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不自由
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ふじゆう
ふりがな文庫
“
不自由
(
ふじゆう
)” の例文
この
不自由
(
ふじゆう
)
な、
醜
(
みにく
)
い、
矛盾
(
むじゅん
)
と
焦燥
(
しょうそう
)
と
欠乏
(
けつぼう
)
と
腹立
(
はらだ
)
たしさの、
現実
(
げんじつ
)
の
生活
(
せいかつ
)
から、
解放
(
かいほう
)
される
日
(
ひ
)
は、そのときであるような
気
(
き
)
がしたのです。
希望
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いや、おんみずからのご
不自由
(
ふじゆう
)
よりも、
戦乱
(
せんらん
)
のちまたに
飢
(
う
)
えひしがれている民のうえにご
宸念
(
しんねん
)
を
休
(
やす
)
ませられたことがない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敵
(
てき
)
におそわれたり、たべものに
不自由
(
ふじゆう
)
する
心配
(
しんぱい
)
もなく、
安心
(
あんしん
)
して、卵をかえしたり、ひなをそだてたりすることのできるところがたくさんあるのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
山本先生
(
やまもとせんせい
)
は
目
(
め
)
がわるくて、
本
(
ほん
)
をよむことが
不自由
(
ふじゆう
)
なので、
諭吉
(
ゆきち
)
は、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
のうごきなどについて、いろいろな
先生
(
せんせい
)
がたの
漢文
(
かんぶん
)
でかいたものをよんであげたり
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「おまえの生きているかぎり、子ジカはおまえのそばにおくがよい。あれにもけっして
不自由
(
ふじゆう
)
はさせぬ。」
にいさんと妹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたくし
)
が
重
(
おも
)
い
枕
(
まくら
)
に
就
(
つ
)
いて、
起居
(
たちい
)
も
不自由
(
ふじゆう
)
になったと
聞
(
き
)
いた
時
(
とき
)
に、
第一
(
だいいち
)
に
馳
(
は
)
せつけて、なにくれと
介抱
(
かいほう
)
に
手
(
て
)
をつくしてくれましたのは
矢張
(
やは
)
り
鎌倉
(
かまくら
)
の
両親
(
りょうしん
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
若者
(
わかもの
)
はとんだ
拾
(
ひろ
)
い
物
(
もの
)
をしたと
思
(
おも
)
って、いわれるままにその
家
(
いえ
)
に
住
(
す
)
みました。たった
一人
(
ひとり
)
の
暮
(
く
)
らしですから、
当分
(
とうぶん
)
はもらったお
米
(
こめ
)
で、
不自由
(
ふじゆう
)
なく
暮
(
く
)
らしていきました。
一本のわら
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
たいへん
不自由
(
ふじゆう
)
していたので、
宿屋
(
やどや
)
にとまっている、じょうずなわかい木ぐつ屋のうわさを聞くと、われもわれもと、木ぐつの注文をしに、やってきたのでありました。
名なし指物語
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
だがさういふ
不自由
(
ふじゆう
)
な
約束
(
やくそく
)
の
出來
(
でき
)
ない
前
(
まへ
)
の
歌
(
うた
)
を
見
(
み
)
ると、
譬
(
たと
)
ひ
秋
(
あき
)
の
悲
(
かな
)
しくさびしいものだと
詠
(
よ
)
んでゐても、それが
各
(
かく
)
個人
(
こじん
)
の
實際
(
じつさい
)
の
感
(
かん
)
じとして
人々
(
ひと/″\
)
の
胸
(
むね
)
に
強
(
つよ
)
く
觸
(
ふ
)
れるのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
足
(
あし
)
が
不自由
(
ふじゆう
)
であるにも
拘
(
かかわ
)
らず、四十に
近
(
ちか
)
い
顔
(
かお
)
には、
触
(
ふれ
)
れば
剥
(
は
)
げるまでに
濃
(
こ
)
く
白粉
(
おしろい
)
を
塗
(
ぬ
)
って、
寝
(
ね
)
る
時
(
とき
)
より
外
(
ほか
)
には、
滅多
(
めった
)
に
放
(
はな
)
したことのない
長煙管
(
ながぎせる
)
を、いつも
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うえ
)
についていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
病院
(
びょういん
)
などに
入
(
はい
)
るものは、
皆
(
みんな
)
病人
(
びょうにん
)
や
百姓共
(
ひゃくしょうども
)
だから、その
位
(
くらい
)
な
不自由
(
ふじゆう
)
は
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
いことである、
自家
(
じか
)
にいたならば、なおさら
不自由
(
ふじゆう
)
をせねばなるまいとか、
地方自治体
(
ちほうじちたい
)
の
補助
(
ほじょ
)
もなくて
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あゝ
一昨年
(
おととし
)
から
己
(
お
)
れも
日
(
ひ
)
がけの
集
(
あつ
)
めに
廻
(
まわ
)
るさ、
祖母
(
おばあ
)
さんは
年寄
(
としよ
)
りだから
其
(
その
)
うちにも
夜
(
よ
)
るは
危
(
あぶ
)
ないし、
目
(
め
)
が
惡
(
わ
)
るいから
印形
(
いんげう
)
を
押
(
おし
)
たり
何
(
なに
)
かに
不自由
(
ふじゆう
)
だからね、
今
(
いま
)
まで
幾人
(
いくたり
)
も
男
(
をとこ
)
を
使
(
つか
)
つたけれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なに
不自由
(
ふじゆう
)
のないようにしてやりました。
壇ノ浦の鬼火
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
おばあさんは、おじいさんの
残
(
のこ
)
していってくれた、たくさんのお
金
(
かね
)
がありましたから、なに
不自由
(
ふじゆう
)
なく
暮
(
く
)
らしていくことができました。
おばあさんと黒ねこ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と
呼
(
よ
)
びながら、
地
(
じ
)
の中から出て
来
(
き
)
たものがありました。それは、目の
見
(
み
)
えないみみずで、目が
不自由
(
ふじゆう
)
なものですから、こんなに
来
(
く
)
るのに
手間
(
てま
)
をとってしまったのです。
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一
行
(
こう
)
は四十
人
(
にん
)
たらずでしたが、
外国
(
がいこく
)
では、たべものが
不自由
(
ふじゆう
)
だろうというので、
白米
(
はくまい
)
を
何日
(
なんにち
)
ぶんも
船
(
ふね
)
につみこんだり、
宿
(
やど
)
がくらくてはこまるとおもい、ろうかにつける
金
(
かな
)
あんどんや
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
当時
(
とうじ
)
江戸
(
えど
)
では一
番
(
ばん
)
だという、その
笠森
(
かさもり
)
の
水茶屋
(
みずぢゃや
)
の
娘
(
むすめ
)
が、どれ
程
(
ほど
)
勝
(
すぐ
)
れた
縹緻
(
きりょう
)
にもせよ、
浪速
(
なにわ
)
は
天満天神
(
てんまんてんじん
)
の、
橋
(
はし
)
の
袂
(
たもと
)
に
程近
(
ほどちか
)
い
薬種問屋
(
やくしゅどんや
)
「
小西
(
こにし
)
」の
娘
(
むすめ
)
と
生
(
う
)
まれて、
何
(
なに
)
ひとつ
不自由
(
ふじゆう
)
も
知
(
し
)
らず
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
父
(
ちち
)
の
存命中
(
ぞんめいちゅう
)
には、イワン、デミトリチは
大学
(
だいがく
)
修業
(
しゅうぎょう
)
の
為
(
ため
)
にペテルブルグに
住
(
す
)
んで、
月々
(
つきづき
)
六七十
円
(
えん
)
ずつも
仕送
(
しおくり
)
され、
何
(
なに
)
不自由
(
ふじゆう
)
なく
暮
(
くら
)
していたものが、
忽
(
たちまち
)
にして
生活
(
くらし
)
は一
変
(
ぺん
)
し、
朝
(
あさ
)
から
晩
(
ばん
)
まで
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
此
(
この
)
ほどの
事
(
こと
)
かゝんもくだ/\しや
大音寺前
(
だいおんじまへ
)
にて
珍
(
めづ
)
らしき
事
(
こと
)
は
盲目按摩
(
めくらあんま
)
の二十ばかりなる
娘
(
むすめ
)
、かなはぬ
戀
(
こひ
)
に
不自由
(
ふじゆう
)
なる
身
(
み
)
を
恨
(
うら
)
みて
水
(
みづ
)
の
谷
(
や
)
の
池
(
いけ
)
に
入水
(
じゆすい
)
したるを
新
(
あた
)
らしい
事
(
こと
)
とて
傳
(
つた
)
へる
位
(
くらゐ
)
なもの
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
始終
(
しじゅう
)
不自由
(
ふじゆう
)
をして、
貧
(
まず
)
しく
死
(
し
)
んでいった
母親
(
ははおや
)
のことを
思
(
おも
)
うと、すこしの
楽
(
たの
)
しみもさせずにしまったのを、
心
(
こころ
)
から
悔
(
く
)
いるためもありました。
万の死
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さら
)
に
続
(
つづ
)
けて。『
全体
(
ぜんたい
)
君
(
きみ
)
は
不自由
(
ふじゆう
)
な
生活
(
せいかつ
)
をされているので、
家
(
いえ
)
と
云
(
い
)
えば
清潔
(
せいけつ
)
でなし、
君
(
きみ
)
の
世話
(
せわ
)
をする
者
(
もの
)
は
無
(
な
)
し、
療治
(
りょうじ
)
をするには
銭
(
ぜに
)
は
無
(
な
)
し。ねえ
君
(
きみ
)
、で
我々
(
われわれ
)
は
切
(
せつ
)
に
君
(
きみ
)
に
勧
(
すす
)
めるのだ。 ...
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
流
(
なが
)
されて行った
島
(
しま
)
にはろくろく
食
(
た
)
べるものもありませんし、よしあっても、
体
(
からだ
)
の
不自由
(
ふじゆう
)
な
年寄
(
としより
)
にはそれを
自由
(
じゆう
)
に
取
(
と
)
って
食
(
た
)
べることができませんでしたから、みんな行くとすぐ
死
(
し
)
んでしまいました。
姨捨山
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「
不自由
(
ふじゆう
)
な
眼
(
まなこ
)
だの。そんなこっちゃ、
面白
(
おもしろ
)
い
思
(
おも
)
いは
出来
(
でき
)
ねえぜ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
どこか、
金持
(
かねも
)
ちで、なに
不自由
(
ふじゆう
)
なく
暮
(
く
)
らされて、
娘
(
むすめ
)
をかわいがってくれるような
人
(
ひと
)
のところへやりたいものだと
考
(
かんが
)
えていました。
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、
時計屋
(
とけいや
)
へ
直
(
なお
)
しにやると、あとでほかに
時計
(
とけい
)
がないので
不自由
(
ふじゆう
)
なものですから、一
日
(
にち
)
、一
日
(
にち
)
延
(
の
)
びてしまうのでありました。
時計とよっちゃん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寒
(
さむ
)
い、
北
(
きた
)
の
方
(
ほう
)
の
小
(
ちい
)
さな
町
(
まち
)
に、
独
(
ひと
)
り
者
(
もの
)
の
男
(
おとこ
)
が
住
(
す
)
んでいました。べつに
不自由
(
ふじゆう
)
はしていなかったが、
口癖
(
くちぐせ
)
のようにつまらないといっていました。
幸福の鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、その
野原
(
のはら
)
は
広
(
ひろ
)
うございましたので、
毎日
(
まいにち
)
遊
(
あそ
)
ぶのに、
不自由
(
ふじゆう
)
を
感
(
かん
)
じませんでした。
自分
(
じぶん
)
ばかりでない、たくさんのほかのこちょうもいました。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おまえたちは、お
母
(
かあ
)
さんの
田舎
(
いなか
)
へ
帰
(
かえ
)
ったほうがいいか、それとも、こちらで、いくら
不自由
(
ふじゆう
)
をしても
暮
(
く
)
らしたほうがいいか、どちらがいいかな?」
青い草
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
上等兵
(
じょうとうへい
)
小野清作
(
おのせいさく
)
は、
陸軍病院
(
りくぐんびょういん
)
の
手厚
(
てあつ
)
い
治療
(
ちりょう
)
で、
腕
(
うで
)
の
傷口
(
きずぐち
)
もすっかりなおれば、このごろは
義手
(
ぎしゅ
)
を
用
(
もち
)
いてなに
不自由
(
ふじゆう
)
なく
仕事
(
しごと
)
ができるようになりました。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
雪
(
ゆき
)
がふると、お
母
(
かあ
)
さんは、
町
(
まち
)
へ
出
(
で
)
るのに、どんなに
不自由
(
ふじゆう
)
をなさるかしれない。それだのに、この
人
(
ひと
)
たちは、
遊
(
あそ
)
びができるといってよろこんでいる。」
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
昔
(
むかし
)
、あるところに
金持
(
かねも
)
ちがありまして、なんの
不自由
(
ふじゆう
)
もなく
暮
(
く
)
らしていましたが、ふと
病気
(
びょうき
)
にかかりました。
金の魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、それは、すこしの
不自由
(
ふじゆう
)
をも
彼
(
かれ
)
らに
感
(
かん
)
じさせなかったのです。
時計
(
とけい
)
が
壊
(
こわ
)
れても、
太陽
(
たいよう
)
は、けっして
壊
(
こわ
)
れたり、
狂
(
くる
)
ったりすることはありませんでした。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「おじいさん、なにか
不自由
(
ふじゆう
)
なものがあったら、どうかいってください。なんでもしてあげますから。」
犬と人と花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
お
父
(
とう
)
さんや、お
母
(
かあ
)
さんは、たくさんのお
金
(
かね
)
を
残
(
のこ
)
して、この
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
から
去
(
さ
)
られたので、お
嬢
(
じょう
)
さまはりっぱな、
大
(
おお
)
きな
家
(
いえ
)
になに
不自由
(
ふじゆう
)
なく、
独
(
ひと
)
りで
暮
(
く
)
らしていられました。
初夏の空で笑う女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
同
(
おな
)
じ
場所
(
ばしょ
)
で、おとなにも
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
な
患者
(
かんじゃ
)
がいました。
別
(
べつ
)
に
付
(
つ
)
き
添
(
そ
)
いがいないので、
不自由
(
ふじゆう
)
するのを
見
(
み
)
ると、お
竹
(
たけ
)
は、そんな
人
(
ひと
)
には、できるだけのしんせつをしたのでした。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また
晩
(
ばん
)
から
新聞
(
しんぶん
)
が
不自由
(
ふじゆう
)
なく
読
(
よ
)
めると
思
(
おも
)
い、それを
楽
(
たの
)
しみながら、
家
(
いえ
)
へ
帰
(
かえ
)
られたのであります。
小さなねじ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先方
(
せんぽう
)
が、
金持
(
かねも
)
ちで、なに
不自由
(
ふじゆう
)
なく、そして、
娘
(
むすめ
)
をかわいがってさえくれればいいと
思
(
おも
)
っていましたので、
先方
(
せんぽう
)
がそんなにいいとこであるなら、
娘
(
むすめ
)
もしあわせだからというので
海ぼたる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
反対
(
はんたい
)
で、
体
(
からだ
)
こそよく
自由
(
じゆう
)
はきかなかったが、ますます
口
(
くち
)
やかましくなって、それに
自分
(
じぶん
)
が
不自由
(
ふじゆう
)
で、
思
(
おも
)
うようにならぬところから、かんしゃくを
起
(
お
)
こして、
使
(
つか
)
っているものに
夏とおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私
(
わたし
)
は、「はたして、そうだろうか?」と、
疑
(
うたが
)
わざるを
得
(
え
)
なかったのです。なぜなら、
孝
(
こう
)
ちゃんの
家
(
うち
)
は、お
父
(
とう
)
さんがないのに、また
姉
(
ねえ
)
さんが
病気
(
びょうき
)
で、一
家
(
か
)
は
不自由
(
ふじゆう
)
をしつづけている。
草原の夢
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ふとしたことから、
姉妹
(
きょうだい
)
の
父親
(
ちちおや
)
が
目
(
め
)
を
患
(
わずら
)
いました。はじめのうちは、じきになおるだろうと
思
(
おも
)
っていましたが、だんだん
悪
(
わる
)
くなって、
一通
(
ひととお
)
りでない
不自由
(
ふじゆう
)
をするようになりました。
木と鳥になった姉妹
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こんな
山中
(
やまなか
)
だけれど、なに
不自由
(
ふじゆう
)
はない。
長
(
なが
)
くここに
住
(
す
)
めば、
春
(
はる
)
、
夏
(
なつ
)
、
秋
(
あき
)
、
冬
(
ふゆ
)
、いろいろの
美
(
うつく
)
しいながめもあれば、
楽
(
たの
)
しみもある。おまえはいいと
思
(
おも
)
ったら、いつまでも
住
(
す
)
むがいい。
白すみれとしいの木
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「お
母
(
かあ
)
さんは、
長
(
なが
)
い
間
(
あいだ
)
、そんなものを
入
(
い
)
れて、
不自由
(
ふじゆう
)
を
我慢
(
がまん
)
していたんですか。」
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
年
(
とし
)
よりたちが、
山
(
やま
)
を
越
(
こ
)
えて、
遠
(
とお
)
くへいってはならないといったのはそのためだ。だれでも、
自分
(
じぶん
)
たちが、いちばん
偉
(
えら
)
いと
思
(
おも
)
っていれば、たとえ
不自由
(
ふじゆう
)
をしても、のんきでいられるからだ。
ふるさと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
母親
(
ははおや
)
も、また、
同
(
おな
)
じように
子供
(
こども
)
を
思
(
おも
)
っていたのです。
身寄
(
みよ
)
りのない
旅
(
たび
)
へ
出
(
で
)
て、さだめし
不自由
(
ふじゆう
)
をすることだろう。どうか
達者
(
たっしゃ
)
で
働
(
はたら
)
いてくれればいいがと、
明
(
あ
)
け
暮
(
く
)
れ
仏
(
ほとけ
)
さまを
拝
(
おが
)
んでいました。
母の心
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
正
(
しょう
)
ちゃんは、
自分
(
じぶん
)
をよくかわいがってくれる
女中
(
じょちゅう
)
の
脊中
(
せなか
)
にいて、
不自由
(
ふじゆう
)
はしなかったけれど、
自分
(
じぶん
)
にはほかの
子供
(
こども
)
のように、お
母
(
かあ
)
さんがないのだと
思
(
おも
)
ったときは、さびしそうにみえました。
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二郎
(
じろう
)
は、その
馬
(
うま
)
を
見
(
み
)
て、かわいそうに
思
(
おも
)
いました。どんなに
不自由
(
ふじゆう
)
だろう。
びっこのお馬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
歯
(
は
)
を
入
(
い
)
れた、はじめのうちは、みんなこうしたもので、なれれば
具合
(
ぐあい
)
がよくなると
思
(
おも
)
っていたのです。そのうちに、
不自由
(
ふじゆう
)
になれてしまって、つい
不自由
(
ふじゆう
)
ということがわからなくなったのです。
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ここにはもう
長年
(
ながねん
)
いるけれど、そんな
心配
(
しんぱい
)
はすこしもない。それに
山
(
やま
)
には、
赤
(
あか
)
く
熟
(
じゅく
)
した
実
(
み
)
がなっているし、あの
山
(
やま
)
一つ
越
(
こ
)
せば、
圃
(
たんぼ
)
があって、そこには
私
(
わたし
)
たちの
不自由
(
ふじゆう
)
をしないほどの
食物
(
しょくもつ
)
も
落
(
お
)
ちている。
兄弟のやまばと
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ええ、ねている
子供
(
こども
)
さんに
持
(
も
)
っていってもらいますよ。そんなに
不自由
(
ふじゆう
)
をしていても、まちがったことをしない、ほんとうに
感心
(
かんしん
)
な
人
(
ひと
)
ですものね。」と、お
母
(
かあ
)
さんは、しみじみとおっしゃいました。
雪の降った日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
娘
(
むすめ
)
は、いまの
不自由
(
ふじゆう
)
をしていることまで、
物語
(
ものがた
)
りました。
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
由
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
“不自”で始まる語句
不自然
不自覚也
不自覚識
不自惜身命