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潮
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うしほ
ふりがな文庫
“
潮
(
うしほ
)” の例文
種々
(
いろ/\
)
なる感想が自分の胸に
潮
(
うしほ
)
のやうに集つて来て、其山中の村が何だか自分と深い宿縁を
有
(
も
)
つて居るやうな気が
為
(
し
)
て、何うも
為
(
な
)
らぬ。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
忽
(
たちま
)
ち、
潮
(
うしほ
)
は
泡立
(
あわだ
)
ち、
波
(
なみ
)
は
逆卷
(
さかま
)
いて、
其邊
(
そのへん
)
海嘯
(
つなみ
)
の
寄
(
よ
)
せた
樣
(
やう
)
な
光景
(
くわうけい
)
、
私
(
わたくし
)
は
一生懸命
(
いつせうけんめい
)
に
鐵鎖
(
てつさ
)
を
握
(
にぎ
)
り
詰
(
つ
)
めて、
此處
(
こゝ
)
千番
(
せんばん
)
に
一番
(
いちばん
)
と
氣
(
き
)
を
揉
(
も
)
んだ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
従つて当時の難波の潟に湧きたる
潮
(
うしほ
)
の迹を問へば、寧ろ武勇の精神を遺却して、他に柔弱なる一種の精気の漸く成熟し来れるを見るべし。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
降りつゞく雨は、碇泊船の燈火の長く漂ふ滑な
潮
(
うしほ
)
の上に落ちて行く。其の音も響もない雨の絲を、
船窓
(
ふなまど
)
の
灯
(
ひ
)
に眺めて泣いた事がある………。
歓楽
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
さればこそしばしさき、我かのテーヴェロの水
潮
(
うしほ
)
に變る海の
邊
(
ほとり
)
にゆきたるに、彼こころよくうけいれしなれ 一〇〇—一〇二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
雨は益々しげく、風に飛ぶ
潮
(
うしほ
)
のしぶきと共に吹きつける。小石のごろごろする濱邊を、傘を斜めにして通る頭の上で
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
地上
(
ちじやう
)
に
倒
(
たふ
)
れ、
次々
(
つぎ/\
)
に×
(6)
き×
(7)
される
銃
(
じう
)
×
(8)
の
下
(
もと
)
に、
潮
(
うしほ
)
の
退
(
しりぞ
)
くやうに
全身
(
ぜんしん
)
から
脱
(
ぬ
)
けて
行
(
ゆ
)
く
力
(
ちから
)
を
感
(
かん
)
じ
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
元來
(
がんらい
)
浪
(
なみ
)
といふから
讀者
(
どくしや
)
は
直
(
すぐ
)
に
風
(
かぜ
)
で
起
(
おこ
)
される
波
(
なみ
)
を
想像
(
そう/″\
)
せられるかも
知
(
し
)
れないが、
寧
(
むし
)
ろ
潮
(
うしほ
)
の
差引
(
さしひき
)
といふ
方
(
ほう
)
が
實際
(
じつさい
)
に
近
(
ちか
)
い。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
彼の
行方
(
ゆくへ
)
は知られずして、その身の家を
出
(
い
)
づべき日は
潮
(
うしほ
)
の如く迫れるに、
遣方
(
やるかた
)
も無く
漫
(
そぞろ
)
惑ひては、常に
鈍
(
おぞまし
)
う思ひ下せる
卜者
(
ぼくしや
)
にも問ひて、後には
廻合
(
めぐりあ
)
ふべきも
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
酒の名の「
潮
(
うしほ
)
」とともに、一時は古い柳河の街にたゞひとり花々しい虚勢を張つてはゐたものの、それも遂には沈んでゆく太陽の斷末魔の
反照
(
てりかへし
)
に過ぎなかつた。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
不毛にして石多きミネルワの
岬
(
みさき
)
は、眠るが如き
潮
(
うしほ
)
これを
繞
(
めぐ
)
れり。いにしへ妙音の女怪の住めりきといふはこゝなり。而してカプリの風流天地はこれと相對せり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
勝手
(
かつて
)
の方へ立いで見れば
家内
(
かない
)
の男女
狂気
(
きやうき
)
のごとく
駈
(
かけ
)
まはりて、
家財
(
かざい
)
を水に
流
(
なが
)
さじと
手当
(
てあたり
)
しだいに
取退
(
とりのく
)
る。水は
低
(
ひくき
)
に随て
潮
(
うしほ
)
のごとくおしきたり、
已
(
すで
)
に
席
(
たゝみ
)
を
浸
(
ひた
)
し
庭
(
には
)
に
漲
(
みなぎ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
下
(
さげ
)
よ
錨
(
いかり
)
をといふ間も
有
(
あら
)
ばこそ一
陣
(
ぢん
)
の
颺風
(
はやて
)
飄
(
さつ
)
と
落
(
おと
)
し來るに常の
風
(
かぜ
)
とは
事
(
こと
)
變
(
かは
)
り
潮
(
うしほ
)
波を吹出て
空
(
そら
)
は
忽
(
たちま
)
ち墨を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
可
(
よ
)
いか、
其
(
それ
)
に
代
(
か
)
へやうと
言
(
い
)
ふからには、
蛍
(
ほたる
)
と
星
(
ほし
)
、
塵
(
ちり
)
と
山
(
やま
)
、
露
(
つゆ
)
一滴
(
いつてき
)
と、
大海
(
だいかい
)
の
潮
(
うしほ
)
ほど、
抜群
(
ばつぐん
)
に
勝
(
すぐ
)
れた
立優
(
たちまさ
)
つたもので
無
(
な
)
いからには、
何
(
なに
)
を
又
(
また
)
物好
(
ものず
)
きに
美女
(
びぢよ
)
を
木像
(
もくざう
)
と
取
(
と
)
り
代
(
か
)
へやう。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
潮
(
うしほ
)
の様な人、お八重もお定も唯小さくなつて源助の両袂に縋つた儘、
漸々
(
やうやう
)
の思で改札口から吐出されると、何百輛とも数知れず列んだ
腕車
(
くるま
)
、広場の彼方は昼を欺く
満街
(
まんがい
)
の
燈火
(
ともしび
)
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何だか新しい
潮
(
うしほ
)
の滿ちて來るやうな、
旺
(
さか
)
んな、
爽快
(
たうかい
)
な感想が胸に
湧
(
わ
)
く。頭の上を見ると、
雨戸
(
あまど
)
の
節
(
ふし
)
穴や
乾破
(
ひわ
)
れた
隙間
(
すきま
)
から日光が射込むで、其の白い光が明かに
障子
(
しやうじ
)
に映ツてゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
團子屋
(
だんごや
)
の
頓馬
(
とんま
)
も
唯
(
たゞ
)
は
置
(
おか
)
ぬと
潮
(
うしほ
)
のやうに
沸
(
わき
)
かへる
騷
(
さわ
)
ぎ、
筆屋
(
ふでや
)
が
軒
(
のき
)
の
掛提燈
(
かけぢようちん
)
は
苦
(
く
)
もなくたゝき
落
(
おと
)
されて、
釣
(
つり
)
らんぷ
危
(
あぶ
)
なし
店先
(
みせさき
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
なりませぬと
女房
(
にようぼう
)
が
喚
(
わめ
)
きも
聞
(
きか
)
ばこそ、
人數
(
にんず
)
は
大凡
(
おほよそ
)
十四五
人
(
にん
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
春
(
はる
)
うら/\
蝶
(
てふ
)
と
共
(
とも
)
に
遊
(
あそ
)
ぶや
花
(
はな
)
の
芳野山
(
よしのやま
)
に
玉
(
たま
)
の
巵
(
さかづき
)
を
飛
(
と
)
ばし、
秋
(
あき
)
は
月
(
つき
)
てら/\と
漂
(
たゞよ
)
へる
潮
(
うしほ
)
を
観
(
み
)
て
絵島
(
ゑのしま
)
の
松
(
まつ
)
に
猿
(
さる
)
なきを
怨
(
うら
)
み、
厳冬
(
げんとう
)
には
炬燵
(
こたつ
)
を
奢
(
おごり
)
の
高櫓
(
たかやぐら
)
と
閉籠
(
とぢこも
)
り、
盛夏
(
せいか
)
には
蚊帳
(
かや
)
を
栄耀
(
えいえう
)
の
陣小屋
(
ぢんごや
)
として
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
夜は聴く
猿
(
ましら
)
の
孤樹
(
こじゆ
)
に
啼
(
な
)
いて遠きを、
暁
(
あかつき
)
には
看
(
み
)
る
潮
(
うしほ
)
の
上
(
のぼ
)
って
瘴煙
(
しやうえん
)
の
斜
(
なゝめ
)
なるを。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
潮
(
うしほ
)
鳴
(
な
)
り夜もすがら聞きて目ざむれば
果敢
(
はか
)
なきがごとしわが
明日
(
あす
)
さへや
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
それといふのも
潮
(
うしほ
)
の
音
(
おと
)
が、さても巨いな
残喘
(
ざんぜん
)
のごと
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
併しその白い
金質
(
きんしつ
)
は
潮
(
うしほ
)
に触れて酸化してゐる。
センツアマニ
(新字旧仮名)
/
マクシム・ゴーリキー
(著)
みるめの草は青くして海の
潮
(
うしほ
)
の
香
(
か
)
ににほひ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
聖
(
サンタ
)
麻利亞
(
マリヤ
)
、かくも
弱
(
よわ
)
かる
罪人
(
つみびと
)
に
信
(
しん
)
の
潮
(
うしほ
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
無限の
潮
(
うしほ
)
澎湃
(
ほうはい
)
と高鳴り渡り、神明の
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
水脈
(
みを
)
をつたつて
潮
(
うしほ
)
は
奔
(
はし
)
り去れ
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
それから永遠の
潮
(
うしほ
)
に棹さした
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
海上の明月、
潮
(
うしほ
)
と共に生ず
大菩薩峠:34 白雲の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
潮
(
うしほ
)
の
音
(
ね
)
こそ
四方
(
よも
)
には通へ
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
冲
(
おき
)
の
遠鳴
(
とほなり
)
、
潮
(
うしほ
)
の
香
(
か
)
、——
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
淨まはる
潮
(
うしほ
)
のにほひ
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
闇の
潮
(
うしほ
)
に沈みたる
枯草
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
潮
(
うしほ
)
を
渡
(
わた
)
る
蜑
(
あま
)
の
兒等
(
こら
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
グイッツァンテとブルッジアの間なるフィアンドラ
人
(
びと
)
こなたに寄せくる
潮
(
うしほ
)
を恐れ海を走らしめんため
水際
(
みぎは
)
をかため 四—六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
泡立
(
あはだ
)
つ
波
(
なみ
)
、
逆卷
(
さかま
)
く
潮
(
うしほ
)
、
一時
(
いちじ
)
は
狂瀾
(
きやうらん
)
千尋
(
せんじん
)
の
底
(
そこ
)
に
卷込
(
まきこ
)
まれたが、
稍
(
やゝ
)
暫
(
しばらく
)
して
再
(
ふたゝ
)
び
海面
(
かいめん
)
に
浮上
(
うかびあが
)
つた
時
(
とき
)
は
黒暗々
(
こくあん/\
)
たる
波上
(
はじやう
)
には六千四百
噸
(
とん
)
の
弦月丸
(
げんげつまる
)
は
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もなく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それ
故
(
ゆゑ
)
に
海上
(
かいじよう
)
に
浮
(
うか
)
んでゐる
船舶
(
せんぱく
)
には
其存在
(
そのそんざい
)
又
(
また
)
は
進行
(
しんこう
)
が
分
(
わか
)
りかねる
場合
(
ばあひ
)
が
多
(
おほ
)
い。
但
(
たゞ
)
しそれが
海岸
(
かいがん
)
に
接近
(
せつきん
)
すると、
比較的
(
ひかくてき
)
に
急
(
きゆう
)
な
潮
(
うしほ
)
の
干滿
(
かんまん
)
となつて
現
(
あらは
)
れて
來
(
く
)
る。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
朝光
(
あさかげ
)
よ
雲居
(
くもゐ
)
立ち立ち、
夕光
(
ゆふかげ
)
よ
潮
(
うしほ
)
満ち満つ。げにここは
耶馬台
(
やまと
)
の国、
不知火
(
しらぬひ
)
や筑紫潟、我が
郷
(
さと
)
は善しや。
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
重右衛門は殆ど情に堪へないといふ風で
潮
(
うしほ
)
の如く
漲
(
みなぎ
)
つて来る涙を辛うじて下唇を
咬
(
か
)
みつゝ押へて居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
あゝ東京の街! 右から左から、刻一刻に
満干
(
さしひき
)
する人の
潮
(
うしほ
)
! 三方から電車と人とが
崩
(
なだ
)
れて来る三丁目の
喧囂
(
けんかう
)
は、
宛
(
さな
)
がら今にも戦が始りさうだ。お定はもう一歩も前に進みかねた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
あつと
魂消
(
たまげ
)
て逃入る襟がみを、つかんで引出す横町の一むれ、それ三五郎をたたき殺せ、正太を引出してやつてしまへ、弱虫にげるな、団子屋の
頓馬
(
とんま
)
も唯は置かぬと
潮
(
うしほ
)
のやうに沸かへる騒ぎ
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
聞訖
(
ききをは
)
りし
両個
(
ふたり
)
が胸の中は、
諸共
(
もろとも
)
に
潮
(
うしほ
)
の如きものに襲はれぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
海岸
(
かいがん
)
はさびしき
椰子
(
やし
)
の林より
潮
(
うしほ
)
のおとの
合
(
あ
)
ふがに聞こゆ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ここにては、噫、晝の
濤
(
なみ
)
、
夜
(
よる
)
の
潮
(
うしほ
)
と
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
潮
(
うしほ
)
を撃ちて漕ぎくれば
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
浄
(
きよ
)
まはる
潮
(
うしほ
)
のにほひ
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
潮
(
うしほ
)
に
異香
(
いかう
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
※
(
やまきた
)
の濃染手拭、酒の名の「
潮
(
うしほ
)
」の盃、引出よと祝ふとわけて、我が
老舗
(
しにせ
)
酒はよろしと、
新
(
あら
)
の桝酒に
磨
(
みが
)
くと、春や春、
造酒
(
みき
)
よ
造酒
(
みき
)
よと、酒はかり、朱塗の樽の
栓
(
だぶす
)
ぬき、神もきかせと
箍
(
たが
)
たたき
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
折
(
をり
)
から
遙
(
はる
)
かの
沖
(
おき
)
に
當
(
あた
)
つて、
小山
(
こやま
)
の
如
(
ごと
)
き
數頭
(
すうとう
)
の
鯨群
(
くじらのむれ
)
は、
潮
(
うしほ
)
を
吹
(
ふ
)
いて
游
(
およ
)
いで
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
初めは例の田舎の文学好きの青年の気紛れに書いた手紙と馬鹿にして読んだが、それが段々引つけられて、それを読み終つた時には、不思議な一種の追懐が
潮
(
うしほ
)
のやうに起つて来るのを感じた。
田舎からの手紙
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
健は卓の上から延び上つて、其処に垂れて居る
索
(
なは
)
を
続様
(
つづけざま
)
に強く引いた。壁の
彼方
(
かなた
)
では勇しく
号鐘
(
かね
)
が鳴り出す。今か/\とそれを待ちあぐんでゐた生徒等は、一しきり春の
潮
(
うしほ
)
の湧く様に騒いだ。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“潮”の意味
《名詞》
(しお)海の水、 潮汐、 うしお。
(しお)海面の満ち引き。
(しお)物事をする、やめるのに丁度良いとき。しおどき。
(出典:Wiktionary)
潮
常用漢字
小6
部首:⽔
15画
“潮”を含む語句
紅潮
高潮
潮騒
満潮
海潮
血潮
潮水
潮風
干潮
黒潮
潮吹
滿潮
新潮
潮沫
潮干
退潮
上潮
渦潮
風潮
潮漚
...