けつ)” の例文
本艦ほんかん一令いちれいした推進螺旋スクルーなみつて進航しんかうはじめた。規律きりつたゞしき軍艦ぐんかん甲板かんぱん、かゝる活劇さわぎあひだでもけつしてその態度たいどみだやうことはない。
それからまたどく』としるしてあるびんから澤山たくさんめば、それが屹度きつとおそかれはやかれからだがいになるものだとふことをけつしてわすれませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
一行はじめて団結だんけつ猛然もうぜん奮進にけつす又足を水中にとうずれば水勢ます/\きうとなり、両岸の岩壁いよ/\けんとなり、之に従つて河幅はすこぶちぢま
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
けれどそちいやしくも魚族ぎよぞくわうの、ちゝをさつたらばそのあとぐべき尊嚴たうと身分みぶんじや。けつして輕々かろ/″\しいことをしてはならない。よいか
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
或る人民のこのんでくらふ物を他の人民はててかへりみず、或る人民の食ふ可からずとするものを他の人民はよろこんで賞玩せうくわんするの類其れいけつして少からす。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
ぼくぼくで名人けつせん觀戰記くわんせんきを書き力に相當加ふるものありとうぬれて、共にり切つてゐるのだからたまらない。
周邊あたりはなしにはまれ立入たちいるのみで、質問しつもんをされたらけつして返答へんたふたことのい、ものも、ものも、あたへらるゝまゝに、時々とき/″\くるしさうなせきをする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
第四 長日ちやうじつあひだは、午後一時ごゞいちじころ半時計はんじばかり晝眠ひるねやしなひたすけとなることあれども、其他そのたけつして日中につちゆう睡臥すゐぐわきんこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
これけつして責任せきにんらぬわけではい、物事ぶつじ無頓着むとんちやくわけでありません。習慣上しふくわんじやう缺點けつてんであらうとおもひます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
到頭たう/\此坑このあな見捨みすてるのむをぬにいたつた。(いや土器どきかゝつてゞもれば、けつして見捨みすてるのではい)
よわものいぢめは此方こつちはぢになるから三五らう美登利みどり相手あひてにしても仕方しかたい、正太しようた末社まつしやがついたら其時そのときのこと、けつして此方こつちから手出てだしをしてはならないととゞめて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
吾等われ/\この危難きなんからすくいだことは、大佐たいさ智惠ちゑでもとておよばぬのであらうと、わたくしふかこゝろけつしたが、いま塲合ばあひだからなにはない。
『さァ、わたしにはそれをおまへにやつてせられない』と海龜うみがめつて、『からだあま岩疊がんじようだから。それでグリフォンもけつしてそれをならひませんでした』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
今日こんにちおいしやうじたからとて、其當時そのたうじの二鑑識かんしきついて、侮辱ぶぢよくすることにはけつしてあたるまいとしんじてる。
名人けつせんの金、花田れうだん對局たいきよく、相踵いで大崎、木見れうだん對局たいきよく觀戰くわんせんして、ぼくせんてき棋戰きせんの如何にくるしく辛きものであるかをつくづくおもひやつた。
ほそいけむりこそててゐるがのとしより は正直しやうじきで、それになにかをけつして無駄むだにしません。それで、パンくづ米粒こめつぶがよくすゞめらへのおあいそにもなつたのでした。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
岩代の燧岳ひうちたけ、越後のこまたけ、八海山等皆巍然ぎぜんとして天にてうし、利根水源たる大刀根岳は之と相拮抗きつこうして其高きをあらさふ、越後岩代の地方に於てはけつしてゆきを見ざるに
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
其夜そのよ慙恨ざんこんじやうられて、一すゐだもず、翌朝よくてうつひけつして、局長きよくちやうところへとわび出掛でかける。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
はう心配しんぱいして電報でんぱうまでけたのであるから其時そのとき返電へんでんをしてもらへば無益むえき心配しんぱいけつしてしません。一寸ちよつとしたことであるが日本にほん婦女子ふぢよしには往々わう/\斯樣かやう等閑なをざりおほいのであります。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
思ふにコロボツクルは是等の石器せききを用ゐて草木さうもくつぶ食用しよくえうつくりしならん。石皿のけつして適切てきせつには非ざれど、き名をおもひ付かざればしばら通稱つうしやうに從ふのみ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
吾助ごすけおもひてふを、後生ごしやう姉樣ねえさま返事へんじたまはれ、けつして此後こののちわがまヽもはず惡戯いたづらもなすまじければ、吾助ごすけ田舍ゐなかかへらぬやう、いままでどほり一しよあそばれるやう返事へんじたまはれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けれど賓人まれびとよ、わたくしはよくぞんじてります、今夜こんや弦月丸げんげつまるとかで御出發ごしゆつぱつになつては、奧樣おくさまも、日出雄樣ひでをさまも、けつして御無事ごぶじではみませんよ。
あいちやんはけつしてさからはうとはしませんでした、屹度きつとのこらず間違まちがふだらうとはおもひましたが、それでもふるごゑで、——
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
かく既發見きはつけん遺物いぶつだけそと持出もちだし、あと明日あすまで封鎖ふうさするがからうと、一けつし、各新聞記者かくしんぶんきしやおよ少數せうすうひと窟内くつないを一けんさしたのち余等よらにんあなからことにした。
此に於て熬米いりごめみ以て一時のうへしのび、一走駆さうくしてただちに沿岸にいたり飯をんとけつす、此に於て山をくだり方向をさだめて沼辺にいたらんとし、山をくだれば前方の山又山
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
わたくしけつしてきみたいして立腹りつぷくいたさんので、病氣びやうきなれば據無よんどころないのです、おさつもをすですよ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
弓矢ゆみや使用しようは、諸人種に普通ふつうなるものにあらず。未開人民中みかいじんみんちうには今尚いまなほ之を知らざる者有り。此點このてんのみにいて云ふも、コロボックル、の智識ちしきけつしてはなはひくきものには非ざるなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
まづなによりも原書げんしよ讀書力どくしよりよくとぼしいのは意外いぐわいでありました。それでさづける讀本とくほんむづかしいのかといふのに、けつしてさうむづかしい書物しよもつではありません。西洋せいやうでは高等小學校かうとうせうがくかう程度位ていどぐらゐでせう。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
けつしてけつして不了簡ふりやうけんなどすやうなことはしませぬほどにれもあんじてくださりますな、わたし身體からだ今夜こんやをはじめにいさむのものだとおもひまして、ひとおもうまゝになんとなりしてもらひましよ
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかしながら、いたづらに完全くわんぜんもののみをえらび、金錢きんせんちからもつ買入かひいれ、あるひりてあつめて、いたづらに其數そのすうおほきをほこものごときは、けつしてらぬのである。
今夜こんやうであらうかんかなと機嫌きげんたまふに、貴郎あなた何故なぜそんなやさしらしいことおつしやります、わたしけつしてそのやうなことうかゞひたいとおもひませぬ、ふさときふさがせていてくだされ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
けつしてういふ相場さうばるものではいとべんふるつていてたが、かぬ。
初心しよしん失策しつさくけつしてすくなくなかつたのだ。