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蒲團
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ふとん
勘次はひつそりとした
家のなかに
直に
蒲團へくるまつて
居るお
品の
姿を
見た。それからお
品の
足を
揣つて
居るおつぎに
目を
移した。
「
一寸待ち
給へ」と
云つて、
燐寸で
瓦斯煖爐を
焚いた。
瓦斯煖爐は
室に
比例した
極小さいものであつた。
坂井はしかる
後蒲團を
薦めた。
本に
商賣人とて
憎くらしい
物と
次第におもふ
事の
多くなれば、いよ/\
寢かねて
奧方は
縮緬の
抱卷打はふりて
郡内の
蒲團の
上に
起上り
給ひぬ。
引開れば是はまた家は
裳脱のから
衣被つゝ
馴にし
夜具蒲團も其まゝあれど主はゐず
怪有なる事の
景況に是さへ
合點行ざりけり
と
蒲團をすつぽり、
炬燵櫓の
脚を
爪尖で
抓つて
居て、
庖丁の
音の
聞える
時、
徐々と
又頭を
出し、
一つ
寢返つて
腹這ひで
日光は
柔かに
導かれ、
流れた。その
光が
漸く
蒲團の
端だけに
觸れるのを
見ると、
私は
跼んでその
寢床を
日光の
眞中に
置くやうに
引いた。それだけの
運動で、
私の
息ははづみ、
頬に
血がのぼつた。
化學藥品油類の
發火に
對しては、
燃燒を
妨げる
藥品を
以て、
處理する
方法もあるけれども、
普通の
場合には
砂でよろしい。もし
蒲團、
茣蓙が
手近にあつたならば、それを
以て
被ふことも
一法である。
自分の
蒲團の
側まで
射し
込む
日に
誘ひ
出されたやうに、
雨戸の
閾際まで
出て
與吉を
抱いては
倒して
見たり、
擽つて
見たりして
騷がした。
仕方がないから、
今朝あげた
蒲團を
又出して
來て、
座敷へ
延べたまゝ
横になつた。
夫でも
堪えられないので、
清に
濡手拭を
絞らして
頭へ
乘せた。
串談はぬきにして
結城さん
貴君に
隱くしたとて
仕方がないから
申ますが
町内で
少しは
巾もあつた
蒲團やの
源七といふ
人
暖に
寢かす事ならず
豫て金二分に
質入せし
抱卷蒲團有ども其日を送る事さへ心に
任せねば
質を出す金は
猶更なく其上吉之助一人口が
殖難儀の事故夫婦は
膝を
藥を
煎じて、
盆は
兀げたが、
手は
白い。お
艷が、
納戸へ
持つて
行く、と
蒲團に
寢て
居ながら
手を
出した。
第八
衣服の
精粗美惡は
人の
分限に
依ると
雖も、
肌着は
木綿フラン子ルを
良とす。
蒲團の
中心は
新しく
乾きたるものを
貴む
故に、
綿花に
限らず
蒲の
穗苗藁其外柔く
乾きたるものを
擇ぶべし。
主人の
挨拶は
兎に
角明日のことにするからといつた
丈だといふ
返辭である。
勘次はげつそりとして
家へ
歸ると
蒲團を
被つて
畢つた。
彼女が三
週間の
安靜を、
蒲團の
上に
貪ぼらなければならないやうに、
生理的に
強ひられてゐる
間、
彼女の
鼓膜は
此呪咀の
聲で
殆んど
絶えず
鳴つてゐた。
何の
商買などがおありなさらう、そんなのでは
無いと
言ひながら
蒲團の
上に
乘せて
置きし
紙入れを
取あげて、お
相方の
高尾にこれをばお
預けなされまし
時に、
毛一筋でも
動いたら、
其の、
枕、
蒲團、
掻卷の
朱鷺色にも
紛ふ
莟とも
云つた
顏の
女は、
芳香を
放つて、
乳房から
蕊を
湧かせて、
爛漫として
咲くだらうと
思はれた。
お
倉お
倉と
呼んで
附添ひの
女子と
共に
郡内の
蒲團の
上へ
抱き
上げて
臥さするにはや
正躰も
無く
夢に
入るやうなり、
兄といへるは
靜に
膝行寄りてさしのぞくに
佗しさは、
食べるものも、
着るものも、こゝに
斷るまでもない、
薄い
蒲團も、
眞心には
暖く、
殊に
些は
便りにならうと、
故と
佛間の
佛壇の
前に、
枕を
置いてくれたのである。
蒲團やの
時代から
左のみの
男と
思はなんだがあれこそは
死花、ゑらさうに
見えたといふ、
何にしろ
菊の
井は
大損であらう、
彼の
子には
結搆な
旦那がついた
筈
ずつとお
月樣のさす
方へ、さ、
蒲團へ
乘れ、
蒲團へ、
何うも
疊が
汚ないので
大屋に
言つては
置いたが
職人の
都合があると
言ふてな、
遠慮も
何も
入らない
着物がたまらぬから
夫れを
敷ひて
呉れ
夫れも
蒲團かぶつて
半日も
居ればけろ/\とする
病だから
子細はなしさと
元氣よく
呵々と
笑ふに、
亥之さんが
見えませぬが
今晩は
何處へか
參りましたか、
彼の
子も
替らず
勉強で
御座んすかと
問へば
お
峯ほめて
遣つて
呉れとて、
父は
蒲團をかぶりて
涙に
聲をしぼりぬ。
と
母親怪しき
笑顏をして
少し
經てば
愈りませう、いつでも
極りの
我まゝ
樣、
嘸お
友達とも
喧嘩しませうな、
眞實やり
切れぬ
孃さまではあるとて
見かへるに、
美登利はいつか
小座敷に
蒲團抱卷持出でゝ