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負
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お
ふりがな文庫
“
負
(
お
)” の例文
朝飯後、客の夫婦は川越の方へ行くと云うので、近所のおかみを頼み、荻窪まで
路案内
(
みちしるべ
)
かた/″\柳行李を
負
(
お
)
わせてやることにした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
立出三條の龜屋と云る
旅籠屋
(
はたごや
)
に
宿
(
やど
)
りしに當所は大坂と違ひ名所古跡も多く名にし
負
(
お
)
ふ
平安城
(
へいあんじやう
)
の地なれば賑しきこと大方
成
(
なら
)
ず
祇園
(
ぎをん
)
清水
(
きよみづ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
光は
末
(
すえ
)
が
負
(
お
)
ひて竹村の姉の
許
(
もと
)
へ、天神様の
鳩
(
はと
)
を見になど行き候。かしこに猿もあり、猿は行儀わろきもの
故
(
ゆえ
)
見すなといひきかせ候。
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
阿母さんはもう座敷の
拭掃除
(
ふきそうぢ
)
も台所の
整理事
(
しまひごと
)
も
済
(
す
)
ませて、
三歳
(
みつヽ
)
になる娘の子を
脊
(
せな
)
に
負
(
お
)
ひ乍ら、広い土間へ盥を入れて
洗濯物
(
せんたくもの
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
今日は名にし
負
(
お
)
う
金精
(
こんせい
)
峠である。
殆
(
ほと
)
んど直立せる断崖絶壁を登ること一里八丁、
樵夫
(
きこり
)
が連れて来た犬が
莫迦
(
ばか
)
に
吠
(
ほ
)
え付いて始未におえぬ。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
▼ もっと見る
細い両眼の外は黒一色の影法師の背中に、長い髪の毛をふり乱した、
白衣
(
びゃくえ
)
の青ざめた女幽霊が、
負
(
お
)
ぶさるようにしがみついているのだ。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
されど
題
(
テーマ
)
の重きことゝ人間の肩のこれを
負
(
お
)
ふことゝを思はゞ、たとひこれが下にてゆるぐとも、誰しも肩を責めざるならむ 六四—六六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
フォーシュルヴァンがはいってきた時、ジャン・ヴァルジャンは壁にかかってる庭番の
負
(
お
)
い
籠
(
かご
)
をコゼットに示しながら言っていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
斯樣
(
かやう
)
に、
墮落
(
だらく
)
の
方面
(
はうめん
)
をとくに
誇張
(
こちやう
)
した
冒險者
(
アドヹンチユアラー
)
を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で
拵
(
こしら
)
え
上
(
あげ
)
た
宗助
(
そうすけ
)
は、
其
(
その
)
責任
(
せきにん
)
を
自身
(
じしん
)
一人
(
ひとり
)
で
全
(
まつた
)
く
負
(
お
)
はなければならない
樣
(
やう
)
な
氣
(
き
)
がした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
荷物
(
にもつ
)
を
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
って、
薬売
(
くすりう
)
りの
少年
(
しょうねん
)
は、
今日
(
きょう
)
も
知
(
し
)
らぬ
他国
(
たこく
)
の
道
(
みち
)
を
歩
(
ある
)
いていました。
北
(
きた
)
の
町
(
まち
)
から
出
(
で
)
た
行商群
(
ぎょうしょうぐん
)
の
一人
(
ひとり
)
であったのです。
薬売りの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
先生は予がこの
行
(
こう
)
に
伴
(
ともな
)
いしを
深
(
ふか
)
く
感謝
(
かんしゃ
)
せらるるといえども、予の先生に
負
(
お
)
うところ、かえって
大
(
だい
)
にして
大
(
おおい
)
に
謝
(
しゃ
)
せざるべからざるものあり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
保名
(
やすな
)
の
家来
(
けらい
)
は
残
(
のこ
)
らず
討
(
う
)
たれて、
保名
(
やすな
)
も
体中
(
からだじゅう
)
刀傷
(
かたなきず
)
や
矢傷
(
やきず
)
を
負
(
お
)
った上に、大ぜいに
手足
(
てあし
)
をつかまえられて、
虜
(
とりこ
)
にされてしまいました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
太股
(
ふともも
)
をつかれた柄本又七郎が台所に伏していると、高見の手のものが見て、「手をお
負
(
お
)
いなされたな、お見事じゃ、早うお引きなされい」
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
自己の職分と父の
贖罪
(
しよくざい
)
と二重の義務を
負
(
お
)
んでるのだからと
懺悔
(
ざんげ
)
して居る程です、思ふに我々の
播
(
ま
)
ける
種子
(
たね
)
を
培
(
つちか
)
ふものは、彼等の手でせうよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
望月の家を
走
(
は
)
せ出した兵馬が、この村をあとにしてもと来た道。そこへちょうど通りかかったのは、
空馬
(
からうま
)
を引いた、背に男の子を
負
(
お
)
うた女。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
母様
(
おっかさん
)
に逢いに行くんだ。一体、私の
背
(
せなか
)
に
負
(
お
)
んぶをして、目を
塞
(
ふさ
)
いで飛ぶところだ。構うもんか。さ、手を
曳
(
ひ
)
こう、
辷
(
すべ
)
るぞ。」
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その山の頂上まで十
丁
(
ちょう
)
程
(
ほど
)
ある所を
下僕
(
しもべ
)
二人に
負
(
お
)
ぶさって昇りましたけれども、何分にも痛くて動けませんので二日ばかり山中に
逗留
(
とうりゅう
)
いたし
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そのうちに
蝶々
(
てふ/\
)
は
父
(
とう
)
さんの
竹竿
(
たけざを
)
になやまされて、
手傷
(
てきず
)
を
負
(
お
)
つたやうでしたが、まだそれでも
逃
(
に
)
げて
行
(
い
)
かうとはしませんでした。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
すると、ふいにそこへ、
手傷
(
てきず
)
を
負
(
お
)
った大きないのししがあらわれて、そのくぬぎの木の根もとをどんどん
掘
(
ほ
)
りにかかりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
女
(
をんな
)
は
聲
(
こゑ
)
を
高
(
たか
)
く
唄
(
うた
)
うては
又
(
また
)
聲
(
こゑ
)
を
低
(
ひく
)
くして
其
(
そ
)
の
句
(
く
)
を
反覆
(
はんぷく
)
する。
其
(
そ
)
の
唄
(
うた
)
ふ
處
(
ところ
)
は
毎日
(
まいにち
)
唯
(
たゞ
)
此
(
こ
)
の一
句
(
く
)
に
限
(
かぎ
)
られて
居
(
ゐ
)
た。
女
(
をんな
)
は
年増
(
としま
)
で
一人
(
ひとり
)
の
子
(
こ
)
を
負
(
お
)
うて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ば
大来目主
(
おほくめぬし
)
と、
負
(
お
)
ひ持ちて仕へし
官
(
つかさ
)
、海行かば
水漬
(
みづ
)
く
屍
(
かばね
)
、山ゆかば草むす屍、おほきみの
辺
(
へ
)
にこそ死なめ、
顧
(
かへり
)
みはせじと
言立
(
ことだ
)
て
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
千葉家
(
ちばけ
)
を
負
(
お
)
ふて
立
(
た
)
つ
大黒柱
(
だいこくばしら
)
に
異状
(
いじやう
)
が
有
(
あ
)
つては
立直
(
たてなほ
)
しが
出來
(
でき
)
ぬ、さうでは
無
(
な
)
いかと
奧樣
(
おくさま
)
身
(
み
)
に
比
(
くら
)
べて
言
(
い
)
へば、はッ、はッ、と
答
(
こた
)
へて
詞
(
ことば
)
は
無
(
な
)
かりき。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでドウも二宮金次郎先生には私は現に
負
(
お
)
うところが実に多い。二宮金次郎氏の事業はあまり日本にひろまってはおらぬ。
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
と振り
被
(
かぶ
)
って見せた。西洋人にまで義太夫を語って聴かせたいのだから始末に
負
(
お
)
えない。尤もこれは通訳の限りでなかった。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
清盛は、
羞恥
(
しゅうち
)
した。鳥羽院の武者所を
負
(
お
)
って、堂々と、一人前な男を誇示していた手前にである。穴があれば、はいりたい。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ我々はそんな概括論に一任する前に、もう一ぺん自分の内の歴史を調べてみる義務を
負
(
お
)
うた、群島国の学徒なのである。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
矢
(
や
)
がすりの
袷
(
あはせ
)
に、
赤
(
あか
)
の
帶
(
おび
)
の
竪矢
(
たてや
)
の
字
(
じ
)
を
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
うた
侍女
(
じぢよ
)
が、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
に
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へて、キッパリと
耳
(
みゝ
)
に
快
(
こゝろよ
)
い
江戸言葉
(
えどことば
)
で
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
いんまさき小供を
負
(
お
)
ぶって、涙を流しながら、ここの女のお客はんが裏の二階からおぜぜを投げてくだはったさかい、ちょっとお礼に出ました
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
一家の
都合
(
つごう
)
によって返済の
能
(
のう
)
不能
(
ふのう
)
も定まることであるから、感情的の理由も通る場合もあまたあろうが、借財が事業のために
負
(
お
)
ったものならば
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
子供を
負
(
お
)
ぶった
見窄
(
みすぼ
)
らしい中年の男に亀井戸
玉
(
たま
)
の
井
(
い
)
までの道を聞かれ、それが電車でなく徒歩で行くのだと聞いて不審をいだき、同情してみたり
雑記帳より(Ⅰ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「あのひとたち、とても、あたしの手に
負
(
お
)
えませんの。……でも、そんなにおっしゃるんでしたら、お引き受けしてよ」
キャラコさん:02 雪の山小屋
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その小間物屋から四、五軒さきに、踊りや茶番の衣裳の損料貸しをする家があって、そこで
操
(
あやつ
)
りの衣裳の仕立てや縫い直しなどを
請
(
う
)
け
負
(
お
)
っていた。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お前も、ゆっくり寝てるがいい。もう少しお前が良くなれば、俺はお前を
負
(
お
)
んぶして、ここの花園の中を廻ってやるよ。
花園の思想
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
お前の母ばかりでなしに、
沢山
(
たくさん
)
の母たちが毎日のように警察に出掛けて行ったが、母はそこでよく子供を
負
(
お
)
んぶした労働者風のおかみさんと会った。
母たち
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
その他を率いたが、二等三角点を設けんとせしも、名にし
負
(
お
)
う嶮山とて機械及材料を
運上
(
はこびあ
)
ぐる事能わず、
止
(
や
)
むを得ず四等三角点を建設する事とした。
越中劍岳先登記
(新字新仮名)
/
柴崎芳太郎
(著)
ロミオ
領主
(
りゃうしゅ
)
には
近親
(
きんしん
)
たる
信友
(
しんいう
)
のマーキューシオーが
俺故
(
おれゆゑ
)
あのやうな
重傷
(
ふかで
)
を
負
(
お
)
ひ、
俺
(
おれ
)
はまた
只
(
たゞ
)
一
時程
(
ときほど
)
縁者
(
えんじゃ
)
となったあのチッバルト
故
(
ゆゑ
)
に
汚名
(
をめい
)
を
受
(
う
)
けた。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
アカシアがまだ
対
(
つい
)
の葉を
俯
(
ふ
)
せて睡っている、——そうした朝早く、不眠に悩まされた彼は、早起きの子供らを伴れて、小さなのは
褞袍
(
どてら
)
の中に
負
(
お
)
ぶって
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
やらなきや
負
(
お
)
へねえ奴だと云つてゐました。又別の時エグナアの忰のフレッドからもその話を聞きましたがフレッドもシリングのやうな奴は首へ繩をかけて
無法な火葬
(旧字旧仮名)
/
小泉八雲
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
余
(
よ
)
は
此
(
この
)
攝養法
(
せつやうはふ
)
の
廣
(
ひろ
)
く
行
(
おこな
)
はれ、
戰後
(
せんご
)
てふ
大任
(
たいにん
)
を
負
(
お
)
へる
我
(
わが
)
國民
(
こくみん
)
の
體力
(
たいりよく
)
を
一層
(
いつそう
)
強固
(
きやうこ
)
ならしめ、
各自
(
かくじ
)
の
職責
(
しよくせき
)
を
遺憾
(
ゐかん
)
なく
遂行
(
すゐかう
)
せられんことを
深
(
ふか
)
く
希望
(
きばう
)
する
處
(
ところ
)
なり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
あるとき
猿廻
(
さるまわ
)
しの
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
われている
猿
(
さる
)
に、
柿
(
かき
)
の
実
(
み
)
をくれてやったら、
一口
(
ひとくち
)
もたべずに
地
(
じ
)
べたにすててしまいました。みんながじぶんを
嫌
(
きら
)
っていたのです。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
何處
(
いづこ
)
にも
土地
(
とち
)
珍
(
めづら
)
しき話一つはある物ぞ、
何
(
いづ
)
れ名にし
負
(
お
)
はば、哀れも
一入
(
ひとしほ
)
深草の里と覺ゆるに、話して聞かせずや
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
〔評〕南洲、
顯職
(
けんしよく
)
に居り
勳功
(
くんこう
)
を
負
(
お
)
ふと雖、身極めて
質素
(
しつそ
)
なり。朝廷
賜
(
たま
)
ふ所の
賞典
(
しやうてん
)
二千石は、
悉
(
こと/″\
)
く私學校の
費
(
ひ
)
に
充
(
あ
)
つ。
貧困
(
ひんこん
)
なる者あれば、
嚢
(
のう
)
を
傾
(
かたぶ
)
けて之を
賑
(
すく
)
ふ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
数馬はその
途端
(
とたん
)
に
斬
(
き
)
りこみましたゆえ、わたくしへは手傷も
負
(
お
)
わせずに傘ばかり斬ったのでございまする。
三右衛門の罪
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何
(
なん
)
だか
是
(
これ
)
が
又
(
また
)
彼
(
かれ
)
には
只事
(
たゞごと
)
でなく
怪
(
あや
)
しく
思
(
おも
)
はれて、
家
(
いへ
)
に
歸
(
かへ
)
つてからも一
日中
(
にちぢゆう
)
、
彼
(
かれ
)
の
頭
(
あたま
)
から
囚人
(
しうじん
)
の
姿
(
すがた
)
、
銃
(
じゆう
)
を
負
(
お
)
ふてる
兵卒
(
へいそつ
)
の
顏
(
かほ
)
などが
離
(
はな
)
れずに、
眼前
(
がんぜん
)
に
閃付
(
ちらつ
)
いてゐる
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
だんだん聞いてみると、次郎たちの仲間が十四五名で、隣村の青年たち四五名と、大川の土堤で乱闘をやり、相手にかなりひどい傷を
負
(
お
)
わせたというのである。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
己
(
じぶん
)
は主君に二
刀
(
とう
)
まで傷を
負
(
お
)
わしたから、不忠不義の極悪人となって死なねばならぬ、それも己一人死ぬるなら好いが、父をはじめ一家一門にもその
咎
(
とが
)
めがかかって
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
さあ、ぐつすり
眠
(
ね
)
るとしよう。
耶蘇
(
イエスス
)
よ。
十字架
(
クルス
)
を
負
(
お
)
ふあの
白
(
しろ
)
い
幼児
(
をさなご
)
たちをも、
夜々
(
よるよる
)
眠
(
ね
)
むらし
給
(
たま
)
へ。われ
真
(
まこと
)
にかく
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る。あゝ
眠
(
ね
)
むくなつた。われ
真
(
まこと
)
にかく
願
(
ねが
)
ひ
奉
(
たてまつ
)
る。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
あなたの
帰幽
(
きゆう
)
当時
(
とうじ
)
の、あの
烈
(
はげ
)
しい
狂乱
(
きょうらん
)
と
執着
(
しゅうじゃく
)
……とても
私
(
わたくし
)
などの
手
(
て
)
に
負
(
お
)
えたものではありませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「おのおの方ッ、こけ猿の茶壺でござるぞ。われわれの手で取りもどしたは、真に痛快事。これで、気を
負
(
お
)
い剣を帯して、江戸表まで出てまいった甲斐があったと申すもの」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其の流れのきよきを
誉
(
あ
)
げしなるを思へば、ここの玉川も毒ある流れにはあらで、歌の
意
(
こころ
)
も、
一〇八
かばかり名に
負
(
お
)
ふ河の此の山にあるを、ここに
詣
(
まう
)
づる人は
一〇九
忘る忘るも
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
“負”の意味
《名詞》
(フ)実数で零(無)より小さい数。
(フ)悪い状態。否定的な状態。厭わしい状態。
(出典:Wiktionary)
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“負”を含む語句
背負
脊負
負傷
勝負
負惜
手負
負債
負傷者
請負
気負
引背負
背負梯子
贔負
負目
背負上
背負籠
背負子
御負
背負投
負嫌
...