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屡
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しば/\
ふりがな文庫
“
屡
(
しば/\
)” の例文
農夫は
屡
(
しば/\
)
後
(
おくる
)
るゆゑ
終
(
つひ
)
には
棄
(
すて
)
て
独
(
ひとり
)
先
(
さき
)
の村にいたり、しるべの家に入りて
炉辺
(
ろへん
)
に
身
(
み
)
を
温
(
あたゝめ
)
て酒を
酌
(
くみ
)
、
始
(
はじめ
)
て
蘇生
(
よみがへり
)
たるおもひをなしけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
マス君は
屡
(
しば/\
)
真直
(
まつすぐ
)
な鋭い剣を送つたが、
偶
(
たま/\
)
其れを避け外したカ君の
右腕
(
うわん
)
から血が流れた。
可
(
か
)
なり深い負傷であるに
拘
(
かゝは
)
らずカ君は戦闘を続けた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
後抽斎の未亡人五百は、当時柏軒が「目を泣き腫らし、額に青筋を出してゐた」状を記憶してゐて、
屡
(
しば/\
)
人に語つたさうである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
かれは此能力の為に、今日迄一図に
物
(
もの
)
に向つて突進する勇気を
挫
(
くぢ
)
かれた。即かず離れず現状に立ち
竦
(
すく
)
んでゐる事が
屡
(
しば/\
)
あつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これ位の僅な事は考へるまでもなく誰でも承知してゐることであるが、実際は小さいものゝ上に大きい物を重ねる様な真似を
屡
(
しば/\
)
演ずるものである。
些細なやうで重大な事
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
寧
(
むし
)
ろ
更
(
さら
)
に
上層
(
じようそう
)
に
上
(
のぼ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
屋上
(
おくじよう
)
の
物干場
(
ものほしば
)
に
避難
(
ひなん
)
することを
勸
(
すゝ
)
めるのであるが、
實際
(
じつさい
)
かういふ
賢明
(
けんめい
)
な
處置
(
しよち
)
を
取
(
と
)
られた
例
(
れい
)
は
屡
(
しば/\
)
耳
(
みゝ
)
にするところである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
下水と
溝川
(
みぞかは
)
はその上に
架
(
かゝ
)
つた
汚
(
きたな
)
い
木橋
(
きばし
)
や、崩れた寺の塀、枯れかゝつた
生垣
(
いけがき
)
、または貧しい人家の
様
(
さま
)
と相対して、
屡
(
しば/\
)
憂鬱なる裏町の光景を組織する。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
然
(
しかれ
)
ども
余
(
よ
)
が
机上
(
きしやう
)
它
(
た
)
の
編筆
(
へんひつ
)
に
忙
(
せはし
)
く
屡
(
しば/\
)
稿
(
かう
)
を
脱
(
だつす
)
るの
期約
(
きやく
)
を
失
(
うしな
)
ひしゆゑ、
近日
(
このごろ
)
務
(
つとめ
)
て老人が
稿本
(
かうほん
)
の
残冊
(
ざんさつ
)
を
訂
(
てい
)
し、
以
(
もつて
)
其乞
(
そのこひ
)
に
授
(
さづ
)
く。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
近い処に居る人の目は
屡
(
しば/\
)
桃
割
(
われ
)
の女に注がれる。絵はがきになつて居る赤坂の
某
(
なにがし
)
だらうなどヽ云つて居る者もあつた。
御門主
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
余
(
よ
)
は
現時
(
げんじ
)
人
(
ひと
)
より
羨
(
うらや
)
まるゝ
程
(
ほど
)
の
健康
(
けんかう
)
を
保
(
たも
)
ち
居
(
を
)
れども、
壯年
(
さうねん
)
の
頃
(
ころ
)
までは
體質
(
たいしつ
)
至
(
いた
)
つて
弱
(
よわ
)
く、
頭痛
(
づつう
)
に
惱
(
なや
)
まされ、
胃
(
ゐ
)
を
病
(
や
)
み、
屡
(
しば/\
)
風邪
(
ふうじや
)
に
犯
(
をか
)
され、
絶
(
た
)
えず
病
(
やまひ
)
の
爲
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
めり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
洗
(
あら
)
つては
乾
(
かわか
)
し/\
屡
(
しば/\
)
それが
反覆
(
はんぷく
)
されてだん/\に
薄青
(
うすあを
)
く、さうして
闇
(
やみ
)
の
夜
(
よ
)
をさへ
明
(
あかる
)
くする
程
(
ほど
)
純白
(
じゆんぱく
)
に
曝
(
さら
)
された。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
就中
(
なかんづく
)
マリウチアといふ娘は、この戲にて我を泣かすること
屡
(
しば/\
)
なりき。マリウチアは活溌なる少女なりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
己達は昔のやうに又島の倶楽部の卓を囲むことになり、それよりは
屡
(
しば/\
)
博奕の卓を囲むことになつた。紙で拵へた仮面は己達の顔を掩つた。己達は興を
縦
(
ほしい
)
ままにした。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
此
(
この
)
弦月丸
(
げんげつまる
)
にも
屡
(
しば/\
)
其
(
その
)
催
(
もようし
)
があつて
私等
(
わたくしら
)
も
折々
(
をり/\
)
臨席
(
りんせき
)
したが、
或
(
ある
)
夜
(
よ
)
の
事
(
こと
)
、
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
眩
(
まば
)
ゆき
舞踏室
(
ぶたうしつ
)
では
今夜
(
こんや
)
は
珍
(
めづ
)
らしく
音樂會
(
おんがくくわい
)
の
催
(
もよう
)
さるゝ
由
(
よし
)
で、
幾百人
(
いくひやくにん
)
の
歐米人
(
をうべいじん
)
は
老
(
おい
)
も
若
(
わか
)
きも
其處
(
そこ
)
に
集
(
あつま
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
南洲及び大久保公、木戸公、後藤象次郎、坂本龍馬等公を洛東より迎へて、朝政に任ぜしむ。公既に職に在り、
屡
(
しば/\
)
刺客
(
せきかく
)
の
狙撃
(
そげき
)
する所となり、
危難
(
きなん
)
累
(
しき
)
りに至る、而かも
毫
(
がう
)
も
趨避
(
すうひ
)
せず。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
友之助は一体
善
(
よ
)
い人でございますから、二なき出入が出来たと心得て、
屡
(
しば/\
)
参ります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
浮世に背き微志を蓄へてより、世路
酷
(
はなは
)
だ
峭嶢
(
せうげう
)
、烈々たる炎暑、
凄々
(
せい/\
)
たる冬日、いつはつべしとも知らぬ旅路の空をうち眺めて、
屡
(
しば/\
)
、正直男と共に故郷なつかしく袖を涙にひぢしことあり。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
彼はこの出来事を、思ひのほか重大視してゐる彼女の心を、今までにも
屡
(
しば/\
)
経験する機会をもつてゐた。それは
寧
(
むし
)
ろ
曾
(
かつ
)
て見たこともなかつたやうな、彼女の
可憐
(
いぢら
)
しさだとしか思へなかつた。
花が咲く
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女はY町の
偏邊
(
かたほとり
)
の荒れるに委せた墳墓のことを圭一郎が厭がる程
屡
(
しば/\
)
口にした。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
欧洲では近頃まで硝子粉末による殺児が
屡
(
しば/\
)
行はれた。ダイヤモンドも同様にある場合には毒と考へられ、かの文芸復興期に出た鬼才パラセルズスはダイヤモンド中毒で死んだと伝へられて居る。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
農夫は
屡
(
しば/\
)
後
(
おくる
)
るゆゑ
終
(
つひ
)
には
棄
(
すて
)
て
独
(
ひとり
)
先
(
さき
)
の村にいたり、しるべの家に入りて
炉辺
(
ろへん
)
に
身
(
み
)
を
温
(
あたゝめ
)
て酒を
酌
(
くみ
)
、
始
(
はじめ
)
て
蘇生
(
よみがへり
)
たるおもひをなしけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
必ずや茶山は相見る日を待たずして
屡
(
しば/\
)
報復を促し、蘭軒は遂に一たび断えたコレスポンダンスの緒を継いだことであらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
僕は
巴里
(
パリイ
)
に居て常にセエヌの
河岸
(
かし
)
を逍遥した如く、
屡
(
しば/\
)
テエムス河の岸と
倫敦橋
(
ロンドンけう
)
の上とを散歩して英仏両国民の性情の相
異
(
ことな
)
る特色を
此処
(
ここ
)
に読む気がした。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
然し彼等は
其
(
その
)
名前に特別な
新
(
あた
)
らしい意味を
着
(
つ
)
けた。さうして彼の思想を
此
(
この
)
大戦争の影響者である如くに言ひ出した。是は誰の
眼
(
め
)
にも
映
(
うつ
)
る程
屡
(
しば/\
)
繰り
返
(
かへ
)
された。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの、
一
(
ひ
)
ィ
二
(
ふ
)
ゥ
三
(
み
)
ィ………四つ目の
瓦斯燈
(
ガスとう
)
の出てるところだよ。
松葉屋
(
まつばや
)
と書いてあるだらう。ね。あの
家
(
うち
)
よ。」とお
糸
(
いと
)
は
屡
(
しば/\
)
橋場
(
はしば
)
の
御新造
(
ごしんぞ
)
につれて来られたり
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私等は十五の
歳
(
とし
)
に女学校を卒業しましたが、南さんはそのまゝお
下
(
さが
)
りになり、私は補習科に残りましたから、淋しく物足らない思ひをすることも
屡
(
しば/\
)
ありました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
余也
(
よや
)
固
(
もとより
)
浅学
(
せんがく
)
にして多く
書
(
しよ
)
を
不読
(
よまず
)
、
寒家
(
かんか
)
にして書に
不富
(
とまず
)
、少く蔵せしも
屡
(
しば/\
)
祝融
(
しゆくいう
)
に
奪
(
うばゝ
)
れて、
架上
(
かしやう
)
蕭然
(
せうぜん
)
たり。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
屡
(
しば/\
)
海底
(
かいてい
)
の
大地震
(
だいぢしん
)
を
起
(
おこ
)
す
場所
(
ばしよ
)
に
接
(
せつ
)
し、そこに
向
(
むか
)
つて
大
(
おほ
)
きく
漏斗形
(
じようごがた
)
に
開
(
ひら
)
いた
地形
(
ちけい
)
の
港灣
(
こうわん
)
がそれに
當
(
あた
)
るわけであるが、これに
次
(
つ
)
いで
多少
(
たしよう
)
の
注意
(
ちゆうい
)
を
拂
(
はら
)
ふべきは、
遠淺
(
とほあさ
)
の
海岸
(
かいがん
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
其處
(
そこ
)
には
毛蟲
(
けむし
)
や
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
の
淺猿
(
あさま
)
しい
損害
(
そんがい
)
が
或
(
あるひ
)
は
有
(
あ
)
るにしても、しと/\と
屡
(
しば/\
)
梢
(
こずゑ
)
を
打
(
う
)
つ
雨
(
あめ
)
が
空
(
そら
)
の
蒼
(
あを
)
さを
移
(
うつ
)
したかと
思
(
おも
)
ふやうに
力強
(
ちからづよ
)
い
深
(
ふかい
)
い
緑
(
みどり
)
が
地上
(
ちじやう
)
を
掩
(
おほ
)
うて
爽
(
さわや
)
かな
冷
(
すゞ
)
しい
陰
(
かげ
)
を
作
(
つく
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其後
(
そののち
)
數年間
(
すうねんかん
)
は
春夏
(
しゆんか
)
の
際
(
さい
)
折々
(
をり/\
)
行
(
おこな
)
ふに
過
(
す
)
ぎざりしが、二十五六
歳
(
さい
)
の
頃
(
ころ
)
醫
(
い
)
を
以
(
もつ
)
て
身
(
み
)
を
立
(
た
)
つるに
及
(
およ
)
び、
日夜
(
にちや
)
奔走
(
ほんそう
)
の
際
(
さい
)
頭痛
(
づつう
)
甚
(
はなはだ
)
しき
時
(
とき
)
は
臥床
(
ふしど
)
に
就
(
つ
)
きし
事
(
こと
)
屡
(
しば/\
)
なりしが、
其
(
その
)
際
(
さい
)
には
頭部
(
とうぶ
)
を
冷水
(
れいすゐ
)
を
以
(
もつ
)
て
冷却
(
れいきやく
)
し
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
弥ざゑもんはからず十両の金を
得
(
え
)
て
質
(
しち
)
入れせし田地をもうけもどし、これより
屡
(
しば/\
)
幸
(
さいはひ
)
ありてほどなく家もあらたに作りたていぜんにまさりて
栄
(
さかえ
)
けり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
程霞生赤城、一
字
(
じ
)
は
相塘
(
しやうたう
)
である。
屡
(
しば/\
)
長崎に来去して国語を解し
諺文
(
げんぶん
)
を識つてゐた。「こりずまに書くや此仮名文字まじり人は笑へど書くや此仮名」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
滋野の話に
由
(
よ
)
ると、修繕前の若鳥号に
屡
(
しば/\
)
乗つて飛行を試験して居た
飛行家
(
ピロツト
)
にナルヂニイと云ふ
伊太利
(
イタリイ
)
人が居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
お
豊
(
とよ
)
は
長吉
(
ちやうきち
)
が久しい以前から
屡
(
しば/\
)
学校を休む
為
(
た
)
めに自分の
認印
(
みとめいん
)
を
盗
(
ぬす
)
んで
届書
(
とゞけしよ
)
を
偽造
(
ぎざう
)
してゐた事をば、暗黒な運命の
前兆
(
ぜんてう
)
である
如
(
ごと
)
く、声まで
潜
(
ひそ
)
めて長々しく物語る………
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鳥海
(
ちようかい
)
又
(
また
)
は
阿蘇
(
あそ
)
の
噴火
(
ふんか
)
に
大蛇
(
おろち
)
が
屡
(
しば/\
)
現
(
あらは
)
れるのも、
迷信
(
めいしん
)
から
起
(
おこ
)
つた
幻影
(
げんえい
)
に
外
(
ほか
)
ならないのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
斯
(
か
)
う
揃
(
そろ
)
つて
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た
事
(
こと
)
も
珍
(
めづ
)
らしくはなかつた。
家
(
うち
)
の
中
(
なか
)
で
顏
(
かほ
)
を
合
(
あ
)
はせる
事
(
こと
)
は
猶
(
なほ
)
屡
(
しば/\
)
あつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
明日
(
あした
)
にしろ」と
彼
(
かれ
)
は
簡單
(
かんたん
)
に
拒絶
(
きよぜつ
)
してさうしてそれつきりいはないことが
有
(
あ
)
るやうになつた。
與吉
(
よきち
)
は
屡
(
しば/\
)
さういはれて
悄然
(
せうぜん
)
として
居
(
ゐ
)
るのを、
卯平
(
うへい
)
は
凝視
(
みつ
)
めて
餘計
(
よけい
)
に
目
(
め
)
を
蹙
(
しか
)
めつゝあるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
牧之
(
ぼくし
)
老人は
越後
(
ゑちご
)
の
聞人
(
ぶんじん
)
なり。
甞
(
かつて
)
貞介朴実
(
ていかいぼくじつ
)
を
以
(
もつて
)
聞
(
きこ
)
え、
屡
(
しば/\
)
県監
(
けんかん
)
の
褒賞
(
はうしやう
)
を
拝
(
はい
)
して氏の
国称
(
こくしよう
)
を
許
(
ゆるさ
)
る。
生計
(
せいけい
)
の
余暇
(
よか
)
風雅
(
ふうが
)
を以四方に
交
(
まじは
)
る。余が
亡兄
(
ぼうけい
)
醒斎
(
せいさい
)
京伝の別号
翁
(
をう
)
も
鴻書
(
こうしよ
)
の
友
(
とも
)
なりしゆゑ、
余
(
よ
)
も
亦
(
また
)
是
(
これ
)
に
嗣
(
つ
)
ぐ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
弥ざゑもんはからず十両の金を
得
(
え
)
て
質
(
しち
)
入れせし田地をもうけもどし、これより
屡
(
しば/\
)
幸
(
さいはひ
)
ありてほどなく家もあらたに作りたていぜんにまさりて
栄
(
さかえ
)
けり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
有志之士、
不堪杞憂
(
きいうにたへず
)
、
屡
(
しば/\
)
正論
讜議
(
たうぎ
)
すと雖、雲霧
濛々
(
もう/\
)
、
毫
(
がう
)
も採用せられず。
乃
(
すなは
)
ち断然
奸魁
(
かんくわい
)
を
斃
(
たふ
)
して、朝廷の反省を促す。下情
壅塞
(
ようそく
)
せるより起ると云ふは
即是也
(
すなはちこれなり
)
。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
然
(
さ
)
れば園丁の云ふところ亦
遽
(
にはか
)
に信ずるに足らず。余
屡
(
しば/\
)
先考の詩稿を反復すれども詠吟いまだ一首としてこの花に及べるものを見ず。母に問ふと
雖
(
いへども
)
また其の名を知るによしなし。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
さう
云
(
い
)
ふ
場合
(
ばあひ
)
には、
心
(
こゝろ
)
のうちに、
當時
(
たうじ
)
の
自分
(
じぶん
)
が
一圖
(
いちづ
)
に
振舞
(
ふるま
)
つた
苦
(
にが
)
い
記憶
(
きおく
)
を、
出來
(
でき
)
る
丈
(
だけ
)
屡
(
しば/\
)
呼
(
よ
)
び
起
(
おこ
)
させるために、とくに
天
(
てん
)
が
小六
(
ころく
)
を
自分
(
じぶん
)
の
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
に
据
(
す
)
ゑ
付
(
つ
)
けるのではなからうかと
思
(
おも
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
餘震
(
よしん
)
を
恐怖
(
きようふ
)
せるため、
消防
(
しようぼう
)
に
十分
(
じゆうぶん
)
の
實力
(
じつりよく
)
を
發揮
(
はつき
)
することが
出來
(
でき
)
なかつたとは、
屡
(
しば/\
)
專門
(
せんもん
)
の
消防手
(
しようぼうしゆ
)
から
聞
(
き
)
く
述懷
(
じつかい
)
であるが、
著者
(
ちよしや
)
は
此種
(
このしゆ
)
の
人士
(
じんし
)
が
餘震
(
よしん
)
を
誤解
(
ごかい
)
してゐるのを、
最
(
もつと
)
も
遺憾
(
いかん
)
に
思
(
おも
)
ふものである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
然
(
しかれ
)
ども
余
(
よ
)
が
机上
(
きしやう
)
它
(
た
)
の
編筆
(
へんひつ
)
に
忙
(
せはし
)
く
屡
(
しば/\
)
稿
(
かう
)
を
脱
(
だつす
)
るの
期約
(
きやく
)
を
失
(
うしな
)
ひしゆゑ、
近日
(
このごろ
)
務
(
つとめ
)
て老人が
稿本
(
かうほん
)
の
残冊
(
ざんさつ
)
を
訂
(
てい
)
し、
以
(
もつて
)
其乞
(
そのこひ
)
に
授
(
さづ
)
く。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
眞志屋の自立してゐた間の菓子店は、既に
屡
(
しば/\
)
云つたやうに新石町、金澤の店は本石町二丁目西角であつた。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
○同年閏十月十九日大政□臣を
贈
(
おく
)
らる。しかれば此 御神の御位は正一位大政□臣としるべし。
後年
(
こうねん
)
屡
(
しば/\
)
神灵
(
しんれい
)
の
赫々
(
かく/\
)
たる
徴
(
しるし
)
ありしによりて、 天満宮、或 自在天神の
贈称
(
さうしよう
)
あり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
屡
漢検準1級
部首:⼫
12画
“屡”を含む語句
屡々
屡〻
屡叩
屡次
屡瞬
屡ゝ
多摩枳波屡
大変屡々
屡〻見
屡屡