
(
かうざん
)
なし。東南は
連山
(
れんざん
)
巍々
(
ぎゝ
)
として越中上信奥羽の五か国に
跨
(
またが
)
り、
重岳
(
ちようがく
)
高嶺
(
かうれい
)
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べて
数
(
す
)
十里をなすゆゑ大小の
獣
(
けもの
)
甚
(
はなはだ
)
多
(
おほ
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
現世的
(
げんせてき
)
執着
(
しゅうじゃく
)
の
中
(
なか
)
で、
私
(
わたくし
)
にとりて、
何
(
なに
)
よりも
断
(
た
)
ち
切
(
き
)
るのに
骨
(
ほね
)
が
折
(
お
)
れましたのは、
前
(
まえ
)
申
(
もう
)
すとおり
矢張
(
やは
)
り、
血
(
ち
)
を
分
(
わ
)
けた
両親
(
りょうしん
)
に
対
(
たい
)
する
恩愛
(
おんあい
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
堪
(
こら
)
へよ、
暫時
(
しばし
)
、
製作
(
せいさく
)
に
骨
(
ほね
)
を
削
(
けづ
)
り、
血
(
ち
)
を
灌
(
そゝ
)
いで、…
其
(
そ
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
償
(
つくな
)
はう、と
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
に
対
(
たい
)
して、
瞑目
(
めいもく
)
し、
振返
(
ふりかへ
)
つて、
天守
(
てんしゆ
)
の
空
(
そら
)
に
高
(
たか
)
く
両手
(
りやうて
)
を
翳
(
かざ
)
して
誓
(
ちか
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ソログーブは
幼
(
おさな
)
い
時
(
とき
)
から
母
(
はは
)
の
奉公先
(
ほうこうさき
)
の
邸
(
やしき
)
で、
音楽
(
おんがく
)
や
演劇
(
えんげき
)
などに
親
(
した
)
しむ
機会
(
きかい
)
を
持
(
も
)
ち、
読書
(
どくしょ
)
に
対
(
たい
)
する
深
(
ふか
)
い
趣味
(
しゅみ
)
を
養
(
やしな
)
われた。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
裂
(
さ
)
き
捨
(
す
)
てられる
立禁
(
たちきん
)
の
札
(
ふだ
)
。
馘首
(
かくしゆ
)
に
対
(
たい
)
する
大衆抗議
(
たいしうこうぎ
)
。
全市
(
ぜんし
)
を
揺
(
ゆる
)
がすゼネストの
叫
(
さけ
)
び。
雪崩
(
なだ
)
れを
打
(
う
)
つ
反
(
はん
)
×
(15)
のデモ。
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
かの女の子の五つばかりなる、本院の西の
対
(
たい
)
に遊び
歩
(
あり
)
きけるを呼び寄せて、母に見せ奉れとて
腕
(
かひな
)
に書きつけ侍りける。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ええ、平らです、けれどもここの平らかさはけわしさに
対
(
たい
)
する平らさです。ほんとうの平らさではありません。」
マグノリアの木
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
西
(
にし
)
の
対
(
たい
)
あたりから、それに
雑
(
まじ
)
って、つい今しがた少女の習い出したらしい琴の幼い調べが途絶えがちに聴えて来る。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
六の宮へ行つて見ると、昔あつた
四足
(
よつあし
)
の門も、
檜皮葺
(
ひはだぶ
)
きの寝殿や
対
(
たい
)
も、
悉
(
ことごとく
)
今はなくなつてゐた。その中に唯残つてゐるのは、崩れ残りの
築土
(
ついぢ
)
だけだつた。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
話
(
はなし
)
は
段々
(
だん/\
)
進
(
すゝ
)
んだ。
私
(
わたし
)
の
詰問
(
きつもん
)
に
対
(
たい
)
して、
妻
(
つま
)
は一と
通
(
とほり
)
の
弁解
(
べんかい
)
をしてから、
其
(
それ
)
は
恋
(
こひ
)
と
云
(
い
)
ふほどでは
無
(
なか
)
つたと
説明
(
せつめい
)
する。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
一
我等
(
われら
)
今度
(
こんど
)
下向候処
(
げこうそろところ
)
其方
(
そのほう
)
に
対
(
たい
)
し
不束之筋有之
(
ふつつかのすじこれあり
)
馬附之荷物積所
(
うまつけのにもつつみしょ
)
出来申候
(
しゅったいもうしそろ
)
に
付
(
つき
)
逸々
(
はやばや
)
談志之旨
(
だんしのむね
)
尤之次第
(
もっとものしだい
)
大
(
おお
)
きに
及迷惑申候
(
めいわくをおよぼしもうしそろ
)
依
(
よっ
)
て
御本陣衆
(
ごほんじんしゅう
)
を
以
(
もって
)
詫入
(
わびいり
)
酒代
(
さかて
)
差出申候
(
さしだしもうしそろ
)
仍而件如
(
よってくだんのごとし
)
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何れも
平紋
(
ひょうもん
)
の
狩衣
(
かりぎぬ
)
に帯剣、お経の施物、
御剣
(
ぎょけん
)
、
御衣
(
ぎょい
)
を捧げ持ち、次々に東の
対
(
たい
)
より南庭を渡り、西の中門へ静かに出て行くさまは、まことに壮厳で美しかった。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「
寂寞
(
じやくまく
)
の
罌粟花
(
けし
)
を散らすや
頻
(
しきり
)
なり。人の記念に
対
(
たい
)
しては、永劫に
価
(
あたひ
)
すると否とを問ふ事なし」といふ句が
眼
(
め
)
に
付
(
つ
)
いた。先生は安心して柔術の学士と談話をつゞける。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
要吉は、そんなことを思いだすと、みすみすすてるもんだとは思いながらも、
貧乏
(
びんぼう
)
なおばあさんや子どもに
対
(
たい
)
しても、みかんひとつまけてやることができませんでした。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
そして
小父
(
おじ
)
のゴットフリートに
対
(
たい
)
して、しみじみと
愛情
(
あいじょう
)
を
覚
(
おぼ
)
えた。もう今は、すべての人のうちで、ゴットフリートがいちばんよく、いちばん
賢
(
かしこ
)
く、いちばん
立派
(
りっぱ
)
に思われた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
義一を外へ呼出そうか、みんなのいないところで、義一と
対
(
たい
)
でやってみようかとも思った。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
多分はオカタに大を
冠
(
かぶ
)
せたもので、田舎武士が郷里から携えてきた語だとしても、京都語の北の
方
(
かた
)
や東の
対
(
たい
)
などと別のものでなく、起こりは御前の「前」も同然の「
御方
(
おかた
)
」で
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
平凡な読みては、自分とその対象を
相
(
あ
)
い
対
(
たい
)
にしておいたままで、ちょいちょい本へ出入りして、わずかのものを運び出して来て自分の袋へつめこんで自分は元のところにいるのね。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
筒井は
赧
(
あか
)
くなってうつ向いた。梅の
梢
(
こずえ
)
にきょうの夕陽はひとしきり華やいで間もなく、日ぐれがいきなりやって来て暗くなるのであろう、西、東の
対
(
たい
)
にはや
灯火
(
ともしび
)
がともれはじめた。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それは、さっきの
鳥
(
とり
)
の
名
(
な
)
も
知
(
し
)
らなければ、どこへ
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
ったのかも
知
(
し
)
りませんでしたけれど、
生
(
うま
)
れてから
今
(
いま
)
までに
会
(
あ
)
ったどの
鳥
(
とり
)
に
対
(
たい
)
しても
感
(
かん
)
じた
事
(
こと
)
のない
気持
(
きもち
)
を
感
(
かん
)
じさせられたのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
長官は
驚
(
おどろ
)
いて家の中を
捜索
(
そうさく
)
した。すると、例の
血痕
(
けっこん
)
が北の
対
(
たい
)
(
離
(
はな
)
れ
座敷
(
ざしき
)
)の車宿(車を入れておく建物)にこぼれているのが分った。北の対と云えば、官邸に使われている女中達の宿である。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
一人前に
対
(
たい
)
してかくのごとき標準を
設
(
もう
)
けたのは何より起こったのであるか。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
庭
(
にわ
)
の
金魚鉢
(
きんぎょばち
)
に、
何
(
なに
)
かかくしていると
気
(
き
)
がついてからは、
近所
(
きんじょ
)
からも
爪
(
つま
)
はじきされている
老人
(
ろうじん
)
に
対
(
たい
)
し、ことさら
親切
(
しんせつ
)
にしてやつて、そのかくしているものが
何
(
なに
)
かということを
知
(
し
)
るのに
努
(
つと
)
めたのでした。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
対
レ
君不
レ
酔作麼生 君と
対
(
たい
)
して
酔
(
よ
)
わずんば
作麼生
(
いかん
)
せん〕
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
帆村探偵
(
ほむらたんてい
)
対
(
たい
)
狼
(
ウルフ
)
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
はじめの二、三
日
(
にち
)
は、その
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
に
対
(
たい
)
して、べつに
親
(
した
)
しくしたものもなかったが、また、
悪口
(
わるくち
)
をいうようなものもありませんでした。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは
自分
(
じぶん
)
が二十
年以上
(
ねんいじょう
)
も
勤務
(
つとめ
)
をしていたのに、それに
対
(
たい
)
して
養老金
(
ようろうきん
)
も、一
時金
(
じきん
)
もくれぬことで、
彼
(
かれ
)
はそれを
思
(
おも
)
うと
残念
(
ざんねん
)
であった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
久子は、いちど良人を寝所へ送ってから、いつものように子供らが枕をならべている
対
(
たい
)
ノ
屋
(
や
)
のわが寝間へひきとっていた。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お昼から西の
対
(
たい
)
——
寝殿
(
しんでん
)
の左右にある対の屋の一つ——のお嬢様が来ていらっしって碁を打っていらっしゃるのです」
源氏物語:03 空蝉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
淫慾
(
いんよく
)
も
財慾
(
ざいよく
)
も
慾
(
よく
)
はいづれも身を
亡
(
ほろぼ
)
すの
香餌
(
うまきゑさ
)
也。
至善
(
よき
)
人は路に千金を
視
(
み
)
、
室
(
いへ
)
に
美人
(
びじん
)
と
対
(
たい
)
すれども
心
(
こゝろ
)
妄
(
みだり
)
に
動
(
うごか
)
ざるは、
止
(
とゞま
)
ることを
知
(
し
)
りて
定
(
さだま
)
る事あるゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
お
見舞
(
みまひ
)
の
儀
(
ぎ
)
はお
見合
(
みあ
)
はせ
下
(
くだ
)
されたく、
差繰
(
さしく
)
つて
申
(
まを
)
すやうながら、
唯今
(
たゞいま
)
にもお
出
(
い
)
で
下
(
くだ
)
さる
事
(
こと
)
を
当人
(
たうにん
)
よく
存
(
ぞん
)
じ、
特
(
とく
)
に
貴兄
(
きけい
)
に
対
(
たい
)
しては……と
此
(
こ
)
の
趣
(
おもむき
)
であつた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人間
(
にんげん
)
何
(
なに
)
がつらいと
申
(
もう
)
しても、
親
(
おや
)
と
子
(
こ
)
とが
順序
(
じゅんじょ
)
をかえて
死
(
し
)
ぬるほど、つらいことはないように
思
(
おも
)
われます。
無論
(
むろん
)
私
(
わたくし
)
には
良人
(
おっと
)
に
対
(
たい
)
する
執着
(
しゅうじゃく
)
もございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
姫君は寂しい屋形の
対
(
たい
)
に、やはり昔と少しも変らず、琴を引いたり歌を
詠
(
よ
)
んだり、単調な遊びを繰返してゐた。
六の宮の姫君
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その自分に
対
(
たい
)
して、
去年
(
きょねん
)
会
(
お
)
うたときには、
某牛舎
(
ぼうぎゅうしゃ
)
に
寝
(
ね
)
ておって、うん
安藤
(
あんどう
)
かといったきり、おきもしなかった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
若
(
わか
)
い
女性
(
ぢよせい
)
に
対
(
たい
)
して、
純
(
じゆん
)
な
感情
(
かんじやう
)
ももつてゐたから、
誘惑
(
いうわく
)
と
言
(
い
)
ふのは
当
(
あた
)
らないかも
知
(
し
)
れなかつたけれど、
色々
(
いろ/\
)
の
条件
(
でうけん
)
と、
同棲生活
(
どうせいせいくわつ
)
の
結果
(
けつくわ
)
から
見
(
み
)
ると、
彼
(
かれ
)
の
本能
(
ほんのう
)
が
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
なかば傾いた
西
(
にし
)
の
対
(
たい
)
の端に、わずかに雨露をしのぎながら、女はそれでもじっと何物かを待ち続けていた。
曠野
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
それは少年少女
期
(
き
)
の
終
(
おわ
)
りごろから、アドレッセンス
中葉
(
ちゅうよう
)
に
対
(
たい
)
する一つの文学としての
形式
(
けいしき
)
をとっている。
『注文の多い料理店』新刊案内
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
是は
嫂
(
あによめ
)
の質問と同様であるが、代助は
梅子
(
うめこ
)
に
対
(
たい
)
する様に、たゞ
苦笑
(
くしやう
)
ばかりしてはゐられなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
這麼
(
こんな
)
風
(
ふう
)
で
中坂
(
なかさか
)
に
社
(
しや
)
を
設
(
まう
)
けてからは、
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とが
一切
(
いつさい
)
を
処理
(
しより
)
して、
山田
(
やまだ
)
は
毎号
(
まいごう
)
一篇
(
いつぺん
)
の小説を書くばかりで、前のやうに社に
対
(
たい
)
して
密
(
みつ
)
なる
関係
(
くわんけい
)
を持たなかつた、と
云
(
い
)
ふのが
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そう
言
(
い
)
って
子家鴨
(
こあひる
)
の
周
(
まわ
)
りに
集
(
あつ
)
まって
来
(
き
)
ました。
子家鴨
(
こあひる
)
はみんなに
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げ、
出来
(
でき
)
るだけ
恭
(
うやうや
)
しい
様子
(
ようす
)
をしてみせましたが、そう
訊
(
たず
)
ねられた
事
(
こと
)
に
対
(
たい
)
しては
返答
(
へんとう
)
が
出来
(
でき
)
ませんでした。
野鴨達
(
のがもたち
)
は
彼
(
かれ
)
に
向
(
むか
)
って
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
と
語
(
かた
)
つたし、メッキ
工場
(
こうじょう
)
の
中内技師
(
なかうちぎし
)
は、
自宅
(
じたく
)
でその
妻
(
つま
)
に
対
(
たい
)
し
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
ただ
陛下
(
へいか
)
に
対
(
たい
)
し
奉
(
たてまつ
)
る至誠に
免
(
めん
)
じてお許しを願う
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
西の
対
(
たい
)
で二人はしずかに別れた。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
“対”の解説
対(つい、たい)とは、2つ一組で存在するものの場合に、その2つを一組とする見方の元でそれを指していう表現で、それらが対をなすという。
(出典:Wikipedia)
対
常用漢字
小3
部首:⼨
7画
“対”を含む語句
相対
反対
対岸
応対
対手
対向
対照
対面
絶対
対句
対話
対方
正反対
対象
一対
対蹠
対蹠的
対坐
対立
敵対
...