左樣さやう)” の例文
新字:左様
億圓おくゑん正貨せいくわたことは、輸入超過ゆにふてうくわ日本にほんつては出來過できすぎであると批評ひひやうがあるが、それはまさしく左樣さやうであらうとおもふ。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
下女げぢよは「左樣さやう御座ございましたか、どうも」と簡單かんたんれいべて、文庫ぶんこつたまゝいた仕切しきりまでつて、仲働なかばたらきらしいをんなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
左樣さやうわたくしきみ確信くわくしんします、きみ我等われら同志どうしとして、永久えいきゆう秘密ひみつまもこと約束やくそくたまはゞ、誠心せいしんより三度みたびてんちかはれよ。
呼て只今番頭樣ばんとうさまより今日はことによき日和ひよりゆゑ出帆しゆつぱんすべしとの事なり我等も左樣さやうに存ずればいそ出帆しゆつぱんの用意有べしといふ水差みづさし是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
左樣さやうさ/\れはうだ。』と、イワン、デミトリチはひたひあせく、『れはうだ、しかわたし如何どうしたらからう。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
左樣さやうならばと挨拶あいさつすれば録之助ろくのすけかみづゝみをいたゞいて、お辭儀じぎまをはづなれど貴孃あなたのおよりくだされたのなれば、ありがた頂戴ちようだいしておもにしまする
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
左樣さやうでござります。愚老ぐらうあたま草紙さうしにして、御城代樣ごじやうだいさまのお月代さかやきをする稽古けいこをなさいますので、るたけあたまうごかしてくれといふことでござりまして。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
A 仕樣しやうがないなア。イヤ、しかりがたう。おかげ色々いろ/\面白おもしろはなしいた。おれこれからモすこくハガキ運動うんどうについてかんがへてなくちや。左樣さやうなら。いづれまた
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
奇妙々々きめう/\!』とあいちやんがさけびました(非常ひじやうおどろいたためなんつていかちよつわからず)『いまわたしは一ばんおほきい望遠鏡ばうゑんきやうのやうに、何時いつそといたッきりだわ!左樣さやうなら、 ...
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ついては近頃ちかごろ御無心ごむしんながら、各位かくゐ御列席ごれつせきにてもく大權たいけん御任おまかくだされたし、さすれば、各位かくゐ御威徳ごゐとくおもきをきて、是非ぜひふものあるまじければ、何卒なにとぞ左樣さやう御計おはからひくだされたくさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
左樣さやう殘念ざんねんながら、西班牙イスパニヤや、亞弗利加アフリカはう今度こんど斷念だんねんしました。』と、わたくしがキツパリとこたへると、かれはポンとひざたゝいて
かれ詮方せんかたなくおやすみなさい、とか、左樣さやうなら、とかつてやうとすれば、『勝手かつてにしやがれ。』と怒鳴どなける權幕けんまく
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
つのるに於ては是非に及ばず此大勢おほぜいにて半年又は一年かゝりても澤の井の出所しゆつしよ調しらべねばならぬぞ左樣さやうに心得よと威猛高ゐたけだかになりておどすにぞ村中の者きも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分じぶん收入以上しうにふいじやうくらしをして、むをぬから借金しやくきんつゞけてると事態じたいであるからして、左樣さやう状態じやうたいくににはかねさぬとふのが英米えいべい立前たてまへである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
左樣さやう、それと反對はんたいで、社會教育しやくわいけういくだけあつて學校教育がくかうけういくのないものは、隨分ずゐぶん複雜ふくざつ性情せいじやう發揮はつきするかはりに、あたま何時いつまで小供こどもですからね。かへつて始末しまつわるいかもれない
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
左樣さやう無論むろん彼娘あのこが』とあいちやんをゆびさしながらドードてうつたので、そのたいのこらず一あいちやんのまはりを取圍とりかこみました。『褒美はうび褒美はうび!』とガヤ/\さけびながら。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
左樣さやうならとてかしらさげげるに、あれいちやんの現金げんきんな、うおおくりはりませぬとかえ、そんならわたし京町きやうまち買物かいものしましよ、とちよこ/\ばしりに長屋ながや細道ほそみちむに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此路このみち眞直まつすぐまゐりますと、左樣さやう三河島みかはしまと、みちひとをしへられて、おや/\と、引返ひきかへし、白壁しらかべゆる土藏どざうをあてにあぜ突切つツきるに、ちよろ/\みづのあるなかむらさきはないたるくさあり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
左樣さやうさ、不幸ふかうまちです。』と、イワン、デミトリチは溜息ためいきしてわらふ。『しかし一ぱんには奈何どうです、新聞しんぶんや、雜誌ざつし奈何云どういこといてありますか?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
濱島武文はまじまたけぶみとはわたくしがまだ高等學校かうとうがくかうつた時分じぶん左樣さやうかれこれ十二三ねんまへことであるが、おなまなびのともであつた。
日向守へ申きければ等閑なほざりならぬ事なりとて又も御城代ごじやうだい堀田相摸守殿さがみのかみどのへ申上らるれば左樣さやうの儀ならば是非ぜひなし御城代屋敷やしき呼寄よびよせ對面たいめんせんと再び堀片岡の兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
濱口内閣はまぐちないかく出來でき以前いぜん左樣さやうなことが出來できたらうか、おそらくは不可能ふかのうであつたらうとおもはれる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
ねえさん、左樣さやうなら」とこゑけたら、「おや御歸おかへり」とひながらやうやつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しひてもめずらばおかへりかきお返事へんじまちまをしますとおくいだ玄關先げんくわんさき左樣さやうならばを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
不必要ふひつえう勿論もちろん左樣さやう』と王樣わうさま口早くちばやつて、ほも低聲こゞゑ獨語ひとりごとまをされました、『不必要ふひつえう——不必要ふひつえう——不必要ふひつえう——不必要ふひつえう——』とあだかことばもつと發音はつおんされるかを試驗しけんするやうに。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
左樣さやうか。」
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此御中このおんなかなにとておき、相添あひそひて十ねんあまり、ゆめにも左樣さやう氣色けしきはなくて、清水堂きよみづだうのお木偶でくさま幾度いくたびむなしきねがひになりけん、旦那だんなさまさびしきあまりにもらせばやとおつしやるなれども
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うしてもおまへにははないよ、長々なが/\御世話おせわさま此處こゝからおれいまをします、ひとをつけ、もうだれことてにするものか、左樣さやうなら、とつてたちあがりくつぬぎの草履ざうり下駄げたあしひきかくるを
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
母樣はゝさま御機嫌ごきげんよう新年しんねんをおむかひなされませ、左樣さやうならばまいりますと、暇乞いとまごひわざとうやうやしく、おみね下駄げたなほせ、お玄關げんくわんからおかへりではいおかけだぞと圖分づぶ/\しく大手おほでりて
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つとちてやの出給いでたまふを、ひすがりてそでをとれば、はなさぬか不埒者ふらちもの振切ふりきるを、お前樣まへさまどうでも左樣さやうなさるので御座ござんするか、わたし浮世うきよものになさりまするおか、わたくし一人ひとりもの
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)