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渠等
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かれら
ふりがな文庫
“
渠等
(
かれら
)” の例文
何が
可恐
(
おそろし
)
い? 何が不平だ? 何が苦しい? 己は、
渠等
(
かれら
)
の検べるのより、お前がそこらをまごつく方がどのくらい迷惑か知れんのだ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仰立
(
おほせたて
)
られなば其事のみにて
渠等
(
かれら
)
に
罪
(
つみ
)
は
歸
(
き
)
し候なり其上主と家來の事なれば
此公事
(
このくじ
)
に於ては御前に九分の
強
(
つよ
)
みが之あるゆゑ事の
次第
(
しだい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
(
渠等
(
かれら
)
が
通
(
つう
)
の
原則
(
げんそく
)
を
守
(
まも
)
りて
俗物
(
ぞくぶつ
)
を
斥罵
(
せきば
)
するにも
関
(
かかは
)
らず。)然しながら
縦令
(
たとひ
)
俗物
(
ぞくぶつ
)
に
渇仰
(
かつがう
)
せらる〻といへども
路傍
(
みちばた
)
の
道祖神
(
だうろくじん
)
の如く
渇仰
(
かつがう
)
せらる〻にあらす
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
と云ふのは、
渠等
(
かれら
)
に對して義雄が隔意を持つて來たばかりではない。云つて置いて、また駄目であつたら、渠等の笑ひの種を増してやるばかりであるからだ。
泡鳴五部作:04 断橋
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
荘主
(
あるじ
)
枴
(
あふご
)
を捨てて手を
拍
(
う
)
つて笑ひ、
一八
渠等
(
かれら
)
が
愚
(
おろか
)
なる眼より
一九
客僧を
驚
(
おど
)
しまゐらせぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
わが
渠等
(
かれら
)
を認めしとき、渠等も亦我を認めき。肥えたる二人は
齊
(
ひと
)
しく銃を
操
(
と
)
りて立ち上りたり。客人は何の用ありてこゝに來しぞ。われ。舟をたづねて河をこさんとす。三人は目を合せたり。甲。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
話に聞いた——谷を深く、
麓
(
ふもと
)
を狭く、山の奥へ入った村里を廻る遍路のような
渠等
(
かれら
)
には、小唄
浄瑠璃
(
じょうるり
)
に心得のあるのが少くない。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
催
(
もよほ
)
しける次の間なる吉兵衞は色々と思案し只此上は
我膽力
(
わがたんりよく
)
を
渠等
(
かれら
)
に知らせ
首尾
(
しゆび
)
よく
謀
(
はか
)
らば毒藥も
却
(
かへつ
)
て藥になる時あらん此者共を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
渠等
(
かれら
)
には、淡路をなつかしい故郷と思ふ樣な氣はなくなつた。
日高十勝の記憶
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
が、松と
緋葉
(
もみじ
)
の中なれば、さすらう
渠等
(
かれら
)
も恵まれて、
足許
(
あしもと
)
の影は
駒
(
こま
)
を
横
(
よこた
)
え、
裳
(
もすそ
)
の
蹴出
(
けだ
)
しは霧に乗って、
対
(
つい
)
の
狩衣
(
かりぎぬ
)
の風情があった。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
止
(
とゞ
)
められしや又藤三郎は
幼少
(
えうせう
)
なるを
非道
(
ひだう
)
に
折檻
(
せつかん
)
致さるゝこと我子
佐
(
すけ
)
五郎の爲に
行末
(
ゆくすゑ
)
惡
(
あ
)
しかりなんと思ひ
渠等
(
かれら
)
兄弟を殺さすとの
心底
(
しんてい
)
なるや
然樣
(
さやう
)
の惡心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鐘も響かぬ
山家
(
やまが
)
にさえ、
寝覚
(
ねざめ
)
に
跫音
(
あしおと
)
轟
(
とどろ
)
いたが、
哄
(
どっ
)
と伊豆の国を襲ったので、熱海における大地震は、すなわち
渠等
(
かれら
)
が予言の計略。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
渠等
(
かれら
)
が妄執
瞑
(
めい
)
せず、帰せず、陰々たる燈火に映じて
動出
(
うごきい
)
ださんばかりなる、ここ屠犬児の
働場
(
はたらきば
)
にして、地獄は目前の
庖廚
(
ほうちゅう
)
たり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
夢中になった
渠等
(
かれら
)
の
傍
(
そば
)
で、駅員が一名、
密
(
そっ
)
と寄って、中にもめ組の横腹の
辺
(
あたり
)
で
唐突
(
だしぬけ
)
に、がんからん、がんからん、がんからん。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
突如
(
いきなり
)
噛着
(
かみつ
)
き兼ねない剣幕だったのが、
飜
(
ひるがえ
)
ってこの
慇懃
(
いんぎん
)
な態度に出たのは、人は
須
(
すべか
)
らく
渠等
(
かれら
)
に対して洋服を着るべきである。
革鞄の怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
護送されたる一列の貧民は、果報
拙
(
つたな
)
くして御扶持を頂くことを得ざりき。
渠等
(
かれら
)
は青山の
僻地
(
へきち
)
なる
権田原
(
ごんだわら
)
にて
放鳥
(
はなしどり
)
となりぬ。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雲
(
くも
)
の
動
(
うご
)
く
時
(
とき
)
、
二人
(
ふたり
)
の
形
(
かたち
)
は
大
(
おほ
)
きく
成
(
な
)
つた。
静
(
じつ
)
とする
時
(
とき
)
、
渠等
(
かれら
)
の
姿
(
すがた
)
は
小
(
ちひ
)
さく
成
(
な
)
つた。——
飛騨
(
ひだ
)
の
山
(
やま
)
の
此
(
こ
)
のあたりは、
土地
(
とち
)
が
呼吸
(
こきう
)
をするのかも
分
(
わか
)
らぬ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
狂気
(
きやうき
)
した、
変
(
へん
)
だ、と
云
(
い
)
ふのは
言葉
(
ことば
)
の
切目毎
(
きれめごと
)
に
耳
(
みゝ
)
に
入
(
はい
)
つた。が、これほど
確
(
たしか
)
な
事
(
こと
)
を、
渠等
(
かれら
)
は
雲
(
くも
)
を
掴
(
つか
)
むやうに
聞
(
き
)
くのであらう。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渠等
(
かれら
)
米錢
(
べいせん
)
を
惠
(
めぐ
)
まるゝ
時
(
とき
)
は、「お
月樣
(
つきさま
)
幾
(
いく
)
つ」と
一齊
(
いつせい
)
に
叫
(
さけ
)
び
連
(
つ
)
れ、
後
(
あと
)
をも
見
(
み
)
ずして
走
(
はし
)
り
去
(
さ
)
るなり。ただ
貧家
(
ひんか
)
を
訪
(
と
)
ふことなし。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これをしも社会が
渠等
(
かれら
)
に与うるに無形の
桂冠
(
けいかん
)
をもってする
爾
(
しか
)
き慈善事業というべきか、と皮肉なことはいいっこなし。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同時に、
渠等
(
かれら
)
怪しき
輩
(
やから
)
が、ここにかかる
犠牲
(
いけにえ
)
のあるを知らせまいとして、我を拒んだと合点さるるにつけて、とこう言う内に、追って来て
妨
(
さまたげ
)
しょう。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
初
(
はじ
)
めは
人皆
(
ひとみな
)
懊惱
(
うるさゝ
)
に
堪
(
た
)
へずして、
渠等
(
かれら
)
を
罵
(
のゝし
)
り
懲
(
こ
)
らせしに、
爭
(
あらそ
)
はずして
一旦
(
いつたん
)
は
去
(
さ
)
れども、
翌日
(
よくじつ
)
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
報怨
(
しかへし
)
を
蒙
(
かうむ
)
りてより
後
(
のち
)
は、
見
(
み
)
す/\
米錢
(
べいせん
)
を
奪
(
うば
)
はれけり。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渠等
(
かれら
)
が炎熱を冒して、流汗面に
被
(
こうむ
)
り、気息
奄々
(
えんえん
)
として労役せる頃、高楼の窓半ば開きて、へいげん
帷
(
とばり
)
を掲げて
白皙
(
はくせき
)
の
面
(
おもて
)
を
露
(
あらわ
)
し、微笑を含みて見物せり。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここに
渠等
(
かれら
)
が伝う岸は、一間ばかりの川幅であるが、鶴谷の本宅の
辺
(
あたり
)
では、およそ三間に拡がって、川裾は早やその辺からびしょびしょと草に隠れる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ハタと
板塀
(
いたべい
)
に
突当
(
つきあた
)
つたやうに、
棒立
(
ぼうだ
)
ちに
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
たが、
唐突
(
だしぬけ
)
に、
片手
(
かたて
)
の
掌
(
てのひら
)
を
開
(
あ
)
けて、ぬい、と
渠等
(
かれら
)
の
前
(
まへ
)
へ
突出
(
つきだ
)
した。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「はやい方が
可
(
い
)
い、聞くのに——」けれども山吹と藤のほか、
村路
(
むらみち
)
の
午
(
ひる
)
静
(
しずか
)
に、
渠等
(
かれら
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
く鳥の影もなかった。
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いで夏の日の眠気覚しに、泰助が
片膚
(
かたはだ
)
脱ぎて、悪人
儕
(
ばら
)
の毒手の
裡
(
うち
)
より、下枝
姉妹
(
きょうだい
)
を救うて取らせむ。証拠を探り得ての上ならでは、
渠等
(
かれら
)
を捕縛は成り難し。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
渠等
(
かれら
)
は
敢
(
あへ
)
て
鬼
(
おに
)
ではない、
食
(
じき
)
を
得
(
え
)
たれば
人心地
(
ひとごこち
)
になつて、
恰
(
あたか
)
も
可
(
よ
)
し、
谷間
(
たにあひ
)
から、いたはつて、
負
(
おぶ
)
つて
世
(
よ
)
に
出
(
で
)
た。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
捕縛してその後に、
渠等
(
かれら
)
の罪を数うるには、娘を打たすも方便ならんか、さはさりながらいたましし、と出るにも出られずとつおいつ、
拳
(
こぶし
)
に思案を握りけり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
されば
郷
(
がう
)
屋敷田畝
(
やしきたんぼ
)
は
市民
(
しみん
)
のために
天工
(
てんこう
)
の
公園
(
こうゑん
)
なれども、
隱然
(
いんぜん
)
(
應
(
おう
)
)が
支配
(
しはい
)
する
所
(
ところ
)
となりて、
猶
(
なほ
)
餅
(
もち
)
に
黴菌
(
かび
)
あるごとく、
薔薇
(
しやうび
)
に
刺
(
とげ
)
あるごとく、
渠等
(
かれら
)
が
居
(
きよ
)
を
恣
(
ほしいまゝ
)
にする
間
(
あひだ
)
は
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渠等
(
かれら
)
は
社
(
やしろ
)
の抜裏の、くらがり坂とて、穴のような中を抜けてふとここへ
顕
(
あらわ
)
れたが、坂下に大川一つ、橋を向うへ越すと、山を
屏風
(
びょうぶ
)
に
繞
(
めぐ
)
らした、
翠帳紅閨
(
すいちょうこうけい
)
の
衢
(
ちまた
)
がある。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……よく
年
(
とし
)
よりが
言
(
い
)
つて
聞
(
き
)
かせた。——
飜
(
ひるがへ
)
つて
思
(
おも
)
ふに、
自
(
おのづ
)
から
忌
(
い
)
み
憚
(
はゞか
)
るやうに、
人
(
ひと
)
の
手
(
て
)
から
遠
(
とほ
)
ざけて、
渠等
(
かれら
)
を
保護
(
ほご
)
する、
心
(
こゝろ
)
あつた
古人
(
こじん
)
の
苦肉
(
くにく
)
の
計
(
はかりごと
)
であらうも
知
(
し
)
れない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
渠等
(
かれら
)
が天命の職分たるや、花の如く、雪の如く、
唯
(
たゞ
)
、美、これを
以
(
もつ
)
て吾人男性に対すべきのみ。
醜婦を呵す
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今
(
いま
)
しも
汝
(
なんぢ
)
が
試
(
こゝろ
)
みつる、
苦痛
(
くつう
)
を
以
(
もつ
)
て
推
(
すゐ
)
して
可
(
か
)
なり。
渠等
(
かれら
)
とても
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
と
何
(
なに
)
か
分
(
わか
)
ちのあるべきぞ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
俗に魔の火と
称
(
とな
)
えて、この山に
棲
(
す
)
む天狗が、遊山を驚かすために、ともすると影のない炎を揚げて、
渠等
(
かれら
)
の慌て騒ぐのを
可笑
(
おかし
)
がる……その寺の棟に寄った時は
真
(
まこと
)
の火である。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この方は笠を上にした茶褐色で、霜こしの黄なるに対して、
女郎花
(
おみなえし
)
の根にこぼれた、
茨
(
いばら
)
の枯葉のようなのを、——ここに二人たった
渠等
(
かれら
)
女たちに、フト思い
較
(
くら
)
べながら指すと
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この音だ——と云ったその紳士の
言
(
ことば
)
を聞いた、松崎は、やっぱり
渠等
(
かれら
)
も囃子の音に誘われて、
男女
(
なんにょ
)
のどちらが言出したか、それは知らぬが、連立って、
先刻
(
さっき
)
の電車の終点から
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
媒妁人
(
なかうど
)
先
(
ま
)
づいふめでたしと、
舅姑
(
きうこ
)
またいふめでたしと、親類等皆いふめでたしと、
知己
(
ちき
)
朋友
(
ほういう
)
皆いふめでたしと、
渠等
(
かれら
)
は
欣々然
(
きん/\ぜん
)
として新夫婦の婚姻を祝す、婚礼果してめでたきか。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
板囲
(
いたがこい
)
をして、横に長い、屋根の低い、湿った暗い中で、働いて居るので、三人の石屋も
斉
(
ひと
)
しく
南屋
(
みなみや
)
に雇われて居るのだけれども、
渠等
(
かれら
)
は与吉のようなのではない、大工と
一所
(
いっしょ
)
に
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
板圍
(
いたがこひ
)
をして、
横
(
よこ
)
に
長
(
なが
)
い、
屋根
(
やね
)
の
低
(
ひく
)
い、
濕
(
しめ
)
つた
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
で、
働
(
はたら
)
いて
居
(
ゐ
)
るので、三
人
(
にん
)
の
石屋
(
いしや
)
も
齊
(
ひと
)
しく
南屋
(
みなみや
)
に
雇
(
やと
)
はれて
居
(
ゐ
)
るのだけれども、
渠等
(
かれら
)
は
與吉
(
よきち
)
のやうなのではない、
大工
(
だいく
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
後
(
あと
)
で、
近所
(
きんじよ
)
でも、
誰
(
たれ
)
一人
(
ひとり
)
此
(
こ
)
の
素
(
す
)
ばらしい
群
(
むれ
)
の
風説
(
うはさ
)
をするもののなかつたのを
思
(
おも
)
ふと、
渠等
(
かれら
)
は、あらゆる
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
から、
不可思議
(
ふかしぎ
)
な
角度
(
かくど
)
に
外
(
そ
)
れて、
巧
(
たくみ
)
に
逸
(
いつ
)
し
去
(
さ
)
つたのであらうも
知
(
し
)
れぬ。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
されども
渠等
(
かれら
)
は
未
(
いま
)
だ風も
荒
(
すさ
)
まず、波も
暴
(
あ
)
れざる
当座
(
とうざ
)
に慰められて、
坐臥行住
(
ざがぎょうじゅう
)
思い思いに、雲を
観
(
み
)
るもあり、水を眺むるもあり、
遐
(
とおく
)
を望むもありて、その心には各々無限の
憂
(
うれい
)
を
懐
(
いだ
)
きつつ
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
六条
(
むすじ
)
、皆赤い蛇に悩まさるる、熱の
譫言
(
うわごと
)
を叫んだという、その、
渠等
(
かれら
)
に懲罰を
給
(
たま
)
わった姫神を、川裳明神と聞いて、怪しからんことには——
前刻
(
さっき
)
も申した事ですが、私も
獺
(
かわおそ
)
だと思って
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
廉平は頂の靄を透かして、足許を差覗いて、
渠等
(
かれら
)
三人の西洋婦人、
惟
(
おも
)
うに
誂
(
あつら
)
えの出来を見に来たな。苫をふいて伏せたのは、この人々の註文で、浜に新造の
短艇
(
ボオト
)
ででもあるのであろう。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
貴夫人、令嬢、奥様、
姫様
(
ひいさま
)
となるを得むや。ああ、淑女の
面
(
めん
)
の醜なるは、芸妓、娼妓、矢場女、
白首
(
しろくび
)
にだも
如
(
し
)
かざるなり。
如何
(
いかん
)
となれば
渠等
(
かれら
)
は紅粉を職務として、婦人の分を守ればなり。
醜婦を呵す
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
渠等
(
かれら
)
なかまの、ほとんど首領とも言うべき、熊沢という、
追
(
おっ
)
て大実業家となると聞いた、絵に描いた
化地蔵
(
ばけじぞう
)
のような
大漢
(
おおおとこ
)
が、そんじょその辺のを
落籍
(
ひか
)
したとは
表向
(
おもてむき
)
、得心させて、連出して
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さしあたり、ことわりもしないで、他の労業を無にするという遠慮だが、その申訳と、
渠等
(
かれら
)
を納得させる手段は、酒と餅で、そんなに煩わしい事はない。手で招いても渋面の
皺
(
しわ
)
は伸びよう。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自から直ちに遠山の
背後
(
うしろ
)
に来て、その受持の患者を守護する。両人は扉を挟んで、腰をかけた、
渠等
(
かれら
)
好事
(
こうず
)
なる江戸ツ児は、かくて甘んじて、この
惨憺
(
さんたん
)
たる、天女
廟
(
びょう
)
の門衛となったのである。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山
(
やま
)
には
木樵唄
(
きこりうた
)
、
水
(
みづ
)
には
船唄
(
ふなうた
)
、
驛路
(
うまやぢ
)
には
馬子
(
まご
)
の
唄
(
うた
)
、
渠等
(
かれら
)
はこれを
以
(
もつ
)
て
心
(
こゝろ
)
を
慰
(
なぐさ
)
め、
勞
(
らう
)
を
休
(
やす
)
め、
我
(
おの
)
が
身
(
み
)
を
忘
(
わす
)
れて
屈託
(
くつたく
)
なく
其
(
その
)
業
(
げふ
)
に
服
(
ふく
)
するので、
恰
(
あたか
)
も
時計
(
とけい
)
が
動
(
うご
)
く
毎
(
ごと
)
にセコンドが
鳴
(
な
)
るやうなものであらう。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
渠等
(
かれら
)
が額を集め、鼻を合せ、
呼吸
(
いき
)
をはずませて、あたかも魔界から最後の
戦
(
たたかい
)
を宣告されたように
呶々
(
どど
)
している、忌むべき宵啼の本体が、十間とは間を措かず
忽然
(
こつぜん
)
として
顕
(
あらわ
)
れたのであったから。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
渠
漢検準1級
部首:⽔
12画
等
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
“渠”で始まる語句
渠
渠奴
渠女
渠底
渠水
渠輩
渠門
渠奴等
渠槽
渠首