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或時
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あるとき
ふりがな文庫
“
或時
(
あるとき
)” の例文
また
或時
(
あるとき
)
、市中より何か
買物
(
かいもの
)
をなして
帰
(
かえ
)
り
掛
(
が
)
け、
鉛筆
(
えんぴつ
)
を借り
少時
(
しばらく
)
計算
(
けいさん
)
せらるると思ううち、アヽ
面倒
(
めんどう
)
だ面倒だとて鉛筆を
抛
(
なげう
)
ち去らる。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
小児
(
せうに
)
の如くタワイなく、
意気地
(
いくぢ
)
なく、
湾白
(
わんぱく
)
で、ダヾをこねて、
遊
(
あそ
)
び
好
(
ずき
)
で、
無法
(
むはふ
)
で、
歿分暁
(
わからずや
)
で、
或時
(
あるとき
)
はお
山
(
やま
)
の
大将
(
たいしやう
)
となりて
空威張
(
からゐばり
)
をし
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
實
(
じつ
)
を
申
(
まを
)
すと
私
(
わたし
)
も
疑
(
うたが
)
つてゐるのです。
然
(
しか
)
し
尤
(
もつと
)
も、
私
(
わたくし
)
は
或時
(
あるとき
)
は
死
(
し
)
なん
者
(
もの
)
のやうな
感
(
かんじ
)
もするですがな。
其
(
そ
)
れは
時時
(
とき/″\
)
恁
(
か
)
う
思
(
おも
)
ふ
事
(
こと
)
があるです。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
村の
庄屋
(
しやうや
)
の息子に、
智慧蔵
(
ちゑざう
)
といふ、長い間江戸へ出て、勉強して来た村一番の学者がありました。
或時
(
あるとき
)
その
馬鹿
(
ばか
)
七の話を聞いて
馬鹿七
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
或時
(
あるとき
)
は
土方
(
どかた
)
となり、
或時
(
あるとき
)
は坑夫となって、
甲
(
それ
)
から
乙
(
それ
)
へと
際限
(
はてし
)
もなく迷い歩く
中
(
うち
)
に、二十年の月日は夢と過ぎた。彼の頭には
白髪
(
しらが
)
が
殖
(
ふ
)
えた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
と云うのは当時
大童
(
おおわら
)
が江戸屋敷の
留守居
(
るすい
)
で世間の交際が広いと云うので、養子選択の事を一人で担任して居て、
或時
(
あるとき
)
私に談じて
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
時には相手が笑つてゐて、
何時
(
いつ
)
迄も要領を得ない事がある。与次郎は
之
(
これ
)
を
人
(
ひと
)
利
(
り
)
あらずと号してゐる。
或時
(
あるとき
)
便所から
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た教授を
捕
(
つら
)
まへた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一例としては、
或時
(
あるとき
)
麹町
(
こうじまち
)
の曲淵の本邸の庭にのぞんだ座敷に、甲子の友達が集っているところを、何も知らずに澤が通りかかった事があった。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
それは人間の声ともつかず獣の声ともつかず、
或時
(
あるとき
)
は
微
(
かす
)
かに或時は鋭く、高く……聞いていると骨の髄から
慄然
(
ぞっ
)
とするような恐ろしい声だった。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
此
(
こ
)
の
話
(
はなし
)
を——
或時
(
あるとき
)
、
弴
(
とん
)
さんと
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた
事
(
こと
)
のある
志賀
(
しが
)
さんが
聞
(
き
)
いて、
西洋
(
せいやう
)
の
小説
(
せうせつ
)
に、
狂氣
(
きやうき
)
の
如
(
ごと
)
く
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
削
(
けづ
)
る
奇人
(
きじん
)
があつて、
女
(
をんな
)
のとは
限
(
かぎ
)
らない
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠路
(
とおみち
)
を
痩馬
(
やせうま
)
に
曳
(
ひ
)
かした荷車が
二輛
(
にりょう
)
も三輛も引続いて
或時
(
あるとき
)
は米俵或時は材木
煉瓦
(
れんが
)
なぞ、重い荷物を坂道の頂きなる監獄署の裏門
内
(
うち
)
へと運び入れる。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
風の都合で、馬鹿に大きな音になったり、
或時
(
あるとき
)
は
幽
(
かす
)
かになって、
露天
(
ろてん
)
商人の呼声に混り合って、ジンタジンタと太鼓の音ばかりが聞えたりした。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
或時
(
あるとき
)
は松並木の間から、或時は断崖の上からそれを眺めて行く。その間湾を隔てて、いつも私達を見守っているのは、雲仙の懐かしい
温容
(
おんよう
)
である。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
処
(
ところ
)
が
或時
(
あるとき
)
の事でシヽリーの
内
(
うち
)
で、
第
(
だい
)
一
番
(
ばん
)
の
学者
(
がくしや
)
といふ、シロクシナスといふお
精霊様
(
しやうりやうさま
)
の
茄子
(
なす
)
のやうな人が
参
(
まゐ
)
りまして、
王
(
わう
)
にお
目通
(
めどほ
)
りを願ひますると
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
救
(
すくひ
)
しなり
或時
(
あるとき
)
彼の四人
打寄
(
うちよつ
)
て
耳語
(
さゝやく
)
やう又七
事
(
こと
)
是迄
(
これまで
)
種々
(
しゆ/″\
)
非道
(
ひだう
)
になすと雖も此家を
出行
(
いでゆく
)
景色なし
此上
(
このうへ
)
は如何せんと
相談
(
さうだん
)
しけるにお
常
(
つね
)
は
膝
(
ひざ
)
を
進
(
すゝ
)
め是は
毒藥
(
どくやく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
周三は
或時
(
あるとき
)
偶然
(
ぐうぜん
)
に、「人は何のために生まれたのだらう、そして何のために
活
(
い
)
き、何うして死んで了ふのだらう。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ずゐぶん
古
(
ふ
)
るいものですが、アイチャンキャラ侯の先祖が、これを取つてからのち、
或時
(
あるとき
)
、外敵にせめられて、一時これを占領されたことがありました。
ラマ塔の秘密
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
泣
(
な
)
くかしら
恐
(
おそ
)
ろしがるかしらと
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
ますに、いかにも
嬉
(
うれ
)
しい
顏
(
かほ
)
をして
莞爾々々
(
にこ/\
)
と
私
(
わたし
)
に
見
(
み
)
せた
通
(
とほ
)
りの
笑
(
ゑ
)
みを
見
(
み
)
せるでは
御座
(
ござ
)
いませぬか、
或時
(
あるとき
)
旦那
(
だんな
)
さまは
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わが
身
(
み
)
はちやうど
蝗虫
(
いなご
)
のやうだ、こゝよ、かしこよと
跳回
(
はねまは
)
る、
唸
(
うな
)
つて
歩
(
ある
)
く、また
或時
(
あるとき
)
は
色入
(
いろいり
)
の
翅
(
はね
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
小
(
ちひ
)
さな
頸
(
くび
)
の
透
(
す
)
きとほつて、
空
(
から
)
な
処
(
ところ
)
をみせもする。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
この「
殆
(
ほとほ
)
と死にき」をば、
殆
(
あやう
)
しの意にして、胸のわくわくしたと解する説もあり、私も
或時
(
あるとき
)
にはそれに従った。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この
苧纑
(
をがせ
)
商人、
或時
(
あるとき
)
余
(
よ
)
が
俳友
(
はいいう
)
の家に
逗留
(
とうりう
)
の
話
(
はなし
)
に
件
(
くだん
)
の事を
語
(
かた
)
り
出
(
いだ
)
し、
彼時
(
かのとき
)
我六百の銭を
惜
(
をし
)
み焼飯を
買
(
かは
)
ずんば、
雪吹
(
ふゞき
)
の
中
(
うち
)
に
餓死
(
うゑじに
)
せんことかの
農夫
(
のうふ
)
が如くなるべし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
いくらか、さうしたものゝ
見
(
み
)
えるのは、
或時
(
あるとき
)
仁徳天皇
(
にんとくてんのう
)
が、
吉備
(
きび
)
のくろ
媛
(
ひめ
)
といふ
人
(
ひと
)
を
訪問
(
ほうもん
)
せられたところが、
青菜
(
あをな
)
を
摘
(
つ
)
んでゐたのを
見
(
み
)
て
作
(
つく
)
られたといふお
歌
(
うた
)
であります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
斯
(
こ
)
うした筋の通らぬような、通ったような結論を
或時
(
あるとき
)
二人がかりでこしらえてしまった。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
すると
或時
(
あるとき
)
神様
(
かみさま
)
は、
汝
(
そち
)
の
胸
(
むね
)
に
懐
(
いだ
)
いていること
位
(
ぐらい
)
は、
何
(
なに
)
も
彼
(
か
)
もくわしく
判
(
わか
)
っているぞ、と
仰
(
おお
)
せられて、
私
(
わたくし
)
が
今
(
いま
)
まで
極秘
(
ごくひ
)
にして
居
(
お
)
った、ある
一
(
ひと
)
つの
事柄
(
ことがら
)
……
大概
(
たいがい
)
お
察
(
さっ
)
しでございましょうが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
其女
(
そのをんな
)
は
才
(
さい
)
も
働
(
はたら
)
き、
勉強
(
べんきやう
)
も
出来
(
でき
)
、
優
(
すぐ
)
れて
悧巧
(
りこう
)
な
質
(
たち
)
であつたが、
或時
(
あるとき
)
脊負揚
(
しよいあげ
)
のなかゝら
脱落
(
ぬけお
)
ちた
男
(
をとこ
)
の
文
(
ふみ
)
で、
其保護者
(
そのほごしや
)
の
親類
(
しんるゐ
)
の
細君
(
さいくん
)
に
感
(
かん
)
づかれ、一
時
(
じ
)
学校
(
がくかう
)
も
停
(
と
)
められて、
家
(
うち
)
に
禁足
(
きんそく
)
されてゐたが
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
太郎
(
たらう
)
は、エソップのなかの、
或時
(
あるとき
)
ライオンが
一疋
(
いつぴき
)
の
鼠
(
ねづみ
)
を
捕
(
と
)
つたら
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
B それで
其女
(
そのをんな
)
はね。
或時
(
あるとき
)
或男
(
あるをとこ
)
に
結婚
(
けつこん
)
を
申込
(
まをしこ
)
んだ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
又
(
ま
)
た
或時
(
あるとき
)
は
僕
(
ぼく
)
が
寢
(
ね
)
て
仕舞
(
しま
)
つてからカテリーナ
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
或時
(
あるとき
)
は江口の月のさしわたり
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
実
(
じつ
)
を
申
(
もう
)
すと
私
(
わたし
)
も
疑
(
うたが
)
っているのです。しかしもっとも、
私
(
わたくし
)
は
或時
(
あるとき
)
は
死
(
し
)
なん
者
(
もの
)
のような
感
(
かんじ
)
もするですがな。それは
時時
(
ときどき
)
こう
思
(
おも
)
うことがあるです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
と、
又
(
また
)
、
或時
(
あるとき
)
その
女中
(
ぢよちう
)
が、
同
(
おな
)
じやうに、「れいしゆ。」と
言
(
い
)
つた。
又
(
また
)
分
(
わか
)
らない。「お
早
(
はや
)
く
願
(
ねが
)
ひます。」と
又
(
また
)
女中
(
ぢよちう
)
が
言
(
い
)
つた。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
喜怒色に顕わさず
或時
(
あるとき
)
私が何か漢書を読む中に、喜怨
色
(
いろ
)
に
顕
(
あらわ
)
さずと云う一句を
読
(
よん
)
で、その時にハット思うて
大
(
おおい
)
に自分で
安心決定
(
あんしんけつじょう
)
したことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
或時
(
あるとき
)
、
此室
(
このへや
)
に
手拭
(
てぬぐい
)
が
幾筋
(
いくすじ
)
掛けてあるかと問へば、彼は廊下を四つ打つた。けれども、手拭は三筋より無い。
更
(
さら
)
に聞直しても矢はり四つだと答へる。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
或時
(
あるとき
)
はあまりに世話を焼かれ
過
(
すぎ
)
るのに腹を立てゝ、注意される
襟巻
(
えりまき
)
をわざと
解
(
と
)
きすてゝ
風邪
(
かぜ
)
を引いてやつた事もあつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
或時
(
あるとき
)
宗助
(
そうすけ
)
がぽかんとして、
下宿
(
げしゆく
)
の
机
(
つくゑ
)
に
倚
(
よ
)
りかゝつた
儘
(
まゝ
)
、
珍
(
めづ
)
らしく
時間
(
じかん
)
の
使
(
つか
)
ひ
方
(
かた
)
に
困
(
こま
)
つてゐると、ふと
御米
(
およね
)
が
遣
(
や
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
或時
(
あるとき
)
是真翁
(
ぜしんをう
)
の
処
(
ところ
)
へ
行
(
ゆ
)
くと、
是真翁
(
ぜしんをう
)
が「お
前
(
まへ
)
は
此頃
(
このごろ
)
大層
(
たいそう
)
怪談
(
くわいだん
)
の
種子
(
たね
)
を探しておいでださうだ。」「どうか
怪談
(
くわいだん
)
の
種子
(
たね
)
を百
種買出
(
いろかひだ
)
して見たいと思ひます。 ...
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
しかる
)
に澤の井は其後漸く
月
(
つき
)
重
(
かさな
)
り今は
包
(
つゝむ
)
に包まれず
或時
(
あるとき
)
母に向ひ
恥
(
はづ
)
かしながら徳太郎
君
(
ぎみ
)
の
御胤
(
おんたね
)
を
宿
(
やど
)
しまゐらせ
御内意
(
ごないい
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
苧纑
(
をがせ
)
商人、
或時
(
あるとき
)
余
(
よ
)
が
俳友
(
はいいう
)
の家に
逗留
(
とうりう
)
の
話
(
はなし
)
に
件
(
くだん
)
の事を
語
(
かた
)
り
出
(
いだ
)
し、
彼時
(
かのとき
)
我六百の銭を
惜
(
をし
)
み焼飯を
買
(
かは
)
ずんば、
雪吹
(
ふゞき
)
の
中
(
うち
)
に
餓死
(
うゑじに
)
せんことかの
農夫
(
のうふ
)
が如くなるべし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
尤
(
もっと
)
も命がけの決闘ではないけれど、
或時
(
あるとき
)
は、当番に当った会員が、犯罪めいたことをやって、例えば人を殺したなんて、まことしやかにおどかすことなんかやる。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
或時
(
あるとき
)
はデレリ
茫然
(
ばうぜん
)
としてお
芋
(
いも
)
の
煮
(
に
)
えたも
御存
(
ごぞん
)
じなきお
目出
(
めで
)
たき者は
当世
(
たうせう
)
の
文学者
(
ぶんがくしや
)
を
置
(
お
)
いて
誰
(
た
)
ぞや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
されども
是
(
こ
)
れぞの
跡
(
あと
)
もなく、
唯
(
たゞ
)
うか/\と
物
(
もの
)
おもふらしく
或時
(
あるとき
)
はしみ/″\と
泣
(
な
)
いて、お
前樣
(
まへさま
)
いつまで
是
(
こ
)
れだけの
月給
(
げつきう
)
取
(
と
)
つてお
出遊
(
いであそ
)
ばすお
心
(
こゝろ
)
ぞ、お
向
(
むか
)
ふ
邸
(
やしき
)
の
旦那
(
だんな
)
さまは
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
幾日たつても子鶉は、そのとほり物を喰べず、謡ひもせず、だん/\と眼が
凹
(
くぼ
)
んで、
痩
(
や
)
せてきますので、王様は大変不思議に
思召
(
おぼしめ
)
して、
或時
(
あるとき
)
籠に近く寄つて、かうお尋ねになりました。
孝行鶉の話
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
中天竺
(
ちゆうてんぢく
)
マカダ国、
浄飯王
(
じやうばんわう
)
のお子様で、カビラ城にゐなすつたのだが、
或時
(
あるとき
)
城の外を通る老人を見て、人間はなぜあんなに、年をとつて、病気になつて、そして死ぬのかといふ事を考へたのです。
愚助大和尚
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
どやすと言えば、かの女が
或時
(
あるとき
)
息子に言った。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
或時
(
あるとき
)
は谷深く折る
夏花
(
げばな
)
かな
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
さて
彼
(
か
)
の伴藏は今年三十八歳、女房おみねは三十五歳、
互
(
たがい
)
に貧乏
世帯
(
じょたい
)
を張るも萩原新三郎のお
蔭
(
かげ
)
にて、
或時
(
あるとき
)
は畑を
耘
(
うな
)
い、庭や表のはき掃除などをし
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
或時
(
あるとき
)
宗助
(
そうすけ
)
が
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
安井
(
やすゐ
)
を
尋
(
たづ
)
ねたら、
安井
(
やすゐ
)
は
留守
(
るす
)
で、
御米
(
およね
)
ばかり
淋
(
さみ
)
しい
秋
(
あき
)
の
中
(
なか
)
に
取
(
と
)
り
殘
(
のこ
)
された
樣
(
やう
)
に
一人
(
ひとり
)
坐
(
すわ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
或時
(
あるとき
)
六
月
(
がつ
)
の
末
(
すえ
)
、ドクトル、ハバトフは、
院長
(
いんちょう
)
に
用事
(
ようじ
)
があって、その
室
(
へや
)
に
行
(
い
)
った
所
(
ところ
)
、おらぬので
庭
(
にわ
)
へと
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
た。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
熊の解剖それから又
或時
(
あるとき
)
には
斯
(
こ
)
う
云
(
い
)
う事があった。
道修町
(
どしょうまち
)
の
薬種屋
(
やくしゅや
)
に丹波か丹後から熊が来たと云う
触込
(
ふれこ
)
み。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
或時
(
あるとき
)
、大奮発じゃ、と言うて、
停車場
(
ていしゃば
)
前の床屋へ、顔を
剃
(
そ
)
りに
行
(
ゆ
)
かれました。その時だったと申す事で。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
或
漢検準1級
部首:⼽
8画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“或時”で始まる語句
或時代