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斷
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ことわ
ふりがな文庫
“
斷
(
ことわ
)” の例文
新字:
断
明
(
あけ
)
しに驚き
偵
(
さす
)
が
旅宿屋
(
やどや
)
の主人だけ
宵
(
よひ
)
に
斷
(
ことわ
)
りもなき客の
急
(
きふ
)
に出立せしは
何
(
いか
)
にも
不審
(
ふしん
)
なりとて彼の座敷を
改
(
あらた
)
めしに
變
(
かは
)
る事も
無
(
なけ
)
れば
隔
(
となり
)
座敷を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
然
(
さ
)
らばと
言
(
い
)
つて、
一寸
(
ちよつと
)
蛙
(
かへる
)
を、
承
(
うけたまは
)
りまする
儀
(
ぎ
)
でと、
一々
(
いち/\
)
町内
(
ちやうない
)
の
差配
(
さはい
)
へ
斷
(
ことわ
)
るのでは、
木戸錢
(
きどせん
)
を
拂
(
はら
)
つて
時鳥
(
ほとゝぎす
)
を
見
(
み
)
るやうな
殺風景
(
さつぷうけい
)
に
成
(
な
)
る。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
げにも
浮世
(
うきよ
)
か
音曲
(
おんぎよく
)
の
師匠
(
ししやう
)
の
許
(
もと
)
に
然
(
しか
)
るべき
曾
(
くわい
)
の
催
(
もよほ
)
し
斷
(
ことわ
)
りいはれぬ
筋
(
すぢ
)
ならねどつらきものは
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
是非
(
ぜひ
)
と
待
(
ま
)
たれて
此日
(
このひ
)
の
午後
(
ひるすぎ
)
より
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
宗
(
そう
)
さん
怒
(
おこ
)
つちや
不可
(
いけ
)
ませんよ。たゞ
叔父
(
をぢ
)
さんの
云
(
い
)
つた
通
(
とほ
)
りを
話
(
はな
)
すんだから」と
叔母
(
をば
)
が
斷
(
ことわ
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
默
(
だま
)
つてあとを
聞
(
き
)
いてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯
(
たゞ
)
こゝに
斷
(
ことわ
)
りを
要
(
よう
)
することは
噴火
(
ふんか
)
といふ
言葉
(
ことば
)
の
使
(
つか
)
ひ
方
(
かた
)
である。
文字
(
もんじ
)
からいへば
火
(
ひ
)
を
噴
(
ふ
)
くとなるけれども、これは
燃
(
も
)
える
火
(
ひ
)
を
指
(
さ
)
すのではない。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
▼ もっと見る
あなたにあの人の申し込を
斷
(
ことわ
)
る勇氣があつたのに私は驚くわ。ではあなたはあの人を愛してやしないのね、ジエィン?
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
おつぎは
卯平
(
うへい
)
を
勦
(
いたは
)
るには
幾
(
いく
)
ら
勘次
(
かんじ
)
が
八釜敷
(
やかましく
)
ても一々
斷
(
ことわ
)
りをいうては
出
(
で
)
なかつた。
勘次
(
かんじ
)
はおつぎが
暫時
(
しばし
)
でも
居
(
ゐ
)
なくなると
假令
(
たとひ
)
卯平
(
うへい
)
の
側
(
そば
)
に
居
(
ゐ
)
るとは
知
(
し
)
つても
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
島を案内しようといふのを
斷
(
ことわ
)
つて公學校を退却すると、私は獨りで、島民に道を聞きながら、「レロの遺跡」といふ名で知られてゐる古代城郭の址を見に行つた。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
いま
此
(
こ
)
のバラツク
建
(
だて
)
の
洋館
(
やうくわん
)
に
對
(
たい
)
して——こゝに
見取圖
(
みとりづ
)
がある。——
斷
(
ことわ
)
るまでもないが、
地續
(
ぢつゞ
)
きだからといつて、
吉良邸
(
きらてい
)
のでは
決
(
けつ
)
してない。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
是
(
これ
)
程
(
ほど
)
偶然
(
ぐうぜん
)
な
出來事
(
できごと
)
を
借
(
か
)
りて、
後
(
うしろ
)
から
斷
(
ことわ
)
りなしに
足絡
(
あしがら
)
を
掛
(
か
)
けなければ、
倒
(
たふ
)
す
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
ない
程
(
ほど
)
強
(
つよ
)
いものとは、
自分
(
じぶん
)
ながら
任
(
にん
)
じてゐなかつたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ば
皆
(
みな
)
斷
(
ことわ
)
り其宵ば部屋に
差向
(
さしむか
)
ひ伯父長庵が
惡巧
(
わるだく
)
み何と御
詫
(
わび
)
の仕樣もなく私しまで
嘸
(
さぞ
)
や
憎
(
にく
)
しと思すらん然は
然
(
さり
)
ながら
夢
(
ゆめ
)
にだも知らぬ此身の事なれば
只
(
たゞ
)
堪忍
(
かんにん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わしやお
内儀
(
かみ
)
さん
嚊
(
かゝあ
)
おつ
殺
(
ころ
)
してからつちものは
乞食
(
こじき
)
げだつて
手攫
(
てづか
)
みで
物
(
もの
)
出
(
だ
)
したこたあねえんでがすかんね、そらおつうげもはあ
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
くんでがすから
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
私は先づ云つた、「お掛けなさい、リヴァズさん。」ところが、彼は、例の通り、
長居
(
ながゐ
)
は出來ないと
斷
(
ことわ
)
つた。「さうですか。」と、心の中で私は答へた——
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
びつくりしたのと、言葉が不自由なのとで、私は、勝手に留守宅に休ませて貰つた
斷
(
ことわ
)
りを言ひそびれ、默つて女の顏を見てゐた。こんなに眼を外らさない女は無い。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
原告
(
げんこく
)
だの
被告
(
ひこく
)
だのといふ
人
(
ひと
)
が
頼
(
たの
)
み
込
(
こ
)
んで
來
(
き
)
たも
多
(
おほ
)
くあつたれど、それを
私
(
わたし
)
が
一切
(
いつさい
)
受附
(
うけつ
)
けなかつたは、
山口昇
(
やまぐちのぼる
)
といふ
裁判官
(
さいばんくわん
)
の
妻
(
つま
)
として、
公明正大
(
こうめいせいだい
)
に
斷
(
ことわ
)
つたのでは
無
(
な
)
く
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
不安
(
ふあん
)
の
折
(
をり
)
だし、
御不自由
(
ごふじいう
)
まことにお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
で
申
(
まを
)
し
兼
(
か
)
ねるが、
近所
(
きんじよ
)
へ
分
(
わ
)
けるだけでも
水
(
みづ
)
が
足
(
た
)
りない。
外町
(
ほかまち
)
の
方
(
かた
)
へは、と
言
(
い
)
つて
其
(
そ
)
の
某邸
(
ぼうてい
)
で
斷
(
ことわ
)
つた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
偖質屋よりは今日中
猶豫
(
いうよ
)
致し明日は是非とも
質物
(
しちもつ
)
相流し候旨
斷
(
ことわ
)
りに來りければ文右衞門は
途方
(
とはう
)
にくれ如何はせんと女房お政に
相談
(
さうだん
)
なしけるにお政も
太息
(
といき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
何處
(
どこ
)
でも
見
(
み
)
た
方
(
はう
)
がようがす、わしは
決
(
けつ
)
して
運
(
はこ
)
んだ
覺
(
おぼ
)
えなんざねえから」
彼
(
かれ
)
は
恐
(
おそ
)
ろしい
權幕
(
けんまく
)
できつぱり
斷
(
ことわ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
夫
(
それ
)
から又
羅甸
(
ラテン
)
讀
(
よみ
)
にしてもクオンチチイを付けて發音しないで、のべつに
羅馬
(
ローマ
)
字綴りの讀み方
見
(
み
)
たやうに
遣
(
や
)
つたのがあるなら、
夫
(
それ
)
も
序
(
ついで
)
に
斷
(
ことわ
)
つて置いて
御遣
(
おや
)
んなさい。
『伝説の時代』序
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あがめ
奉
(
たてまつ
)
る
先生
(
せんせい
)
でも
雪
(
ゆき
)
や
雨
(
あめ
)
には
勿論
(
もちろん
)
の
事
(
こと
)
、三
度
(
ど
)
に一
度
(
ど
)
はお
斷
(
ことわ
)
りが
常
(
つね
)
のものなり、それを
何
(
なん
)
ぞや
駄々
(
だヾ
)
つ
子
(
こ
)
樣
(
さま
)
の
御機嫌
(
ごきげん
)
とり/″\、
此本
(
このほん
)
一
冊
(
さつ
)
よみ
終
(
おは
)
らば
御褒美
(
ごはうび
)
には
何
(
なに
)
を
參
(
まい
)
らせん
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
殆んど絶望的になつた私は、お菓子を半分でもと哀願した、がそれも
斷
(
ことわ
)
られて了つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
仕方がないから、東京から
通
(
かよ
)
つてゐる地理の教師のY君に頼んで上野へ持つて行つて貰はうと思ふ。學校の方ではもうこんな蟲のことなんか忘れてゐるだらうから、
斷
(
ことわ
)
るにも及ぶまい。
かめれおん日記
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
と
揚場
(
あがりば
)
から
奧方
(
おくがた
)
が
聲
(
こゑ
)
を
懸
(
か
)
ける。
一寸
(
ちよつと
)
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
くが、
此
(
こ
)
の
方
(
はう
)
は
裸體
(
らたい
)
でない。
衣紋
(
えもん
)
正
(
たゞ
)
しくと
云
(
い
)
つた
風
(
ふう
)
で、
朝
(
あさ
)
からの
厚化粧
(
あつげしやう
)
、
威儀
(
ゐぎ
)
備
(
そな
)
はつたものである。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お
廢
(
よ
)
しよ、
斷
(
ことわ
)
つてお
仕舞
(
しまひ
)
なと
言
(
い
)
へば、
困
(
こま
)
つたねとお
京
(
きやう
)
は
立止
(
たちど
)
まつて、それでも
吉
(
きつ
)
ちやん
私
(
わたし
)
は
洗
(
あら
)
ひ
張
(
はり
)
に
倦
(
あ
)
きが
來
(
き
)
て、もうお
妾
(
めかけ
)
でも
何
(
なん
)
でも
宜
(
よ
)
い、
何
(
ど
)
うで
此樣
(
こん
)
な
詰
(
つま
)
らないづくめだから
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
は
顏
(
かほ
)
を
見合
(
みあは
)
して
微笑
(
ほゝゑ
)
んだ。もう
少
(
すこ
)
し
賣
(
う
)
らずに
置
(
お
)
いて
見樣
(
みやう
)
ぢやないかと
云
(
い
)
つて、
賣
(
う
)
らずに
置
(
お
)
いた。すると
道具屋
(
だうぐや
)
が
又
(
また
)
來
(
き
)
た。
又
(
また
)
賣
(
う
)
らなかつた。
御米
(
およね
)
は
斷
(
ことわ
)
るのが
面白
(
おもしろ
)
くなつて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あけては
夫
(
をつと
)
にも
告
(
つ
)
げられねば、
病氣
(
びやうき
)
の
介抱
(
かいはう
)
を
斷
(
ことわ
)
ると
云
(
い
)
ふわけに
行
(
ゆ
)
かないので、あい/\と、
内
(
うち
)
に
殘
(
のこ
)
る
事
(
こと
)
に
成
(
な
)
つたのは、
俎
(
まないた
)
のない
人身御供
(
ひとみごくう
)
も
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
何
(
なん
)
とも
思召
(
おぼしめ
)
すまじけれど
物
(
もの
)
ごゝろ
知
(
し
)
る
其頃
(
そのころ
)
よりさま/″\のこと
苦勞
(
くらう
)
にして
身
(
み
)
だしなみ
物
(
もの
)
學
(
まな
)
び
彼
(
あ
)
れか
此
(
こ
)
れかお
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
りたや
飽
(
あ
)
かれまじと
心
(
こゝろ
)
のたけは
君樣故
(
きみさまゆゑ
)
に
使
(
つか
)
はれて
片時
(
かたとき
)
安
(
やす
)
き
思
(
おも
)
ひもせずお
友達
(
ともだち
)
遊
(
あそ
)
びも
芝居
(
しばゐ
)
行
(
ゆ
)
きもお
嫌
(
きら
)
ひと
知
(
し
)
れば
大方
(
おほかた
)
は
斷
(
ことわ
)
りいふて
僻物
(
ひがもの
)
と
笑
(
わら
)
はれしは
誰
(
た
)
れの
爲
(
ため
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
たゞ
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
くが、その
搖
(
ゆる
)
る
篝火
(
かゞりび
)
の
如
(
ごと
)
き、
大紅玉
(
だいこうぎよく
)
を
抱
(
いだ
)
いた
彼
(
か
)
のをんなは、
四時
(
しじ
)
ともに
殺生禁斷
(
せつしやうきんだん
)
のはずである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝに、
一寸
(
ちよつと
)
斷
(
ことわ
)
つておくのは、
工學士
(
こうがくし
)
は
嘗
(
かつ
)
て
苦學生
(
くがくせい
)
で、
其
(
その
)
當時
(
たうじ
)
は、
近縣
(
きんけん
)
に
賣藥
(
ばいやく
)
の
行商
(
ぎやうしやう
)
をした
事
(
こと
)
である。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
江戸兒夥間
(
えどつこなかま
)
だと、
氣
(
き
)
をつけろい、ぢやんがら
仙人
(
せんにん
)
、
何處
(
どこ
)
の
雨乞
(
あまごひ
)
から
來
(
き
)
やあがつた、で、
無事
(
ぶじ
)
に
濟
(
す
)
むべきものではないが、
三代相傳
(
さんだいさうでん
)
の
江戸兒
(
えどつこ
)
は、
田舍
(
ゐなか
)
ものだ、と
斷
(
ことわ
)
る
上
(
うへ
)
は
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
間
(
あひだ
)
に
中之橋
(
なかのはし
)
があつて、
一
(
ひと
)
つ
上
(
うへ
)
に、
上之橋
(
かみのはし
)
を
流
(
なが
)
れるのが
仙臺堀川
(
せんだいぼりがは
)
ぢやあありませんか。……
斷
(
ことわ
)
つて
置
(
お
)
きますが、その
川筋
(
かはすぢ
)
に
松永橋
(
まつながばし
)
、
相生橋
(
あひおひばし
)
、
海邊橋
(
うみべばし
)
と
段々
(
だん/\
)
に
架
(
かゝ
)
つてゐます。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
佗
(
わび
)
しさは、
食
(
た
)
べるものも、
着
(
き
)
るものも、こゝに
斷
(
ことわ
)
るまでもない、
薄
(
うす
)
い
蒲團
(
ふとん
)
も、
眞心
(
まごころ
)
には
暖
(
あたゝか
)
く、
殊
(
こと
)
に
些
(
ちと
)
は
便
(
たよ
)
りにならうと、
故
(
わざ
)
と
佛間
(
ぶつま
)
の
佛壇
(
ぶつだん
)
の
前
(
まへ
)
に、
枕
(
まくら
)
を
置
(
お
)
いてくれたのである。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
のために
東京
(
とうきやう
)
から
故郷
(
くに
)
に
歸
(
かへ
)
る
途中
(
とちう
)
だつたのでありますが、
汚
(
よご
)
れくさつた
白絣
(
しろがすり
)
を一
枚
(
まい
)
きて、
頭陀袋
(
づだぶくろ
)
のやうな
革鞄
(
かばん
)
一
(
ひと
)
つ
掛
(
か
)
けたのを、
玄關
(
げんくわん
)
さきで
斷
(
ことわ
)
られる
處
(
ところ
)
を、
泊
(
と
)
めてくれたのも
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此處
(
こゝ
)
は
空屋
(
あきや
)
に
成
(
な
)
つて
居
(
を
)
ります……
昨年
(
さくねん
)
住
(
す
)
んで
居
(
ゐ
)
ましたつて
最
(
も
)
う
何
(
なん
)
の
縁
(
えん
)
もありませんものが、
夜中
(
やちう
)
、
斷
(
ことわ
)
りもなしに
入
(
はひ
)
つて
參
(
まゐ
)
りましたんですもの。
知
(
し
)
れましては
申譯
(
まをしわけ
)
がありません……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あくる
朝
(
あさ
)
、
命
(
いのち
)
の
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
まうとすると、
釣瓶
(
つるべ
)
に
一杯
(
いつぱい
)
、
汚
(
きたな
)
い
獸
(
けもの
)
の
毛
(
け
)
が
浮
(
う
)
いて
上
(
あが
)
る……
三毛猫
(
みけねこ
)
の
死骸
(
しがい
)
が
投込
(
なげこ
)
んであつた。その
斷
(
ことわ
)
られたものの
口惜
(
くやし
)
まぎれの
惡戲
(
いたづら
)
だらうと
言
(
い
)
ふのである。——
朝
(
あさ
)
の
事
(
こと
)
で。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
斷
部首:⽄
18画
“斷”を含む語句
斷念
斷崖
斷然
斷片
寸斷
斷々
斷言
獨斷
斷乎
間斷
斷續
斷間
斷絶
斷割
斷水
斷髮
縱斷
引斷
横斷
裁斷
...