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乱
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みだ
ふりがな文庫
“
乱
(
みだ
)” の例文
旧字:
亂
こまかき
雨
(
あめ
)
ははら/\と
音
(
おと
)
して
草村
(
くさむら
)
がくれ
鳴
(
なく
)
こほろぎのふしをも
乱
(
みだ
)
さず、
風
(
かぜ
)
一
(
ひと
)
しきり
颯
(
さつ
)
と
降
(
ふり
)
くるは
彼
(
か
)
の
葉
(
は
)
にばかり
懸
(
かゝ
)
るかといたまし。
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
屋敷
(
やしき
)
の
周囲
(
まわり
)
には
広々
(
ひろびろ
)
とした
圃
(
はたけ
)
がありました。そして、そこにはばらの
花
(
はな
)
や、けしの
花
(
はな
)
が、いまを
盛
(
さか
)
りに
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れているのであります。
けしの圃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やがて間もなく、
真蒼
(
まっさお
)
になった女房が番台から
裾
(
すそ
)
を
乱
(
みだ
)
して飛び降りて来るなり、由蔵の駆けて入った釜場の
扉口
(
とぐち
)
で
甲高
(
かんだか
)
い叫びを発した。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
色
(
いろ
)
よい
返事
(
へんじ
)
を
認
(
したた
)
めたおせんの
文
(
ふみ
)
を、
見
(
み
)
せろ
見
(
み
)
せないのいさかいに、しばし
心
(
こころ
)
を
乱
(
みだ
)
していたが、この
上
(
うえ
)
の
争
(
あらそ
)
いは
無駄
(
むだ
)
と
察
(
さっ
)
したのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
よし子は障子を
閉
(
た
)
てゝ、枕元へ
坐
(
すは
)
つた。六畳の座敷が、取り
乱
(
みだ
)
してある
上
(
うへ
)
に、
今朝
(
けさ
)
は
掃除
(
さうじ
)
をしないから、
猶
(
なお
)
狭苦
(
せまくる
)
しい。女は、三四郎に
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「いいやいや。
錵
(
にえ
)
乱
(
みだ
)
れて刃みだれざるは上作なりと申す。およそ
直刃
(
すぐは
)
に足なく、位よきは
包永
(
かねなが
)
、
新藤五
(
しんとうご
)
、
千手院
(
せんじゅいん
)
、
粟田口
(
あわたぐち
)
——。」
寛永相合傘
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
又
(
また
)
その
内容
(
ないよう
)
も
古今
(
ここん
)
に
亘
(
わた
)
り、
顕幽
(
けんゆう
)
に
跨
(
またが
)
り、
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
部分
(
ぶぶん
)
は一
般的
(
ぱんてき
)
、
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
部分
(
ぶぶん
)
は
個人的
(
こじんてき
)
と
言
(
い
)
った
具合
(
ぐあい
)
に、
随分
(
ずいぶん
)
まちまちに
入
(
い
)
り
乱
(
みだ
)
れて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
畦
(
あぜ
)
に突き当たって
渦
(
うず
)
を巻くと、
其処
(
そこ
)
の蘆は、裏を
乱
(
みだ
)
して、ぐるぐると舞うに連れて、穂綿が、はらはらと
薄暮
(
うすくれ
)
あいを
蒼
(
あお
)
く飛んだ。
海の使者
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足許に白蟻ほどの小粒なのが、空から投げだされて、
算
(
さん
)
を
乱
(
みだ
)
して転がっている。よく見ると
雹
(
ひょう
)
だ。南は
斜
(
ななめ
)
に
菅笠冠
(
すげがさかぶ
)
りの横顔をひんなぐる。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
百合と
薔薇
(
ばら
)
とを取りかへて
部屋
(
へや
)
の
暗
(
くら
)
さを
忘
(
わす
)
れてゐると、次ぎにはおいらん
草
(
さう
)
が白と
桃色
(
もゝいろ
)
の
雲
(
くも
)
のやうに、庭の
全面
(
ぜんめん
)
に
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れた。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
その夢の中で、
天照大神
(
あまてらすおおかみ
)
と
高皇産霊神
(
たかみむすびのかみ
)
のお
二方
(
ふたかた
)
が、
建御雷神
(
たけみかずちのかみ
)
をおめしになりまして、
葦原中国
(
あしはらのなかつくに
)
は、今しきりに
乱
(
みだ
)
れ
騒
(
さわ
)
いでいる。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
燃え叫ぶ六疋は、
悶
(
もだ
)
えながら空を
沈
(
しず
)
み、しまいの一疋は泣いて随い、それでも雁の正しい列は、
決
(
けっ
)
して
乱
(
みだ
)
れはいたしません。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その声はもの考えする人の
神経
(
しんけい
)
をなやましそうな声であった。ほうきめのついてる
根元
(
ねもと
)
の
砂地
(
すなち
)
に、やや
黄
(
き
)
ばんだせんだんの
実
(
み
)
が
散
(
ち
)
り
乱
(
みだ
)
してある。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
其妾と云う
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
した女は、都の女等を
憎
(
に
)
くさげに
睨
(
にら
)
んで居た。彼等は先住の出で去るを待って、畑の枯草の上に
憩
(
いこ
)
うた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
やがて
鏑矢
(
かぶらや
)
がぶうんと
音
(
おと
)
を
立
(
た
)
てて
飛
(
と
)
んで行きますと、
確
(
たし
)
かに手ごたえがあったらしく、
急
(
きゅう
)
に
雲
(
くも
)
が
乱
(
みだ
)
れはじめて、中から
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その、無法な
胆気
(
たんき
)
と、国光の
五
(
ぐ
)
の
目
(
め
)
乱
(
みだ
)
れにおびやかされて、周馬は少し気を乱しながら、
真
(
ま
)
ッ
向
(
こう
)
兵字構
(
ひょうじがま
)
えに直って、寄らば——と
眼
(
まなこ
)
をいからせた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今通っている山中の笹の葉に風が吹いて、ざわめき
乱
(
みだ
)
れていても、わが心はそれに
紛
(
まぎ
)
れることなくただ
一向
(
ひたすら
)
に、別れて来た妻のことをおもっている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
敢
(
あへ
)
て往路を
俯瞰
(
ふかん
)
するものなし、
荊棘
(
けいきよく
)
の中黄蜂の
巣窟
(
すうくつ
)
あり、先鋒
誤
(
あやまつ
)
て之を
乱
(
みだ
)
す、後に
継
(
つ
)
ぐもの其
襲撃
(
しうげき
)
を被ふるも
敢
(
あへ
)
て之を
避
(
さ
)
くるの
道
(
みち
)
なし、顔面
為
(
ため
)
に
腫
(
は
)
れし者
多
(
おう
)
し
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
「あ、では
五
(
ぐ
)
の
目
(
め
)
乱
(
みだ
)
れになっているのだろう。それから、
錵
(
にえ
)
と
匂
(
にお
)
い、それは、あなたにはわかるまいが……銘があるとの話、その銘は何という名か覚えていますか」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「去年は
倭奴
(
わど
)
上海を
劫
(
おびや
)
かし、今年は
繹騒
(
えきそう
)
姑蘇
(
こそ
)
に
臨
(
のぞ
)
む。
横
(
ほしいまま
)
に双刀を飛ばし、
乱
(
みだ
)
りに
箭
(
や
)
を使う、城辺の野草、人血
塗
(
まみ
)
る」。これ明の詩人が
和寇
(
わこう
)
を
詠
(
えい
)
じたるものにあらずや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
わたし自身も心持ちがなんだかぼんやりとりとめなく
乱
(
みだ
)
れていた。いく時間も、あるいはいく日も、わたしたちはおたがいにとんきょうなふうでおしゃべりをし
続
(
つづ
)
けていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
此一おしにて男女
倶
(
とも
)
に
元結
(
もとゆひ
)
おのづからきれて
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
す㕝甚
奇
(
き
)
なり。七間四面の堂の内に
裸
(
はだか
)
なる人こみいりてあげたる手もおろす事ならぬほどなれば、人の多さはかりしるべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
天然
(
てんねん
)
の
設計
(
せっけい
)
による
平衡
(
へいこう
)
を
乱
(
みだ
)
す前には、よほどよく考えてかからないと
危険
(
きけん
)
なものである。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「守りが
乱
(
みだ
)
れて隙となる。最初から体を守らなかったら、隙の出来よう筈はない」
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『
規律
(
きりつ
)
を
乱
(
みだ
)
すことは
出来
(
でき
)
ません、いけません!』とニキタは
諭
(
さと
)
すような
調子
(
ちょうし
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
異邦の
渺茫
(
びょうぼう
)
たる高原の一つ家で、空高い
皎々
(
こうこう
)
たる秋の月を眺めた者のみの知る、あのたえ難い
掻
(
か
)
き
乱
(
みだ
)
すような胸の
疼痛
(
とうつう
)
、死の苦痛にも勝るあの恐ろしい郷愁にも似た苦悩に充満するのだった。
五階の窓:04 合作の四
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
弾
(
だん
)
じほれたるイイダ姫は、暫く心附かでありしが、かの笛の音ふと耳に入りぬと覚しく
遽
(
にわか
)
にしらべを
乱
(
みだ
)
りて、楽器の
筐
(
はこ
)
も
砕
(
くだ
)
くるやうなる音をせさせ、座を起ちたるおもては、常より
蒼
(
あお
)
かりき。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
嘗
(
かつ
)
て制度
未
(
いま
)
だ備わらずして諸王の
服乗
(
ふくじょう
)
も太子に擬せるを見、太祖に直言して、
嫡庶
(
ちゃくしょ
)
相
(
あい
)
乱
(
みだ
)
り、尊卑序無くんば、何を
以
(
もっ
)
て天下に令せんや、と説き、太祖をして、
爾
(
なんじ
)
の
言
(
げん
)
是
(
ぜ
)
なり、と
曰
(
い
)
わしめたり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
然るに
分娩
(
ぶんべん
)
の
際
(
さい
)
は非常なる難産にして苦悶二昼夜に
亙
(
わた
)
り、医師の手術によらずば、
分娩
(
ぶんべん
)
覚束
(
おぼつか
)
なしなど人々
立騒
(
たちさわ
)
げる折しも、
恰
(
あたか
)
も陣痛起りて、それと同時に
大雨
(
たいう
)
篠
(
しの
)
を
乱
(
みだ
)
しかけ、
鳴神
(
なるかみ
)
おどろ/\しく
母となる
(新字旧仮名)
/
福田英子
(著)
青木
繁
(
し
)
む富士の裾原風
乱
(
みだ
)
り行きはしる雲の絶ゆるまもなし
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
萩
(
はぎ
)
のすこしく
乱
(
みだ
)
れたるかな
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
乱
(
みだ
)
れてものに狂ひよる
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
乱
(
みだ
)
れて
飛
(
と
)
びし
花片
(
はなびら
)
を
友に
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
家来
(
けらい
)
は、
長
(
なが
)
い
旅
(
たび
)
をしたので、
顔
(
かお
)
の
色
(
いろ
)
は、
日
(
ひ
)
に
焼
(
や
)
けて、
頭髪
(
とうはつ
)
は、
雨
(
あめ
)
や、
風
(
かぜ
)
に、たびたび
遇
(
お
)
うたことを
思
(
おも
)
わせるように、
伸
(
の
)
びて
乱
(
みだ
)
れていました。
珍しい酒もり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
跫音
(
きようおん
)
乱
(
みだ
)
れて、スツ/\と
擦
(
す
)
れつゝ、
響
(
ひゞ
)
きつゝ、
駅員
(
えきゐん
)
の
驚破
(
すわ
)
事
(
こと
)
ありげな
顔
(
かほ
)
が
二
(
ふた
)
つ、
帽子
(
ぼうし
)
の
堅
(
かた
)
い
廂
(
ひさし
)
を
籠
(
こ
)
めて、
園
(
その
)
の
居
(
ゐ
)
る
窓
(
まど
)
をむづかしく
覗込
(
のぞきこ
)
むだ。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さうして、其
雲
(
くも
)
の
峰
(
みね
)
をよく見ると、
真裸
(
まはだか
)
な
女性
(
によせう
)
の
巨人
(
きよじん
)
が、
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
し、身を
躍
(
おど
)
らして、一団となつて、
暴
(
あ
)
れ狂つてゐる
様
(
やう
)
に、
旨
(
うま
)
く輪廓を
取
(
と
)
らした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこは春のけしきで、いちめん、ぼうっとかすんだなかに、さくらの花が、うつくしい絵のように咲き
乱
(
みだ
)
れていました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
頭髪
(
かみ
)
を
振
(
ふ
)
り
乱
(
みだ
)
しているもの、
身
(
み
)
に一
糸
(
し
)
を
纏
(
まと
)
わない
裸体
(
はだか
)
のもの、
血
(
ち
)
みどろに
傷
(
きずつ
)
いて
居
(
い
)
るもの……ただの
一人
(
ひとり
)
として
満足
(
まんぞく
)
の
姿
(
すがた
)
をしたものは
居
(
お
)
りませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
酒肴
(
しゅこう
)
が出ると座が
乱
(
みだ
)
れて、肝腎の相談が出来ないというので一
同
(
どう
)
素面
(
すめん
)
である。ズラリと大広間に居流れて
評定
(
ひょうじょう
)
の最中だ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
なお、人麿の覉旅歌には、「
飼飯
(
けひ
)
の海の
庭
(
には
)
よくあらし
苅
(
かり
)
ごもの
乱
(
みだ
)
れいづ見ゆ
海人
(
あま
)
の釣船」(巻三・二五六)というのもあり、棄てがたいものである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
欝金
(
うこん
)
の
包
(
つつみ
)
を
抱
(
かか
)
えたおこのは、それでも
何
(
なに
)
やら
心
(
こころ
)
が
乱
(
みだ
)
れたのであろう。
上気
(
じょうき
)
した
顔
(
かお
)
をふせたまま、
敷居際
(
しきいぎわ
)
に
頭
(
あたま
)
を
下
(
さ
)
げた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
(ははあ、ここは空気の
稀薄
(
きはく
)
が
殆
(
ほと
)
んど
真空
(
しんくう
)
に
均
(
ひと
)
しいのだ。だからあの
繊細
(
せんさい
)
な衣のひだをちらっと
乱
(
みだ
)
す風もない。)
インドラの網
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
わしがみるところでは、世はいよいよ
乱
(
みだ
)
れるだろう、いくさは
諸国
(
しょこく
)
におこって
絶
(
た
)
えないであろう、人間はますます
殺伐
(
さつばつ
)
になり、
人情
(
にんじょう
)
美風
(
びふう
)
はすたれるだろう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
折角
(
せっかく
)
こうして探偵たる気持をわすれて麻雀を打ち、のうのうとした気分になっている筈の彼の心は、いつの間にか
掻
(
か
)
き
乱
(
みだ
)
されているのを感ぜずには居られなかった。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
天照大神
(
あまてらすおおかみ
)
と
高皇産霊神
(
たかみむすびのかみ
)
とは、あれほど
乱
(
みだ
)
れさわいでいた下界を、
建御雷神
(
たけみかずちのかみ
)
たちが、ちゃんとこちらのものにして帰りましたので、さっそく
天忍穂耳命
(
あめのおしほみみのみこと
)
をお
召
(
め
)
しになって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
此一おしにて男女
倶
(
とも
)
に
元結
(
もとゆひ
)
おのづからきれて
髪
(
かみ
)
を
乱
(
みだ
)
す㕝甚
奇
(
き
)
なり。七間四面の堂の内に
裸
(
はだか
)
なる人こみいりてあげたる手もおろす事ならぬほどなれば、人の多さはかりしるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「ははあ、
五
(
ぐ
)
の
目
(
め
)
乱
(
みだ
)
れと来ていますね、悪い刀じゃありません、いや、どうして結構なものです、ちょっと、この類の程度はありません——誰ですか、相州の五郎入道正宗ですか」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どうしてこの明るい家の中に、こんな
暗
(
くら
)
さがあるのだらうと
考
(
かんが
)
へた。
北側
(
きたがは
)
に一
連
(
れん
)
の
壁
(
かべ
)
があるこれだ。——しかし、私は間もなく
周囲
(
しうゐ
)
の庭に
咲
(
さ
)
き
乱
(
みだ
)
れてゐるとりどりの
花
(
はな
)
の
色
(
いろ
)
に
迷
(
まよ
)
ひ出した。
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
思
(
おも
)
ひ
入
(
い
)
る
路
(
みち
)
は一
ト
筋
(
すぢ
)
なれと
夏引
(
なつび
)
きの
手引
(
てび
)
きの
糸
(
いと
)
の
乱
(
みだ
)
れぐるしきは
戀
(
こひ
)
なるかや
優子
(
ゆうこ
)
元來
(
もとより
)
才
(
さい
)
はじけならず
柔和
(
をとな
)
しけれど
悧發
(
りはつ
)
にて
物
(
もの
)
の
道理
(
ことはり
)
あきらかに
分別
(
わきまへ
)
ながら
闇
(
く
)
らきは
晴
(
は
)
れぬ
胸
(
むね
)
の
雲
(
くも
)
にうつ/\として
日
(
ひ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
金髪
(
きんぱつ
)
の
千筋
(
ちすぢ
)
なし、さと
乱
(
みだ
)
る。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
乱
常用漢字
小6
部首:⼄
7画
“乱”を含む語句
散乱
攪乱
乱次
擾乱
乱声
混乱
狂乱
乱打
霍乱
乱暴狼藉
壊乱
乱立
乱離骨灰
胡乱
紊乱
乱暴
乱杭
掻乱
乱髪
悩乱
...