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く
ふりがな文庫
“
来
(
く
)” の例文
旧字:
來
此
(
こ
)
の
按摩
(
あんま
)
杖
(
つゑ
)
を
力
(
ちから
)
に、
川
(
かは
)
べりの
水除
(
みづよ
)
け
堤
(
づゝみ
)
へ
来
(
く
)
ると、
杖
(
つゑ
)
の
先
(
さき
)
へ
両手
(
りやうて
)
をかけて、ズイと
腰
(
こし
)
を
伸
(
の
)
ばし、
耳
(
みゝ
)
欹
(
そばだ
)
てゝ
考
(
かんが
)
えて
居
(
ゐ
)
る
様子
(
やうす
)
、——と
言
(
い
)
ふ。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ねえ、」とお
母
(
かあ
)
さんが
言
(
い
)
った。「あの
子
(
こ
)
は
田舎
(
いなか
)
へ
行
(
ゆ
)
きましたの、ミュッテンの
大伯父
(
おおおじ
)
さんのとこへ、
暫
(
しばら
)
く
泊
(
とま
)
って
来
(
く
)
るんですって。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
どんどん
逃
(
に
)
げて行って、
山
(
やま
)
の下まで
来
(
く
)
ると、
御飯
(
ごはん
)
を
食
(
た
)
べてしまった
山姥
(
やまうば
)
が、いくらさがしても女の子がいないので、
大
(
たい
)
そうおこって
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それが一
段
(
だん
)
向上
(
こうじょう
)
すると
浅黄色
(
あさぎいろ
)
になり、
更
(
さら
)
に
又
(
また
)
向上
(
こうじょう
)
すると、あらゆる
色
(
いろ
)
が
薄
(
うす
)
らいで
了
(
しま
)
って、
何
(
なん
)
ともいえぬ
神々
(
こうごう
)
しい
純白色
(
じゅんぱくしょく
)
になって
来
(
く
)
る。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
(起ちあがり)どら、
風呂
(
ふれ
)
へいつて
来
(
く
)
う……(出て行きながら)一番の蚊帳、早うまた吊つとかんと、おツ母さんに
怒
(
おこ
)
らるるばい。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
▼ もっと見る
此家
(
こゝ
)
へ
世辞
(
せじ
)
を
買
(
かひ
)
に
来
(
く
)
る者は
何
(
いづ
)
れも
無人相
(
ぶにんさう
)
なイヤアな顔の
奴
(
やつ
)
ばかり
這入
(
はい
)
つて
来
(
き
)
ます。
是
(
これ
)
は
其訳
(
そのわけ
)
で
無人相
(
ぶにんさう
)
だから
世辞
(
せじ
)
を
買
(
かひ
)
に来るので婦人
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
全国に出しますもんな。
彼
(
あり
)
ば引っ張って
来
(
く
)
う。今度呼子においでたなら、そりゃよか、学校ん生徒でん何でんお迎い出すちいよる。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
犬
(
いぬ
)
の
皮
(
かわ
)
をかぶって、おせんの
裸
(
はだか
)
を
思
(
おも
)
う
存分
(
ぞんぶん
)
見
(
み
)
た
上
(
うえ
)
に
写
(
うつ
)
し
取
(
と
)
って
来
(
く
)
るなんざ、
素人
(
しろうと
)
にゃ、
鯱鉾立
(
しゃちほこだち
)
をしても、
考
(
かんが
)
えられる
芸
(
げい
)
じゃねえッてのよ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
三千代
(
みちよ
)
の顔を
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
に
浮
(
うか
)
べやうとすると、顔の輪廓が、まだ出来
上
(
あが
)
らないうちに、此
黒
(
くろ
)
い、
湿
(
うる
)
んだ様に
暈
(
ぼか
)
された
眼
(
め
)
が、ぽつと
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
四郎五郎
(
しろごろう
)
さんの
藪
(
やぶ
)
の
横
(
よこ
)
までかけて
来
(
く
)
ると、まだ三百
米
(
メートル
)
ほど
走
(
はし
)
ったばかりなのに、あつくなって
来
(
き
)
たので、
上衣
(
うわぎ
)
をぬいでしまった。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「いつまでひとを使いくさる。小んまい
餓鬼
(
がき
)
まで千よ、千よ、ぬかしくさって——育てられた恩はもう差引してつりが
来
(
く
)
らあ!」
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ごく遠いところからやって
来
(
く
)
るようでもあるし、どこへ
行
(
ゆ
)
くのかわからなくもあった。
朗
(
ほがら
)
かではあるが、なやましいものがこもっていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「あら、済まないなんて、やだわ。御見舞いに
来
(
く
)
んのあたりまえじゃないの……あたし、黒ちゃんが可哀そうだし、それに——」
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
もし
今後
(
こんご
)
中央公論
(
ちゅうおうこうろん
)
の
編輯
(
へんしゅう
)
を
誰
(
たれ
)
かに
譲
(
ゆず
)
って
閑
(
ひま
)
な
時
(
とき
)
が
来
(
く
)
るとしたら、それらの
追憶録
(
ついおくろく
)
を
書
(
か
)
かれると
非常
(
ひじょう
)
に
面白
(
おもしろ
)
いと
思
(
おも
)
っていました。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
七八年昔の縁故までたどって
来
(
く
)
っからない、と。本当に切符はどうかしら。こんな手紙、何年にもかいたことございませんね。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
袖子
(
そでこ
)
は
物
(
もの
)
も
言
(
い
)
わずに
寝苦
(
ねぐる
)
しがっていた。そこへ
父
(
とう
)
さんが
心配
(
しんぱい
)
して
覗
(
のぞ
)
きに
来
(
く
)
る
度
(
たび
)
に、しまいにはお
初
(
はつ
)
の
方
(
ほう
)
でも
隠
(
かく
)
しきれなかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
忽
(
たちま
)
ち
燈
(
ともしび
)
の光の消えて
行
(
ゆ
)
くやうにあたりは全体に
薄暗
(
うすぐら
)
く灰色に
変色
(
へんしよく
)
して来て、満ち
来
(
く
)
る
夕汐
(
ゆふしほ
)
の上を
滑
(
すべ
)
つて
行
(
ゆ
)
く
荷船
(
にぶね
)
の
帆
(
ほ
)
のみが
真白
(
まつしろ
)
く
際立
(
きはだ
)
つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ハバトフは
折々
(
おりおり
)
病気
(
びょうき
)
の
同僚
(
どうりょう
)
を
訪問
(
ほうもん
)
するのは、
自分
(
じぶん
)
の
義務
(
ぎむ
)
であるかのように、
彼
(
かれ
)
の
所
(
ところ
)
に
蒼蠅
(
うるさ
)
く
来
(
く
)
る。
彼
(
かれ
)
はハバトフが
嫌
(
いや
)
でならぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一月ばかり過ぎて、ある日伯は突然われに向かいて、「余はあす、
魯西亜
(
ロシヤ
)
に向かいて出発すべし。
随
(
したが
)
いて
来
(
く
)
べきか」と問う。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「吾が恋を
夫
(
つま
)
は知れるを行く船の過ぎて
来
(
く
)
べしや
言
(
こと
)
も告げなむ」(巻十・一九九八)の「来べしや」も「行くべしや」の意
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
微妙な接吻がそののちに
来
(
く
)
る。同じ単純と誠実とを以て。而も互の動悸を聴きわけるほどの澄徹さを以て。幸に君達の生命も玲瓏乎としてゐる。
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
てれくさそうにこう言うのである——「それに、わたしゃ、今日は
来
(
く
)
まいと思うんです。来るならもう来てるはずですよ」
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
議場
(
ぎぜう
)
へ
出
(
で
)
る
政治家
(
せいちか
)
でも、
両国
(
れうこく
)
の
土俵
(
とへう
)
で
見
(
み
)
る
力士
(
りきし
)
でも、
伝統的
(
でんとうてき
)
なものが
亡
(
ほろ
)
びて、
段々
(
だん/\
)
小粒
(
こつぶ
)
になつて
来
(
く
)
るのにも
不思議
(
ふしぎ
)
はない。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
世間は、反動的に静かになり、東京市民は、めっきり暖くなった
来
(
く
)
る朝
来
(
く
)
る朝を、長々しい
欠伸
(
あくび
)
まじりで
礼讃
(
らいさん
)
しあった。
国際殺人団の崩壊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうすりゃあいつ
等
(
ら
)
は、
僕
(
ぼく
)
がこんなにみっともない
癖
(
くせ
)
して
自分達
(
じぶんたち
)
の
傍
(
そば
)
に
来
(
く
)
るなんて
失敬
(
しっけい
)
だって
僕
(
ぼく
)
を
殺
(
ころ
)
すにちがいない。だけど、その
方
(
ほう
)
がいいんだ。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
妹たちを再び預かってもらう事になれば葉子は当然
挨拶
(
あいさつ
)
に行って
来
(
く
)
べき義務を感じたけれども、どういうものかそれがはばかられてできなかった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ラランはいつものやうに、カラカラと
笑
(
わら
)
つた。五千メートル。いつもならこの
辺
(
へん
)
へ
来
(
く
)
るまでに
疲
(
つか
)
れて
墜
(
を
)
ちてしまう
筈
(
はづ
)
なのに、
今度
(
こんど
)
は
莫迦
(
ばか
)
に
調子
(
てうし
)
がいい。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
わたしたちが若か時分な、腹が痛かてて寝る
事
(
こた
)
なし、産あがりだて十日と寝た事アあいません。世間が開けて
来
(
く
)
っと皆が
弱
(
よお
)
うなり申すでな。はははは。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
さればよ
仏壇
(
ぶつだん
)
の下こそよきかくれ所なれ、かまへて人にかたり玉ふな、かたりたらば
幽霊
(
いうれい
)
を見んとて村の
若人
(
わかうど
)
らが
来
(
く
)
べきぞ。心えたるはとて立
皈
(
かへ
)
りぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
其
(
そ
)
の
中
(
うち
)
新聞記者
(
しんぶんきしや
)
が
来
(
く
)
る、
出迎人
(
でむかへにん
)
が
来
(
く
)
る。
汽船会社
(
きせんぐわいしや
)
の
雇人
(
やとひにん
)
が
来
(
く
)
る。
甲板
(
かんぱん
)
は
上中下
(
じやうちうげ
)
ともぎツしり
人
(
ひと
)
で
埋
(
うづ
)
まつて
了
(
しま
)
つた。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
など
打返
(
うちかへ
)
し
其
(
その
)
むかしの
恋
(
こひ
)
しうて
無端
(
そゞろ
)
に
袖
(
そで
)
もぬれそふ
心地
(
こゝち
)
す、
遠
(
とほ
)
くより
音
(
おと
)
して
歩
(
あゆ
)
み
来
(
く
)
るやうなる
雨
(
あめ
)
、
近
(
ちか
)
き
板戸
(
いたど
)
に
打
(
うち
)
つけの
騒
(
さわ
)
がしさ、いづれも
淋
(
さび
)
しからぬかは。
雨の夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ソレ
故
(
ゆえ
)
私なども江戸に
来
(
く
)
れば何は扨置き桂川の家には訪問するので、
度々
(
たびたび
)
その家に
出入
(
しゅつにゅう
)
して居る。その桂川の家と木村の家とは親類——
極
(
ごく
)
近い親類である。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
学校から
帰
(
かえ
)
って
来
(
く
)
ると、エムリーヌ・カペルさんは、いいお
点
(
てん
)
をいただいたということをお母さんにお
話
(
はな
)
ししました。それから、その
後
(
あと
)
でこういいました——
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
「それでは
風邪薬
(
かぜぐすり
)
でも買って
来
(
く
)
べえ。それ、
蒲団
(
ふとん
)
を頭のところからよく
被
(
かぶ
)
っていねえと
隙間
(
すきま
)
から風が入る」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「これあ盛り場から
拾
(
ひ
)
らって
来
(
く
)
んだ。別荘町だら
長
(
なげ
)
えのが落ちてるッテッケンド、
俺
(
おら
)
、行ったコタネエ」
老巡査
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
動物園のおぢさん「ある
時
(
とき
)
、
白
(
しろ
)
い
夏服
(
なつふく
)
を
着
(
き
)
た
巡査
(
じゆんさ
)
が、
剣
(
けん
)
か
何
(
なん
)
かでこの
虎
(
とら
)
をおどかしたことがありました。それからといふもの
白
(
しろ
)
い
服
(
ふく
)
を
着
(
き
)
た
巡査
(
じゆんさ
)
が
来
(
く
)
ると
怒
(
おこ
)
ります」
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
其の
明
(
あす
)
雀部
(
ささべ
)
にわかれて、
八月
(
はづき
)
のはじめ
京
(
みやこ
)
を立ちて、
九三
木曾路を
来
(
く
)
るに、山
賊
(
だち
)
あまたに取りこめられ、衣服金銀残りなく
掠
(
かす
)
められ、命ばかりを
辛労
(
からう
)
じて助かりぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
此辺には
牝犬
(
めいぬ
)
が少ないので、春秋の
交尾期
(
こうびき
)
になると、猫程しかないピンを目がけて、
来
(
く
)
るわ/\、白君、
斑君
(
ぶちくん
)
、黒君、虎君、ポインタァ君、スパニール君、美君
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「そいつは事だゝ。すぐにお医者さア呼ばらなくちゃならねえだ。
俺
(
おら
)
、町まで
一走
(
ひとはし
)
りして
来
(
く
)
べい」
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
展覧会が開かれている
間
(
あいだ
)
の随意の日に、見に来たが、
来
(
く
)
る前の日に、そのころ展覧会会場の近くの上野桜木町に住んでいた私の所に、
何時頃
(
なんじごろ
)
に行くと速達の葉書をよこし
茂吉の一面
(新字新仮名)
/
宇野浩二
(著)
けれども昆虫はただでは
来
(
こ
)
なく、
利益交換
(
りえきこうかん
)
の
蜜
(
みつ
)
が花中にあるので、それでやって
来
(
く
)
るのである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
されどもかかる夜中にひとりこの辺に
来
(
く
)
べき道理なければ、
必定
(
ひつじょう
)
化物
(
ばけもの
)
ならんと思い定め、やにわに
魚切庖丁
(
うおきりぼうちょう
)
を持ちて後の方より差し通したれば、悲しき声を立てて死したり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
ところへ竜女来って商人を呼び入れ宝牀褥上に坐らせ何の食を食わんと欲するかと問うので、閻浮提人間の食を望んだ、すると竜女種々の珍饌を持ち来りさあお一つと
来
(
く
)
る
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
主
(
しゆ
)
はあたしに
下
(
くだ
)
さらなかつたので、
主
(
しゆ
)
に
属
(
ぞく
)
する
者
(
もの
)
を
捉
(
つかま
)
へたくなつて
堪
(
たま
)
らない。さてこそ、あたしは、ヷンドオムの
地
(
ち
)
から、このロアアルの
森
(
もり
)
へ
下
(
お
)
りて
来
(
く
)
る
幼児
(
をさなご
)
たちを
跟
(
つ
)
けて
来
(
き
)
た。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
卒業されて文学士というエライお方になられたげなと評判隣村にまで広がりしより取分け人の
訪
(
と
)
い
来
(
く
)
る事多く主人夫婦は応接に
遑
(
いとま
)
あらず「イヤこれは八
兵衛
(
べえ
)
さんよくおいでだね」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「岡の外からはろくな物は
来
(
く
)
まい」と云ふのである。不思議にもこの詞が
讖
(
しん
)
をなした。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
黒き箪笥の
傍
(
そば
)
に、廊下より
入
(
い
)
り
来
(
く
)
るようになりおる入口あり。右手の壁の前には、窓に近き処に寝椅子あり。これに
絨緞
(
じゅうたん
)
を掛く。その上にはまた
金糸
(
きんし
)
の
繍
(
ぬい
)
ある派手なる
帛
(
きれ
)
を
拡
(
ひろ
)
げあり。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
春、原田の家を逃げ出し、どうしても未だヲダハラの母の家へ帰る決心はつかずに、
来
(
く
)
る二日前までは名前も知らなかつた此の郊外に偶然引き移つてから、もう夏になつてしまつた。
鏡地獄
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
建設の大業は後に
来
(
く
)
る天才に譲つて、我々は先づ根柢まで破壊の斧を下さなくては
不可
(
いかん
)
。然しこの戦ひは決して容易な戦ひではない。容易でないから一倍元気が要る。元気を落すな。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かの
了然
(
さだか
)
ならざりし形はこの時
明
(
あきらか
)
に輝かされぬ。宵に
来
(
く
)
べかりし狂女の
佇
(
たたず
)
めるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“来”を含む語句
往来
出来
将来
入来
元来
以来
性来
帰来
従来
去来
御入来
後来
被来
生来
由来
雁来紅
在来
来歴
新来
旧来
...