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衰
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おとろ
ふりがな文庫
“
衰
(
おとろ
)” の例文
人間
(
にんげん
)
女房
(
にようぼう
)
の
恋
(
こひ
)
しく
成
(
な
)
るほど、
勇気
(
ゆうき
)
の
衰
(
おとろ
)
へる
事
(
こと
)
はない。それにつけても、それ、その
鞄
(
かばん
)
がいたはしい。
行
(
や
)
つた、
又
(
また
)
ばしやり、ばしやん。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寧
(
むし
)
ろ
相
(
あひ
)
反
(
はん
)
した
放縱
(
はうじう
)
な
日頃
(
ひごろ
)
が
自然
(
しぜん
)
に
精神
(
せいしん
)
にも
肉體
(
にくたい
)
にも
急激
(
にはか
)
な
休養
(
きうやう
)
を
與
(
あた
)
へたので
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
ながら一
時
(
じ
)
はげつそりと
衰
(
おとろ
)
へた
樣
(
やう
)
にも
思
(
おも
)
はれて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
瓜実
(
うりざね
)
顔、富士額、薄い受口、切長の眼、源女に相違ないのであった。ただ思いなしか一年前より、痩せて
衰
(
おとろ
)
えているようであった。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
氣も心も肉體も、やゝ
衰
(
おとろ
)
へかけた主人の半左衞門が何彼につけて、若く美しい女房に引廻されてゐるのもやむを得ないことでした。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
病
(
や
)
むまじき事
也
(
なり
)
衰
(
おとろ
)
ふまじき事
也
(
なり
)
病
(
や
)
み
衰
(
おとろ
)
へたる
小生等
(
せうせいら
)
が骨は、
人知
(
ひとし
)
らぬ
苦
(
く
)
を
以
(
もつ
)
て、
人知
(
ひとし
)
らぬ
楽
(
たのし
)
みと
致候迄
(
いたしそろまで
)
に
次第
(
しだい
)
に
円
(
まる
)
く曲り
行
(
ゆ
)
くものに
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
▼ もっと見る
あれよ/\とみてゐると
水煙
(
みづけむり
)
は
急
(
きゆう
)
に
衰
(
おとろ
)
へ
裂
(
さ
)
け
口
(
くち
)
も
閉
(
と
)
ぢて
噴出
(
ふんしゆつ
)
一時
(
いちじ
)
に
止
(
と
)
まつてしまつたが、
僅
(
わづか
)
に
五六秒位
(
ごろくびようくらゐ
)
經過
(
けいか
)
した
後
(
のち
)
再
(
ふたゝ
)
び
噴
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
し
始
(
はじ
)
めた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
すでに雨は止み、波頭も低まって、その轟きがいくぶん
衰
(
おとろ
)
えたように思われたが、闇はその頃になるとひとしおの濃さを加えた。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
おかあさんはその
夕方
(
ゆうがた
)
、
姫
(
ひい
)
さんをそっとまくら
元
(
もと
)
に
呼
(
よ
)
び
寄
(
よ
)
せて、やせ
衰
(
おとろ
)
えた手で、
姫
(
ひい
)
さんのふさふさした
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をさすりながら
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そして、こういたわると、
年
(
とし
)
とったがんは、
若
(
わか
)
いものにみずからの
力
(
ちから
)
の
衰
(
おとろ
)
えと、
弱気
(
よわき
)
を
見
(
み
)
せまいと
努力
(
どりょく
)
に
努力
(
どりょく
)
をつづけて
飛
(
と
)
んでいました。
がん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
なさけない……
何
(
なに
)
が
何
(
なに
)
やら
自分
(
じぶん
)
にもけじめのない、さまざまの
妄念
(
もうねん
)
妄想
(
もうそう
)
が、
暴風雨
(
あらし
)
のように
私
(
わたくし
)
の
衰
(
おとろ
)
えた
躰
(
からだ
)
の
内
(
うち
)
をかけめぐって
居
(
い
)
るのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
モン長 なう、
情
(
なさけ
)
なや、
我君
(
わがきみ
)
!
我子
(
わがこ
)
の
追放
(
つゐはう
)
を
歎悲
(
なげき
)
の
餘
(
あま
)
りに
衰
(
おとろ
)
へて、
妻
(
つま
)
は
昨夜
(
やぜん
)
相果
(
あひはて
)
ました。
尚
(
なほ
)
此上
(
このうへ
)
にも
老人
(
らうじん
)
をさいなむは
如何
(
いか
)
なる
不幸
(
ふかう
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
一心の芸術は、こうも人の
精血
(
せいけつ
)
を吸ってしまうものだろうか。僅かな間に、久米一の
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えたことは非常なものであった。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寵愛
(
ちょうあい
)
いよいよ厚きを加えたが、その後
妃
(
きさき
)
の
寵
(
ちょう
)
衰
(
おとろ
)
えたとき、かつて食い残した品を捧げた無礼の
件
(
けん
)
によりて
罰
(
ばっ
)
せられたという。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そうして身体は
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えるばかりで、非常に電波に妨害されて居ります。先生のお力を以てこの電波を止めて戴きたい
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
火山がだんだん
衰
(
おとろ
)
えて、その腹の中まで冷えてしまう。熔岩の棒もかたまってしまう。それから火山は永い間に空気や水のために、だんだん
崩
(
くず
)
れる。
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
この篇の稿
成
(
な
)
るや、先生一本を写し、これを
懐
(
ふところ
)
にして翁を
本所
(
ほんじょ
)
の宅に
訪
(
おとな
)
いしに、翁は老病の
余
(
よ
)
、視力も
衰
(
おとろ
)
え物を
視
(
み
)
るにすこぶる困難の様子なりしかば
瘠我慢の説:01 序
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
「ジョン爺さんと、その
内儀
(
かみ
)
さんとで、その他には誰もお入れにはならないのです。あの方の健康はもうすつかり
衰
(
おとろ
)
へておしまひになつたさうです。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
親の
代
(
よ
)
に至りて
家道
(
かどう
)
俄
(
にわか
)
に
衰
(
おとろ
)
え、婦人は当地の慣習とて、ある紳士の外妾となりしに、その紳士は太く短こう世を渡らんと心掛くる強盗の
兇漢
(
きょうかん
)
なりしかば
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
他日幕府の政權を
還
(
かへ
)
せる、其事實に公の
呈書
(
ていしよ
)
に
本
(
もと
)
づけり。當時
幕府
(
ばくふ
)
既に
衰
(
おとろ
)
へたりと雖、
威權
(
ゐけん
)
未だ地に
墜
(
お
)
ちず。公
抗論
(
かうろん
)
して
忌
(
い
)
まず、獨立の見ありと謂ふべし。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
始めとして
到処
(
いたるところ
)
西洋まがいの建築物とペンキ塗の看板
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えた
並樹
(
なみき
)
さては処嫌わず無遠慮に突立っている電信柱とまた目まぐるしい電線の網目のために
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と、突きつけたその顔には、
恒
(
つね
)
より
老
(
ふ
)
け
窶
(
やつ
)
れた
衰
(
おとろ
)
えがすわり、
目隈
(
めくま
)
が青く、唇が歪んで世にもすさまじい、三十おんなの恨みの表情が、一めんに
漲
(
みなぎ
)
っている。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
思ひも懸けぬ細い
路
(
みち
)
が、更に思ひもかけぬ汚い狭い
衰
(
おとろ
)
へた町を前に
展
(
ひろ
)
げた。
溝
(
どぶ
)
の日に乾く
臭
(
にほひ
)
と物の腐る
臭
(
にほひ
)
と沈滞した
埃
(
ほこり
)
の
交
(
まじ
)
つた空気の
臭
(
にほひ
)
とが
凄
(
すさま
)
しく鼻を
衝
(
つ
)
いた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
老子
(
らうし
)
、
(一一)
道徳
(
だうとく
)
を
修
(
をさ
)
む、
其學
(
そのがく
)
は
自
(
みづか
)
ら
隱
(
かく
)
して
名
(
な
)
無
(
な
)
きを
以
(
もつ
)
て
務
(
つとめ
)
と
爲
(
な
)
せり。
周
(
しう
)
に
居
(
を
)
ること
之
(
これ
)
を
久
(
ひさ
)
しうして、
周
(
しう
)
の
衰
(
おとろ
)
ふるを
見
(
み
)
、
廼
(
すなは
)
ち
遂
(
つひ
)
に
去
(
さ
)
つて、
(一二)
關
(
くわん
)
に
至
(
いた
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
思ふにコロボックルは數人連合し互に
相
(
あひ
)
助
(
たす
)
けて獸獵に從事し、
此所彼所
(
ここかしこ
)
より多くの矢を
射掛
(
ゐか
)
け、鹿なり猪なり勢
衰
(
おとろ
)
へて
充分
(
じうぶん
)
に
走
(
はし
)
る事能はざるに至るを
見濟
(
みす
)
まし
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
俊寛 (やせ
衰
(
おとろ
)
え、
髪
(
かみ
)
をぼうぼうとのばし、ぼろぼろに破れ、風雨のために
縞目
(
しまめ
)
もわからずなりたる着物をきている。岩かどに立ちて、嘆息しつつ海を眺める)
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
長病
(
ちやうびやう
)
故
(
ゆゑ
)
氣力
(
きりよく
)
衰
(
おとろ
)
へ自身に首を
縊
(
くゝ
)
ることは成ずなどと
當推量
(
あてすゐりやう
)
を申立夫のみ成ず金子を貸ぬと
夫
(
それ
)
を遺恨に存じ
姑
(
しうとめ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そのボウトの底に、
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えたチャアリイが、手足を縛られて、倒れていました。わたくしを見て、ママア、ママアと細い声で呼びながら、いつまでも泣いていますの。
チャアリイは何処にいる
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
それに、馬はただ腹が大きくなったばかりで、体にも元気にも少しも
衰
(
おとろ
)
えは見えませんでした。
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「何といっても四十近くなると、人間はそろそろ
衰
(
おとろ
)
えだすんだね」栄一は弟に向って言って
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
自由豪放な青春の気はその
疲
(
つか
)
れた肉体や、
衰
(
おとろ
)
えた精神に金蛇銀蛇の
赫耀
(
かくよう
)
たる光をあたえる。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
吾
(
わ
)
が
齢
(
よはひ
)
し
衰
(
おとろ
)
へぬれば
白細布
(
しろたへ
)
の
袖
(
そで
)
の
狎
(
な
)
れにし
君
(
きみ
)
をしぞ
念
(
おも
)
ふ 〔巻十二・二九五二〕 作者不詳
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
とにかく
舊式
(
きうしき
)
の名人
制
(
せい
)
打
破
(
は
)
は
甚
(
はなは
)
だいい。ただ
問題
(
もんだい
)
は
棋界
(
きかい
)
に
功勞
(
こうろう
)
があり、而も
棋
(
き
)
力
衰
(
おとろ
)
へた
老棋士
(
ろうきし
)
の
老
(
ろう
)
後の生
活
(
くわつ
)
に
對
(
たい
)
して同時に何等かの
考慮
(
こうりよ
)
が
拂
(
はら
)
はるべきである事を
僕
(
ぼく
)
は切言したい。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
そのせいか、
彼
(
かれ
)
はそのあと急に気まりの悪い
衰
(
おとろ
)
えた顔つきをして、そっと汗を
拭
(
ふ
)
いた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見ると
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えて余程困ったらしい。そのはずだろう、一日置きにぶん
擲
(
な
)
ぐられるから
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
一 婦人の妊娠出産は
勿論
(
もちろん
)
、出産後小児に乳を授け衣服を着せ寒暑昼夜の注意心配、他人の知らぬ所に苦労多く、身体も為めに
瘠
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
うる程の次第なれば、父たる者は其苦労を分ち
新女大学
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
進むべき路を進みかねて境遇の
犧牲
(
ぎせい
)
となつた人の、その心に消しがたき不平が有れば有る程、元氣も顏色も人先に
衰
(
おとろ
)
へて、幸福な人がこれから初めて世の中に打つて出ようといふ
歳頃
(
としごろ
)
に
歌のいろ/\
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
弟子達の
困憊
(
こんぱい
)
と
恐惶
(
きょうこう
)
との間に在って孔子は独り気力少しも
衰
(
おとろ
)
えず、平生通り絃歌して
輟
(
や
)
まない。従者等の
疲憊
(
ひはい
)
を見るに見かねた子路が、いささか色を
作
(
な
)
して、絃歌する孔子の
側
(
そば
)
に行った。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
死ぬ頃の彼の顔がいかにも気の毒なくらい
瘠
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えて
小
(
ちい
)
さく見えるのに引き
易
(
か
)
えて、髯だけは健康な壮者を
凌
(
しの
)
ぐ
勢
(
いきおい
)
で延びて来た一種の対照を、気味悪くまた
情
(
なさけ
)
なく感じたためでもあろう。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのせいか「八十までは女と寝る」と
豪語
(
ごうご
)
していた、きのうまでの元気はどこへやら、今は急に、十年も年を取ったかと疑われるまでに、身心共に
衰
(
おとろ
)
えて、一杯の酒さえ目にすることなく
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
母はこの頃では
殆
(
ほと
)
んど毎日のように、私が
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えた姿の夢や、警察につかまって、そこで「せっかん」(母は拷問のことをそう云っていた)されている夢ばかり見て、眼を覚ますと云った。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
しかるに世くだつて、いつしかこの定義は破れにけり。故に後世の歌は専ら
思
(
おもい
)
を述ぶるといふ方に傾きて、言葉調などいふ事は思を述ぶる材料に過ぎざるやうに成りゆきて、歌は長く
衰
(
おとろ
)
へにけり。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
目のあたりに見る何か大いなるものの
衰
(
おとろ
)
えに胸を
圧
(
お
)
しつぶされたり、そうかとおもうと、見すてられたような廃寺の庭の夏草の茂みのなかから拾い上げた
瓦
(
かわら
)
がよく見ると明治のやつだったりして
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
すべて
如何
(
いか
)
なる
惡獸
(
あくじゆう
)
でも、
人間
(
にんげん
)
の
眼光
(
がんくわう
)
が
鋭
(
するど
)
く
其
(
その
)
面
(
めん
)
に
注
(
そゝ
)
がれて
居
(
を
)
る
間
(
あひだ
)
は、
决
(
けつ
)
して
危害
(
きがい
)
を
加
(
くわ
)
へるものでない、
其
(
その
)
眼
(
め
)
の
光
(
ひかり
)
が
次第々々
(
しだい/\
)
に
衰
(
おとろ
)
へて、
頓
(
やが
)
て
茫乎
(
ぼんやり
)
とした
虚
(
すき
)
を
窺
(
うかゞ
)
つて、
只
(
たゞ
)
一息
(
ひといき
)
に
飛掛
(
とびかゝ
)
るのが
常
(
つね
)
だから
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
脂肪と含水炭素と共に不足すれば蛋白質を消耗せしめて人体は
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
うるに至る。家庭料理を
掌
(
つかさど
)
る者はこの理を忘るべからず。
而
(
しこう
)
して三成分の人体に必要なる分量は『食道楽』の本文を見るべし。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ああは云っても、家に落ち着いて暮らしに不自由のない
若旦那
(
わかだんな
)
になってしまえば、自然野心も
衰
(
おとろ
)
えるものだから、津村もいつとなく
境遇
(
きょうぐう
)
に
馴
(
な
)
れ、
平穏
(
へいおん
)
な町人生活に甘んずるようになったのであろう。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これには立志伝中の人物、一代の
師表
(
しひょう
)
たる先生の御一文を是非々々仰ぎ上げたいのでございます。
方今
(
ほうこん
)
、
世道
(
せどう
)
日
(
ひ
)
に
衰
(
おとろ
)
え、思想月に
荒
(
すさ
)
み、我等
操觚者
(
そうこしゃ
)
の黙視するに忍びないものが多々ございます、
云々
(
うんぬん
)
。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
薄日
(
うすび
)
のかげも
衰
(
おとろ
)
へて
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
呼
(
よ
)
びたりとか
病
(
やまい
)
の
元
(
もと
)
はお
前様
(
まへさま
)
と
云
(
い
)
はるゝも
道理
(
どうり
)
なり
知
(
し
)
らざりし
我
(
われ
)
恨
(
うら
)
めしくもらさぬ
君
(
きみ
)
も
恨
(
うら
)
めしく
今朝
(
けさ
)
見舞
(
みま
)
ひしとき
痩
(
や
)
せてゆるびし
指輪
(
ゆびわ
)
ぬき
取
(
と
)
りてこれ
形見
(
かたみ
)
とも
見給
(
みたま
)
はゞ
嬉
(
うれ
)
しとて
心細
(
こゝろぼそ
)
げに
打
(
う
)
ち
笑
(
ゑ
)
みたる
其心
(
そのこゝろ
)
今少
(
いますこ
)
し
早
(
はや
)
く
知
(
し
)
らば
斯
(
か
)
くまでには
衰
(
おとろ
)
へさせじを
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
衰
(
おとろ
)
へて
国
(
くに
)
栄
(
さか
)
ふ
寡婦の除夜
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
夢の翅の
衰
(
おとろ
)
ふる
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
衰
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
“衰”を含む語句
衰弱
衰頽
老衰
衰微
盛衰
神経衰弱
老衰者
斬衰
盛者必衰
源平盛衰記
衰残
衰勢
御衰微
栄枯盛衰
痩衰
衰兆
五衰
凋衰
齊衰
沈衰
...