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宵
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よひ
ふりがな文庫
“
宵
(
よひ
)” の例文
明
(
あけ
)
しに驚き
偵
(
さす
)
が
旅宿屋
(
やどや
)
の主人だけ
宵
(
よひ
)
に
斷
(
ことわ
)
りもなき客の
急
(
きふ
)
に出立せしは
何
(
いか
)
にも
不審
(
ふしん
)
なりとて彼の座敷を
改
(
あらた
)
めしに
變
(
かは
)
る事も
無
(
なけ
)
れば
隔
(
となり
)
座敷を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「もう
何時
(
なんじ
)
」と
云
(
い
)
ひながら、
枕元
(
まくらもと
)
の
宗助
(
そうすけ
)
を
見上
(
みあ
)
げた。
宵
(
よひ
)
とは
違
(
ちが
)
つて
頬
(
ほゝ
)
から
血
(
ち
)
が
退
(
ひ
)
いて、
洋燈
(
らんぷ
)
に
照
(
て
)
らされた
所
(
ところ
)
が、ことに
蒼白
(
あをじろ
)
く
映
(
うつ
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一昨日
(
をとつひ
)
の
晩
(
ばん
)
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
に、
其
(
そ
)
の
松
(
まつ
)
のうらおもてに、ちら/\
灯
(
ともしび
)
が
見
(
み
)
えたのを、
海濱
(
かいひん
)
の
別莊
(
べつさう
)
で
花火
(
はなび
)
を
焚
(
た
)
くのだといひ、
否
(
いや
)
、
狐火
(
きつねび
)
だともいつた。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
尤
(
もつと
)
も
一昨日
(
をとゝひ
)
は遠方から入る金があつて、
宵
(
よひ
)
に一寸開けましたが——え、え、それはもう前からわかつてゐたことで御座いますとも
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ひつそりした
宵
(
よひ
)
の町の静かさや、
潤
(
うるほ
)
ひをもつた星の瞬きや、空に透けてみえる桜の枝などを見ても、淡い春の悦ばしさが感ぜられるのであつた。
復讐
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
には
橋
(
はし
)
の
上
(
うへ
)
で
与太
(
よた
)
の
喧嘩
(
けんくわ
)
があるし、それから
私服
(
しふく
)
がうるさく
徘徊
(
うろつ
)
いてゝね、とう/\
松屋
(
まつや
)
の
横
(
よこ
)
で三
人
(
にん
)
も
挙
(
あ
)
げられたつて
云
(
い
)
ふはなしなんだよ。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
格之助も寺で
宵
(
よひ
)
と
暁
(
あかつき
)
とに
温
(
あたゝか
)
い
粥
(
かゆ
)
を
振舞
(
ふるま
)
はれてからは、
霊薬
(
れいやく
)
を服したやうに元気を恢復して、もう遅れるやうな事はない。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
明
(
あけ
)
ぬれば歌よむ友のもとに
消息
(
せうそこ
)
して、このほこりいはゞやとしつるを、事にまぎれてさて暮しつ。
夜
(
よ
)
に入れば又々鳴きわたるよ。こたびは
宵
(
よひ
)
より
打
(
うち
)
しきりぬ。
すゞろごと
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
吉田屋を出たのは
宵
(
よひ
)
過ぎる頃であつたが、途々それを考へると、泣きたいと思ふ程に悲しかつた。何故、言はなかつたらう。丑松は歩き乍ら、自分で自分に尋ねて見る。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
これらは
大方
(
おほかた
)
、
而
(
しか
)
も
今年
(
ことし
)
六ツになる
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
のわたしたちの
玲子
(
れいこ
)
——千
草
(
ぐさ
)
は、まだやつと
第
(
だい
)
一のお
誕生
(
たんじやう
)
がきたばかりで、
何
(
なんに
)
も
解
(
わか
)
りません——に、
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
の
寐床
(
ねどこ
)
のなかなどで
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
空
(
そら
)
が
夕日
(
ゆふひ
)
の
消
(
き
)
え
行
(
ゆ
)
く
光
(
ひかり
)
を
西
(
にし
)
の
底
(
そこ
)
深
(
ふか
)
く
鎖
(
とざ
)
して
畢
(
しま
)
つて、
薄
(
うす
)
い
宵
(
よひ
)
が
地
(
ち
)
を
低
(
ひく
)
く
掩
(
おほ
)
うて
夜
(
よ
)
が
到
(
いた
)
つた
時
(
とき
)
女
(
をんな
)
は
井戸端
(
ゐどばた
)
で
愉快
(
ゆくわい
)
に
唄
(
うた
)
ひながら一
種
(
しゆ
)
の
調子
(
てうし
)
を
持
(
も
)
つた
手
(
て
)
の
動
(
うご
)
かし
樣
(
やう
)
をして
米
(
こめ
)
を
研
(
と
)
ぐ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
嘉吉が
宵
(
よひ
)
の口に何処かへ出て行つてしまつて、帰りさうもないので家にゐるのが寂しかつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「常は
嘗
(
かつ
)
て念はぬものをこの月の過ぎ隠れまく惜しき
宵
(
よひ
)
かも」(一〇六九)、「この月の此処に
来
(
きた
)
れば今とかも妹が出で立ち待ちつつあらむ」(一〇七八)があり、巻三に
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
蕪村の
画
(
ゑ
)
の門人に
田原
(
たはら
)
慶作といふ男がある。ある日日の
暮
(
く
)
れ
方
(
がた
)
に師匠を訪ねると、蕪村の
家
(
うち
)
では戸を締め切つてゐる。
宵
(
よひ
)
つ
張
(
ぱり
)
の師匠だのに、今日に限つて早寝だなと慶作は思つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
夕霧の晴るるけしきもまだ見ぬにいぶせさ添ふる
宵
(
よひ
)
の雨かな
源氏物語:06 末摘花
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
同じき
宵
(
よひ
)
に生れいで、友は長槍の術により
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
「蚊一つに
寝
(
ね
)
られぬ
宵
(
よひ
)
や春の暮」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
宵
(
よひ
)
の
間
(
ま
)
短かき
宴
(
うたげ
)
すぎ去りしか
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
みなさん、今夜は、春の
宵
(
よひ
)
。
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
何ごとぞ、
宵
(
よひ
)
のほどより
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
宵
(
よひ
)
、また籠をいだいて
秋の日
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
春の夜や
宵
(
よひ
)
曙
(
あけぼの
)
の其中に
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
宵
(
よひ
)
よひは、
忘我
(
ばうが
)
の影を
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
枕重ねて
宵
(
よひ
)
々に
小曲二十篇
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
博士
(
はかせ
)
が
旅行
(
たび
)
をした
後
(
あと
)
に、
交際
(
つきあひ
)
ぎらひで、
籠勝
(
こもりが
)
ちな、
此
(
こ
)
の
夫人
(
ふじん
)
が
留守
(
るす
)
した
家
(
いへ
)
は、まだ
宵
(
よひ
)
の
間
(
ま
)
も、
實際
(
じつさい
)
蔦
(
つた
)
の
中
(
なか
)
に
所在
(
ありか
)
の
知
(
し
)
るゝ
山家
(
やまが
)
の
如
(
ごと
)
き、
窓明
(
まどあかり
)
。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
旦那が
宵
(
よひ
)
から清太郎さんに意見をしてをりましたが、清太郎さんが面倒臭がつて二階へ引つ込むとそれを追つかけて二階へ行つて、何か意見を
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
宵
(
よひ
)
の口ではあるが、場所が場所丈にしんとしてゐる。庭の
先
(
さき
)
で虫の
音
(
ね
)
がする。独りで
坐
(
すは
)
つてゐると、
淋
(
さみ
)
しい秋の
初
(
はじめ
)
である。其時遠い所で
誰
(
だれ
)
か
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
空は鏡のやうに
明
(
あかる
)
いのでそれを
遮
(
さへぎ
)
る
堤
(
つゝみ
)
と
木立
(
こだち
)
はます/\黒く、星は
宵
(
よひ
)
の
明星
(
みやうじやう
)
の
唯
(
たつ
)
た一つ見えるばかりで
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
は
尽
(
こと/″\
)
く余りに
明
(
あかる
)
い空の光に
掻
(
か
)
き消され
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
頃
(
ころ
)
は
享保
(
きやうほ
)
三
丙申
(
ひのえさる
)
年
霜
(
しも
)
月十六日の事なりし此日は
宵
(
よひ
)
より
大雪
(
おほゆき
)
降
(
ふり
)
て殊の外に
寒
(
さぶ
)
き日なりし
修驗者
(
しゆげんじや
)
感應院には或人より
酒
(
さけ
)
二升を
貰
(
もら
)
ひしに感應院は
元
(
もと
)
より酒を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
美吉屋
(
みよしや
)
で二月二十四日の晩に、いつものやうに主人が勝手に寝て、家族や奉公人を二階と台所とに寝させてゐると、
宵
(
よひ
)
の五つ過に表の門を
敲
(
たゝ
)
くものがある。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
とりわけてこれと
云
(
い
)
ふ……
何處
(
どこ
)
もみんな
同
(
おんな
)
じですがね。……だが、あの
星
(
ほし
)
の
國
(
くに
)
へあそびに
行
(
い
)
つて、
宵
(
よひ
)
のうつくしい
明星樣
(
めうじやうさま
)
にもてなされたのだけは、おらが一
生
(
しやう
)
一
代
(
だい
)
の
光榮
(
くわうえい
)
さ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
宵
(
よひ
)
の
勤行
(
おつとめ
)
も終る頃で、子坊主がかん/\鳴らす
鉦
(
かね
)
の音を聞き乍ら、丑松は蓮華寺の山門を入つた。上の渡しから
是処迄
(
こゝまで
)
来るうちに、もう
悉皆
(
すつかり
)
雪だらけ。羽織の裾も、袖も真白。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
武蔵野
(
むさしぬ
)
の
小岫
(
をぐき
)
が
雉
(
きざし
)
立
(
た
)
ち
別
(
わか
)
れ
往
(
い
)
にし
宵
(
よひ
)
より
夫
(
せ
)
ろに
逢
(
あ
)
はなふよ 〔巻十四・三三七五〕 東歌
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
奧
(
おく
)
さまの
好
(
この
)
み六づかしけれど、
是
(
こ
)
れも
御縁
(
ごゑん
)
は
無
(
な
)
くて
過
(
す
)
ぎゆく、
落葉
(
おちば
)
の
霜
(
しも
)
の
朝
(
あさ
)
な/\
深
(
ふか
)
くて、
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
いとゞ
身
(
み
)
に
寒
(
さむ
)
く、
時雨
(
しぐれ
)
の
宵
(
よひ
)
は
女子
(
をなご
)
ども
炬燵
(
こたつ
)
の
間
(
ま
)
に
集
(
あつ
)
めて、
浮世物
(
うきよもの
)
がたりに
小説
(
しようせつ
)
のうわさ
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それから
板
(
いた
)
の
端
(
はじ
)
ん
處
(
とこ
)
からそろつと
手
(
てえ
)
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
つと
宵
(
よひ
)
の
口
(
くち
)
にやさうでもねえのがひやつと
手
(
て
)
の
先
(
さき
)
が
直
(
す
)
ぐ
水
(
みづ
)
へ
觸
(
さあ
)
つた
時
(
とき
)
にや
悚然
(
ぞつ
)
とする
樣
(
やう
)
でがしたよ、それからはあ
船
(
ふね
)
は
枕元
(
まくらもと
)
へ
繋
(
つな
)
いでたんだが
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
亡
(
な
)
き人を忍ぶる
宵
(
よひ
)
の
村雨
(
むらさめ
)
に
濡
(
ぬ
)
れてや来つる山ほととぎす
源氏物語:42 まぼろし
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
宵
(
よひ
)
の明星——天上の中の最も美なるもの
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
ああ、
日
(
ひ
)
は
身
(
み
)
隱
(
かく
)
れし
宵
(
よひ
)
やみの
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
今日
(
けふ
)
もまた
宵
(
よひ
)
やみならで
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
ほんに今夜は春の
宵
(
よひ
)
在りし日の歌:亡き児文也の霊に捧ぐ
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
たとへば
月
(
つき
)
の
其
(
そ
)
の
本尊
(
ほんぞん
)
が
霞
(
かす
)
んで
了
(
しま
)
つて、
田毎
(
たごと
)
に
宿
(
やど
)
る
影
(
かげ
)
ばかり、
縦
(
たて
)
に
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
へふつと
映
(
うつ
)
る、
宵
(
よひ
)
に
見
(
み
)
た
土器色
(
かはらけいろ
)
の
月
(
つき
)
が
幾
(
いく
)
つにも
成
(
な
)
つて
出
(
で
)
たらしい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まだ
宵
(
よひ
)
のうちの出來事で、内外の戸締りもなく、庭は打ち續くお天氣に踏み固められて、足跡一つ殘つてはをりません。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道子
(
みちこ
)
は
唯
(
たゞ
)
何
(
なん
)
といふ
訳
(
わけ
)
もなく
吾妻橋
(
あづまばし
)
のたもとが
好
(
よ
)
さゝうな
気
(
き
)
のするまゝ、こゝを
出場所
(
でばしよ
)
にしたのであるが、
最初
(
さいしよ
)
の
晩
(
ばん
)
から
景気
(
けいき
)
が
好
(
よ
)
く、
宵
(
よひ
)
の
中
(
うち
)
に
二人
(
ふたり
)
客
(
きやく
)
がつき
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
其
(
その
)
内
(
うち
)
九
月
(
ぐわつ
)
も
末
(
すゑ
)
になつて、
毎晩
(
まいばん
)
天
(
あま
)
の
河
(
がは
)
が
濃
(
こ
)
く
見
(
み
)
へるある
宵
(
よひ
)
の
事
(
こと
)
、
空
(
そら
)
から
降
(
ふ
)
つた
樣
(
やう
)
に
安之助
(
やすのすけ
)
が
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
(
こ
)
の
夏
(
なつ
)
はじめの
或
(
あ
)
る
宵
(
よひ
)
のことでした。
築地
(
つきぢ
)
の
聖
(
せい
)
ルカ
病院
(
びやうゐん
)
にK
先生
(
せんせい
)
のお
孃
(
じやう
)
さんをみまひました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
偖小間物屋彦兵衞は
翌日
(
よくじつ
)
手土産
(
てみやげ
)
を
持
(
もち
)
馬喰町馬場の
脇
(
わき
)
なる彼の女
隱居
(
いんきよ
)
の
許
(
もと
)
へ
行
(
ゆき
)
昨日
(
きのふ
)
雨舍
(
あまやど
)
りの禮を
言
(
い
)
ひて
直
(
すぐ
)
に
商賣
(
あきなひ
)
に出しが是より心安くなり
宵
(
よひ
)
の内など
咄
(
はなし
)
に
行
(
ゆき
)
近處
(
きんじよ
)
へ出入場の世話を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
秋雨
(
あきさめ
)
しと/\
降
(
ふ
)
るかと
思
(
おも
)
へばさつと
音
(
おと
)
して
運
(
はこ
)
びくる
樣
(
やう
)
なる
淋
(
さび
)
しき
夜
(
よ
)
、
通
(
とほ
)
りすがりの
客
(
きやく
)
をば
待
(
ま
)
たぬ
店
(
みせ
)
なれば、
筆
(
ふで
)
やの
妻
(
つま
)
は
宵
(
よひ
)
のほどより
表
(
おもて
)
の
戸
(
と
)
をたてゝ、
中
(
なか
)
に
集
(
あつ
)
まりしは
例
(
れい
)
の
美登利
(
みどり
)
に
正太郎
(
しようたらう
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鎮火したのは翌二十日の
宵
(
よひ
)
五つ半である。
町数
(
まちかず
)
で言へば天満組四十二町、北組五十九町、南組十一町、
家数
(
いへかず
)
、
竈数
(
かまどかず
)
で言へば、三千三百八十九軒、一万二千五百七十八戸が
災
(
わざはひ
)
に
罹
(
かゝ
)
つたのである。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
大空の月だに宿るわが宿に待つ
宵
(
よひ
)
過ぎて見えぬ君かな
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
宵
(
よひ
)
の
勤行
(
おつとめ
)
が始つたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
宵
常用漢字
中学
部首:⼧
10画
“宵”を含む語句
今宵
徹宵
宵々
終宵
宵祭
宵闇
昨宵
宵暗
宵宮
宵越
宵月
春宵
待宵
宵惑
今宵限
宵寐
凌宵花
一宵
宵寝
此宵
...