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したふか板倉のひえ炬燵こたつとは少しもがないといふ事なりと火と同音どうおんなればなり夫より後世こうせい奉行ぶぎやういつれも堅理けんりなりといへども日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それをとするかとするか、自分のくちびるをでる、ただ一で、どんな兇刃きょうじんがもののはずみで御岳みたけ神前しんぜんの海としないかぎりもない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秦王しんわうのちこれい、ひとをしてこれゆるさしむれば、すでせり。申子しんし韓子かんしみなしよあらはし後世こうせいつたふ、(一二一)學者がくしやおほり。
きのうのはきょうのなるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん。これや日記の成らぬ縁故なる、あらず、これには別に故あり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
○新撰字鏡うをに鮭(佐介さけ)とあり、和名抄には本字はさけぞくさけの字を用ふるは也といへり。されば鮭の字を用ひしもふるし。
昨日のは今日のとなり、昨年のは今年のとなることは、内閣の更迭こうてつごとに起こる事実に照らしても分かるくらいである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
以為おもへらく両者の短歌全く標準を異にす、鉄幹ならば子規なり、子規是ならば鉄幹非なり、鉄幹と子規とは並称すべき者にあらずと。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
感情に激しやすくっても失敗はある。いずれが、いずれがと誰れが定められよう。感情の複雑な人ほど、美人は人間的の美をますと——
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「無類の評判ですよ、店の評判は言ふ迄もなく、御近所の金棒曳かなぼうひきも、あの内儀にはの打ちやうはありません。少し身體が弱いのは難だが——」
六年の田舎住居、多少は百姓の真似まねもして見て、土に対する農の心理の幾分をしはじめて見ると、余はいやでも曩昔むかしみとめずには居られぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
こんな一通りの意見は、逆上のぼせ切っている清吉の耳に這入ろう筈がありません、じゃでも刺青をしてくれ、それでなければ男の一ぶんが立たない。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
前のを悟りて舊都に歸り、さては奈良炎上えんじやう無道むだう餘忿よふんらせども、源氏の勢は日に加はるばかり、覺束なき行末を夢に見て其年も打ち過ぎつ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ひとこゝろかはやすき、いましかくさかしらぶりて、飼鳥かひどりひつれど、明日みやうにちらずかさねてすゝむるものあるときは、われまた小鳥ことりやしなこゝろになるまじきものにあらず
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さきに愛をもてわが胸をあたゝめし日輪、とのあかしをなして、美しき眞理のたへなる姿を我に示せり 一—三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
何だか、今夜中に三井寺みいでらを過ぎて、滋賀しがの里まではでも辿たどり着くんだなんて、とても張り切ってたよ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
散々さん/″\のおたみ異見いけんすこそめ揚句あげく、そのひとにわかにわかれといふ、おさなきこヽろには失禮ひつれいわがまヽをくみて夫故それゆゑ遠國ゑんごくへでもかれるやうにかなしく
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
〔譯〕匿情とくじやう愼密しんみつる。柔媚じうび恭順きようじゆんに似る。剛愎がうふく自信じしんに似る。故に君子はなる者をにくむ。
河鰭かはひれは真赤に酔うたる顔突き出し「、花ちやんに御依頼の件があるのだが」とサヽやくを
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
作者の心に映る幻影を幻影として写す秋成の態度と、心理批判を棄て得ない谷崎君の態度に、私などは時代の相違を見るので、かならずしも一をとし一をとするのではない。
武州公秘話:02 跋 (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
作者の心に映る幻影を幻影として写す秋成の態度と、心理批判を棄て得ない谷崎君の態度に、私などは時代の相違を見るので、かならずしも一をとし一をとするのではない。
かくして彼の心にかかつらふ事あれば、おのづから念頭を去らざる痛苦をもその間に忘るるを得べく、もとより彼はせいを知らずして邪を為し、を喜ばずしてを為すものにあらざれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
第一この制度の強制的存在のために、家族生活の神聖は、似而にてなる家族の交雑によって著しく汚される。愛なき男女の結合を強制することは、そのまま生活の堕落である。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そこでひとさとつて改革かいかくはかれば此度こんどくらしをなほして自分じぶん支出ししゆつ何割なんわりげんじて、さうして其剩餘そのじようよもつ從來じうらい借金しやくきん整理せいりをしてくよりほかにはみちはないのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
燕王にうに当って、砉然かくぜんとして破裂し、爆然として迸発へいはつせるものというべき
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
彼れ年少気鋭、頭熱し意あがる、時事の日になるを見て、身を挺して国難をすくわんとするの念、益々ますます縦横す。おもうにその方寸の胸間、万丈の焔炎、天をく大火山の如くあるべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
この連中の日本の昔風を攻撃する動機を疑い、多分これが彼らの感心している西洋風と違う故に、もなく反対するのだろうという邪推であって、それが随分有力に行き渡っている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現在げんざいおいて、アイヌせつ代表だいひやうされる小金井博士こがねゐはかせアイヌせつ代表だいひやうされる坪井博士つぼゐはかせ此二大學説このにだいがくせつじつ尊重そんちやうすべきであるが、これ意外いぐわいろんじるほど材料ざいれうを、そもそ何人なんびとあつめつゝあるか
以上いじやう日本にほん固有名こいうめいこと地名ちめいについて、その理由りいうなく改惡かいあくされることのなるをべたが、ここにさら寒心かんしんすべきは、吾人ごじん日用語にちようごが、適當てきたう理由りいうなくして漫然まんぜん歐米化おうべいくわされつゝあるの事實じじつである。
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
まつたくもなくなるんです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
韓王かんわうはじもちひず、きふなるにおよんですなはりてしん使つかはす。秦王しんわうこれよろこび、いま信用しんようせず。李斯りし姚賈えうかこれこれそしつていは
一つには自分がこれらの言を充分に味わう境涯きょうがいに達しない、すなわち自己のさとらず自己の弱点を察しないゆえである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
軍人は自ら主人の如く思ひ従軍記者は自ら厄介者の如く感ず。感ずる者か感ぜしむる者か。かく感ずる者是ならばかく感ぜしむる者また是なるべし。
従軍紀事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
天守てんしゆ主人あるじは、御身おみ内儀ないぎ美艶あでやかいろ懸想けさうしたのぢや。もない、ごふちから掴取つかみとつて、ねやちか幽閉おしこめた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勝家は、ともいわず、ともいわず、こう大きくつぶやいて、席上の空気から何かを観てとろうとした。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでもお絹はどうしてもかなかった。彼女はまったく気でも違ったように男にむかって遮二無二しゃにむに食ってかかって、じゃでもこれから不二屋へ一緒に行けと言った。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
天道樣てんたうさまかなどゝいふことが、わたし生意氣なまいきこゝろからばかりではありますまい、かならず、屹度きつと何方どなたのおくちからもれずにはりますまい、わたし自分じぶんすこしもわること
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わが塩沢しほざは方言はうげんにほふらといふは雪頽なだれなるもの也、十二月の前後ぜんごにあるもの也。
中外文武臣僚、心を同じゅうして輔祐ほゆうし、もっが民をさいわいせよ、といえるは、文武臣僚の中、心を同じゅうせざる者あるをおそるゝに似たり。太祖の心、それ安んぜざる有る
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
余は平民社の編輯室へんしふしつ幸徳かうとくさかひの両兄と卓を囲んで時事を談ぜり、両兄いはく君が裁判の予想如何いかん、余曰くときなり、無罪の判決元より望むべからず、両兄いはしからばすなはち禁錮、罰金乎
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
平和の時こそ、供花燒香に經を飜して、利益平等りやくびやうどうの世とも感ぜめ、祖先十代と己が半生の歴史とをきざみたる主家しゆかの運命なるを見ては、眼を過ぐる雲煙うんえんとは瀧口いかで看過するを得ん。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
お前の婚期がおくれるくらいになっているのを知りながら、それをどうすることもできない自分を思うと、自分は苦しい。けれども今度のだけはでも断れ。そんなことが書いてあった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
おくりけり偖又夫に引替上臺憑司は己があしきに心付ず之れ皆傳吉夫婦が有故にかゝる禍ひに逢たりと理もわかず傳吉に村役むらやくを取られしとて深くうらみ高田の役人へ手をまはし此うらみはらさんと種々工夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
先住民せんじうみんは、アイヌか、アイヌか。コロボツクルか、コロボツクルか。
みづか以爲おもへらく、かずと。かん削弱さくじやくせらるるを數〻しばしばしよもつ韓王かんわういさむ、韓王かんわうもちふることあたはず。
もない。はじめからひとつまつかつてものをふ、悪魔あくま所業しわざぢや、無理むり無躰むたい法外ほふぐわい沙汰さたおもへ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
と、呂宋兵衛は、じぶんにもがあるので、まりわるげに沈んでいたが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
も亦道衍が莾々蕩々もうもうとうとうの気の、む能わずして然るもの
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そのほうを責むれば、施すところの心をあわせて、ともになり
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
勿論もちろん、描いた人物を判然はっきり浮出うきださせようとして、この彩色さいしょく塗潰ぬりつぶすのは、の手段に取って、か、か、こうか、せつか、それは菜の花のあずかり知るところでない。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(四二)あるひいはく、(四三)天道てんだうしんく、つね善人ぜんにんくみすと。伯夷はくい叔齊しゆくせいごときは、善人ぜんにんものか。じんおこなひいさぎようし、かくごとくにして餓死がしせり。