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脊負揚
矢張男が
恋しく、
其学生が
田舎から
細君を
連れて
来るまで
附纏つたと
云ふだけの、
事実談に
過ぎぬのであるが、
文を
脊負揚に
仕舞つて
置いた一
事が、
何となく
私の
記憶に
遺つてゐる。
其女は
才も
働き、
勉強も
出来、
優れて
悧巧な
質であつたが、
或時脊負揚のなかゝら
脱落ちた
男の
文で、
其保護者の
親類の
細君に
感づかれ、一
時学校も
停められて、
家に
禁足されてゐたが