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一筋
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ひとすぢ
ふりがな文庫
“
一筋
(
ひとすぢ
)” の例文
煙
(
けむり
)
が
立
(
た
)
つて、づん/\とあがる
坂
(
さか
)
一筋
(
ひとすぢ
)
、やがて、
其
(
そ
)
の
煙
(
けむり
)
の
裙
(
すそ
)
が
下伏
(
したぶ
)
せに、ぱつと
拡
(
ひろ
)
がつたやうな
野末
(
のずゑ
)
の
処
(
ところ
)
へ
掛
(
かゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
酒
(
さけ
)
といつても
知
(
し
)
れた
分量
(
ぶんりやう
)
であるが、それでも
藁
(
わら
)
一筋
(
ひとすぢ
)
づつを
刻
(
きざ
)
んで
行
(
ゆ
)
く
仕事
(
しごと
)
の
儲
(
まうけ
)
にのみ
手頼
(
たよ
)
る
彼
(
かれ
)
の
懷
(
ふところ
)
を
悲
(
かな
)
しくした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
代助は幾
度
(
たび
)
か己れを語る事を蹰躇した。自分の前に、これ程幸福に見える若い女を、
眉
(
まゆ
)
一筋
(
ひとすぢ
)
にしろ心配の
為
(
ため
)
に
動
(
うご
)
かさせるのは、代助から云ふと非常な不徳義であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
日本紀略にも罪状は出て居らぬが、都まで通つた悪事でもあり、人数も多いから、いづれ党を組み力を
戮
(
あは
)
せて
為
(
し
)
た事だらう。何にしても前科者だ、
一筋
(
ひとすぢ
)
で行く男では無い。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
長
(
なが
)
し
大河
(
おほかは
)
の
水
(
みづ
)
に
沈
(
しづ
)
む
覺悟
(
かくご
)
も
極
(
きわ
)
めしかど
引
(
ひか
)
れし
後
(
うし
)
ろ
髮
(
がみ
)
の
千筋
(
ちすぢ
)
にはあらで
一筋
(
ひとすぢ
)
に
逢
(
あ
)
ふといふ
日
(
ひ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
太刀
(
たち
)
か
何
(
なに
)
かは
見
(
み
)
えなかつたか? いえ、
何
(
なに
)
もございません。
唯
(
ただ
)
その
側
(
そば
)
の
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
がたに、
繩
(
なは
)
が
一筋
(
ひとすぢ
)
落
(
お
)
ちて
居
(
を
)
りました。それから、——さうさう、
繩
(
なは
)
の
外
(
ほか
)
にも
櫛
(
くし
)
が
一
(
ひと
)
つございました。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
感
(
かん
)
じてゐるところはよろしいが、
上
(
うへ
)
の
三句
(
さんく
)
がごた/\として、
感
(
かん
)
じた
氣分
(
きぶん
)
がすっきりと
現
(
あらは
)
れてゐません。けれどもこの
人
(
ひと
)
は、まづ
大體
(
だいたい
)
かういふ
調子
(
ちようし
)
に、
一筋
(
ひとすぢ
)
に
歌
(
うた
)
ふのが
得意
(
とくい
)
だつたと
見
(
み
)
えます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
猛狒
(
ゴリラ
)
と
大奮鬪
(
だいふんとう
)
の
塲所
(
ばしよ
)
から
凡
(
およ
)
そ七八
町
(
ちやう
)
も
歩
(
あゆ
)
んだと
思
(
おも
)
ふ
頃
(
ころ
)
、
再
(
ふたゝ
)
び
海
(
うみ
)
の
見
(
み
)
える
所
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
た。それから、
丘陵
(
をか
)
二つ
越
(
こ
)
え、
一筋
(
ひとすぢ
)
の
清流
(
ながれ
)
を
渡
(
わた
)
り、
薄暗
(
うすくら
)
い
大深林
(
だいしんりん
)
の
間
(
あひだ
)
を
※
(
す
)
ぎ、
終
(
つひ
)
に
眼界
(
がんかい
)
の
開
(
ひら
)
くる
所
(
ところ
)
、
大佐
(
たいさ
)
の
家
(
いへ
)
を
眺
(
なが
)
めた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さりとも知らぬ宮は
蟻
(
あり
)
の思を運ぶに似たる
片便
(
かたたより
)
も、行くべき方には音づるるを、さてかの人の
如何
(
いか
)
に見るらん、
書綴
(
かきつづ
)
れる
吾誠
(
わがまこと
)
の千に一つも通ずる事あらば、掛けても願へる
一筋
(
ひとすぢ
)
の
緒
(
いとぐち
)
ともなりなんと
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
旨となし
苟
(
かり
)
にも
曲
(
まがり
)
し事は
嫌
(
きら
)
ひ善は善惡は惡と
一筋
(
ひとすぢ
)
にいふ者なれば
如何
(
いかに
)
せん
水
(
みづ
)
清
(
きよ
)
ければ
魚
(
うを
)
住
(
すま
)
ずの
譬
(
たとへ
)
に
洩
(
もれ
)
ず朋輩の
讒言
(
ざんげん
)
に依り浪人なし此
裏借家
(
うらじやくや
)
へ
移
(
うつ
)
り住み近頃
多病
(
たびやう
)
になりたれど心持のよき其日は此護國寺の門前へ
賣卜
(
ばいぼく
)
に出
僅
(
わづか
)
の錢を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
きりきりと
締
(
し
)
め直す黒い
繻子
(
しゆす
)
の
一筋
(
ひとすぢ
)
。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
金髪の
一筋
(
ひとすぢ
)
のやうな声
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
若き心の
一筋
(
ひとすぢ
)
に
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
草
(
くさ
)
を
開
(
ひら
)
いて、
天守
(
てんしゆ
)
に
昇
(
のぼ
)
る
路
(
みち
)
も
一筋
(
ひとすぢ
)
、
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
の
水
(
みづ
)
を
灌
(
そゝ
)
いで、
野山
(
のやま
)
をかけて
流
(
なが
)
すやうに
足許
(
あしもと
)
から
動
(
うご
)
いて
見
(
み
)
える。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
格子
(
かうし
)
の
内
(
うち
)
は
三和土
(
たゝき
)
で、それが
眞直
(
まつすぐ
)
に
裏
(
うら
)
迄
(
まで
)
突
(
つ
)
き
拔
(
ぬ
)
けてゐるのだから、
這入
(
はい
)
つてすぐ
右手
(
みぎて
)
の
玄關
(
げんくわん
)
めいた
上
(
あが
)
り
口
(
ぐち
)
を
上
(
あが
)
らない
以上
(
いじやう
)
は、
暗
(
くら
)
いながら
一筋
(
ひとすぢ
)
に
奧
(
おく
)
の
方
(
はう
)
迄
(
まで
)
見
(
み
)
える
譯
(
わけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
取
(
と
)
りつ
慰
(
なぐさ
)
めつ
一方
(
かたへ
)
は
心
(
こゝろ
)
を
浮
(
う
)
かせんと
力
(
つと
)
め
一方
(
かたへ
)
は
見張
(
みは
)
りを
嚴
(
げん
)
にして
細
(
ほそ
)
ひも
一筋
(
ひとすぢ
)
小刀
(
こがたな
)
一挺
(
いつてふ
)
お
高
(
たか
)
が
眼
(
め
)
に
觸
(
ふ
)
れさせるな
夜
(
よる
)
は
別
(
べつ
)
して
氣
(
き
)
をつけよと
氣配
(
きくば
)
り
眼配
(
めくば
)
り
大方
(
おほかた
)
ならねば
召使
(
めしつか
)
ひの
者
(
もの
)
も
心
(
こゝろ
)
を
得
(
え
)
て
風
(
かぜ
)
の
音
(
おと
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
峽上
(
けいじやう
)
には
一筋
(
ひとすぢ
)
の
橋
(
はし
)
があつて、それを
渡
(
わた
)
ると
又
(
ま
)
た
鐵
(
てつ
)
の
扉
(
とびら
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
雪
一筋
(
ひとすぢ
)
降れるかと。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
火
(
ひ
)
は、
尾
(
を
)
の
二筋
(
ふたすぢ
)
に
裂
(
さ
)
けた、
燃
(
も
)
ゆる
大蛇
(
おろち
)
の
兩岐
(
ふたまた
)
の
尾
(
を
)
の
如
(
ごと
)
く、
一筋
(
ひとすぢ
)
は
前
(
さき
)
のまゝ
五番町
(
ごばんちやう
)
へ
向
(
むか
)
ひ、
一筋
(
ひとすぢ
)
は、
別
(
べつ
)
に
麹町
(
かうぢまち
)
の
大通
(
おほどほり
)
を
包
(
つゝ
)
んで、
此
(
こ
)
の
火
(
ひ
)
の
手
(
て
)
が
襲
(
おそ
)
ひ
近
(
ちかづ
)
いたからである。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あし
分船
(
わけぶね
)
のさはり
多
(
おほ
)
き
世
(
よ
)
なればこそ
親
(
おや
)
にゆるされ
世
(
よ
)
にゆるされ
彼
(
かれ
)
も
願
(
ねが
)
ひ
此
(
これ
)
も
請
(
こ
)
ひよしや
魔神
(
ましん
)
のうかゞへばとてぬば
玉
(
たま
)
の
髮
(
かみ
)
一筋
(
ひとすぢ
)
さしはさむべき
間
(
ひま
)
も
見
(
み
)
えぬを
若
(
もし
)
此縁
(
このゑにし
)
結
(
むす
)
ばれずとせばそは
天災
(
てんさい
)
か
將
(
は
)
た
地變
(
ちへん
)
か。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可哀
(
かはい
)
さうな、
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
らしい、あの、しをらしい、
可愛
(
かはい
)
い
蟲
(
むし
)
が、
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
つた
事
(
こと
)
ではないんですけれど、でも
私
(
わたし
)
、
鉦
(
かね
)
たゝきだと
思
(
おも
)
ひますだけでも、
氷
(
こほり
)
で
殺
(
ころ
)
して、
一筋
(
ひとすぢ
)
づゝ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
時
(
とき
)
に、
毛
(
け
)
一筋
(
ひとすぢ
)
でも
動
(
うご
)
いたら、
其
(
そ
)
の、
枕
(
まくら
)
、
蒲團
(
ふとん
)
、
掻卷
(
かいまき
)
の
朱鷺色
(
ときいろ
)
にも
紛
(
まが
)
ふ
莟
(
つぼみ
)
とも
云
(
い
)
つた
顏
(
かほ
)
の
女
(
をんな
)
は、
芳香
(
はうかう
)
を
放
(
はな
)
つて、
乳房
(
ちぶさ
)
から
蕊
(
しべ
)
を
湧
(
わ
)
かせて、
爛漫
(
らんまん
)
として
咲
(
さ
)
くだらうと
思
(
おも
)
はれた。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ぐつすりと
寢込
(
ねこ
)
んで
居
(
ゐ
)
た、
仙臺
(
せんだい
)
の
小淵
(
こぶち
)
の
港
(
みなと
)
で——
霜
(
しも
)
の
月
(
つき
)
に
獨
(
ひと
)
り
覺
(
さ
)
めた、
年
(
とし
)
十九の
孫一
(
まごいち
)
の
目
(
め
)
に——
思
(
おも
)
ひも
掛
(
か
)
けない、
艫
(
とも
)
の
間
(
ま
)
の
神龕
(
かみだな
)
の
前
(
まへ
)
に、
凍
(
こほ
)
つた
龍宮
(
りうぐう
)
の
几帳
(
きちやう
)
と
思
(
おも
)
ふ、
白氣
(
はくき
)
が
一筋
(
ひとすぢ
)
月
(
つき
)
に
透
(
す
)
いて
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時
(
とき
)
に
御新姐
(
ごしんぞ
)
は
日
(
ひ
)
が
短
(
みじか
)
い
時分
(
じぶん
)
の
事
(
こと
)
、
縁
(
えん
)
の
端近
(
はしぢか
)
へ
出
(
で
)
て、
御前
(
ごぜん
)
の
誕生日
(
たんじやうび
)
には
夫
(
をつと
)
が
着換
(
きか
)
へて
出
(
で
)
ようと
云
(
い
)
ふ、
紋服
(
もんぷく
)
を、
又
(
また
)
然
(
さ
)
うでもない、しつけの
絲
(
いと
)
一筋
(
ひとすぢ
)
も
間違
(
まちが
)
はぬやう、
箪笥
(
たんす
)
から
出
(
だ
)
して、
目
(
め
)
を
通
(
とほ
)
して
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これが
角屋敷
(
かどやしき
)
で、
折曲
(
をれまが
)
ると
灰色
(
はひいろ
)
をした
道
(
みち
)
が
一筋
(
ひとすぢ
)
、
電柱
(
でんちう
)
の
著
(
いちじる
)
しく
傾
(
かたむ
)
いたのが、
前
(
まへ
)
と
後
(
うしろ
)
へ、
別々
(
べつ/\
)
に
頭
(
かしら
)
を
掉
(
ふ
)
つて
奧深
(
おくぶか
)
う
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る、
鋼線
(
はりがね
)
が
又
(
また
)
半
(
なか
)
だるみをして、
廂
(
ひさし
)
よりも
低
(
ひく
)
い
處
(
ところ
)
を、
弱々
(
よわ/\
)
と、
斜
(
なゝ
)
めに
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
大目玉
(
おほめだま
)
で、
天守
(
てんしゆ
)
を
睨
(
にら
)
んで、ト
其処
(
そこ
)
に
囚
(
と
)
られてござるげな、
最惜
(
いとをし
)
い、
魔界
(
まかい
)
の
業苦
(
がうく
)
に、
長
(
なが
)
い
頭髪
(
かみのけ
)
一筋
(
ひとすぢ
)
づゝ、
一刻
(
いつこく
)
に
生血
(
いきち
)
を
垂
(
た
)
らすだ、
奥様
(
おくさま
)
の
苦脳
(
くなう
)
を
忘
(
わす
)
れずに、
飽
(
あ
)
くまで
行
(
や
)
れさ、
倒
(
たふ
)
れたら
介抱
(
かいはう
)
すべい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
聞
(
き
)
いて、
眞實
(
ほんたう
)
にはなさるまい、
伏木
(
ふしき
)
の
汽船
(
きせん
)
が、
兩會社
(
りやうくわいしや
)
で
激
(
はげ
)
しく
競爭
(
きやうさう
)
して、
乘客
(
じようきやく
)
爭奪
(
さうだつ
)
の
手段
(
しゆだん
)
のあまり、
無賃銀
(
むちんぎん
)
、たゞでのせて、
甲會社
(
かふくわいしや
)
は
手拭
(
てぬぐひ
)
を
一筋
(
ひとすぢ
)
、
乙會社
(
おつくわいしや
)
は
繪端書
(
ゑはがき
)
三枚
(
さんまい
)
を
景物
(
けいぶつ
)
に
出
(
だ
)
すと
言
(
い
)
ふ。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
御新造
(
ごしんぞ
)
は
日
(
ひ
)
が
短
(
みじか
)
い
時分
(
じぶん
)
の
事
(
こと
)
、
縁
(
えん
)
の
端近
(
はしぢか
)
へ
出
(
で
)
て、
御前
(
ごぜん
)
が
誕生日
(
たんじやうび
)
には
着換
(
きか
)
へて
出
(
で
)
ようと
云
(
い
)
ふ、
紋服
(
もんぷく
)
を、
又
(
また
)
然
(
さ
)
うでもない、しつけの
絲
(
いと
)
一筋
(
ひとすぢ
)
も
間違
(
まちが
)
ひのないやうに、
箪笥
(
たんす
)
から
出
(
だ
)
して、
目
(
め
)
を
通
(
とほ
)
して
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
筋
常用漢字
小6
部首:⽵
12画
“一筋”で始まる語句
一筋縄
一筋道
一筋町
一筋心
一筋繩