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折
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お
ふりがな文庫
“
折
(
お
)” の例文
杉の葉でない、
折
(
お
)
り
笹
(
ざさ
)
を
笠印
(
かさじるし
)
とした
紛
(
まぎ
)
れない菊池方の兵が、すでに、味方同士で激闘しているのが、そこかしこに見られ出している。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茶色
(
ちゃいろ
)
の
表紙
(
ひょうし
)
に青いとじ糸を使い、中の
紙
(
かみ
)
も
日本紙
(
にほんし
)
で
片面
(
かためん
)
だけに
字
(
じ
)
をすったのを二つ
折
(
お
)
りにして
重
(
かさ
)
ねとじた、
純日本式
(
じゅんにほんしき
)
の
読本
(
とくほん
)
でした。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
左
(
ひだり
)
へ
折
(
お
)
れたところに
応接室
(
おうせつしつ
)
か
喫煙室
(
きつえんしつ
)
かといふやうな
部屋
(
へや
)
の
窓
(
まど
)
の
戸
(
と
)
が
少
(
すこ
)
しあいてゐて
人影
(
ひとかげ
)
が
差
(
さ
)
してゐたが、そこを
過
(
す
)
ぎると
玄関
(
げんかん
)
があつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ある
年
(
とし
)
、
台風
(
たいふう
)
の
襲
(
おそ
)
ったとき、
危
(
あや
)
うく
根
(
ね
)
こぎになろうとしたのを、あくまで
大地
(
だいち
)
にしがみついたため、
片枝
(
かたえだ
)
を
折
(
お
)
られてしまいました。
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かれはてぬぐいに包んださかなの
折
(
お
)
り
箱
(
ばこ
)
を後生大事に片手にぶらさげ、昼のごとく明るい月の町をひとりたんぼ道へさしかかった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
▼ もっと見る
こんなものはいっていたろうかと思って、
急
(
いそ
)
いで出してみましたら、それは四つに
折
(
お
)
ったはがきぐらいの大さの
緑
(
みどり
)
いろの紙でした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そしてそれが
水上
(
すいじょう
)
を
渡
(
わた
)
って
向
(
むこ
)
うへ
消
(
き
)
えたと
思
(
おも
)
うと、
幾匹
(
いくひき
)
かの
猟犬
(
りょうけん
)
が
水草
(
みずくさ
)
の中に
跳
(
と
)
び
込
(
こ
)
んで
来
(
き
)
て、
草
(
くさ
)
を
踏
(
ふ
)
み
折
(
お
)
り
踏
(
ふ
)
み
折
(
お
)
り
進
(
すす
)
んで
行
(
い
)
きました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
鉢形鍋形の土噐に外面の
燻
(
くすぶ
)
りたる物有る事は前にも云ひしが、貝塚
發見
(
はつけん
)
の哺乳動物の
長骨中
(
ちやうこつちう
)
には中間より二つに
折
(
お
)
り
壞
(
くだ
)
きたる物少からず。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
わたしたちはとぼとぼ
骨
(
ほね
)
を
折
(
お
)
って歩いた。目を開けてはいられなかった。じくじくぬれた着物がこおりついたまま歩いて行った。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
お
釜
(
かま
)
に
重
(
おも
)
しをしてしまうと、こんどはまた、お
庭
(
にわ
)
から
枯
(
か
)
れ
枝
(
えだ
)
をたくさん
集
(
あつ
)
めて
来
(
き
)
て、
小
(
ちい
)
さく
折
(
お
)
っては、お
釜
(
かま
)
の下に
入
(
い
)
れました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
間もなくその足音は、勘太郎の隠れている天井の下の炉端に近づいた。そしてどさりと炉端にあぐらをかく音がする。木の
枝
(
えだ
)
を
折
(
お
)
る音がする。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
家にいる時は、まだわたしは短い上着を着て、
折
(
お
)
り
襟
(
えり
)
のカラーをしていたのだが、実はそれが
厭
(
いや
)
でならなかったのである。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
川
(
かわ
)
の
堤
(
つつみ
)
に
出
(
で
)
たとき、
紋次郎君
(
もんじろうくん
)
が
猫柳
(
ねこやなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
お
)
って
来
(
き
)
て
鐘
(
かね
)
にささげた。ささげたといっても、
鐘
(
かね
)
のそばにおいただけである。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「大変なことが起ったのだよ。『
折
(
お
)
れた
紫陽花
(
あじさい
)
』君、例のマッチ箱が日本人の手に渡ったため、わが第A密偵区は遂に解散にまで来てしまった」
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
現世的
(
げんせてき
)
執着
(
しゅうじゃく
)
の
中
(
なか
)
で、
私
(
わたくし
)
にとりて、
何
(
なに
)
よりも
断
(
た
)
ち
切
(
き
)
るのに
骨
(
ほね
)
が
折
(
お
)
れましたのは、
前
(
まえ
)
申
(
もう
)
すとおり
矢張
(
やは
)
り、
血
(
ち
)
を
分
(
わ
)
けた
両親
(
りょうしん
)
に
対
(
たい
)
する
恩愛
(
おんあい
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(
更科山
(
さらしなやま
)
の月見んとて、かしこに
罷
(
まかり
)
登りけるに、
大
(
おおい
)
なる
巌
(
いわ
)
にかたかけて、
肘
(
ひじ
)
折
(
お
)
れ造りたる堂あり。観音を据え
奉
(
たてまつ
)
れり。鏡台とか云う
外山
(
とやま
)
に向いて、)
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女の子供などは
往々
(
おうおう
)
その
茎
(
くき
)
を
交互
(
こうご
)
に短く
折
(
お
)
り、皮で
連
(
つら
)
なったまま
珠数
(
じゅず
)
のようになし、もてあそんでいることがある。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
町
(
まち
)
には、
病院
(
びょういん
)
の
新院長
(
しんいんちょう
)
に
就
(
つ
)
いての
種々
(
いろいろ
)
な
噂
(
うわさ
)
が
立
(
た
)
てられていた。
下女
(
げじょ
)
と
云
(
い
)
う
醜婦
(
しゅうふ
)
が
会計
(
かいけい
)
と
喧嘩
(
けんか
)
をしたとか、
会計
(
かいけい
)
はその
女
(
おんな
)
の
前
(
まえ
)
に
膝
(
ひざ
)
を
折
(
お
)
って
謝罪
(
しゃざい
)
したとか、と。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
峠
(
たうげ
)
の
上
(
うへ
)
から
村
(
むら
)
の
小學校
(
せうがくかう
)
へ
通
(
かよ
)
ふ
生徒
(
せいと
)
がありました。
近
(
ちか
)
いところから
通
(
かよ
)
ふ
他
(
ほか
)
の
生徒
(
せいと
)
と
違
(
ちが
)
ひまして、
子供
(
こども
)
の
足
(
あし
)
で
毎日
(
まいにち
)
峠
(
たうげ
)
の
上
(
うへ
)
から
通
(
かよ
)
ふのはなか/\
骨
(
ほね
)
が
折
(
お
)
れました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし
一七日
(
いちしちにち
)
の後には、藻に頼もしい道連れができた。それはかの千枝松で、彼は烏帽子
折
(
お
)
りの子であった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
天秤棒に肩を入れ、
曳
(
えい
)
やっと立てば、腰がフラ/\する。膝はぎくりと
折
(
お
)
れそうに、体は
顛倒
(
ひっくりかえ
)
りそうになる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
岸には
楊
(
やなぎ
)
がその葉を水面にひたして
漣
(
さざなみ
)
をつくっている。細い板橋が川の
折
(
お
)
れ
曲
(
ま
)
がったところにかかっている。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
真紅
(
まっか
)
になった面をあげて、キラリと光った眼に一生懸命の力を現わして老主人の顔を一寸見たが、
忽
(
たちま
)
ちにして
崩
(
くず
)
折
(
お
)
れ伏した。髪は
領元
(
えりもと
)
からなだれて、末は乱れた。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「ねえ、ゴテルのお
婆
(
ばあ
)
さん、
何
(
ど
)
うしてあんたの
方
(
ほう
)
が、あの
若様
(
わかさま
)
より、
引上
(
ひきあ
)
げるのに
骨
(
ほね
)
が
折
(
お
)
れるんでしょうね。
若様
(
わかさま
)
は、ちょいとの
間
(
ま
)
に、
登
(
のぼ
)
っていらっしゃるのに!」
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
玄關
(
げんくわん
)
から
下駄
(
げた
)
を
提
(
さ
)
げて
來
(
き
)
て、すぐ
庭
(
には
)
へ
下
(
お
)
りた。
縁
(
えん
)
の
先
(
さき
)
へ
便所
(
べんじよ
)
が
折
(
お
)
れ
曲
(
まが
)
つて
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
してゐるので、いとゞ
狹
(
せま
)
い
崖下
(
がけした
)
が、
裏
(
うら
)
へ
拔
(
ぬ
)
ける
半間
(
はんげん
)
程
(
ほど
)
の
所
(
ところ
)
は
猶更
(
なほさら
)
狹苦
(
せまくる
)
しくなつてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そんなりでかめへんいうたんやけど、
浴衣
(
ゆかた
)
がけでは失礼やいいなさって、着物着かえてなさったのんで、……」と、そないいいながら夫の様子
窺
(
うかご
)
うてますと、
折
(
お
)
れ
鞄
(
かばん
)
傍に置いて
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
柳原
(
やなぎはら
)
の
土手
(
どて
)
を
左
(
ひだり
)
に
折
(
お
)
れて、
駕籠
(
かご
)
はやがて三
河町
(
かわちょう
)
の、
大銀杏
(
おおいちょう
)
の
下
(
した
)
へと
差
(
さ
)
しかかっていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『
玄竹
(
げんちく
)
。
今夜
(
こんや
)
は
折
(
お
)
り
入
(
い
)
つて
其方
(
そち
)
に
相談
(
さうだん
)
したいことがある。
怜悧
(
りこう
)
な
其方
(
そち
)
の
智慧
(
ちゑ
)
を
借
(
か
)
りたいのぢや。…まあ一
盞
(
さん
)
傾
(
かたむ
)
けよ。
盃
(
さかづき
)
取
(
と
)
らせよう。』と
言
(
い
)
つて、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
持
(
も
)
つてゐた
盃
(
さかづき
)
を
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
した。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
左の足を
乳牛
(
にゅうぎゅう
)
の
胸
(
むね
)
あたりまでさし入れ、かぎの手に
折
(
お
)
った右足のひざにバケツを持たせて、
肩
(
かた
)
を
乳牛
(
にゅうぎゅう
)
のわき
腹
(
ばら
)
につけ、手も動かずからだも動かず、
乳汁
(
にゅうじゅう
)
は
滝
(
たき
)
のようにバケツにほとばしる。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一
度
(
ど
)
でも
肌身
(
はだみ
)
を
汚
(
けが
)
したとなれば、
夫
(
をつと
)
との
仲
(
なか
)
も
折
(
お
)
り
合
(
あ
)
ふまい。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
折
(
お
)
れよとばかり手をたたいて、
破
(
わ
)
れ
鐘
(
がね
)
のような声で叫んだ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
道すがら
枝折
(
しおり
)
々々と
折
(
お
)
り
柴
(
しば
)
はわが身
見棄
(
みす
)
てて帰る子のため
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
折
(
お
)
りがよろしくないと思いながら申し上げてみます
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
一
枝
(
えだ
)
折
(
お
)
れば、ぱっと
散
(
ち
)
る
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
おじいさんは、ひざを
折
(
お
)
って、うやうやしく
青
(
あお
)
い
珠
(
たま
)
を
掌
(
てのひら
)
の
上
(
うえ
)
に
載
(
の
)
せてながめていましたが、その
中
(
なか
)
から、一つ、一つ
分
(
わ
)
けはじめました。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(おれはいま何をとりたてて考える力もない。ただあの百合は
折
(
お
)
れたのだ。おれの恋は砕けたのだ。)ガドルフは思いました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あの男はからだを悪くして、もうほかの仕事ができなくなっている。かたわのからだでは食べてゆくだけに
骨
(
ほね
)
が
折
(
お
)
れるのだ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
くじに当たった男は
新平
(
しんぺい
)
という
若
(
わか
)
い力持ちの男だった。
猟
(
りょう
)
に行って
穴熊
(
あなぐま
)
を
生
(
い
)
け
捕
(
ど
)
りにしたことのある男で、村でも指
折
(
お
)
りの度胸のいい男であった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
もどかしく思って、ぐッと手をおしこもうとすると、ポキリと
折
(
お
)
れたものがある。見ると、それはろうそくではないか。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
海蔵
(
かいぞう
)
さんは
苦
(
くる
)
しそうに
笑
(
わら
)
って、
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
てゆきました。そして、
溝
(
みぞ
)
のふちで、かやつり
草
(
ぐさ
)
を
折
(
お
)
って、
蛙
(
かえる
)
をつっていました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
うん、なかなか
重
(
おも
)
いので
骨
(
ほね
)
が
折
(
お
)
れたよ。だがこれですぐ
食
(
た
)
べては、
楽
(
たの
)
しみがなくなっておもしろくないなあ。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
湯浴
(
ゆあ
)
み、食事なども、終ってから、王進は、
荘主
(
あるじ
)
の
太公
(
たいこう
)
に会った。
折
(
お
)
れ
頭巾
(
ずきん
)
をかぶり、
白髯
(
はくぜん
)
は膝にたれ、道服に似たものを着、柔かそうな
革靴
(
かわぐつ
)
をはいている。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たぶんこんな大きな牡丹は、
今日
(
こんにち
)
日本のどこを捜しても見つからぬであろう。もし果たしてそうだとすれば、これは日本一の牡丹であると
折
(
お
)
り
紙
(
がみ
)
をつけてよかろう。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
段々小さくなって遠見の姿は、谷一ぱいの吹雪に消えたり見えたりして居たが、一本檜の処まで来ると、見かえりもせず東へ
折
(
お
)
れて、
到頭
(
とうとう
)
見えなくなってしもうた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「よく、見てみよう」かれは
折
(
お
)
り
尺
(
じゃく
)
を机の上からとって、それをのばしながら、机の上にあがった。
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
だって、
格別
(
かくべつ
)
用事
(
ようじ
)
もないのに、
折角
(
せっかく
)
私達
(
わたくしたち
)
が
咲
(
さ
)
かした
花
(
はな
)
を
枝
(
えだ
)
ごと
折
(
お
)
ったり、
何
(
なに
)
かするのですもの……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
私
(
わたくし
)
はきっとこんどは
瑞典
(
スウェーデン
)
の
北極星
(
ほっきょくせい
)
の
勲章
(
くんしょう
)
を
貰
(
もら
)
おうと
思
(
おも
)
っておるです、その
勲章
(
くんしょう
)
こそは
骨
(
ほね
)
を
折
(
お
)
る
甲斐
(
かい
)
のあるものです。
白
(
しろ
)
い十
字架
(
じか
)
に、
黒
(
くろ
)
リボンの
附
(
つ
)
いた、それは
立派
(
りっぱ
)
です。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
製作形状
(
せいさくけいじやう
)
等に付ては土器の事を言ふ
折
(
お
)
りに
細説
(
さいせつ
)
すべけれど、
大概
(
たいがい
)
を述ぶれば其
全体
(
ぜんたい
)
は大なる
算盤玉
(
そろばんだま
)
の如くにして
横
(
よこ
)
に
卷煙草
(
まきたばこ
)
のパイプを
短
(
みぢか
)
くせし如き形の
注
(
つ
)
ぎ出し口付きたり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
袖子
(
そでこ
)
の
方
(
ほう
)
でもよくその
光子
(
みつこ
)
さんを
見
(
み
)
に
行
(
い
)
って、
暇
(
ひま
)
さえあれば
一緒
(
いっしょ
)
に
折
(
お
)
り
紙
(
がみ
)
を
畳
(
たた
)
んだり、お
手玉
(
てだま
)
をついたりして
遊
(
あそ
)
んだものだ。そういう
時
(
とき
)
の
二人
(
ふたり
)
の
相手
(
あいて
)
は、いつでもあの
人形
(
にんぎょう
)
だった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
右
(
みぎ
)
へ
行
(
い
)
く
白壁町
(
しろかべちょう
)
への
道
(
みち
)
を
左
(
ひだり
)
へ
折
(
お
)
れたために、
狐
(
きつね
)
につままれでもしたように、
方角
(
ほうがく
)
さえも
判
(
わか
)
らなくなった
折
(
おり
)
も
折
(
おり
)
、
彼方
(
かなた
)
の
本多豊前邸
(
ほんだぶぜんてい
)
の
練塀
(
ねりべい
)
の
影
(
かげ
)
から、ひた
走
(
はし
)
りに
走
(
はし
)
ってくる
女
(
おんな
)
の
気配
(
けはい
)
。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
“折”を含む語句
端折
尻端折
折伏
九十九折
折曲
手折
挫折
折屈
崩折
折々
折敷
骨折
折悪
折角
折柄
夭折
中折帽
折節
折釘
折合
...