大丈夫だいぢやうぶ)” の例文
しか崖丈がけだけ大丈夫だいぢやうぶです。どんなことがあつたつてえつこはねえんだからと、あたか自分じぶんのものを辯護べんごでもするやうりきんでかへつてつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたしは、しもねむりをさました劍士けんしのやうに、ちついてきすまして、「大丈夫だいぢやうぶだ。ちかければ、あのおときつとみだれる。」
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
急いで來た處に今樣子を見れば大丈夫だいぢやうぶにてわづらひし樣子は一かうえぬか那の手紙は如何なる譯でありしやと云ければ清兵衞は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ナニ大丈夫だいぢやうぶだ、決して左様さやうな心配はないのどつぶれても病気さへなほればそれからう。登「イエのどつぶれては困ります。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
そのうちにとうさんは出掛でかけてきました。『大丈夫だいぢやうぶ榎木えのきはもうあかくなつてる。』と安心あんしんして、ゆつくりかまへて出掛でかけてきました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
三四どうもなかつたから大丈夫だいぢやうぶだとはおもつてても、凝然ぢつとしてるととほくのほう滅入めいつてしまやう心持こゝろもちがして
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一般字典のをしふる所によれば、大丈夫だいぢやうぶは男の義なり、女をいだいて死せんのみ。何で死んでも広告代は同額也。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
大丈夫だいぢやうぶだ、みづあさい‥‥」と、高岡軍曹たかをかぐんそうはまた呶鳴どなつた。「おい田中たなかはやじうつてやれ‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
人車じんしやると最早もはや半分はんぶんはらいたになつた。この人車鐵道じんしやてつだう目的もくてき熱海あたみ伊豆山いづさんはらごと温泉地をんせんちにあるので、これにれば最早もはや大丈夫だいぢやうぶといふになるのは温泉行をんせんゆき人々ひと/″\同感どうかんであらう。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
此鼻緒このはなを大丈夫だいぢやうぶだよといふに、れでもおまへこまるだらう。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大丈夫だいぢやうぶだ。諸君しよくん來給きたまへ』とよばはつた。
大丈夫だいぢやうぶだ、大丈夫だ、大丈夫だ。
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
テン太郎さん 大丈夫だいぢやうぶかしら
かれ色々いろ/\事情じじやう綜合そうがふしてかんがへたうへ、まあ大丈夫だいぢやうぶだらうとはらなかめた。さうしてつめさきかる鐵瓶てつびんふちたゝいた。其時そのとき座敷ざしき
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
大丈夫だいぢやうぶ往復わうふくぶんと、中二日なかふつか何處どこかで一杯いつぱいめるだけ。……宿やどうせ矢太やたさんの高等御下宿かうとうおんげしゆくにお世話樣せわさまるんでせう。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おやまアこれ御座ございます、つひわたしはうでも心附こゝろづきませんでした。客「ナニこれさへあれば大丈夫だいぢやうぶ。とつてしまつた。 ...
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そんでもまあ大丈夫だいぢやうぶになつた、くぬぎなくつてたすかつた」勘次かんじはげつそりとちからなくいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かくて藤八はお節を同道どうだうして島田宿の我が家へ歸り宿場しゆくば用向ようむき萬事の儀は弟岡崎屋藤五郎へ頼みおき寄場よせばへ人を走らせ雲助がしら信濃しなのの幸八を呼寄よびよせ駕籠かごちやう人足三人づつ尤も通し駕籠なれば大丈夫だいぢやうぶな者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
北八きたはち大丈夫だいぢやうぶだ、と立直たちなほつて悠然いうぜんとなる。此邊このあたりぢんまりとしたる商賣あきなひやのきならび、しもたやとるは、産婆さんば人相見にんさうみ、お手紙てがみしたゝめどころなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大丈夫だいぢやうぶよ」とつた。このこたへとき宗助そうすけなほこと安心あんしん出來できなくなつた。ところ不思議ふしぎにも、御米およね氣分きぶんは、小六ころく引越ひつこしててから、ずつと引立ひきたつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「おしな大丈夫だいぢやうぶだとよ、それから我慢がまんして確乎しつかりしてろとよ」勘次かんじ病人びやうにんみゝ呶鳴どなつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それにわたくしあやふければ、おとうとたすけてくれます、わたくしもまたおとうと一人ひとりころしません。それ二人ふたりとも大丈夫だいぢやうぶおもひますから。すこしもこはくはござらぬ。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そのにほひがこもつたんですよ。大丈夫だいぢやうぶです。——ぢいさんにいひますとね、(どくでがんしたなう。)といつてゐました。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つれかたみんな通過とほりすぎてしまつたやうでござりますで、大概たいがい大丈夫だいぢやうぶでござりませう。徐々そろ/\曳出ひきだしてませうで。いや、うもの、あれでござりますよ。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
上段じやうだんづきの大廣間おほひろま正面しやうめん一段いちだんたかところに、たゝみ二疊にでふもあらうとおもふ、あたかほのほいけごと眞鍮しんちう大火鉢おほひばち炭火たんくわ烈々れつ/\としたのをまへひかへて、たゞ一個いつこ大丈夫だいぢやうぶ
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
半帕ハンケチ屋根やねなゝめに、やまへかゝつてさつなびいた。「模樣もやうでは大丈夫だいぢやうぶです。」わたしうれしかつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
し……大丈夫だいぢやうぶときに、主人あるじが、かねたゝきのことから、裏門うらもんはひつたことなどはなしましたツけ、——こゝろたしかで、なんにもかゝらないほど、よくつたんです。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「もし、ちついそがないと、平常ふだんなら、なに大丈夫だいぢやうぶですが、吹降ふきぶりで、途中とちう手間てまれますから。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昨日きのふ一昨日おとゝひと三つゞけてつたですで、まんづ、今日けふ大丈夫だいぢやうぶでがせうかな。」一かうにんと、運転手うんてんしゆ助手じよしゆはせて八にんひしんでつた、真中まんなかちひさくなつた
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大丈夫だいぢやうぶよ——かみゆひさんは、きれいずきで、それは消毒せうどくはひつてるんですから。」
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御安心ごあんしんなさいまし、大丈夫だいぢやうぶでせう。」といふところへ、濱野はまのさんが、下駄げたならしてんでもどつて、「づか/\にはからはひりますとね、それ、あのぢいさん。」といふ、某邸ぼうてい代理だいり夜番よばん
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふね大丈夫だいぢやうぶしんじたらつてる、うへでは甚麽どんな颶風はやてようが、ふねしづまうが、からだおぼれようが、なに、大丈夫だいぢやうぶだとおもつてござれば、ちつともおどろくことはない。こりやよしんでも生返いきかへる。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それがしの顔色がんしよくすくなからず憂鬱いううつになつたとえて、博士はかせが、かたかるけるやうにして、「大丈夫だいぢやうぶですよ、ついてますよ。」熟々つら/\あんずれば、狂言きやうげんではあるまいし、如何いか名医めいいといつても
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大丈夫だいぢやうぶ、よく御覧ごらんなさい、あのれたやうに艶々つや/\くろくすごいなかに……」
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二日ふつか——正午しやうごのころ、麹町かうぢまち一度いちどえた。立派りつぱ消口けしぐちつたのを見屆みとゞけたひとがあつて、もう大丈夫だいぢやうぶはしに、待構まちかまへたのがみな歸支度かへりじたくをする。家内かない風呂敷包ふろしきづつみげてもどつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なに旦那だんな大丈夫だいぢやうぶで、昨日きのふ此処こゝとほつたゞね、れてるだよ。」
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いや、誰方どなたもおさわぎなさるな。もううなつちや神佛かみほとけ信心しんじんではみなしうらちがあきさうもないにつて、たゞわしなければ大丈夫だいぢやうぶだと、一生懸命いつしやうけんめい信仰しんかうなさい、うすれば屹度きつとたすかる。よろしいか/\。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「いや、汽車きしやなか大丈夫だいぢやうぶ——所謂いはゆる白河夜船しらかはよふねですな。」
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
づ、大丈夫だいぢやうぶ女難ぢよなんはないとさ。」
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大丈夫だいぢやうぶなかはしませんよ。」
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大丈夫だいぢやうぶだよ。ねがひかなつたよ。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大丈夫だいぢやうぶですよ。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)