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このたび
ふりがな文庫
“
此度
(
このたび
)” の例文
一
其方儀
(
そのほうぎ
)
先達
(
さきだっ
)
て
長
(
なが
)
の
暇
(
いとま
)
差遣
(
さしつか
)
わし
候処
(
そうろうところ
)
以後心掛も宜しく
依
(
よっ
)
て
此度
(
このたび
)
新地
(
しんち
)
二百石に召し返され馬廻り役
被仰付候旨
(
おおせつけられそうろうむね
)
被仰出候事
(
おおせいだされそうろうこと
)
重 役 判
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
願
(
ねが
)
はれ
何卒
(
なにとぞ
)
私
(
わたく
)
し
儀
(
ぎ
)
御役
御免下
(
ごめんくだ
)
さるべしと
云
(
いは
)
れしかば何故
退役
(
たいやく
)
を
願
(
ねが
)
はるゝやと申さるゝに大岡殿
此度
(
このたび
)
煙草屋
(
たばこや
)
喜八
裁許
(
さいきよ
)
違
(
ちが
)
ひ
科
(
とが
)
なき者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此度
(
このたび
)
権現様小笠原与八郎を先手に
被
(
おお
)
せ付けられ
候
(
そうろう
)
。与八郎下心に挾む所ありと
雖
(
いえど
)
も、辞退に及ばずして、姉川にて先手致し勝利を得申し候。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
此度
(
このたび
)
勇戦隊が編成せられるに
就
(
つ
)
いては、是非共其一員に加はりたいので、早速志願したが、一里正の子だと云ふ
廉
(
かど
)
で御採用にならなかつた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
老生
此度
(
このたび
)
郊外にささやかなる別荘を買求め
候
(
そうろう
)
については来る十五日別荘開きの小宴を催し
度
(
たく
)
当日午後一時Sホテルまで御光来を
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
平生
(
へいぜい
)
よく
事
(
つか
)
へくれ、
惡
(
あ
)
しきこととて
更
(
さら
)
に
無
(
な
)
し、
此度
(
このたび
)
鳥
(
とり
)
を
勸
(
すゝ
)
めしも、
予
(
よ
)
を
思
(
おも
)
うての
眞心
(
まごころ
)
なるを、
何
(
なに
)
とてあだに
思
(
おも
)
ふべき。
實
(
じつ
)
は
嬉
(
うれ
)
しく
思
(
おも
)
ひしぞよ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それに致しましても
此度
(
このたび
)
の兵乱にて、
洛中洛外
(
らくちゅうらくがい
)
の諸家諸院の御文書御群書の
類
(
たぐ
)
いの焼亡いたしましたことは、
夥
(
おびただ
)
しいことでございましたろう。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
生涯一度の善事をするつもりで、
此度
(
このたび
)
の公事は取下げて、
半田屋
(
はんだや
)
の
後家
(
ごけ
)
と和解してやれ。——半田屋は、そちが若年の頃に仕えた旧主ではないか。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
浮
(
うか
)
れ車座のまわりをよくする油さし商売は
嫌
(
いや
)
なりと、
此度
(
このたび
)
は
象牙
(
ぞうげ
)
を
柊
(
ひいらぎ
)
に
易
(
か
)
えて
児供
(
こども
)
を相手の
音曲
(
おんぎょく
)
指南
(
しなん
)
、芸は
素
(
もと
)
より鍛錬を
積
(
つみ
)
たり、
品行
(
みもち
)
は
淫
(
みだら
)
ならず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此度
(
このたび
)
徳川の橋詰に
店出
(
みせだし
)
仕り候
家餅
(
いへもち
)
と申すは、本家和歌山屋にて菊の千代と
申弘
(
もうしひろ
)
め来り候も、此度相改め新製を加へ
極
(
ごく
)
あめりかに
仕立
(
したて
)
趣向
仕
(
つかまつ
)
り候処
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此度
(
このたび
)
オフィリヤの残念なる失態に
依
(
よ
)
り、おいとましなければならなくなって、ポローニヤスの胸中には、さまざまの感慨が去来いたして居ります。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
俺
(
わし
)
は
古
(
ふる
)
くからこの
瀑布
(
たき
)
を
預
(
あず
)
かっている
老人
(
としより
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
じゃが、
此度
(
このたび
)
縁
(
えん
)
あって
汝
(
そなた
)
を
手元
(
てもと
)
に
預
(
あず
)
かることになって
甚
(
はなは
)
だ
歓
(
よろこ
)
ばしい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
扨
(
さ
)
テ前日、府中ニ触レアッテ
此度
(
このたび
)
双方勝負ノ
贔屓
(
ひいき
)
ヲ禁止セリ。
興長主
(
おきながのかみ
)
武蔵ニ
謂
(
いっ
)
テ
曰
(
いわ
)
ク、明朝辰ノ上刻向島ニ於テ、岩流小次郎ト仕合致スベキ由ヲ
諭
(
さと
)
ス。
巌流島
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
此度
(
このたび
)
は旭川師団より渡辺大尉殿の御来臨を辱うし、農場主側よりは吉岡幾三郎氏代理として松山省一氏、小作方よりは不肖私が出席し、ここに協力一致
不在地主
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
さて、
此度
(
このたび
)
、都へと、一家
揃
(
そろ
)
つての旅ですが、これは或ひは一家にとつて単なる旅では無くなるかもしれません。
秋の夜がたり
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
然
(
しか
)
るに
此度
(
このたび
)
御物産の起りは、下拙一人の胸中より出づる事にて、御世話方の者残らず下拙の親類門人の者にて候へば、何事も皆今日は下拙に相談の上にて事を
志士と経済
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
卿
(
おこと
)
の
心
(
こゝろ
)
さへ
變
(
かは
)
らずば、
女々
(
めゝ
)
しい
臆病心
(
おくびゃうごゝろ
)
の
爲
(
ため
)
に、
敢行
(
しての
)
くる
勇氣
(
ゆうき
)
さへ
弛
(
ゆる
)
まなんだら、
此度
(
このたび
)
の
耻辱
(
はぢ
)
は
脱
(
のが
)
れられうぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
汝
(
なんぢ
)
、
此度
(
このたび
)
の
使命
(
しめい
)
の
成敗
(
せいばい
)
は、
我
(
わ
)
が
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
が、
日本帝國
(
につぽんていこく
)
の
守護
(
まもり
)
として、
世
(
よ
)
に
現出
(
げんしゆつ
)
する
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るか、
否
(
いな
)
かの
分
(
わか
)
れ
目
(
め
)
であるぞ。
極
(
きは
)
めて
機敏
(
きびん
)
に、
極
(
きは
)
めて
愼重
(
しんちよう
)
なれ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此度
(
このたび
)
の難産の
後
(
あと
)
、奥方は
身体
(
からだ
)
がげつそり
弱
(
よわ
)
つて、耳も少し遠く成り、気性までが一変して陰気に成つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
閣下に直接知って戴いた上其の罪に服し
度
(
た
)
いとの希望を以て
此度
(
このたび
)
斯
(
こ
)
うして筆を取った次第であります。
陳情書
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
子心
(
こごヽろ
)
にも
義理
(
ぎり
)
に
引
(
ひ
)
かれてか
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
ちて
胡亂胡亂
(
うろうろ
)
するを、
敏
(
さとし
)
いろ/\に
頼
(
たの
)
みて
此度
(
このたび
)
は
封
(
ふう
)
じ
文
(
ぶみ
)
に、あらん
限
(
かぎ
)
りの
言葉
(
ことば
)
を
如何
(
いか
)
に
書
(
か
)
きけん、
文章
(
ぶんしやう
)
の
艶麗
(
えんれい
)
は
評判
(
ひやうばん
)
の
男
(
をとこ
)
なりしが。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あなたが決して嘘を申されたとは思いませんが、
此度
(
このたび
)
あなたのなされた態度は無情なものです。
あめんちあ
(新字新仮名)
/
富ノ沢麟太郎
(著)
されば
此度
(
このたび
)
の
一條
(
いちでう
)
は
日本國中
(
につぽんこくちう
)
の
知者
(
ちしや
)
と
馬鹿者
(
ばかもの
)
とを
區別
(
くべつ
)
する
吟味
(
ぎんみ
)
の
問題
(
もんだい
)
といふも
可
(
か
)
なり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「閣下、実は旧冬から九州へ出掛けましたので——或は新聞上で御覧になりましたことかとも愚察
仕
(
つかまつ
)
りまするが、
此度
(
このたび
)
愈々
(
いよ/\
)
炭山坑夫の同盟罷工が始まりさうなので御座りまして——」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
自分にても
此度
(
こんど
)
は
迚
(
とて
)
も全治すべからざるを悟りて、予に懇切に乞うて曰く、
此度
(
このたび
)
は决する事あり、依て又一に面会して能く我等夫婦が牧塲に関する
素願
(
そがん
)
たるの詳細を告げ示し置きたし
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
其後一年ほど過ぎて
此男
(
このおとこ
)
の
部屋
(
へや
)
何か騒がしく、
宥
(
ゆる
)
して下されと叫ぶ。人々出て見しに早くも影無し。
此度
(
このたび
)
も半月ほど過ぎて
越後
(
えちご
)
より帰りしが、山の上にてかの国の城下の火災を見たりと云ふ。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その後三年許りの間に、老母の死によって蒙った家政上の欠陥を恢復し、女学校を出た光子の身なりをととのえ、更に
此度
(
このたび
)
の彼女の病気に心ゆく手当を施すだけの収入は、勿論得られなかった。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
拙者
(
わし
)
は
此度
(
このたび
)
九国への遍歴を思い立ち、
素
(
もと
)
より絵かきの気楽な境涯も
早
(
はや
)
親兄への
暇乞
(
いとまごい
)
も済まし、其方と今宵語り明して、明朝直ちに
発足
(
ほっそく
)
なそうと、御覧ぜられえ、此の通り旅の姿をいたして居る。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
生れてより
神仏
(
かみほとけ
)
を頼み
候事
(
さふらふこと
)
とては一度も
無御座候
(
ござなくさふら
)
へども、
此度
(
このたび
)
ばかりはつくづく一心に祈念致し、
吾命
(
わがいのち
)
を縮め
候代
(
さふらふかはり
)
に、必ず此文は
御目
(
おんめ
)
に触れ候やうにと、それをば力に病中ながら筆取りまゐらせ候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
それに致しましても
此度
(
このたび
)
の兵乱にて、
洛中洛外
(
らくちゅうらくがい
)
の諸家諸院の御文書御群書の
類
(
たぐ
)
ひの焼亡いたしましたことは、
夥
(
おびただ
)
しいことでございましたらう。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
此度
(
このたび
)
英照皇太后陛下
(
えいせうくわうたいごうへいか
)
の
御大喪
(
ごたいさう
)
に
就
(
つ
)
きましては、
日本国中
(
にほんこくぢう
)
の
人民
(
じんみん
)
は
何社
(
なにしや
)
でも、
総代
(
そうだい
)
として一
名
(
めい
)
づゝ
御拝観
(
ごはいかん
)
の
為
(
た
)
めに
京都
(
きやうと
)
へ出す事に
相成
(
あひな
)
りました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
も
伴
(
ともな
)
ひ奉つれり依て
御生長
(
ごせいちやう
)
の土地は美濃國にて候
此度
(
このたび
)
受戒
(
じゆかい
)
得道
(
とくだう
)
なし奉つり常樂院の
後住
(
ごぢう
)
にも
直
(
なほ
)
し申べくと存じ候得ども
正
(
まさ
)
しく當將軍の
御落胤
(
ごらくいん
)
たるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
御用
(
ごよう
)
の
趣
(
おもむき
)
餘
(
よ
)
の
儀
(
ぎ
)
にあらず、
其方達
(
そのはうたち
)
も
豫
(
かね
)
て
存
(
ぞん
)
ずる
如
(
ごと
)
く
豆州
(
づしう
)
御勝手許
(
おかつてもと
)
不如意
(
ふによい
)
につき、
此度
(
このたび
)
御改革
(
ごかいかく
)
相成
(
あひな
)
る
奉行
(
ぶぎやう
)
の
儀
(
ぎ
)
、
我等
(
われら
)
相談
(
さうだん
)
の
上
(
うへ
)
にて、
杢
(
もく
)
汝
(
なんぢ
)
に
申付
(
まをしつ
)
くるぞ
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『何。——土屋殿は、いつ高家衆になられた。お許は、土屋殿のお指図をもって、
此度
(
このたび
)
の饗応を勤めらるる御所存か』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此度
(
このたび
)
小生に
於
(
おい
)
て、買占め置き
候
(
そうろう
)
貴下に対する債権に
就
(
つい
)
て、
御懇談
(
ごこんだん
)
いたしたきこと
有之
(
これあり
)
、
且
(
か
)
つ先日杉野
子爵
(
ししゃく
)
を介して、申上げたる件に付きても、重々の
行違
(
ゆきちがい
)
有之
(
これあり
)
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
此度
(
このたび
)
の
企
(
くはだて
)
は
残賊
(
ざんぞく
)
を
誅
(
ちゆう
)
して
禍害
(
くわがい
)
を
絶
(
た
)
つと云ふ事と、
私蓄
(
しちく
)
を
発
(
あば
)
いて
陥溺
(
かんでき
)
を救ふと云ふ事との二つを
志
(
こゝろざ
)
した者である。
然
(
しか
)
るに
彼
(
かれ
)
は
全
(
まつた
)
く敗れ、
此
(
これ
)
は成るに
垂
(
なん/\
)
として
挫
(
くじ
)
けた。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今
(
いま
)
から三四
時間
(
じかん
)
の
後
(
のち
)
には、
目的
(
もくてき
)
のコロンボ
市
(
し
)
の
附近
(
ふきん
)
に
降下
(
かうか
)
して、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
より
委任
(
いにん
)
されたる、
此度
(
このたび
)
の
大役
(
たいやく
)
をも
首尾
(
しゆび
)
よく
果
(
はた
)
す
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
るであらうと、
互
(
たがひ
)
に
喜悦
(
きえつ
)
の
眉
(
まゆ
)
を
展
(
ひら
)
く
時
(
とき
)
しも
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
さりとて
無情
(
つれなく
)
は
投
(
なげ
)
かへしもせねど、
披
(
ひ
)
らきて
讀
(
よ
)
みしや
否
(
いな
)
や
甚
(
じん
)
之
助
(
すけ
)
が
答
(
こた
)
へぶりの
果敢
(
はか
)
なさに、
此度
(
このたび
)
こそと
書
(
かき
)
たるは、
長
(
なが
)
さ
尋
(
ひろ
)
にあまり
思
(
おも
)
ひ
筆
(
ふで
)
にあふれて、
我
(
わ
)
れながら
斯
(
か
)
くまでも
迷
(
まよ
)
ふ
物
(
もの
)
かと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此度
(
このたび
)
の
改暦
(
かいれき
)
にても
其譯
(
そのわけ
)
を
知
(
し
)
らずして十二月の三日が正月の
元日
(
ぐわんじつ
)
になると
計
(
ばか
)
りいふて、
夢中
(
むちう
)
にこれを
聞
(
き
)
き
夢中
(
むちう
)
にこれを
傳
(
つた
)
へなば
實
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
くべき
事
(
こと
)
なれども、
平生
(
へいぜい
)
より
人
(
ひと
)
の
讀
(
よ
)
むべき
書物
(
しよもつ
)
を
讀
(
よ
)
み
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
此度
(
このたび
)
の事件に
就
(
つい
)
ては、見す見す間違った推断によって
罪
(
つみ
)
せられんとする我学界の長者を救うものは、偶然にもその現場に
居合
(
いあわ
)
して、一寸した証拠物件を手に入れた、この私の外にないと信ずるが故に
一枚の切符
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
此度
(
このたび
)
は
備前
(
びぜん
)
摺鉢
(
すりばち
)
底抜けて、池田宰相味噌をつけたり
鍵屋の辻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
の
炎燄
(
ほむら
)
を
吐
(
は
)
く
折
(
をり
)
から、
將軍
(
しやうぐん
)
此度
(
このたび
)
桃太
(
もゝた
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
御免
(
ごめん
)
なさい。「ハイ。「
扨
(
さて
)
誠にどうもモウ
此度
(
このたび
)
は
御苦労様
(
ごくらうさま
)
のことでございます、
実
(
じつ
)
に
何
(
ど
)
うも
云
(
い
)
ひやうのない
貴方
(
あなた
)
は
冥加至極
(
みやうがしごく
)
のお
身
(
み
)
の
上
(
うへ
)
でげすな。 ...
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
以て大坂へ申
越
(
こせ
)
ば然ば急々上京すべし尤とも
此度
(
このたび
)
は大坂表へ
繰込
(
くりこみ
)
の
節
(
せつ
)
より
一際
(
ひときは
)
目立樣にすべしと
伊賀亮
(
いがのすけ
)
は萬端に心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
瓦
(
かわら
)
を
葺
(
ふ
)
き土を塗り固めたお倉でございますので、まあ
此度
(
このたび
)
も
大事
(
だいじ
)
はあるまいと、
太閤
(
たいこう
)
さまもこれには一さい手をお触れにならず、わざわざこのわたくしを召出されて
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
宿将
飯富
(
おぶ
)
兵部等、「先年以来未だ一度も手詰の御合戦なし。
此度
(
このたび
)
是非とも、御一戦しかるべし」
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
仏壇にいたのは、全く偶然だと申しておりました。ところが、
翌朝
(
よくちょう
)
になって仏壇を見ますると、蛇はちゃんと帰っているのでございます。わたくしも
此度
(
このたび
)
は前より一層驚きました。
蛇
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(——此一大事、成就仕らず候わば、
此度
(
このたび
)
退散の大臆病者と同然に相成る可く候事)
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
右
(
みぎ
)
の
次第
(
しだい
)
にて
此度
(
このたび
)
大陰暦
(
たいゝんれき
)
を
改
(
あらた
)
めて
大陽暦
(
たいやうれき
)
と
爲
(
な
)
し
俄
(
にはか
)
に二十七日の
差
(
さ
)
を
起
(
おこ
)
したれども
少
(
すこ
)
しも
怪
(
あやし
)
むに
足
(
た
)
らず。
事實
(
じゞつ
)
の
損
(
そん
)
にもあらず、
徳
(
とく
)
にもあらず、千萬歳の
後
(
のち
)
に
至
(
いた
)
るまで
世
(
よ
)
の
便利
(
べんり
)
を
増
(
ま
)
したるなり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
町子
(
まちこ
)
は
俄
(
には
)
かに
物
(
もの
)
のおそろしく、
立
(
たち
)
あがつて二
足
(
あし
)
三
足
(
あし
)
、
母屋
(
おもや
)
の
方
(
かた
)
へ
歸
(
かへ
)
らんと
爲
(
し
)
たりしが、
引止
(
ひきと
)
められるやうに
立止
(
たちど
)
まつて、
此度
(
このたび
)
は
狛犬
(
こまいぬ
)
の
臺石
(
だいいし
)
に
寄
(
より
)
かゝり、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
もれ
來
(
く
)
る
坐敷
(
ざしき
)
の
騷
(
わさ
)
ぎを
遙
(
はる
)
かに
聞
(
き
)
いて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“此”で始まる語句
此方
此
此処
此家
此奴
此處
此所
此間
此頃
此様