“うしほ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潮94.2%
海水1.9%
海鹽1.9%
汐1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忽(たちま)ち、潮(うしほ)は泡立(あわだ)ち、波(なみ)は逆卷(さかま)いて、其邊(そのへん)海嘯(つなみ)の寄(よ)せた樣(やう)な光景(くわうけい)、私(わたくし)は一生懸命(いつせうけんめい)に鐵鎖(てつさ)を握(にぎ)り詰(つ)めて、此處(こゝ)千番(せんばん)に一番(いちばん)と氣(き)を揉(も)んだ。
所以(このゆゑ)に幽と顯と六に出で入りて、日と月と目を洗ふに彰(あらは)れたまひ、海水(うしほ)に浮き沈みて、神と祇と身を滌ぐに呈(あらは)れたまひき。
かれその猿田毘古の神、阿耶訶(あざか)二に坐しし時に、漁(すなどり)して、比良夫(ひらぶ)貝三にその手を咋ひ合はさえて海水(うしほ)に溺れたまひき。
ここに氣多(けた)の前(さき)四に到りし時に、裸(あかはだ)なる菟(うさぎ)伏せり。ここに八十神その菟に謂ひて云はく、「汝(いまし)爲(せ)まくは、この海鹽(うしほ)を浴み、風の吹くに當りて、高山の尾の上に伏せ」
これに因りて泣き患へしかば、先だちて行でましし八十神の命もちて誨(をし)へたまはく、海鹽(うしほ)を浴みて、風に當りて伏せとのりたまひき。かれ教のごとせしかば、我(あ)が身悉に傷(そこな)はえつ
落ちて汐(うしほ)となりにけり
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)